お料理



   

      お待たせいたしました。8月より又「奥薗壽子(としこ)の読むレシピ」第2弾を
     掲載することとなりました。前回同様楽しく読んでいただき、お食事つくりの
     参考にしていただければと思っております。
      お料理に対するいろいろなエピソードなどございましたら掲示板等で
     お知らせください。
   


目次


今までの掲載分(1)

 ・ ・ ・ ・ ・ (2)

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(平成27年7月17日更新)

(第67回)

レシピノートの話



 実は、私、すごい記録魔なんです。しかも、こと料理に関することだけ。自分の作ったもの、食べたもの、ことごとく記録しないと落ち着かないという、かなりの重症。

 最初のころは、手当たり次第に大学ノートや紙や手帳にレシピや食べたものを書き留めていたのですが、書き留めたものが行方不明になったり、どこに書いたのか分からなくなることがよくあり、これではいけないと思って、項目ごとのノートを作ったんです。おかずレシピ、魚料理レシピ、お菓子レシピ、みたいな。

 ところが、整理する時って、細かく分類すればするほどわずらわしさが増えるばかりで、どこにしまったかわからなくなるもので。つまり、朝食にもなるケーキは、パンなどのお菓子なのか、魚と野菜を使った料理は魚に分類するべきか野菜に分類するべきか。後から調べるにも、どこに書いたか、とってもわかりづらい。

 どうすれば、ストレスなく大好きな記録ができて、後で見返した時に、わかりやすく記録ができるのか、あれこれ考えまして、行き着いた結論は、分類せず、1冊にまとめる、と言うことでした。

 最初は、ルーズリーフ用のファイルで、どんどんページが増やせるものを使っていたのですが、これだと、どんどん紙を増やしてしまうために、逆に入れられるだけページを入れて、パンパンになってしまうことが判明。これではいけないと、もう一度このやり方を見直しまして、1年分のダイアリーが付いているビジネス手帳に行きつきました。これが5年前。

 ビジネス手帳を使って、日々のレシピを整理する方法、もう少し詳しくお話しします。。

 使っているのは15×21センチの、ごくごく普通のビジネス手帳。ページを開くと、左側に1週間のカレンダーが縦に並んでいて、右側のページはフリースペースになっています。そこに私は縦横に線を引きまして、見開き、横一列を一日分のスペースとし、それを更に六等分して、その日の仕事のスケジュール、その日にやらなければならないこと、その日一日食べたもの、そして、残りのスペースにその日作った料理の記録を書くことにしています。その日作ったレシピの横には、ボールペンの色を変えて、出来上がりの善し悪しや、家族の反応、料理の手順や味の感想なども書き足していきます。書くことがたくさんあるので、かなり小さい字で、びっしり書き込むことになります。

 料理のレシピって、こんなめんどくさいことをするより、パソコンで整理したほうが、はるかに簡単でちゃんと整理できるのにと思われるかもしれませんが、実はそうでもないんですね。料理レシピのように、少しずつ調味料や食材などが変化していくようなものは、そのつど記録して、どこをどんな風に改良したのか、その足跡を残していくほうが、後々使えるのです。パソコンで整理してしまうと、修正したレシピなのか、修正する前のレシピなのかもわからないし、自分が前に失敗したレシピを、再度見直す作業も、パソコンではできないのです。

 たとえば定番の肉じゃがとしたら、にんじんが入ったり、糸こんにゃくが入ったり、あるときは玉ねぎがたっぷりで、ある時は長ねぎになったり。その一つ一つ、どれが一番おいしいかなんて、優劣をつける必要はないから、全部ノートにかいちゃう。そうすると、それがそのまま我が家のアジの歴史となるってわけ。

 また、この記録方法のいいところは、暮らしてきた時間通りに記録が残されているので、同じ季節の記録をみるだけで、今作るべき料理や食材が思い浮かぶところ。去年は、もうこんな時期に冷し中華を食べてたんだとか、こんな時期におでんを作り始めてる!!とか。

 大事なことは、記録するノートが1年にこれ1冊というところ。毎年毎年、自分の1年分の時間がぎゅっと詰まったノートが1冊ずつ増えていく、これもまた、楽しみだったりするのです。(終り)

   
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(平成27年7月8日更新)

(第66回)

レシピの作り方の話



 「どうやってレシピをかんがえるのですか」

 という質問をよく受けます。確かに普通に家族のために料理を作るだけなら、そんなにたくさんのレパートリーは必要ありませんが、これを仕事にしているから何百ものレパートリーがいるわけです。

 レシピを考え付く方法は人それぞれで、外でおいしいものを食べて舌で覚え、自分なりに作ってみる人もいれば、海外に行って料理のレパートリーを仕入れてくる方もいると思います。

 けれど、私の場合、料理のジャンルが家庭料理、しかも日本の家庭料理なので、基本的にはお店の料理はほとんど参考になりません。なぜなら、お店の料理は手がかかりすぎていたり、食材の良さが味の決め手になっていたりするから。家庭料理は近所のスーパーで当たり前に買える食材をつかい、料理ができる人でもできない人でも、失敗無く作れるものでないといけないと思っているのです。

 また外国の本格料理も、日本の家庭料理としては定番になりにくいと思っています。確かに、いまやイタリアンも、エスニックも、かなり本格的なものを家で作るようになってきていますが、1回だけしか使わないような特殊な調味料を使ったレシピは極力避けたいと思っているのです。つまり、そういうレシピを知りたい人は、もっとその国の料理に精通した先生のレシピを参考にされた方が良いし、日本の家庭料理は、できる限り醤油、味噌、みりん、酒といった、食べなれた基本の調味料をベースに味付けたほうがいいのではと思っているからです。

 そうなると、家庭料理研究家の私が、レシピを考える際の糸口になるものは何かということになりますが、それはずばり、近所の普通のスーパーや商店街なのです。時間の許す限り、ただひたすらお店を見て回り、今何が安いか、何が売れているか、お店に来ている人が何を買っているか、素材を買って料理している人の割合、できあいのインスタントのものを使っている人の割合、年代、そういうものをひたすら自分の足と目でリサーチするのです。それが、私のレシピ作りの基本であり、土台なのです。

 そうして、その季節に料理するべき食材、その時々で安売りになっている食材の中から、毎日、いくつかを選び出し、家族の為に夕飯として作るわけです。この辺は、もう普通の主婦と一緒。安くて旬のものをいかにおいしく料理するか、どう料理するか、わくわくしながら料理を考えます。

 たとえば、新キャベツの時期なら、サラダで食べるのが良いかな、サラダならどんなドレッシングがいいかな、キャベツだけのサラダがいいかな、それかお肉や魚と合わせて、それだけでもおかずになるようなボリュームサラダがいいかな、といった具合に。

 そして、料理するときは、丁寧に記録を残す。家族のために作っているふつうのおかずなんだけれど、使った食材、入れた調味料の分量、加熱した時間等々。そして、時間をあけて、少しやり方を変えたり、調味料の配合を変えて、何回か作る。ここがおそらくプロの料理研究家としての仕事なんだと思います。記録を残しつつ、いろんなパターンを試し、少しずつ、レシピの微調整をしていくわけです。

 1回でうまくいく料理もあれば、4〜5回作っても、なぜか気に入らない料理もあります。けれど、そのどちらも、必ず繰り返し繰り返し作り続けます。繰り返し作って初めてわかることも多く、ここの手順はムダだなとか、この調味料は入れなくてもいいなとか。そしてなにより、私自身が繰り返し作り続けけられてこそ、レシピとして成立するとさえ思っているのです。

 ごく普通の食材を使っていて、手順や作業に無駄がなく、味付けがシンプルで、洗いものやごみが少ない。野菜を切っているときから、流れるように体が自然に動く感じ。作りながら自然とニコニコ笑顔になる。忘れた頃にふとまた作りたくなる、そんなレシピが理想かな。(終り)

   
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(平成27年6月6日更新)

(第65回)

料理を楽しくするコツの話



 一日一つ、何か新しいことに挑戦しよう、と決めて、もうかれこれ20年くらいたちます。

 そんなことを思った、そもそものきっかけは息子が生まれたこと。赤ちゃんって、毎日毎日、ものすごいスピードで成長しますよね。初めて笑ったとか、ストローで飲めるようになったとか、人見知りしたとか、こっち見て笑ったとか。それを見ていると、自分自身はどうなのかとあるとき思いまして、あくせく忙しくしている割に、ちっとも成長しておらず、毎日毎日同じことをこなすことで精一杯。子供の成長のスピードに完全に負けているじゃないの。

 でも、大人になってから成長するなんて、無理じゃないのかな。大人になったら、あとは老化という下り坂しかないんじゃないのかな。一瞬そんな思いが頭の中をよぎりましたが、次の瞬間、いや、違う違うと大きく否定しているもう一人の自分がいたわけです。ほんの少しの努力で、少しずつでも成長し続けることはできるはず。

 そこで、とにかく一日一つ、新しいことに挑戦することにしてみたのでした。その小さな挑戦で、小さな発見をし、ほんのささやかな成長をしたいと思ったのでした。

 新しい挑戦といっても、ホントにささやかな、他人から見たらくだらないと言われてしまいそうなことばかり。たとえば、オープントースターで焼いていた食パンを、今日はフライパンで焼いてみたり、次の日は餅焼き網で焼いてみたり、その次の日は魚焼きグリルで焼いてみたり。

 やかんの水が何分で沸騰するか時間を計ってみたりとか、味噌汁を作る鍋でごはんを炊いてみたりとか、いつもの肉じゃがをかぼちゃで作ってみたりとか、いつもは捨てていたキャベツの芯や外の葉を塩もみして漬物にしてみたりとか。いつも作るくクッキーの砂糖の量をうーんと減らしてみたりとか、乾物を戻さず食べてみたりとか。味噌汁の煮干を思いっきりいっぱい入れたらどうなるかとか。

 もちろんうまくいくことばかりではなく、どうしようもない結果になることもしばしば。でも失敗した日は、うまくいかなかったってことを知ることができたことで、自分としては、ほんの少し成長したことに違いはないわけですから、自分としては、よしよし、よくやったと幸せな気持ちになるのでした。

 ちりも積もれば山となる。こんなくだらないささやかな挑戦でも、毎日毎日続けていると、一年で365個の挑戦をすることになり、十年たてば3650、二十年で7300の挑戦をしてきたことになります。その結果はというと、どんな道具を使っても、上手に食パンが焼け、どんな道具でもおいしいごはんが炊けるようになるものです。味噌汁の煮干の量も、自由自在に加減でき、きっちり計量しないといけないと言われているお菓子のレシピだって、プラスマイナス20グラムくらい誤差があっても、そんなめちゃめちゃ変なものはできないと言い切る自信(?)もつきました。野菜のへたも芯も、わからないように使い切るアイデアも、たくさんストックしています。そしてなにより一番大きな収穫は、毎日毎日、今日は何に挑戦してみようかとわくわくしながら台所に立てたこと。もちろんいまもそうです。

 料理が嫌いとか苦痛とか、マンネリでやる気がでない、という話を聞くことがありますが、ちょっとだけやる気を出して、一日一つだけ、新しい料理に挑戦してみるっていうはどうでしょう。同じ野菜炒めを作るのでも、野菜の切り方を変えてみるとか、塩を入れるタイミングを変えてみるとか、肉と野菜を炒める順番を変えてみるとか。家族がその変化に気付かないくらいの変化でも、作っている本人は、けっこうわくわくするものです。いつもと違うおいしさをそこで発見したら、また新たな挑戦のテーマが見つかるはず。そうして、ある時、あれ、料理って意外に面白いじゃん、ってことになっていると、思うんだけどな。(終り)

