広帯域「風」バッファ

20150920〜同0925


目次

構想
性能


はじめに

マッチングトランス実験で「必要性」に駆られ、急遽拵えました。JUNKパーツ満載の泥縄冶具です。


構想

冶具一覧ページでも触れましたが、「超簡単...」の後継で、基本は同じモノ。必要性は・・・電源接地式でなければアカン事態が起きたのです。なぜ起きたのか?・・・は、正直言って解りません。

wide range buffer 全回路です。主眼は電源中性点の接地なので、○○強化・・・とは書いたが、同じPTの2個使いで電圧が倍になっただけ。でも、約±30V動作で出力振幅は倍増を期待しますが、0dbバッファなので信号源次第という・・・語尾不明瞭冶具。

ダーリントンTR使用で、絵面は更にカンタン。50Ωジェネレータ前提で、バイアス回路も、入力インピーダンス低下を無視した簡略化してます。電源接地なので接地点可変機能は無理だし無意味。代わりにオフセットADJは必須に。

広帯域「風」の“言い訳”ですが、考えるのを放棄したのです。低域特性は回路と部品定数でナントカなるのですが、高域・・・500kHz〜1MHz以上まで狙うと、ソレ相応のTRが入りそうです。もちろん負帰還「技術」も要るでしょう。本回路は、エミッタフォロワSEPPの局部帰還で、入力部容量が減る効果に頼り切ったようなものなのです。従って、更に低容量のTRを探すか、いっそカスコード接続など“メンドウ”を厭わなきゃ改善は可能かも。

なお、8Ω負荷使用も条件にしてます。それなりにデカイ石を使ってる“言い訳”です。大雑把に100mAほど流してますが、歪みの事より熱的安定性の按配で、あまり絞りたくないのです。かといってA級動作は無理。

出力オフセットの”揺らぎ”は心配です。この点は全くの無策でして、測定対象によっては「許されない」場面もありそう。でも無策・・・。ON後、熱的静定までに10数mVの変動が見られました。以後は2〜3mV程度の“遅い”揺らぎが残ります。ところで、0dbバッファに「OPアンプのDCサーボ」って出来るン?。

全景 全景。体裁は・・・整えたいが、当面の目的を達してからゆっくりと考えましょう。放熱器には元回路の2ch分のTRが付いてますが、使用したのは片方のみ。主要補修パーツが付属してるみたいな?。更に、基板と一部抵抗以外は、殆どJUNK再利用。

荒っぽい泥縄設計・製作で、通電しているTRは左半分・・・どうやら、Nch/Pch出力TRの温度上昇が一致しない事が、オフセット電圧の静定遅延に一枚噛んでるかも知れません。温度補償TRは中央寄りで、ペア平均温度を検出してないし・・・。

オフセットADJを10回転VRに替えてから、1mVレベルの調整感覚が得られました。代わりに・・・足ピッチが一致しないので「竹馬」に乗ってる危なっかしさ。

ON-OFF時のDC出力変動は想像以下で・・・±20mV未満と見ました。DS...波形SAVEはサボる。

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性能

主眼はコレ。いや・・・思ってたより高域伸びてる・・・ちゅうか、妙な上昇傾向を見ました。なお、1MHz以上での“測定値確度・精度”に自信は無い。低域は1Hzでホンの少し低下(−0.3dbほど)見えましたが、これでイイよもう。

F特

理屈を考える知恵も根気も無いので、入力部に抵抗を直列挿入し抑えてみました。おかげで−0.45dbの利得は−1.72dbに。近年頼りにしてるDS-5102Bでの粗い測定ですが、細かな凸凹が無い事だけは見届けてます。SS-7810でも緩やかな“あの丘”は確認。

そのまンま 小細工で 左が入力部の直列抵抗無し、右が330Ω挿入時。まだオーバーシュートは残るが、利得の按配でコレに。

入力部でも見えるオーバーシュートは何でしょうか。理屈は解りません。毎度の試行錯誤で、体裁を繕った態ですな。

いつもと逆に、元波形を下にしてしまった・・・。

330Ω使用時の抵抗下流側波形は、出力波形に似てますが“ワザ”と撮影せず・・・姑息だなあ。当面の目的を達してから、ゆっくりと調べる・・・気が起きるかど〜か。

出力インピーダンス コレも重要。

「超簡単...」でも同様でしたが、信号源インピーダンスによる差があります。

3行空けのために・・・こげなことを

歪み率1 歪み率2 コレはオマケ。

左はMAK-6630で直接ドライブした歪み率。入力インピーダンスが低いし、−1.7dbの利得で10Vrmsなど出てくれません。

右は445冶具でドライブしてみた特性。28W/8Ωも出ました。「低歪み」目的では無いのですが、これなら文句無い。

本機単体の入力短絡時Noisは0.03mV内外(500kHz・BW)です。目安ですが、無信号時約±28Vの電源電圧は、28W時±24V程に。その時0.22+0.22ΩΩ両端電圧は、約0.39V・・・0.88Aか。無信号直後には0.05V/110mA程度。冷めると0.03Vに。そして測定前、±1mV未満にしたオフセット電圧は、−4mV位を示してます。

20150925終了

追記:早速マッチングトランス実験に使用しました。「超簡単...」で発生した揺らぎは見られず、ホッとしました。う〜ん・・・電源接地式が「条件」なら、ありていな管球式OTLではど〜なっちゃうのか・・・心配でもあります。

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