実際の写生においては透視面は基本的には垂直なので、三点透視図法は一般的ではありません。
 ただビルを下から見上げた写真のように高さを強調したい場合あるいは上から見下ろした感じを
 出したい場合などは三点透視図法が有効かと思います。しかしその場合は回りの風景も見上げた
 あるいは 見下ろした首の位置で写生しなければなりません。

6 透視図法の応用

 これまで四角形や直方体での透視図を見てきたので、その枠を利用すれば他のケースも理解し易く
 なります。 そこで実際の写生に役立ついくつかの例を次に述べます。 

 (1)グリッド(格子
 先に図5のように等間隔で並んだ棒が遠くなるにつれて図8のように間隔が狭くなることを説明しましたが
 具体的にどのように描くかを説明しますs。
 
 上のA図のよう長方形を考えます。対角線に結ばれた中央の点を通る垂直線を引きます。
 このとき長方形の枠の垂直線を含め3本の線は等間隔で平行です。これを側面かみると外枠はB図の
 ように消失点を向かう台形に「なります。そして中央の垂直線はA図の時のように対角線の交点を通る
 垂直線となります。 この図は窓枠を描く時にも役立ちます。

 そしてこの原理を利用して同じ長さの棒が等間隔に並んだ状態(図5)を側面から見た場合はC図の方法で
 描くことができます。 二本の棒①、②が図のように消失点に対応して並んでいる場合、三本目以降の並び方
 を説明します。 先ず①、②の2本の対角線の交点と消失点を結び棒の中央を通る中央線を引きます。
 三本目は①の棒の下から赤矢印の様に中央線と②の棒の交点を通って決めます。
 以下同様にして③、④・・と棒を描いていきます。 正面から見た時は等間隔の棒が側面から見ると遠くに行くに
 従って間隔がだんだん狭くなり、消失点に収束されてくことが分ると思います

 (2) 円形
 円も下図のように正方形を側面から見た変形した枠内に接するように描けば良いことになります。
 円の中心は消失点側に偏っていることが分ります。時計台やマンホールなどの写生に活用できます。
 

   

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