   
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(平成27年5月7日更新)

(第64回)

葛きり

ひんやりもともとのど越し最高

材料(4人分)

               葛粉・・・・・・・・・・・・・50グラム
               水・・・・・・・・・・・・・・150グラム
               黒蜜(市販)・・・・・・・・・適宜1個
                                                                                                                      



【コメント】
 京都へ行った。おいしい京料理をいただいた。気持は満足していた。けれど、仕上げに何か、つるんとした冷たいものが食べたくなって、そうだ、葛きりだ!!ということになった。

 「葛きり、葛きり」。口の中でつぶやくと、ますます食べたくなる。心せくまま、お店に行ってみると、本日の営業は終わりました。ええーっ、ほかのお店はまだやってるのに〜。

 あの冷たくてつるんとした葛きりがのどを通過する感覚が、一瞬にして幻想にかわる。次の日、家に帰ってくるやいなや、取る物もとりあえず、葛きりを作った。

 まずは、葛粉。かたくり粉でも作れないことはないけれど、やっぱり独特のもっちり感は葛粉で作った方が断然おいしい。葛粉50グラムに対し、水150ccを加えてよく混ぜる。

 フライパンに深さ2センチくらいの水を入れて火にかける。そのフライパンに入る大きさのトレ―を用意して、水で溶いた葛粉をお玉1杯分くらい流し入れたら、そのままフライパンのお湯の中にそっと浮かべる。

 トレ―の中の乳白色の液体は、やがてみるみる透明に変わる。そうしたら、トングでトレ―をお湯の中にそっと沈めて、中にお湯を入れる。そうすると、中の液体はますます透明度を増し、一瞬、お湯と同化する。

 そうなったら、トレーを引き上げ、水をはったボウルにドボンとつける。そして、トレーの底に張り付いた半透明のビラビラしたものを丁寧にめくり取る。これを包丁で食べやすく切れば、葛きりの出来上がり。これを何回も繰り返す。

 葛まんじゅうを作るとなると、この倍量の水で葛粉を溶いて、鍋の中で力を入れて練らないといけないので、結構大変。葛きりを考えた人は、葛のお菓子を何とか早く食べたくて仕方なかったのかな。

 さて、大き目の鉢にたっぷりの氷を入れ、葛きりを入れる。このとき、氷をケチってはいけない。冷蔵庫に入れず、たっぷりの氷で一瞬にして冷してこそ、葛きりはおいしい。

 市販の黒蜜を小さな器に入れ、氷水の中から葛きりをすくい上げては、蜜に絡めて食べる。きしめん状に太めに切った葛きりは、蜜がたっぷりとからまる。ひんやりもちもちしたものが口の中に入ったかと思うと、つるりとのどを通り過ぎる。

 甘く冷たい後味が口の中に残り、なぜかちょっと切ないような気持ちになる。またすぐにひんやりした食感がほしくなって、また一口。一人、葛きりを食べる真夜中の台所。静かに秋の夜が更けていった。(終り)

   
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(平成27年4月5日更新)

(第63回)

つくね豆腐のあんかけ

フライパン使えばうまみたっぷり

材料(4人分)

            (A)絹ごし豆腐・・・・・・・・・・・・・1丁
               鶏ひき肉・・・・・・・・・・・・・・200グラム
               卵・・・・・・・・・・・・・・・・・1個
               青ねぎ(小口切り)・・・・・・・・・たっぷり
               しょうが(すり下ろし)・・・・・・・1かけ
               干ししいたけ(手で砕いて)・・・・・4枚
               かたくり粉・・・・・・・・・・・・・大1
               醤油・・・・・・・・・・・・・・・・大1
            ごま油・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
            水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1カップ
            (B)醤油・・・・・・・・・・・・・・・・大1
               みりん・・・・・・・・・・・・・・・大1
               水溶きかたくり粉・・・・・・・・・・適宜
               おろししょうが、ポン酢醤油など
                                                                                                       



【コメント】
 「ああ〜、やわらかくっておいしいな〜」

 ある時期から、母がよく、そんな言葉を口にするようになりました。おいしいなあ〜と思う要素って、味付けとか、食材の質とか、食べる雰囲気とか、温度とか、いろいろあると思うのですが、年齢とともに、“やわらかい=おいしい”っていう感覚は、大きくなっていく気がしますねえ。

 そこで、噛まなくても、とろりとのどを通って行く、つくね豆腐のあんかけを作ることにしました。準備する材料は、絹ごし豆腐1丁、鶏ひき肉200グラム、卵、青ねぎ、しょうが、干ししいたけなど。では、作っていきましょう。

 まずはボウルに豆腐、鶏ひき肉、卵と、かたくり粉、醤油各大さじ1杯、しょうがのすり下ろし1かけ分を入れて、よーく混ぜます。ぐちゃぐちゃと混ざったら、干ししいたけ3〜4枚を、軸を取って、傘の部分だけをポキポキと折ながら入れ、さらに青ねぎの小口切りも混ぜます。

 干ししいたけを乾いたまま砕いて入れることで、豆腐の水切りをしなくても吸ってくれ、さらにうまみもばっちりアップするというわけです。

 ここまで準備ができたら、フライパンを火にかけて、ごま油を大さじ1杯入れ、この豆腐生地を入れて、フライパンいっぱいに広げます。そして、ふたをして蒸し焼きにすること5〜10分。なんとなく全体が固まってきたら、鍋肌から水1カップを注ぎ入れ、再びふたをして蒸し煮にします。

 フライパンいっぱいに広げた豆腐入りのつくね。これだけでもちょっとすごい光景ですが、ここに水を入れたのには訳があるのです。あんかけですから、普通は別の鍋にだしを入れ、上からかけるあんを作るところですが、ここに水を入れることで、ひき肉と干ししいたけ入りの豆腐からうまみがたっぷりしみ出しますので、別にだしをとる必要がないのですねえ〜。

 木べらでつくねを押して、ふんわりと固まっていたら、つくねだけを取り出します。ケーキ見たいに放射線状に八等分すれば、一人二切れ。簡単です。

 残った煮汁には、醤油、みりん各大さじ一杯を入れて味を調え、水溶きかたくり粉でとろみをつければ、ほらね、うまみたっぷりのおいしいあんがフライパンひとつでできたでしょ。これを取り出しておいたつくねにたっぷりかけ、最後に下ろししょうがなどのせれば出来上がり。フライパンひとつで作ったとは絶対にバレないご馳走です。(終り)

   
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(平成27年3月5日更新)

(第62回)

カレービーフン

コクと香り、夏休みの最後にぴったり

材料(4人分)

            ビーフン・・・・・・・・・・・・・150グラム
            (A)豚バラ薄切り・・・・・・・・・・150グラム
               塩・・・・・・・・・・・・・・・小2分の1
            (B)えび・・・・・・・・・・・・・・150グラム
               塩、こしょう、酒2
            (C)水・・・・・・・・・・・・・・・100t
               ウスターソース・・・・・・・・・・大4
               オイスターソース・・・・・・・・・大1
               カレー粉・・・・・・・・・・・・・・・・ 大1
               ごま油・・・・・・・・・・・大1
            にんにく、しょうが・・・・・・・・・・・・・各1かけ
            キャベツ、ねぎ、にんじん、ニラなど
                                                                                                       



【コメント】
 「もう、終わりですねえ」

 「いよいよ、新学期ですねえ」

 スーパーに行くと、あちこちでこんな会話が聞こえてきます。8月の終わりって、やれやれっていう感じと、もう・・・って感じと、なぜか寂しいような気持ちも入り交じって、ちょっと複雑。そこで、ワーッと楽しく食べられるカレービーフンで、夏休みの最後を盛り上げようではありませんか。

 用意する材料は、ビーフン150グラム、豚バラ薄切りとエビもそれぞれ150グラムぐらい、それから、キャベツ、ねぎ、にんじん、ニラなど好みの野菜。

 では、作っていきましょう。ビーフンですが、乾いたまま水に10分くらい漬けてください。ビーフンって、炒めているにとき焦げ付いたりポツポツ切れたりしやすいので、この水で戻すやり方なら、その失敗はありません。これが一つ目のコツ。

 その間に豚バラ肉を一口大に切って、塩小さじ2分の1杯をもみ込みます。フライパンを熱したところに、その肉を入れ、カリカリになるまでじっくり炒めます。このとき、豚ばら肉から脂が出てくるので、油を引く必要はなく、また、ここでじっくり時間をかけて、豚バラを炒めるのが、おいしく作る二つ目のコツでもあります。

 十分脂が出たら、にんにくとしょうがをすり下ろしながら入れ、さらに細切りにした葱も入れて、豚から出てきた脂で炒めます。おおー、この時点で早くも上手そうです。

 細切りにしたにんじん、ざく切りのキャベツも入れたら、さっと炒め、殻をむいて塩、こしょうをしたエビも入れてさっと炒めたら、ふたをして蒸し焼きにします。

 1〜2分してエビに火が通ったら、ここからが三つ目のコツ。野菜をフライパンの縁にやって、フライパンの中心をあけ、ここに水100cc、ウスターソース大さじ4杯、オイスターソース、カレー粉各大さじ1杯を入れます。つまり、フライパンの中に調味料の池を作る感じ。

 そしたら、水を切ったビーフンをそこの池に目がけて入れ、その水分をビーフンに吸わせながら混ぜるのです。つまり、調味料を吸わせながら、ビーフンに火を通すってわけ。わっさわっさ混ぜていると、ビーフンが全部きれいに調味料を吸いますから、そしたら全体を混ぜ、最後にざく切りにしたニラを混ぜ、そして、香り付けのごま油を回しかけたら出来上がり。

 豚バラの脂のコクと、カレーのスパイシーな香り、そしてビーフンの独特の食感。いつもとはちょっと違うごちそう感で、大いに盛り上がること間違いなし。明日から9月。わいわい楽しく食べたら、気持ちも軽やかに、いいスタートが切れそうですよ。(終り)

   
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(平成27年2月6日更新)

(第61回)

和風マーボー豆腐

低カロリーであっさり優しい味

材料(4人分)

            (A)鶏挽肉・・・・・・・・・・・・・100グラム
               塩・・・・・・・・・・・・・・・小2分の1
               醤油・・・・・・・・・・・・・・大1
               みりん・・・・・・・・・・・・・大2
            (B)水・・・・・・・・・・・・・・・1カップ
               昆布・・・・・・・・・・・・・・1×10センチの物1枚
            えのき・・・・・・・・・・・・・・・・ 1袋
            水溶きかたくり粉・・・・・・・・・・・適宜
            豆腐・・・・・・・・・・・・・・・・・1丁
            青ねぎ(小口切り)・・・・・・・・・・たっぷり
            しょうが(すりおろし)・・・・・・・・たっぷり
                                                                                           



【コメント】
 肌寒くなってくると、とろりとした熱々の豆腐料理が恋しくなってきますね。ぴりりと辛いマーボー豆腐もいいですが、今日はもうすこしあっさりと優しい味の和風マーボー豆腐にしてみます。

