(5)上り坂、下り坂
これまでは平坦な道での透視図をみてきましたが、上り下りの坂ではどうなるのでしょう。
これも直方体の透視図から作図できます。 先ず上り坂の場合を次に示します。
A図のように平坦→上り→平坦のケースを考えます。この二点透視図はB図のようになり
ます。上りの坂は直方体を斜めに切った面(青色の面)と考えれば良いのです。
これから分ることは平坦面(平面)の消失点と上り坂の消失点と両方が存在することです。
そして平坦面の消失点は上る前の平坦も上ったあとの平坦も同じ消失点を持ち、
坂の消失点はその平坦な道の消失点より上にあります。 これを正面からとらえた
一点透視図でみるとC図のようになります。 坂の消失点はアイレベル(EL)より上になります。
今度は同じように下り坂を検証してみると下図のようになります。
下り坂の場合は上りと逆で下り坂の消失点は平面の消失点より下(ELより下)になることが分ります。
実際の写生では回りの景色との比較で上り、下りを表現できます。次頁で例として一点透視図で比較
してみました。