World > Latin America > Caribe > Dominica Rep. | ||||||||||||||||
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Artist | ||||||||||||||||
WILFRIDO VARGAS |
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Title | ||||||||||||||||
HOY |
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Review |
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過激さでは、89年の"ANIMATION"以来の野心作。元ロス・ベドゥイーノスのベーシスト、チェリー・ヒメネスとの共同プロデュースで臨んだ本盤には、キーマンとなるミュージカル・ディレクターに新進気鋭のミュージシャン、チェリーXを起用。ウィルフリード・サウンドの大胆な刷新を図った。 ヒメネスは、80年代にウィルフリードがプロデュースしたユニット、ラス・チカス・デル・カンやニューヨーク・バンドの近作をプロデュースしており、そこでもディレクター、アレンジャーとしてチェリーXを使っている。また、本盤と同じ年にリリースされたチェリーXのソロ・アルバムをプロデュースしたのもヒメネスである。 こうしたことから、チェリーXをウィルフリードに引き合わせたのはヒメネスとみてまずまちがいなかろう。したがって、本盤は、楽曲の選定からミュージシャンの人選にいたるまで、かなりの程度、ヒメネス〜チェリーXのラインでおこなわれ、ウィルフリードは一歩ひいてスーパーバイザー的な立場に回ったのではないだろうか。 その証拠に、全10曲中、ヒメネスとチェリーXの共作が4曲をしめ、それらのアレンジはすべてチェリーXがあたっている。なかでも、ハウスっぽいノリにラップがかぶさる異色作'CANDELA BESTIAL'と'ALALALELE'の2曲では、コンガとホーン・セクションを除けば、ピアノ、ベース、打ちこみ、ラップとほとんどチェリーXのひとり舞台。また、'CANDELA BESTIAL'と'TU NO FACTURAS'で、活きのいいスパニッシュ・ラップを披露しているロス・イントカブレスのスパッガマフィンとラ・ラーサもチェリーXつながりである。 このようにチェリーXの存在感がひときわ群を抜いているのとは対照的に、肝心のウィルフリードは歌でわずか3曲に参加しているのみ。これではわざわざウィルフリードのソロ・アルバムとうたった意味さえわからなくなってしまう。それとも、ウィルフリードは「ただ、そこにいる」というだけで十分に存在感をしめすことができるメレンゲ界の森繁にでもなったと解釈すべきなのだろうか。 アルバムとしての出来でいうなら、90年代では"EL EXTRATERRESTRE"と並ぶ好盤だとは思うのだが、なんか割りきれない気持ち。 ちなみに'ME DEJASTE'でリード・ヴォーカルをとっているアウストゥラリアナ・バルガスは、"DOS GENERACIONES"で本格的デビューを飾ったウィルフリードの娘アリンナ・バルガス。 |
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(10.23.02) |
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