 用意する材料は、鶏挽肉、えのき、ねぎ、しょうが、そして豆腐。

 まずはフライパン(火にかけない状態で!)に鶏挽肉100グラムを入れたら、塩小さじ2分の1杯、醤油大さじ1杯、みりん大さじ2杯を入れてよく混ぜます。普通、マーボー豆腐を作る時は、たっぷりのごま油で、にんにく、しょうが、ねぎのみじん切りと一緒に豚ひき肉を炒めるところですが、今日は油を使わずにあっさり仕上げようというわけです。また、ひき肉が生のうちに調味料を混ぜると、ひき肉の中までしっかり味が入るし、後でひき肉がふんわりと柔らかく仕上がるんですね。

 ひき肉に調味料が混ざったら、水1カップと昆布(1×10センチくらいのものをキッチンばさみでさらに細く切る)を入れて、ここで初めて火にかけます。

 最初は、何だか変な感じもしますが、ひき肉に火が通ってぽろぽろになったら、煮汁も透き通ってきておいしそうです。そうしたら、ざく切りにしたえのきも入れ、さっと煮えたところで水溶きかたくり粉でとろみをつけます。きのこはしめじやまいたけなど、いろいろとたっぷり取り混ぜてもよいですね。大事なのは、豆腐を入れる前にとろみをつける。ここなんです。とろみがついたら、食べやすく切った豆腐(1丁でも2丁でも)を入れ、ふたをして弱火で蒸し煮にしましょう。

 つまり、とろみのついたあんの中で豆腐を温める感じ。豆腐を入れてから水溶きかたくり粉でとろみをつけると、豆腐がつぶれてしまうし、大体、水溶きかたくり粉が入れにくいですよね。とろみをつけたところに豆腐を入れると、豆腐にすが立たず、とろりと柔らかい口触りに仕上がるのもうれしいところです。

 また、かたくり粉を入れる前に豆腐を入れると、豆腐から水分が出て、どうしても煮汁が水っぽくなるのですが、とろみの後に豆腐を入れると、豆腐から水が出るのも防げるので、味がぼやけないのです。だから、あらかじめ豆腐の水きりなんて、しなくても大丈夫なのです。ほんのちょっとしたことですが、この、ほんのちょっとしたことで、おいしさが大きく変わる、これが料理の面白さでもあります。

 豆腐が中まで熱々になったら、最後に青ねぎの小口切りをたっぷり混ぜ、最後のおろししょうがをのせたら出来上がり。

 美味しいものがたくさんあり過ぎて、ついついあれもこれもと食べ過ぎるこの季節。低カロリーでおなかも心も満足できるこんな1品は、何よりのごちそうです。(終り)

   
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(平成27年1月7日更新)

(第60回)

和風あんかけオムライス

優しいとろみで寒さ乗り切る

材料(2人分)

            (A)鶏挽肉・・・・・・・・・・・・・150グラム
               塩・・・・・・・・・・・・・・・小2分の1
            (B)昆布・・・・・・・・・・・・・・1×10センチの物1枚
               水・・・・・・・・・・・・・・・300CC
               しょうが(すり下ろし)・・・・・1かけ
            (C)醤油・・・・・・・・・・・・・・大1
               みりん・・・・・・・・・・・・・大1〜2
               にんじん(せん切り)・・・・・・2分の1本
               えのき・・・・・・・・・・・・・2分の1袋

               ねぎ(斜め細切り)・・・・・・・2分の1本
            水溶きかたくり粉・・・・・・・・・・・適宜
            卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・3個
            塩、こしょう、ガマ油・・・・・・・・・各適量
            ご飯・・・・・・・・・・・・・・・・・茶碗2杯
                                                                                           



【コメント】
 「私、かたくり粉好きなんです」

 たまたま仕事で知り合った女性が、お昼ご飯を食べながらいきなりかたくり粉の話を始めた。

 「か、かたくり粉?」

 「とろとろしたものに目がないのです。私、自慢じゃないですが、かたくり粉の消費量、めちゃめちゃ多いんです」

 幸せそうにあんかけごはんをほおばる。とにかくうどんであろうがスープであろうが、一日一回はとろみをつけたものを食べないと気がすまないらしい。

 寒くなってくると、おいしそうにあんかけ丼を食べていた彼女の顔が思い出され、無性にどろりとしたものが食べたくなってくる。今日は和風あんかけオムライスを作ろう。

 まずは二人前で鶏挽肉150グラムを鍋に入れ、塩小さじ2分の1杯をよく混ぜる。昆布を細く切って入れたら、水300CCと下ろししょうが1かけ分を入れて混ぜ、ここで初めて火にかける。生のひき肉を水から徐々に加熱することで、スープに鶏のうまみがたっぷりと溶け出す。このとき、時々かき混ぜながら加熱するのがポイント。火にかけたまま、ほったらかしにすると、底に沈んだひき肉がぼこぼこと固まってしまうからね。

 やがてひき肉がぼろぼろになって火が通ったら醤油大さじ1、みりん大さじ1〜2で味を調え、にんじんのせん切りやら、食べやすく切ったえのきやら、あり合わせの野菜を入れて煮る。野菜が柔らかくなったら、いよいよ水溶きかたくり粉でとろみをつけ、最後にねぎを入れればあんの完成。

 ちなみに水溶きかたくり粉は、かたくり粉を同量の水で溶いたもの。水の代わりにお酒を使うと、混ぜた後に、だしが薄まることなく味が良くなる

 あんができあがったところで、ボウルに卵3個を割ほぐし、塩少々で味をつけたら、熱くしてごま油を入れたフライパンに1度に流し入れる。おはしで大きく混ぜて半熟の卵焼きができたら、どんぶりに入ったご飯の上に出す。あとは先ほどのあんをたっぷりかけ、最後におろししょうがをのせて出来上がり。

 卵は、フライパンで焼かず、あんの中に流し入れて、かき玉風に仕上げるのもおいしいのだけれど、ごま油で焼いた卵のおいしさもまた、優しい野菜のあんとよく合う。鶏のうまみたっぷりの野菜のあんと、ごま油のコクと香ばしさのある卵が、白い熱々のごはんともよく合う。

 優しいとろみは、わけもなく優しい気持ちにさせてくれる。これをほおばっている私は、おそらくこのうえなく幸せそうな顔をしているはずだ。彼女も今ごろ幸せな顔をして、どろりとしたもの食べているのかなあ(終り)

   
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(平成26年11月5日更新)

(第59回)

ミートボールのトマト煮

お出かけ前に手っ取り早く

材料(4人分)

            オリーブオイル・・・・・・・・・大1
            にんにく(粗みじん切り)・・・・1かけ
            たまねぎ(薄切り)・・・・・・・1個
            トマト水煮缶・・・・・・・・・・1缶
            酒、または水・・・・・・・・・・1カップ
            味噌・・・・・・・・・・・・・・大1
            醤油・・・・・・・・・・・・・・大2分の1
            (A)豚ひき肉・・・・・・・・・200グラム

               卵・・・・・・・・・・・・1個
               かたくり粉・・・・・・・・大1
               醤油・・・・・・・・・・・大1
               こしょう・・・・・・・・・少々
            しめじ・・・・・・・・・・・・・1パック
            塩、こしょう、みりん・・・・・・好みでパセリ
                                                                                           



【コメント】
 仕事で帰宅が遅くなる日は、夕飯を作ってから出かけるので忙しい。今日は手っ取り早くでき、子供たちにも大好評のミートボールシチューといきましょう。

 まずは、たまねぎ1個を薄切りに。玉ねぎは、バーベキューや焼き肉をする時みたいに、繊維を断ち切るように切ります。このほうが早くとろりと柔らかく煮えるんですね。

 フライパンにオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを入れて火をつけ、いい香りがしてきたら、たまねぎも炒めます。たまねぎがしんなりしたら、トマトの水煮を1缶、どばっと入れ、木べらでトマトをつぶします。空いたトマト缶には日本酒1カップを注ぎ入れ、中をすすいでからフライパンに入れると無駄がありません。

 日本酒1カップは、なんだか多い気もしますが、これがおいしく作るコツ。普通、こういうトマト煮ってワインなんか入れますが、飲み残しのワインがいつも家にあるとはかぎらないし、実は日本酒を入れるほうが、トマトの酸味がまろやかになるんです。しかも、日本酒って、うまみ成分もたっぷりなので、おいしさもぐっとアップ。アルコールは煮込む間に飛ぶので、下戸の人も子供たちも大丈夫ですよ。

 あとは、味噌大さじ1杯と醤油大さじ2分の1杯も入れたら、ふたをして弱火で煮込みます。味噌を早い段階でいれることで、味噌の匂いが飛び、複雑なうまみだけが残るんですね。できれば赤味噌がいいですが、なければ家にある普通の味噌で構いません。

 さて、煮込んでいる間に、肉団子のたね作り。ボウルに豚ひき肉200グラム、卵1個、かたくり粉、醤油各大さじ1杯、こしょうたっぷり、これらを全部入れてよく混ぜるだけ。とろりと緩めにしておくと、食べたときにふんわり柔らかく仕上がるんですね。

 フライパンの中はどうなったでしょうか。たまねぎがとろりと柔らかく煮えています。そうしたら、このたまねぎの上に、スプーンで、ひき肉たねを落としていくわけです。水分がそれほどありませんので、ひき肉がドボンと漬かるというよりは、たまねぎの上に乗っかる感じ。全部きれいに乗せ、後は、ふたをして蒸し煮に。トマトソースの蒸気でお団子に火が通ったら、最後に小房に分けたしめじを入れて、もう一煮。最後に、塩、こしょうで味を調えて出来上がり(酸っぱいときは、みりんか蜂蜜をプラス)。

 所要時間山30分。後は食べるときに温め直して、パンでもごはんでもパスタでも、好きなものを添えて食べてね。彩りのパセリ、もし欲しかったら、ご自分でどうぞ。ではでは、後はよろしく。私はこれで、行ってきま〜す!!(終り)

   
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(平成26年10月5日更新)

(第58回)

京風カレーうどん

きつねがたぬきに“化ける”

材料(4人分)

            (A)水・・・・・・・・・・・・・3カップ
               昆布・・・・・・・1×10センチのもの1枚
               塩・・・・・・・・・・・・・小1
               薄口醤油・・・・・・・・・・大1
               みりん・・・・・・・・・・・大1
            (B)かたくり粉・・・・・・・・・大2
               カレー粉・・・・・・・・・・大1
               日本酒・・・・・・・・・・・大3
            油揚げ・・・・・・・・・・・・・・1枚

            ねぎ・・・・・・・・・・・・・・・たっぷり
            かつお節・・・・・・・・・・・・・1袋(5グラム)
            しょうが(すりおろし)・・・・・・たっぷり
                                                                                                        



【コメント】
 今年は、思いがけないほどの速さで秋になってしまった感じがしますねえ。そうなると、あったかいうどんなんか、急に恋しくなるわけでして。今日は、カレーうどんなんぞ、作ってみようと思ったのです。

 うどんとかそばって結構、地方色豊かな食べ物ですね。生まれも育ちも京都の私は、真っ黒なお汁の関東風のうどんは、なじみがないので正直、作れないのです。なので、私が作るのは、おだしのうまみが効いた京都風のカレーうどん。

 まずは、だし作りから。鍋に3カップの水と昆布を入れて火にかけます。昆布は、短冊状に切ったものを、さらにキッチンばさみで細く切って入れるだけ。細く切ることでうまみがよく出るし、すぐに柔らかくなるので、全部食べられます。短冊切りにするところまでは、買ってきたらすぐにしておくといいですね。

