本宮大社から石段を降り、参道を通って大鳥居をくぐると、本宮大社の旧社地
「大斎原(おおゆのはら)」に出る。熊野川右岸にある。中央部に石祠があるほかは一面草原となっている。
案内板によると、中世に流行した「熊野御幸」の聖地。宇多上皇から亀山上皇に至るまで、歴代上皇、法皇、
女院の行幸啓は、百数度に及んだ。
奈良時代から本地垂迹説導入により、熊野三所権現、あるいは熊野十二社権現と称され、隆盛を極めた。
時宗の開祖・一遍上人も本宮大社証誠(しょうじょう)殿で、熊野神勅を授かり、成道したと伝えられる。
明治22年の大水害で、八神殿が倒壊、石祠に祀り、主神の四神殿を700メートル上流の高台に遷した。
【写真は草原が広がる大斎原、右手奥が石祠】