4B13シングル実験

1989年〜


目次

妄想開始 1983年1月〜
妄想が暴走 1989年?〜
実験・基礎データー(1) 1991May
実験・基礎データー(2) 1991Aug
闇雲に・・・タマ集め
妄想から構想へ 1999〜
4B20 20121126〜


はじめに

「812Aシングル」妄想開始(1982年2月)当時の情報収集の際に、米国名「813」として知りました。当時タママニヤ垂涎・究極の対象?かと崇めていた「211」や「845」を凌ぐモノを感じ、以後頭の片隅にはずっと留まっておりました。ただ、Pp≒100W級はとても無理だわ、と手掛ける気持ちにはなれませんでしたね。812Aクラスが実現可能上限と諦めていた記憶です。

RCA813データーシート 情報収集時のとは違う絵面のデーターシートですが、中身は同じ。

国産の同等管「4B13」とは、最大定格・動作例が微妙に異なることを、後に知ります。

全書002A・291頁 そういえば・・・全日本真空管マニュアルにも掲載されていたのです。ただし特性曲線はありません。ところで、同じ頁の「4B13A」って、どんなタマ?。5Pベースって・・・?。

ワザと“読めないサイズ”の画像にしたのですが・・・意味希薄・・・

ずっと後に、↑こんなン可愛い方だ・・・みたいな巨大管の作例を知ります。恐呂指揮哉送信管乃世界・・・。


妄想開始

1983年1月〜

妄想が押し留められなかったのか、メモランダム残してました。

RCA813・Ec2・750V 813(T)推定メモ 妄想当時は、図書館で入手したコピーから試算しましたが、今ではWEB上でデーターシートが得られるようになり、便利になったものです。

RCA・813(T)Ec1=0V推定曲線 メモ当時のIb値(750v時)読みが少なめかも。まあ、大差無いだろうと、Excel試算と比較。計算尺で得た数値は、意外と合ってる事に驚く。

813(T)は“845”に近い特性と判断しました。Gm・μg1-g2共に若干高めなので、その分バイアスも浅かろうと楽観。告白しますと、当時すでに“馬鹿高かった「845」”の代用を妄想してました、ハイ。

妄想当時の“845”シングルアンプは、211シングル風の、Eb≒1000V・RL=10kΩ設計が多かった記憶です。いや・・・大昔の新忠篤氏(無実1972年5月)や、武末数馬先生(ラ技1973年1月)の作例、Eb≒750V動作を採用した記事を存じ上げません。まあ・・・TANGO他からW211”向きトランスが出回ってた事から、流用されたと解釈します。その為か“845”のバイアスは−100Vを超え、非常にドライブしづらいタマとの印象です。なお、近年「作り易い」手段?として、Eb>500Vの作例がみられますが。

余談はさておき、中途半端なEb=750Vの813(T)シングル動作例を「でっち上げ」ていました。

Ebb=750V
Ib=100mA
Ec1≒‐65V・・・希望観測値・・・845なら−100V内外でしょ?。
RL=5kΩ
ebmin≒350V
ibmax≒180mA

最大出力計算に必要な、ebmaxやibminは分かりません。乱暴ですが、負荷線上の対称動作(完全な2次打ち消しドライブに相当)を妄想しますと

ebmax≒1150V
ibmin≒20mA
Pomax≒16W

の結果を得ます。今思うと遊び電流はギリギリですので、CR結合なら適当かもしれませんが、カソホロ直結やトランスドライブなどで+励振時にはカットオフ側で最大出力が制限されそうです。

仮に、その試算をしますと、ibmax=200mA、ibmin=0mAなので、Pomax=25Wです。更に妄想して、Eb=1000V、Ib=100mA、RL=10kΩでの「負領域」出力は25Wほど、「極限」最大出力は50W?・・・そりゃ無理だ。ebmin=0Vは有り得ない。割り引いて40Wくらいかと。前段や出力トランス、電源の事情を無視した妄想に過ぎませんが。

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妄想が暴走

1989年?〜

1990年に妄想の具現化が始りました。首都圏勤務時代ですが、前年?横浜のJUNK屋店頭で入手したJRC及びTENの4B13が発端かと記憶。予備実験の準備に取り掛かり、翌1991年には2回の帰郷時に基礎データを得ました。