 ふつふつと沸騰してきたら、味付けです。塩小さじ1杯、薄口醤油大さじ1杯、みりん大さじ3杯。薄口醤油がなければ濃い口でもかまいません。豚肉や鶏もも肉を入れる時は、一口大に切って、このタイミングでいれます。でも、油揚げとねぎだけのカレーうどんもまた、あっさりしていておいしいので、今日はシンプルなほうで。

 さて、短冊切りにした油揚げ、そしてうどんを入れて、再び煮ます。その間に、かたくり粉で大さじ2杯とカレー粉大さじ1杯を混ぜたところに、日本酒大さじ3杯加え、カレー風味の酒溶きかたくり粉を作ります。普通、かたくり粉って水で溶くものですが、こういうシンプルな料理の時はお酒で溶くと、うまみが薄まらない上に、風味よく仕上がるのです。

 そうこうするうちにうどんがいい感じでほぐれました。そしたらここでかつお節。小袋パック約5グラムのものを1袋入れます。とろみがついてからだと、うまみが出にくいので、かつお節を入れるタイミングは、かたくり粉の前がお約束。

 最後にカレー入りの酒溶きかたくり粉を回し入れて、ねぎをたっぷり入れたら出来上がりです。最後のここで一気にカレー味になるわけです。器に盛ったら、下ろししょうがを好みでのせて。カレーうどんにしょうがというのが、これまたとってもよく合うのです。

 実はこのカレーうどん、カレー粉を入れずに作ったら、いわゆる京都のたぬきうどん。関東のたぬきうどんは天かすがのっていますが、京都では刻んだ油揚げと、とろみをつけただしの入ったものを、たぬきうどんと呼びます。つまり、きつねうどんにとろみがつくと、たぬきに化けるというわけです。

 きつねからたぬきに、たぬきがカレーに。同じ具なのに、化かされるごとになんだかちょっとごちそう感とわくわく感が増すようで、たかがうどん1杯で愉快な気分になれるのです。(終り)



 
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(平成26年9月2日更新)

(第56回)

タコライス

辛いソースたっぷり

材料(4人分)

          オリーブオイル・・・・・・・・・・大1
          たまねぎ・・・・・・・・・・・・・・・1個
          合いびき肉・・・・・・・・・・・・・300グラム
          にんにく・・・・・・・・・・・・・・・1かけ
          しょうが・・・・・・・・・・・・・・・・1かけ
          トマト・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
          トマトケチャップ・・・・・・・・・大3
          ウスターソース・・・・・・・・・・大3
          塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小1/2
          ベーコン・・・・・・・・・・・・・・・4枚
          タバスコ・・・・・・・・・・・・・・・好みで
          トマト、レタスなど
          粉チーズ・・・・・・・・・・・・・・・好みで
                                                                                           



【コメント】
 毎日毎日、うれしそうにはしゃぎまくっていた娘。ここ2〜3日、日に日に元気がなくなって、自分の部屋にこもりがち。そおーっと部屋をのぞいてみたら、必死の形相で夏休みの宿題と闘っていた。

 その娘、家庭科の宿題をやるという。料理を作って写真を撮らないといけないらしい。散々悩んで、タコライスに決めた。

 タコライスというのは沖縄の料理で、辛い辛いタコのソースと生野菜がご飯にのかっている、あれ。簡単にできて、なによりモリモリ食べられておいしい!!

 まずはたまねぎの皮をむいて、みじん切り。そんなに細かくなくてもOK.ごつごつしたたまねぎが入っているのも、おいしいから。フライパンにオリーブオイルを入れて火にかけ、玉ねぎを炒める。ちょっと透明になったら、あいびき肉をバサッと入れ、さらに炒める。肉の色が大体変わったら、にんにくとしょうがをすり下ろしながら入れ、トマトもすり下ろしながら入れる。

 いよいよ味付け。トマトをすりおろすと、フレッシュなトマトのうまみと香りいっぱいの、おいしいソースになるのだけれど、いかんせん、日本のトマトはピンク種なので、真っ赤なトマトソースにはならない。

 そこでケチャップを大さじ2〜3杯入れ、色と甘みをプラス。後はウスターソースと塩で味を調える。味付けは、ちょっと濃い目くらいでちょうどいい。後でごはんと生野菜を混ぜ混ぜしながら食べるからね。

 最後に火を強めてトマトの水分を飛ばし、全体がとろりとなったら出来上がり。火を止めてからタバスコを混ぜる。タバスコの辛さは加熱するとどんどん飛んでいくので火を止めてから入れるのがポイント。お皿にご飯をよそい、せん切りにしたレタスをたっぷりのせる。その上から作ったソースをたっぷりかける。みじん切りにしたトマトを全体に散らし、粉チーズを上からかけたら出来上がり。う〜ん、めちゃめちゃおいしそう〜!!食べよう食べよう。

 「ひえ〜っ、辛いけど、うま〜い」

 「けど、このひりひりした所にレタスの冷たさが何か幸せな気分になる〜」

 「ほんとほんと。混ぜ混ぜするといい感じ」  もっとレタスとトマトを山盛りのせよう

 「何それ、ご飯がみえなくなってる」

 「いいのいいの。これくらいがおいしいんだから」

 こうして、長くて短かった娘の夏休みは、おいしく幕を閉じたのでありました。(終り)


   
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(平成26年7月3日更新)

(第56回)

グリーンアスパラの炒め物

皮をむいて食べやすく斜め切り

材料(4人分)

  アレンジ・グリーンアスパラと豚肉のオイスターソース炒め
       グリーンアスパラ・・・・・・・・・・・・・・3本
       (A)豚薄切り肉・・・・・・・・・・・・200グラム枚
          かたくり粉・・・・・・・・・・・・・小1
          醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・小1
       ごま油・・・・・・・・・・・・・・小1
       塩、こしょう
       ごま油・・・・・・・・・・・・・・大1
       オイスターソース・・・・・・・・・・・・・・・大1/

   アレンジ・グリーンアスパラとベーコンのチーズ炒め
       グリーンアスパラ・・・・・・・・・・・・・6本
       ベーコン・・・・・・・・・・・・・4枚
       塩、こしょう、オリーブオイル、ピザ用
       チーズor粉チーズ・・適量
                                                                                           



【コメント】
 北海道の知人から、太さが大人の指ほどもある立派なグリーンアスパラが大量に送られてきた。こういうものは鮮度がいいうちに、シンプルに食べるに限る。どうやって食べようかと考える前にピーラーを握り、体は勝手に皮むきをはじめた。

 あれは息子がまだ小さいころ。グリーンアスパラがあまり好きではないはずの彼が、たまたま入った中華料理屋さんでグリーンアスパラを嬉々として食べ始めた。見ると、それはグリーンアスパラなのに、ヒスイのような淡い緑色。きれいに皮がむいてあったのだ。これだと色もきれいだけれど、口に入れた食感もまるで別の食べ物のように上品になる。根元の方を食べたときに時々口に残る、いやーな筋っぽさもない。

 以来、根元の3分の1位の所から、ピーラーで皮をむく様になった。包丁を使うと大変な作業も、シュッシュッと気持ち良くはかどる。それを食べやすく斜め切りにして蒸し焼きにするのが奥園流。

 フライパンにごま油大さじ1杯を入れて火にかけ、グリーンアスパラをさっと炒めたら、ふたをする。弱火にして待つこと1〜2分。ぱーっと、きれいな緑色になったら出来上がり。軽く塩、こしょうをして食べる。

 ゆでないで蒸すこのやり方だと、水っぽくならず、うまみが残るから、マヨネーズなんて付けなくても、いくらでも食べられる。塩、こしょうの代わりにおかか醤油やごま和え、辛し醤油をかけてみるのも悪くない。

 アスパラを取り出し、空いたフライパンで豚肉を炒める。オイスタ―ソースで味をつけ、アスパラを戻し入れたらグリーンアスパラと豚肉のオイスターソース炒め。これは結構ごはんがすすむ。

 ごま油の代わりに、オリーブオイルを使うのも悪くない。ベーコンと一緒にさっと炒めて、蒸し焼きにしたら、粉チーズをたっぷりかける。トロリと溶けたチーズがソース代わりになって幸せな気分に浸れる一品。

 あるいわバターで炒めて蒸し焼きにし、溶き卵を流し入れてかき混ぜて取り出す。トロリとした半熟玉子を絡めて食べたり、そのままパンにのせたり、朝ご飯に作れば、幸せな一日のスタートを切れること間違いなし。

 そうだ!バターで炒めたグリーンアスパラをごはんに混ぜて、アスパラバターライスっていうのもいけそうだ。いやおや、ニンニクとオリーブオイルと赤唐辛子で炒めてスパゲティとまぜたアスパラのペペロンチーノも捨てがたい。

 なんだか、おもしろいおもちゃをもらった子供のようで、当分、グリーンアスパラガスで“遊べ”そう。(終り)

   
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(平成26年7月4日更新)

(第55回)

クッパ

スタミナ食で元気回復!!

材料(4人分)

            (A)水・・・・・・・・・・・・・・3カップ
               昆布・・・・・・・・・・・・・1×10センチの
               もの1枚
               煮干・・・・・・・・・・・・・10尾くらい(はら
               わたを取り、手で砕いて入れる)
            (B)豚薄切り肉・・・・・・・・・・150グラム
               塩・・・・・・・・・・・・・・小1
            にんにく・・・・・・・・・・・・・・1かけ
            しょうが・・・・・・・・・・・・・・1かけ
            もやし・・・・・・・・・・・・・・・1/2袋
            ニラ・・・・・・・・・・・・・・・・1/2束
            ごはん・・・・・・・・・・・・・・・茶碗1〜2杯
            卵・・・・・・・・・・・・・・・・・1個
            白菜キムチ・・・・・・・・・・・・・適宜
                                                                               



【コ メ ン ト】
 暑くなったり寒かったり、このわけのわからない気候のせいで、すっかり体調をくずしている人、多いと思います。実は私もその一人。咳は出るわ、微熱は下がらんわ、ここらで一発元気の出るものをがーっと食べて、一気に元気回復したいもの。

 そこで、今日の夕飯はキムチをたっぷり入れた熱々のクッパに決定!。

 準備するものは豚肉、しょうが、にんにく、ニラ、もやし、キムチなど。おお〜、食材を見ているだけでも風邪に効きそうではありませんか。

 まずはベースとなるスープ作り。鍋に水3カップと昆布の細切り(あらかじめ短冊状に切って保存しておいたものを、キッチンばさみでさらに細く切っていれる)、そして煮干し。煮干しは、はらわただけ取って、頭ごとバリバリ砕いて入れる。今日は煮干しも丸ごと、全部食べてしまおうという魂胆です。

 これを弱火にかけて、じっくりうまみを煮出している間に、豚肉は一口大に切って、塩小さじ1杯をよくもみ込んでおきます。普通、クッパというと牛肉ですが、ここはあえて疲労回復のビタミンB類がたっぷりの豚肉にしました。にんにくやらニラやらと一緒に食べることで、さらにビタミンB類の吸収もアップするし。

 そうこうしているうちにスープが沸騰してきたので、豚肉を一気に入れて、おはしでほぐします。すぐにほぐさないと、巨大な肉団子になるので要注意です。

 豚肉に火が通ったら、軽くあくを取って、にんにくとしょうがをすりおろしながら入れたら、後はもやしを入れて、味を見て、醤油を足します。ごはんと卵を入れるから、若干濃い目くらいがいいかもです。

 ニラがくたっとなったら、ごはんを入れ、さらりと煮たら、溶き卵を回し入れ、最後にざく切りにしたニラを入れて出来上がり。野菜いっぱいの中に、ごはんが恥ずかしそうに見え隠れしている。それくらいの割合がいいですね〜。

 はふはふ言いながら、半分くらい食べたところで、そうだ、我らがキムチを入れなくちゃ。キムチって、ビタミン類、食物繊維が豊富な乳酸発酵食品なので、腸内細菌を増やし、免疫力をアップしてくれるんですよね。もちろん唐辛子のおかげで、体温も上がるし。

 野菜たっぷりのクッパ、おいしいスープを最後の1滴までずずっと飲み干せば、体の中で、風邪のウイルスがばったばったと倒れていく姿が見えたような。どうだ、参ったか。(終り)


   
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(平成26年月10日更新)

(第54回)

ごまだれ冷し中華

口の中は夏のハーモニー

材料(4人分)

            (A)鶏もも肉・・・・・・・・・・・・・・・・1枚
               塩、こしょう・・・・・・・・・・・・・・少々
               ごま油・・・・・・・・・・・・・・・・・適宜
            (B)白練りごま・・・・・・・・・・・・・・・大4個
               酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
               蜂蜜・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
               練りがらし・・・・・・・・・・・・・・・小1
               醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・大4/2
               いりごま・・・・・・・・・・・・・・・・大1
               レモン汁・・・・・・・・・・・・・・・・大2〜4
            中華生めん・・・・・・・・・・・・・・・・・・4玉
            キュウリ、トマト、レタス、ワカメなど
            あり合わせの野菜
                                                                               



【コメント】
 マイブームというものは突然やってくる。この夏わが家のマイブームは、ずばり冷し中華!!

