7 空気遠近法
遠近による違いはこれまでの透視図法の線や面だけでなく、広大な風景では
空気が介在することにより、遠方はぼやけたり、色相やコントラストが異なってきます。
これを空気遠近法と呼ばれます。 遠景は近景と比べて次の特徴があります。
(1) ぼやけている(輪郭がはっきりしない),かすんでいる
(2) コントラストが弱い
(3) 彩度が落ちる(白っぽい)
(4) 青味を帯びる(朝日、夕日では赤味)
実際そうなのか、色を付けた水彩紙を近くで写真に撮った時と遠く(50m先)で取った場合と比較
しました。カメラは自動だと絞りやシャッター速度が変わるので、手動でそれらが一定にして撮りました。
遠方の写真は至近距離と同じ大きさに拡大して比べた結果は次図のとおりです。
遠方の方はぼんやりしており、全般に白っぽく、コントラストが低く、色差も少なくなっています。
またそれぞれの色は遠方になるといずれも鮮やかさ(彩度)が落ちています。
そして白やその中の丸印や黄色などはなんとなく青味がかっているのが感じられると思います。
これらの原因について次に考察します。