4B13 JRCとTEN 最初の入手品。後にすぐRCA・813(グラファイト?陽極)と東芝4B13を入手。以後折を見ては同系統管を収集・・・依存性症状の自覚あります。

谷垣氏4B13記事1 谷垣氏4B13記事2 実は、無実誌1985/9で谷垣嘉久氏が3結シングルアンプを発表されてました。「先越された〜」と逆恨み?しつつ参考にさせていただきました、が?。

ワザと“読めないサイズ”の画像にしたのですが・・・意味希薄・・・

同誌81頁の表題「送信用5極ビーム管 4B13 3結シングル 30Wパワーアンプの製作」からして突っ込み所満載。この表題は、製作者ご自身がお書きになったとは思いませんが。・・・30W云々も、本文や測定データーを読む限り胡散臭い。図2の「C.L→」で示される出力は12〜13Wかと読めますが、明確な言及がありません。FW-50-3.5S使用で「7W程度・・・略・・・7kΩにしてやったところ、出力も一挙に倍近く・・・略」ではねえ。

もうひとつついでに。Eb≒Ec2≒830VでIp=40mA、Isg=20mAは妙ですな。こんなにIsg(以後、Ic2と)が多いタマとは思えません。結果の先回りですが、入手した東芝4B13の1本だけの実験では、Eb≒Ec2≒750V時、Ib/Ic2は85/10.4mAでした(赤熱し易い印象なのでIb+Ic2>100mAの測定)。なお、JRC・4B13での同750V、同93.3/13.9mAや、RCA・813での同94/13.6mAなど、Ib/Ic2比率は近似しており、7〜8程でした。

読み方がいやらしく、ひねくれているのは承知しております。ただ、せっかくの「逸材」がいささか可哀想な気がしまして、突っ込んでしまいました。なお、東芝資料(一部?)が添えられているのはNiceです。G2耐圧が800Vなのは以外でした。

さて、4B13/813系のアンプ記事はしばしば見られるようにはなりましたが、なかなか「これは」と感じる作例に当たりません。傲慢な言い方をすれば、後述する1991年時点の実験で得た動作条件以外、考えられないのです。

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実験・基礎データー(1)

1991May

この年のGW連休・帰郷で実験。

実験電源 まずは、10V5AのDC点火電源と、1000V100mA対応のB電源工作から。後に440V・200VAのPTで汎用外部電源に使いまわし、使い倒す?・・・。

実験当時「写ルンです接写」撮影。

4B13・JRC実験 管球式ブースターは写ってない。自己流だがエージングも兼ねた実験で、自己バイアスCR結合での「ラフ試験」までは漕ぎ着けました。

測定機材は6GA4シングル当時のと同じだった記憶です。

実験当時「写ルンです接写」撮影。

4B13(T)実測ゼロバイアス特性 東芝だけ離れて「寝て」ますね。とても綺麗で、期待してるんですが・・・

注:このグラフは「元メモ」から書き起こしたモノ。

****

JRC・4B13(T)Eb600V・RL7k 実験当時の手書き回路。3結Eb≒600Vで、Ib+Ic2≒100mAは過剰か。出力波形クリップ前からIc1が流れて、Ec1は負に変移。RL=5kΩの出力減少は、先行したカットオフによる制限の様相・・・ただし、これは4B13(T)だけの事じゃあないはず。

動作点の移動は甚だしく、「CR結合・自己バイアス」の限界を実感。

JRC・4B13(T)Eb750V・RL7k 同Eb≒750V、頃合の動作条件と思うが、「やや赤熱」メモが気になる。仮に845だとバイアスが-100V付近になる動作条件なので、ドライブは「まだ」楽。

JRC・4B13(T)Eb930V・RL10k 赤熱の塩梅を見て決めた動作。Pin=100Wは可愛そうな気がする。211用トランスで、この辺りの動作条件も「悪くない」と感じた。

以上「おおまか」な3結基礎データーを得ました。他社のサンプルも同様に調べるべきかとは存じますが、GW休暇残日数が危うい・・・。それらは先送りとして、JRC・4B13のまま「UL接続」と「ビーム管接続」を試します。