 毎年夏の定番といえば、ひんやりさっぱりしたそうめんのはずだったが、今年は、甘くて酸っぱくて、こってり濃厚なごまだれ冷し中華に、すっかりハマっている。

 そんなわけで今日の昼も冷し中華といこう。まずは具を作る。ごまだれといえば、普通はむし鶏の細く裂いたものがよくあう。。

 けれど、なぜか今年はガっツリ食べたくて、鶏もも肉を焼く。昼ごはんなら4人分で1枚もあれば十分。二つくらいに切り、肉の厚いところに、切れ目を入れて火が均一に通るようにする。後は塩、こしょうをして、ごま油を引いたフライパンに皮の付いた面から入れる。入れたらほったらかしにして、別の作業に移る。皮をぱりぱりに焼くコツは、あまり触らず、ほったらかしにしておくこと。

 その間に残りの具をきる。これはその日の気分で冷蔵庫にあるものでOK.今日はマッチ棒大に切ったキュウリ(これ必須)、トマト、戻したカットワカメ。さっとゆでたキャベツやチンゲンサイ、さっと炒めたもやしなんかもよく合う。

 さてここまでできたら鶏の具合をチラッと見つつ(まだひっくり返さない!)、麺をゆでるためのお湯も沸かしつつ、ごまだれを作る。白練りごま大さじ4杯、酢、蜂蜜各大さじ1杯、練りがらしは好みで小さじ1杯くらい、これを最初によく混ぜる。練りごまは最初に酢や蜂蜜と混ぜると、とろりと滑らかになって後の醤油と混ざりやすくなる。

 とろりと滑らかになったら、醤油大さじ4杯といりごまを入れ、後はレモンのしぼり汁2分の1〜1個分入れたら出来上がり。さっぱりしているのにコクのあるごまだれの完成。

 鶏がいい感じに焼けてきた。皮がぱりぱりになっているのを確認してひっくり返す。この時フライパンのふたをしないのがコツ。反対側もおいしそうに焼けたら、最後に塩を振って取り出し、食べやすく切っておく。

 そうこうするうちに鍋のお湯が沸いてきた。麺はラーメン用の生麺。ゆで上がった麺は流水で洗って、ぬめりを取り、ぎゅっとおさえて水気も切り、器に盛る。後は、野菜と鶏を盛り付けて、ごまだれをたらりとかけたら出来上がり。

 ねっとりしたごまのコクとレモンのさわやかさ。ピリッとしたからしの刺激。ぱりぱりの鶏のおいしさにしゃきしゃきのキュウリ。レモンのおかげでコクがあるのにさっぱり食べられるから、食べ終わったその瞬間から、また明日も冷し中華にしようと心の中で思っている。(終り)

   
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(平成26年4月30日更新)

(第53回)

鮭とジャガイモのスープ

連休疲れを癒やす魔法の味

材料(4人分)

            オリーブオイル・・・・・・・・・・・・・・・・大1
            にんにく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1かけ
            ベーコン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4枚
            たまねぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小1個
            水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1カップ
            ジャガイモ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
            トマト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1個
            塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小1/2
            カレー粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
            (A)生鮭・・・・・・・・・・・・・・・・・・2切れ
              塩こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・適宜
            ウスターソース・・・・・・・・・・・・・・・・大1〜2
            パセリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適宜
                                                                               



【コメント】
 連休の疲れが今頃になっても残っている。私よりもずーっとハードな休日を過ごしていた娘は、今日も元気に学校へ行った。それって、やっぱり若さの違いですかねえ。いやいや、若さなんかで差をつけられてなるものか。おいしくて体にいいものを食べて、体の中から回復して、素知らぬ顔で元気に過ごす。これぞ大人というものです。

 で、今日私が作るのは、鮭とジャガイモのカレースープ。作り方はこう。

 用意するものは、生鮭、ベーコン、ジャガイモ、たまねぎ、トマト、にんにくなど。

 まずはフライパンにオリーブオイルを入れ、みじん切りのにんにく1かけ分と短冊切りのベーコン4枚、くし形切りのたまねぎ1個分をいためる。

 たまねぎに油が回ったら、ジャガイモ(皮をむいて、大きくゴロっときったもの)とカレー粉大さじ1、ざく切りにしたトマト1〜2個、水1カップと日本酒2分の1カップ、塩小さじ2分の1を入れてふたをする。ジャガイモは煮汁に全部漬かっていなくても、蒸し煮にするので大丈夫。

 このとき、鮭(一口大に切って塩をしたもの)を一緒に入れてしまわないで、ジャガイモが柔らかくなってから入れるのが、おいしく作るポイント。鮭を最後に入れて、再びふたをしてさっと蒸し煮にすることで、身がぱさつくことなくしっとりふっくら美味しく仕上がり、いやな魚の生臭さはまったく出ないのであります。

 最後に塩とカレー粉少々とウスターソースを回し入れて出来上がり。なぜかウスターソースを入れるとぴたっと味が決まるから不思議。食べるときにレモン汁をしぼるのもさっぱりする。

 疲労回復には欠かせないビタミンB1を含むベーコンと、その吸収をたすけるにんにく、さらにジャガイモとトマトに大量に含まれるビタミンCはストレスを和らげるのには不可欠。そしてカレー粉に含まれるウコンは、休みの間にすっかりお疲れの肝臓をいたわってくれるはず。さらに鮭は、血液さらさら効果も期待できる。

 具を食べてスープが残ったら、ごはんを入れておじや風にするのもいい。いろんなうまみの溶け出したスープは最後の1滴までおいしい。

 はふはふいいながらおいしく食べれば体の中からもりもり元気になる。明日の朝、「お母さんってどうしてそんなにいつも元気なわけ?」と、不思議そうに言う娘の顔が目に浮かぶ。そしたら「べっつに〜」とすました顔でこたえよう。へへへ、参ったか。(終り)



 
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(平成26年4月5日更新)

(第52回)

カレースープ?

香辛料はカレー粉だけ

材料(4人分)

           (A)鶏手羽元・・・・・・・・・・・・・・500グラム
              塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・小1
              カレー粉・・・・・・・・・・・・・・小1
            オリーブオイル・・・・・・・・・・・・・大1
            キャベツ・・・・・・・・・・・・・・・・2分の1個
           (B)水・・・・・・・・・・・・・・・・・5カップ
              昆布・・・・・・・・・1×10センチのもの1枚
              塩、こしょう・・・・・・・・・・・・各小1
            インゲン、かぶ、カボチャ、トマト
            ニンニク、しょうがなど・・適宜
                                                                               



【コメント】
 先日、北海道に行った。北海道らしいものを食べようと、大流行しているスープカレーのお店に行くことにした。

 運ばれてきたのは、大きめの器に盛り沢山入った具。メーンはこんがり焼けたチキン。そしてジャガイモ、にんじん、ナス、いんげん、カボチャなどがゴロリと大きいまま入っている。赤味がかった黄色いスープはサラリとしていて見た目はあっさり。

 ところが口に運ぶと、強烈なスパイスの香りとヒリヒリくる辛さ。ごはんをスープに浸して食べる。これもうまい。野菜にかぶりつく。ヒリヒリした口に野菜のねっとりした甘みが心地いい。

 これは、いける。東京に帰ってきたら、すぐ台所に立つ。自分流のスープカレーを作ってみたくなったのだ。用意したのは鶏の手羽元。塩とこしょう、カレー粉をまぶし、オリーブオイルを入れたフライパンでこんがり焼く。いい焦げ色がついたら土鍋に移し、残った油で大きく切ったキャベツをいためる。鶏のスープで煮た、いためキャベツのおいしさはカレーと合うにちがいない。

 後は冷蔵庫にある、あり合わせの具。たまねぎ、インゲン、かぶ(皮つきで丸ごと)、カボチャ、大振りに切ったトマトなど。ニンニクとしょうがもたっぷり入れよう。ひたひたの水、細く切った昆布と一緒に土鍋に投入。後は煮るだけ。沸騰したら火を弱めて5分。火を止めても土鍋の余熱だけで十分やわらかくなる。

 1時間くらいしたら中をのぞいてみる。野菜も鶏肉もトロリとおいしそうに煮えて、いい感じ。カボチャの黄色が溶け出し、カレーの雰囲気。ここで市販のカレールウを入れれば普通のカレーになるところをグッと我慢して、塩、こしょう、カレー粉で味を調える。

 一口、味見。うまい!!確かにおいしい。でも何か違う。複雑なスパイスがなかったのでカレー粉だけで香りをつけたせいもあるのかもしれないけれど、お店で食べたものとは別物で、あっさりポトフ状態。まあ、いいか。これはこれで悪くない。

 ごはんの上にピザ用チーズをたっぷりのせ、熱々スープをかける。たっぷり野菜とトロリと煮えた鶏の手羽元も。チーズが溶けたところをスプーンですくって食べる。おじやみたいに煮込むのも悪くないけれど、スープ茶漬け感覚で、サラサラっとたべるほうがおいしい気がしたのだった。

 スープカレーならぬ、カレースープ。スープカレーを知らない家族にも「カレースープよ」と言って食卓に出した(終り)

   
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(平成26年3月5日更新)

(第51回)

フライパンでジンギスカン

焦がす感じで炒める

材料(4人分)

           (A)ラム薄切り肉・・・・・・・・・・・200グラム
              醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
            キャベツ、にんじん、もやし、ピーマン
                   ・・・・合わせて400グラムくらい
           (B)味噌・・・・・・・・・・・・・・・・・・大2
              蜂蜜・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
              みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
              豆板醤・・・・・・・・・・・・・・・・・小1
              日本酒・・・・・・・・・・・・・・・・・大1
              にんにく(すりおろし)・・・・・・・・・1かけ
              しょうが(すりおろし)・・・・・・・・・1かけ
                                                                              



【コメント】
 巷ではジンギスカンがはやっているそうな。ラム肉はタンパク質豊富なわりに脂肪が少なく、低カロリーでヘルシーなことがその理由の一つ。行列のできるジンギスカンのお店の特集を雑誌などでもやっているし、2時間も並んで待って食べてきたという話も聞く。

 近所のスーパーの食肉売り場でもラム肉が並び始め、豚肉や鶏肉を買うのと同じ感覚で買えるまでになってきた。こうなったら、ジンギスカンを作るしかない。

 ジンギスカンというと、中心が盛り上がったジンギスカン用の鍋で肉を焼いて、その滴り落ちる油で野菜も焼いて食べるというのが定番のスタイル。けれど、家庭でジンギスカン鍋などあるはずがないので、フライパンで野菜と一緒に炒めることにした。早い話がラム肉入り野菜炒め。

 買ってきたのは薄切り肉。一口大に切って、醤油をもみ込んでおく。野菜はたまねぎ、キャベツ、にんじん、もやし、ピーマン。これらの野菜を食べやすく切って、ごま油で炒めて取り出す。肉に下味をつけることと、まず野菜を炒めていったん取り出すこと、この二つは普通の野菜炒めを作る時も大事なポイント。

 さて、野菜を取り出した後のフライパンに再びごま油を入れ、下味をつけたラム肉を入れて炒める。醤油をもみ込んであるので、若干焦げるけれど、この焦げた香りや味もおいしさのうちなので、むしろ焦がす感じで炒めるのがコツ。

 豚肉とは違う、ラム特有の香り。う〜ん、気分はだんだんジンギスカンになってきた。肉の色が変わったら、みそ、蜂蜜、みりん、酒、豆板醤、にんにくのすり下ろし、しょうがのすり下ろしを入れる。肉に味をしっかりつけること、これもおいしい野菜炒めを作るコツ。肉にしっかり味がなじんだら、取り出しておいた野菜を戻し、さっとひと混ぜすれば出来上がり。野菜を戻し入れてからは手早く。ここでもたもたしていると、野菜はくたくたになり、水っぽくなっておいしくなくなる。

 そういえば、娘が小学生のとき、中休みに全校生徒が校庭でジンギスカンという曲にあわせて踊ることになっていた。ジン、ジン、ジンギスカ〜ン♪当時、娘もふとした時に突然頭の中で曲が流れ始めたらしく、まるでパブロフの犬のごとく歌い、踊り始めたのだった。私の頭にもインプットされていった。

 気がつけば、ジンギスカンの曲を口ずさみながらモリモリ食べている私と娘。これぞジンギスカンの底力と納得した。(終り)

   
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(平成26年2月3日更新)

(第50回)

牛肉寿司

見た目も豪華、お客様も大満足

材料(4人分)

           (A)米・・・・・・・・・・・・・・2カップ
              水・・・・・・・・・・・・・・2カップ
              昆布・・・・・・・・・・1×10センチのもの1枚
           (B)砂糖・・・・・・・・・・・・・大2
              酢・・・・・・・・・・・・・・大4
              塩・・・・・・・・・・・・・・小1
           (C)牛細切れ・・・・・・・・・・・200グラム
              醤油・・・・・・・・・・・・・大2
              蜂蜜・・・・・・・・・・・・・大2
              しょうが(すりおろし)・・・・1かけ
            にんじん(せん切り)・・・・・・・1本
            三つ葉(ざく切り)・・・・・・・・1束
            ごま油・・・・・・・・・・・・・・大1
            いりごま・・・・・・・・・・・・・適宜
                                                                 



【コメント】
 卒業式、お別れ会、合格祝い、入学式・・・。これからの季節、お客様を招待して、おうちでごちそうを作ってお祝いすることも多くなりますね。そんな時、私がよく作るのが牛肉寿司。簡単なのに、見た目は豪華。しかも、あとは汁物とあえ物くらいで献立ができてしまうのも、うれしいところ。

 では、主な材料です。牛こま切れ肉200グラム、しょうが1かけ、にんじん1本、三つ葉1束、お米2カップ。

 作り方です。お米は普通に洗い、すぐに2カップの水を入れ、1×10センチくらいの昆布をキッチンはさみで細かく切りながら入れ、普通に炊きます。寿司飯というと、大きい昆布をベろんと1枚入れるイメージがありまが、細切りにすれば、少しの昆布でも十分うまみが出るし、炊きあがった後、引き上げずに具として食べてしまえるからおすすめです。

 ご飯が炊きあがったら、砂糖大さじ2杯、酢大さじ4杯、塩小さじ1杯を耐熱容器に入れ、30秒ほど電子レンジにかけて溶かしたものをご飯に混ぜ、酢飯にしましょう。

 さて、ご飯を炊いている間に具の準備です。牛肉は食べやすく切り、醤油、蜂蜜各大さじ2杯と、しょうがのすりおろしをよくもみこんでおきます。にんじんは細いせん切り、三つ葉はざく切り。フライパンにごま油大さじ1杯を入れて熱したところに、下味をもみ込んだ牛肉を一度に入れて炒めます。醤油、蜂蜜を少し焦がす感じで、香ばしくおいしそうに焼くのがコツ。

 火が通ったら、その上ににんじんを広げ、ふたをして弱火で蒸し焼きです。にんじんは蒸し焼きにすることで、色がきれいに仕上がり、甘みが出ておいしくなるんです。2〜3分もすれば十分柔らかくなるはず。

 にんじんが好みの硬さになったら、あらかじめ作っておいた寿司飯に一度に混ぜるだけ。後は食べる時に、ざく切りにした三つ葉とごまを散らせば出来上がりです。出来たての熱々も、冷めてもおいしい一品です。

 ちらし寿司というと、魚介類のイメージですが、お肉が入っていることで、子供たちにも大人気。お寿司に卵を使わなかったので、添えるおつゆは、ワカメとタケノコをさっとおだしで煮て、うすーくとろみをつけたところに溶き卵を回し入れた、かき玉風の若竹汁などいかがでしょう。

 「おっ、なかなかやるじゃない」と、絶賛の声が上がること間違いなし。これぞ、おうちごはんの実力の見せどころ。(終り)

   
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(平成26年1月6日更新)

(第49回)

豚ひき肉とねぎの中華丼

甘みと辛みで免疫力もアップ

材料(2人分)

           (A)豚ひき肉・・・・・・・・・・・150グラム
               塩・・・・・・・・・・・・・・小2分の1
            にんにく(すり下ろし)・・・・・・1かけ
            しょうが(すり下ろし)・・・・・・1かけ
            長ねぎ(細切り)・・・・・・・・・2本
           (B)水・・・・・・・・・・・・・・1カップ
            かたくり粉・・・・・・・・・・・・大1
            オイスターソース・・・・・・・・・大2
            醤油、こしょう、ごま油など・・・・好みで
            ごはん・・・・・・・・・・・・・・茶碗2杯分
                                                                 



【コメント】
 インフルエンザが流行っています。うがい、手洗いはもちろんですが、こんなときこそ、免疫力を高める物をたっぷり食べて、自分の体は自分の力で守りたいもの。そんなわけで、今日はねぎがたっぷり食べられる、ねぎあんかけ丼です。

 用意するものは、豚ひき肉、長ねぎ、にんにく、しょうが。ほらね、見るからに体に効きそう。では、作っていきましょう。

 まず、たっぷりの長ねぎを細切りにしましょう。縦半分に切ってから、斜め細切りにすると、やりやすいですね。青い部分も残さず全部切ります。青い部分って、ちょっと硬い感じもするけれど、細切りにしたらおいしく食べられるし、ビタミン、カルシウム、ミネラルなど、白いところの何倍も含んでいるので、食べないで残すなんて、もったいないのです。長ねぎは二人分で2本。ちょっと多いかなと思っても、結構ぺろりと食べてしまえます。

 フライパンに豚ひき肉150グラムと塩小さじ2分の1杯を入れてよく混ぜ、混ざったところで火にかけます。ひき肉から油が出てきていい感じに火が通ってきたら、にんにくとしょうがを1かけずつ、すり下ろしながら入れて、さらに炒めます。

 にんにくとしょうがのいい香りがしてきたら、切っておいたねぎを入れて混ぜ、ふたをして蒸し焼きにします。蒸し焼きにすることで、かさがみるみる減るし、ねぎがとろりと甘くなるんです。

 その間に会わせ調味料を混ぜておきましょう。水1カップにかたくり粉大さじ1杯、オイスターソース大さじ2杯。これをよーく混ぜるだけ。ねぎのうまみを十分引き出せたら、調味料はシンプルなほうがおいしいのです。

 ねぎがしんなりしたら、合わせておいた調味料を1度に入れましょう。かたくり粉が入っているので、一気にあんになりました。

 最後は、味をみて、醤油少々とこしょう、香り付けのごま油を回しかけ、熱々のごはんにたっぷりかければ出来上がり。こしょうは、結構たっぷりめにきかせたほうが私的には好き。

 とろとろねぎの甘みと、ピりりと辛いこしょう。はふはふ言いながらほおばれば、インフルエンザのウイルスも、参りましたと退散すること間違いなしです。(終り)

   
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(平成25年12月17日更新)

(第48回)

残ったごはん

炊飯器でおじやに

材料

           炊飯器で残ったご飯
           水・・・・・・・・・・・適宜
           大根、にんじん、サツマイモ、かぼちゃなど
           塩・・・・・・・・・・少々
                                                                 



【コ メ ン ト】
 久しぶりに京都の実家に帰った。2人暮らしなのに、冷蔵庫の中には食べきれないほどの食べ物がいっぱい。あれやこれやと買い込むのだけれど、いざ作るとなると、めんどくさくなって、出来あいのものや、すぐ食べられるようなもので済ませたりしてしまうので、こういうことになっているらしい。

 電気炊飯器の中を見てみると案の定、中途半端にご飯が残っている。まめに冷凍保存すればいいのだけれど、年を取ってくると、冷凍したものを取り出して解凍するのもめんどくさくなり、入れっぱなしになりがちなのだという。そこで、何も作りたくない時でも簡単に栄養バランスが取れる一品を教えてあげることにした。

 まずは、ごはんの残っている炊飯器の内釜にドボドボッと水を入れる。水の量は適当に入れても大丈夫。後は、ふたをして炊飯のスイッチを入れるだけ。しばらくすると水が沸騰して、カピカピになっていたごはんが、トロリと柔らかいお粥になる。

 今日は、水と一緒に大根とにんじんの刻んだものを放り込んだ。こうすると、野菜も同時に柔らかくなるというわけ。野菜はサツマイモやカボチャなどもおいしいし、ちょっと風邪気味のときはたっぷりのねぎを刻んで入れるのもいい。

 味つけは、塩や梅干でもおいしいけれど、冷蔵庫にちりめんじゃこがあったから入れる。肉類を入れる時は、中の水が沸騰してきたところで入れるのがいいのだけれど、ちりめんじゃこや鮭フレーク、ハム、かつお節のように加熱しなくても食べられるようなものは、お粥が出来上がってから、さっと混ぜるくらいのタイミングで入れるのが良い。

 最後に溶き卵を回し入れるのもよし、ポンと割っただけの卵を落としてふたをして、スイッチを切ってしばらく待つのもよし。そうそう、たっぷりのトマトを入れて、ピザ用チーズなどをたっぷりかけるのも悪くない。