JRC・4B13(UL)Eb600V・RL5k 武末先生のラ技1968年6〜8月「KT88/6GB8・ULシングル」を思い出します。動作条件も回路も当然異なるが、ほぼ同出力。もう極限に近い酷使動作かと存じますが、「効率」的なのはそちら。4B13は「無駄」は倍増?だが、まだ余裕があります。

JRC・4B13(UL)Eb750V・RL7k おお、これなら良さそう。まだ+に振ってないし、カットオフ側も余地あります。ただし、Psg入力は22W超で限界かと。

JRC・4B13(B)Eb600V・RL5K Ic2の増加が気になります。近似UL動作より出力が減るのはなぜ?。

JRC・4B13(B)Eb600V・RL7K いや、もうPsgがヤバイ。これ以上の高電圧動作は断念。/p>

この当時は知らなかったが、RLが高いとIsg_maxが増えるワケだ。

総じて、Eb=750V・RL=7kΩのULが良さそう。ただし、ここで時間切れ。次は夏休みまでお預けです。

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実験・基礎データー(2)

1991Aug

管球式ブースター+カソホロ 2回目は、管球式ブースターアンプ+カソホロ直結ドライブユニットで、実用に足るデータ取り。

実験当時「写ルンです接写」撮影。

今回も、ン日間の短期決戦。JRC球以外のも調べたいので、Eb≒750V一本で通します。

再び実験当時の手書きグラフ、及び回路。下側のカーブは、G1入力部の歪み率を、該当出力値にプロットしたものです。
注:大チョンボ、縦軸は0.01〜10%の3単位、横軸は0.01〜100Wの4単位。これらを書き忘れてます。

4B13(UL)JRC まずは、前回の主サンプル、JRC球から。

750V一本と書きながら、600Vもやってました。カソホロ直結を基本として、CR結合も試しました。

カソホロ直結ドライブ・750V時の最大出力は36W。若干プレート赤熱、加えてG2負担は大きい。負領域の(G1波形観測で判断)最大出力は27W。CR結合でも、動作点移動を伴いながら、ギリギリ30W超。

充分低歪みのドライブですが、なんだか異様な低歪み。750V時では10Wが1%とは。なお、波形撮影は、実験を通じて失念、片手落ちですなあ。1W・16Ω/4Vrms出力時の入力電圧は7.5Vrms。36W出力時の入力電圧は49Vrms、+11Vpeakのオーバードライブと観測。

813(UL)RCA 之奴はグラファイト陽極で、赤熱しない。Pin≒90Wまで試したが赤熱せず、タフな印象。
ただしG2負担は同等で、心配。最大出力はJRCと同等だったが、歪みはやや悪化。

ON/OFF法で簡易出力インピーダンス計測。11.6Ωなので・・・概算rp≒5kΩ。JRCではコレを見なかったなあ。

813(T)RCA RCAの3結。11.4Wまで負領域、+30Vpeakのオーバードライブで25W。この時のIc1は2.8mA(確か・・・DMMのDC平均値指示)。入力電圧は74Vrmsで、既にココがクリップしてた。

バイアスは−68Vと深く、出力段利得も、約−11db(16Ω負荷)。出力インピーダンスは5.6Ωで、推定rp≒2.5kΩ。845より、いささか高め。直線性は劣るのか?・・・でも、1W時1%未満。

813(UL・T)RCAF特 U-808の変則使用(Zp=7kΩ:Zp=16Ω)及び、100mA超のIbなので調べてみました。極端に「変」な特性ではなかった。入力側の低域特性が良くないのは・・・冶具の所為ですね。

測定レベルの記録が無い・・・エライすんません。4Vrms(16Ω)だった記憶なんですが。

4B13(UL)東芝 期待の大きい東芝球だが、赤熱し易いのでIb+Ic2<100mAに留めた。

前回テストの4本の中で、之奴だけカーブが寝てたが、出力インピーダンスでも15.2Ωと大きい。推定rp≒6.7kΩ。

後知恵では、汁孤弐有無塗布だからとか森武殿陽極だから・・・赤熱可だげなと。そんなン知らんかったが。

4B13(T)東芝 負領域出力が10W未満・・・。ただ、RCA球同様の+スイングで、似たような出力(25W)は出る。個体差でしょうが、1W時0.5%は、なかなかかと。