 年を取っても元気で生き生き暮らす秘訣は、「あれを食べたい」「あれを作りたい」「どこかに行ってみたい」と、生活への興味を持ち続けること。若い時と同じようには体が動かなくなっていくけれど、上手に手を抜き遊び心を持って、楽しみながら料理し続けられたらいいな。と思う。

 熱々の野菜おじやをフーフー言いながら食べると、寒い寒い京都の冬が一瞬ふわっと暖かくなった。残り物で作ったおじやでも、こんなにおいしい。本当は、年寄りにとって一番のごちそうは、こんな風に一緒に食べるってことなんだよね。(終り)

   
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(平成25年11月1日更新)

(第47回)

バナナのパウンドケーキ

夕飯の片付けしながら簡単に

材料(20×8×6センチのパウンド型1個分)

           バター・・・・・・・・・・大8(約100グラム)
           砂糖・・・・・・・・・・・80グラム
           卵・・・・・・・・・・・・2個
           バナナ・・・・・・・・・・2本
           小麦粉・・・・・・・・・・100グラム
           ベーキングパウダー・・・・小1
                                                      



【コ メ ン ト】
 ここのところ、夕飯の片付けをしながらパウンドケーキを焼くのにはまっている。作り方は簡単。

 まずバター大さじ8を溶かす。バターは買ってきたらすぐに16等分に切ってふたつき容器に入れてある。その一つ分が大さじ1なので、それを8かけ耐熱ボウルに入れて、電子レンジに30秒ほどかければいいわけだ。

 バターを取り出したら、その手でオーブンを190度にセットして、温めておく。オーブンレンジを使う場合、先に電子レンジでバターを溶かし、それから温度設定。一見簡単に見えるけれど、この順番を間違うと結構めんどくさいことになる。

 さて、バターが溶けたら、そのボールをはかりに乗せて砂糖80グラムを計る。別の入れ物で計ってボウルに入れるなんてめんどくさいもんね。砂糖を入れたら泡だて器で混ぜ混ぜ。

 バターが熱くなって溶けているので砂糖も一気に溶けようというもの。

 砂糖とバターがとろりといい感じになったら、卵を2個割り入れて更に混ぜ混ぜ。このときの卵は冷蔵庫から出したての冷たいものでよく、冷たい卵を入れることで、熱くなっていたバターの温度が下がるので、一石二鳥。バターが熱々のところに小麦粉を入れてしまうと、小麦粉の粘りが出てふんわりしあがらないので。

 さて、次に入れるのが皮をむいたバナナ。手で適当な大きさにちぎってほうり込み、泡だて器でつぶす。一見お菓子作りとは思えない雑な感じがするけれど、バナナってあまりきれいにつぶれていないほうが、ところどころにバナナのとろりとした食感が残り、おいしいと私は思う。

 後は、再びボウルをはかりに乗せ、小麦粉100グラム、ベーキングパウダー小さじ1をいれ、そのまま泡だて器で混ぜ混ぜ。小麦粉は、ふるわなくても大丈夫。泡だて器でざっくり混ぜればあっという間に生地が完成。後はパウンド型に流し入れて温めておいたオーブンに入れ、40〜50分焼けば出来上がり。

 夕飯の片付けをしながらちょこちょこっとケーキを焼けば、使った道具も、夕飯の食器と一緒に洗ってしまえばいいから、とても合理的で、気分的にもラク。けれど、ここで一つだけ問題が。焼きたてのおいしそうな香りの誘惑に勝てないこと。夕飯後なのにいそいそとお茶など入れて食べてしまう。太るぞ〜と思いつつ、あまりのおいしさについついにんまり、嗚呼・・・。(終り)


   
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(平成25年10月3日更新)

(第46回)

いなりずし

スダチで上品に変身

材料(4人分)

           油揚げ・・・・・・・・・・・・4枚(2つに切って8個分)
           (A)水・・・・・・・・・・・1カップ
             塩・・・・・・・・・・・・小2分の1
             砂糖・・・・・・・・・・・大4
             醤油・・・・・・・・・・・大4
           ごはん・・・・・・・・・・・・(熱々)茶碗2〜3杯(米1カップ分)
           (B)酢・・・・・・・・・・・大2
             砂糖・・・・・・・・・・・大1
             ちりめんじゃこ・・・・・・20グラム
             ごま・・・・・・・・・・・たっぷり
                                           



【コ メ ン ト】
 最近、いなりずしにはまっている。はまっているといっても、あちこちのお店のを食べ比べているわけではない。ひたすら自宅の台所で油揚げを煮て、すし飯を作って、詰めて、そういう作業にはまっている。

 自分好みの味にぴたっとはまったときの幸せな気持ちといったら。他の料理では類を見ない達成感。家族みんなで食べ終わるころには、またすぐ作りたくなってくる。

 さて、わが家のいなりずしの作り方はこう。まず油揚げはあらかじめ袋に開いてあるのを買ってくる。自分で開いても別にたいした手間ではないのだけれど、これだけのことで、いなりずしの敷居がぐぐっと低くなる。

 この油揚げを、まず最初に油抜き。めんどくさくても、ここは手を抜いてはいけないところ。私はフライパンでやる。フライパンだと口径が広いから、4枚分の油揚げが重ならずに入るからね。ひたひたの水と油揚げを入れたらふたをして火にかけ、そのまま5分くらい煮る。水をきったら、もう1度同じ事をする。きちんと油抜きをしておくほうが、味がしっかり染み込み、油揚げもふっくらやわらかく仕上がる。

 2回目のお湯をきったら、小さめの鍋のふたで油揚げをぎゅっと押さえながら水気を絞る。そうしてから、新たに水1カップと、砂糖大さじ4杯と、醤油大さじ4杯を入れ、ふたをして煮る。味付けは、その家によって差が出るところ。

 ことこと煮含め、最後はふたを取って煮汁を全部蒸発させれば出来上がり。このときもフライパンだと口径が広いので本当に簡単で、油揚げがきれいに広がった状態で煮上がるからうれしい。

 その間にすし飯を作る。油揚げ4枚分、つまり、いなりずし8個分だと、ごはんは茶碗3杯くらい。炊きたてでなくても熱々なら大丈夫。酢は大さじ2杯、砂糖大さじ1杯、塩2〜3つまみ、ちりめんじゃこ20グラムをよく混ぜておき、熱々のごはんに混ぜる。それからごまもたっぷり。

 食べやすい大きさに丸めて、油揚げの中に詰める。油揚げ2分の1枚が1つ分のいなりずしになるので、市販のものよりかなり大きめ。けれど、この素朴さが家庭料理ぽくって私は好き。できたての熱々は、油揚げがみずみずしくて、一口噛むと煮汁がほとばしる。このできたてのおいしさは作った人の特権かな。

 そうそう、私がもう一つはまっている食べ方。いなりずしのご飯のところに、スダチをぎゅっとしぼってかぶりつく。とたんに料亭にでも出てきそうな上品ないなりずしに変身する。これ、絶対おすすめ。ホントです。(終り)

   
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(平成25年9月16日更新)

(第45回)

お好み焼き

あり合わせでも格別「わが家流」

材料(4人分)

          (A)キャベツ・・・・・・・・・・2分の1個
             長ねぎ・・・・・・・・・・・1本
             塩・・・・・・・・・・・・・小2分の1
           ジャガイモ(すりおろし)・・・・3個
           卵・・・・・・・・・・・・・・・2個
           かつお節・・・・・・・・・・・・1袋(5グラム)
           小麦粉・・・・・・・・・・・・・100グラム
           水・・・・・・・・・・・・・・・100〜200cc
           豚ばら肉・・・・・・・・・・・・200グラム
           チーズ、白菜キムチ・・・・・・好みで
           お好み焼きソース、かつお節、青海苔、マヨネーズなど
                                



【コメント】
 ひょんなことから、猫を飼うことになってしまった。いや、気がついたら、いつの間にか家族の一員になっていた。事の起こりは、息子の友人が子猫をもらったのだけれど、自分の家で飼うには家族を説得する必要があり、その間、預かってくれないか、という話・・・のはずだった。

 私は犬派で、猫にはそれほど興味がなかった。なのに、生後数週間の子猫というのは、そんな感情を吹っ飛ばしてしまうほどかわいい。気が付いたら、ぞっこんめろめろ状態。まんまとわなに落ちた。

 自分に一番なつくように仕向けるには、やはり餌。息子の目を盗んでは、せっせとかつお節をやる毎日。おかげで、私の思惑通りに事は進みつつあるのだけれど、中途半端に空いたかつお節の小袋が問題になった。さて、どうしたものか。お好み焼きで、一気に証拠隠滅してしまおう。

 まずはキャベツを細切りに。ボウルいっぱいに刻んだら、塩を振って軽くもむ。最初に塩でもんでから生地に混ぜるのがわが家流で、これだとかさが減り、たっぷりのキャベツもきれいに混ざる。

 しなっとなったら、ねぎの小口切りをたっぷりと混ぜる。とろりとした食感を出すために長芋をを入れたいところだけれど、買い置きがない。仕方ないので、ジャガイモを2〜3個すり下ろして入れる。韓国のチヂミのようなもちもちとした生地に仕上がるので、わが家では結構人気。後は、卵と小麦粉を適当に混ぜ、とろりとなるまで水も加える。ここでかつお節を大量に投入する。

 ホッとプレートに油を引き、生地を適当な大きさに流し入れたら、上に豚ばら肉を広げながら並べる。下がチリチリといい具合に焼けてきたらひっくり返す。これで肉が下に来る。後は、じっくりじっくり肉が焼けるのを待ち、バラ肉がカリカリになったらOK。残った生地にはチーズと白菜キムチを混ぜて同様に焼く。チーズとキムチの入った生地も結構いける。

 豚肉の焼けるいいにおいがしてきたら、表面にたっぷりとお好み焼きソースとマヨネーズをかける。後は、残りのかつお節と青のりをかければ出来上がり。熱々をはふはふ言いながら食べる。もちもちとした生地にたっぷりのキャベツの甘み、そして、カリカリに焼けた豚肉の香ばしさ。これぞ関西の味。

 それにしても、開けたてのいい香りのかつお節をちょこっとつまみ食いしてはわがもの顔で走り回る子猫と、残りのかつお節とあり合わせの食材でお好み焼きを作って食べる私たち一家。これから先の主従関係が、ここに表れているかも。(終り)

   
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(平成25年9月3日更新)

(第44回)

蒸しパン

フライパンで簡単に

材料(湯呑み5〜6個分)

          (A)薄力粉・・・・・・・・・・100グラム
             砂糖・・・・・・・・・・・50グラムくらい
             ベーキングパウダー・・・・小1
           卵・・・・・・・・・・・・・・1個
           牛乳・・・・・・・・・・・・・50cc
           溶かしバターみりん・・・・・・大2
                                



【コメント】
 出張から帰ってきた次の日の朝というのは、とても危ない。前の晩は、留守中にたまりにたまった洗い物の山をとにかく洗って片付けるだけで力尽き、朝になって初めて、ありとあらゆるものが食べつくされている事に気がつく。冷凍ごはん、パン、冷凍うどん、すべてない、ない、ない。う〜ん・・・。

 かろうじて、卵と牛乳だけは残っていたので、ホットケーキでも焼こうかと、粉を取り出したのだけれど、突然気が変わった。そうだ!こんな肌寒い朝は、ほっとけーきより、ホカホカの蒸しパンに限る!!

 まずは薄力粉を100グラム、ボウルをはかりの上ににせてはかる。もちろん、ふるったりもしない。そこに、砂糖50グラム、ベーキングパウダー小さじ1杯を入れて、袋の中で適当に混ぜる。その間に、バター大さじ2杯を耐熱容器に入れ、電子レンジに20秒ほどかけて溶かしておく。ちなみに、バターは買ってきたらすぐに16等分に切っておく。そうすると、1かけが大体大さじ1杯なので、大さじ2杯なら2かけ取り出すだけなのでとてもラク。

 ボウルの中には、卵1個を割り入れ、牛乳50cc,溶かしたバターも入れて、よ〜く混ぜ混ぜする。最初に粉類を全部混ぜたところに卵を入れて、泡だて器で卵をつぶしながら少しずつ粉と混ぜていき、ねっとりしてきたら少しずつ牛乳を加え粉を混ぜていく、文字で書くとややこしいけれど、要は少しずつ液体を加えて粉と混ぜればダマになりません。蒸しパンの型は、湯呑の内側にお弁当用のアルミケースを引いた物。これだと、カップケーキの型が無くても平気だし、ぺらぺらのアルミケースでも、だらしなく口が開いたりしなくて、かっこ良く蒸せるから。直接湯呑に流し込むより、洗い物もラク。

 フライパンに2カップほどの水を入れて火にかけ、沸騰したところに湯呑に入った蒸しパン生地を入れる。後は、ふたをして強火で10〜12分。ふっくら膨れたら出来上がり。蒸しパンは、アルミケースとともに湯呑から簡単に取り出せる。

 ホカホカ熱々の蒸しパンを、ハフハフしながらほおばる。甘さ控えめなので、ジャムやメープルシロップをかけるのもいいけれど、今朝は、熱々のココアと一緒だから、このままでもいいね!!

 「もうひとつ食べてもいい?」。どうぞどうぞ、遠慮なく。おなかの中までホカホカになったら、食後に冷たいりんごを一切れいかが?

「明日は、つぶしたカボチャを入れてよ」「ころころに切ったプロセスチーズが入ってるのもいいなあ」。はいはい、わかった、わかった。とにかく今は、遅刻しないように、さあ、元気に行ってらっしゃい!!(終り)

   
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(平成25年8月5日更新)

(第43回)

なすの焼き浸し

ヘルシーだけどコクがある

材料(4人分)

          なす・・・・・・・・・・・・5本
          インゲン・・・・・・・・・・10本くらい
          (A)水・・・・・・・・・・1カップ
             昆布・・・・・・・・・1×10センチのもの1枚
             醤油・・・・・・・・・大2
             みりん・・・・・・・・大2
             塩・・・・・・・・・・少々
             かつお節・・・・・・・1袋
          ごま油・・・・・・・・・・・適宜
          しょうが(すりおろし)・・・好みで
                   



【コメント】
 スーパーに行ったら、立派ななすが5本で138円だった。おおーっ、日本の夏は、やっぱりなす!!今日は、わが家の定番、焼き浸しを作ることにしよう。作り方はこう。

 まずなすは、たて半分に切り、皮目に斜めに切り込みを入れ、さらに長さを半分に切ってください。こうすると、おはしでもすっと切れるので食べやすく、もちろん火の通りも、味のしみもよくなるんですね。ちょっとした気配りってやつです。後は塩水に放してあくを抜いておきます。今日は彩りにインゲンも一緒に漬け込みましょう。両端を切り落とし、食べやすく切れば準備完了。

 フライパンにごま油を大さじ1〜2を入れて熱したら、なすを皮のほうから入れてじっくり焼きます。いわゆる焼きなすを作るのと同じ。この時、ふたをして蒸し焼きにすると早く火が通るのですが、どうしてもなすが水っぽくなってしまうので、この料理はふたをせず、こんがり焼き色がつくまで焼くのがコツ。

 いい焼き色がついたらひっくり返し、実のほうも焼けたら、ふた付き容器にざっとあけます。もし、1度に焼き切れなかったなすがあれば、同じように焼き、途中、インゲンも入れて、炒めながら火を通し、容器に出してください。

 さて、あいたフライパンに水1カップと、昆布の細切り(あらかじめ1×10センチくらいの短冊切りにしたものをさらに細く切る)と、醤油、みりんを各大さじ2、塩小さじ2分の1を入れ、一煮立ちしたら、火を止めて、かつお節1袋を入れ、それをそのまま容器に入ったなすの上から、ジャーッと回しかけます。市販のめんつゆを使っても良いですが、このやり方ならそう手間でもありません。大事なのは、熱いつゆを回しかけることで、衛生的にも安心だし、味は冷める時にしみ込むので、この方がぐっと味が入るんです。粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やして出来上がり。

 普通、こういう料理って、油で揚げて漬けることが多いですが、なす自体はすごく低カロリーなのに油をどんどん吸ってしまうので、油で揚げたとたんに高カロリーになってしまうんですね。かといって、蒸しなすを漬け込むとあっさりしすぎてもの足りないし・・・。

 そこで、焼いて漬け込むと簡単だし、いい感じでコクもあり、ヘルシーでおいしいというわけです。これならカロリーの心配なく、たっぷり食べられますよ。おろししょうがを添えてもおいしいです。(終り)

   
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(平成25年7月11日更新)

(第42回)

ツナマヨそうめん

夏休みのお昼にもってこい

材料(4人分)

          そうめん・・・・・・・・・・・・4束
          にんじん・・・・・・・・・・・・1本
          えのき・・・・・・・・・・・・・1袋
          きゅうり・・・・・・・・・・・・1本
          (A)ツナ缶・・・・・・・・・・1缶
             マヨネーズ・・・・・・・・大2
          めんつゆ・・・・・・・・・・・・適宜
                   



【コメント】
 「そうめん、チャーハン、そうめん、チャーハン、・・・。うちは、そのローテーションで乗り切るは」

 友人の一人が言いました。夏休みのお昼ご飯の話です。ただでさえ熱くて、料理するのがつらいのに、これから先の1か月半は、朝、昼、晩、せっせと作る日々が続くわけで、とりわけお昼ご飯は、手早く、おいしく、食べやすいものが良いわけで、ふむふむ、具や味付けを変えれば、そうめん、チャーハンのローテーション、見た目も変化があって悪くないかも。

 そこで、今日はわが家で人気のツナマヨそうめんを教えてあげたという次第。用意する材料は、ツナ缶、そうめん、めんつゆ、それからありあわせの野菜、今日はにんじんとえのきとキュウリ。

 まずは、鍋にそうめん用の湯を沸かす。その間ににんじんとキュウリはせん切りにし、えのきは根元を落として、ばらばらにし、ツナ缶はマヨネーズを混ぜてツナマヨにすれば準備OK.おおー、なんて段取りのよい私。

 いいタイミングでお湯が沸いたら、まずはせん切りのにんじんを入れ、時間差でそうめんを入れる。そうめんのゆで時間は約2分。ゆで上がる直前にえのきも入れたら、ざるにあげ、普段のそうめんと同じように水で洗って、最後は氷水で冷たく締める。あとは器に盛って、キュウリの千切りを散らし、ツナマヨをのせて、めんつゆを注ぎ入れたら出来上がり。これぞわが家で大人気、早くて栄養バランスもいいツナマヨそうめん。

 そうめんって、野菜を合わせるのが難しく、しいたけを甘く煮たのって、手のかかるわりに子供が喜ばず、精進揚げなんて毎日できるはずもないし、でも、こんな風にそうめんと一緒に野菜をゆでてしまえば、簡単だし、子供たちもなんがか分からないまま食べてしまうのがいいところ。

 それとですね、えのきって、そうめんに混ざるとそうめんと一体化し、そうめんなのか、えのきなのか、ぜんぜん分からなくなるんですよね。だから、そうめんを減らして、エノキを増やせば、ひそかにダイエットもできてしまうという、母にはちょっとうれしいメニューだったりするわけです。

 食べるときは、全体を混ぜ混ぜして。マヨネーズとめんつゆって、ちょっとヘンな感じがするけれど、意外にさっぱりツルツルといけます。スパゲティのサラダみたいな感じ。

 これから始まる長い夏休み。今年もツナマヨそうめんに、お世話になること間違いなし。(終り)

   
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(平成25年6月9日更新)

(第41回)

うなぎ寿司

小さな素材で大きなおいしさ

材料(4人分)

          うなぎの蒲焼・・・・・・・・・・・・1尾
          (A)米・・・・・・・・・・・・・・2カップ
             水・・・・・・・・・・・・・・2カップ
             昆布・・・・・・・・・・・・・×10センチのもの1枚
          (B)砂糖・・・・・・・・・・・・・大2
             酢・・・・・・・・・・・・・・大4
             塩・・・・・・・・・・・・・・小1
          きゅうり(塩もみ)・・・・・・・・・2本分
          青じそ(せん切り)・・・・・・・・・10枚
          粉山椒 ・・・・・・・・・・・・・・・ 好みで
                       



【コ メ ン ト】
 「あっ、すいません。今の角を右折しないといけなかったのに」。見るからに誠実そうなたタクシーの運転手さんがすまなさそうに言った。「あそこのうなぎ屋のうな重一人前2500円っていうのに、ついついみとれちゃって」

 なんでも、その運転手さん、昨日のラジオで、スーパーのうなぎをおいしく食べる方法を聞いたのだという。アルミホイルにうなぎを包んでフライパンで焼く時に日本酒を振りかけておくと、ふっくらおいしくなるらしい。早速、蒲焼を買って帰ったという。

 ところが、そんな日に限って、夫婦げんかになってしまった。仕方なく、自分でうなぎを焼いたのだけれど、イライラしていたこともあって、日本酒を入れ忘れ、おまけに焼きすぎた。結果、うなぎはかすかす、ぼろぼろ。奥さんは前日の残りのカレーを、自分はそのうなぎを食べた。あんなまずいうなぎは生まれて初めてだったそうな。

 うな重の看板を見て、昨夜のやりきれなさを再び思い出したらしい。じゃあ、今日もう一度うなぎを買って、今度は二人で食べて仲直りするっていうのは、どう?簡単でおいしいうあなぎ料理を教えてあげるから。。

 まず、アルミホイルにうなぎをのせるところは同じ。けれど、のせる前に薄くサラダ油を塗って、うなぎを包まずオーブントースターに入れる。そうすると、カリッと香ばしく焼きあがる。

 炊きたてのごはんがあったら、アルミホイルにふんわり包んだうなぎをごはんの上にのっけておくという手もある。これだと蒸気で蒸されて、ふんわりしっとり熱々になる。

 さて、そのうなぎを使って、ごはん茶碗4杯、米から炊くなら2カップ。普通に炊いたところに砂糖大さじ2、酢大さじ4、塩小さじ1杯を混ぜ合わせた、寿司酢を混ぜる。軽く冷ましたら、ごまと、塩もみして水気を絞ったキュウリ、せん切りの青じそを混ぜる。後は、ざく切りにしたうなぎを混ぜて出来上がり。粉山椒を振ってもおいしい。これだと、安い小さなうなぎも十分ごちそうになる。

 「やっぱり、料理をおいしくするのは笑顔だよなあ」運転手さんが後を降り向いて私に言った。どうやら、料理の話をするときの私は、どうしようもないくらいにニコニコうれしそうな顔をしていたらしい。

 「うちの女房も普段はそうなんだ」。ハイハイ、ごちそうさま。今日はニコニコしながら、奥さんのために作ってあげてね。(終り)

   
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