出力インピーダンスは7.6Ω、推定rp≒3.3kΩと高い。

個体差とは分かっているが、JRC球ULの「異様」な低歪みは気になります。残念ながら、TEN球のテスト時間は・・・得られなかった。

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闇雲に・・・タマ集め

1990年代中〜

なぜか引き続きの実験をしておりません。Eb=750V・Ib=100mA・RL=7kΩのUL接続で「決まり」と決めちゃった心境です。

以後は、2本揃えブランドの入手に精を出しつつ、妙なクセでもある「着せ替えゴッコ」球にまで妄想が広がりました。困ったモンです。

東芝2種・NEC いつ、どこで入手したか思い出せぬ、国産球。真ん中の東芝2本目は実に幸運。
NECのグラファイト球は、珍品?、フツー?。

813(RCA・2種) いつ、どこで入手したか思い出せぬ、RCAの相方(左)。幾分違うが・・・まあいいや。

813(NL・NU) いつ、どこで入手したか思い出せぬ、バラ球。案外似てる。

ΓK71(RUSSIA) いつ、どこで入手したか思い出せる、反則球。ヤナギダ理論は実践したくないし、妙案もない・・・買って困ったタマ。

ΓM70・Γy13(RUSSIA) いつ、どこで入手したか思い出せる、ソケット交換を強いられる反則球と、813同等管。

SV572-10(SVETLANA) SV572-10・Typical Operation いつ、どこで入手したか思い出せぬ、反則球。要ソケット交換。

「株式会社 明伸」から送っていただいた資料に、トンでもないシングル動作例(1W時0.05%!?)が書いてある。なお、その後のデーターシート(テクソル)他、誌面の引用などでは見られなくなった動作例でもある。胡散臭いのは承知で、試してみたくなった。

SV572-10への「着せ替えゴッコ」では、Ib=140mAを実施する必要がありますな。市販Zp=5kΩのOPTには過酷な動作です。安全電流値で許容されるだけではなく、定格使用としてクリアされねば。なんとなく?買ったJames・JS-6015Sでは、ソコが満たない。

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妄想から構想へ

1999〜

1999年9月、平田電機タンゴ時代末期に、本機用のトランスを特注しております。発注内容は

4B13用特注トランス仕様 平田電機タンゴ・No-11891 翌2000年10月21日、平田電機タンゴは事実上廃業(OKKUN_Audio_Othersより)です。間に合って幸運だったのか・・・
いや、不幸な事ですよ。

特注OPTのインダクタンスは原型の「FW-150-3.5SR」より減少・・・DC140mA重畳指定の代償ですね。う〜む、最初から「Zp=7kΩ」定格でお願いするんだった。ただ、もっと高くなったかも。PTも、5V2A巻線を6.3V-5V-0V構成にしておけば、ダンパー管も選択できた。当時は「5AR4」しか想定していませんでした。贅沢な我侭ですね。

4B13妄想回路1 妄想中のアンプ回路です。ゴツイタマにチンケな前段?かもしれませんが、「出力管」で出力管をドライブする趣味はありません。

4B13妄想回路2 妄想中の電源ですが、課題はこちらの方です。B電源をなんとしても安定化したいのですが、なかなか良さそうなデバイスが見つかりません。

特に電圧遅延には悩む・・・。妄想回路では、制御TRのベース電圧のみ遅延させてますが、折り合いがつけば大元に挿入した方が良いのかもしれません。

Russia・GM70なんぞの125W球なら1000V・100mA動作が出来る“かも”知れぬ・・・との妄想で、400V巻線。そして12V巻線の直列で20Vフィラメントに対応。負電圧用の300Vは過剰気味だし、モロモロの無駄を感じる後年・・・。無駄は全て「どこかの」発熱で消費するんだろ〜な〜・・・。

利得は少々心配でして、負帰還に回せる余裕があるかどうか。これは左右の利得差のADJを主目的としますので、6db未満でイイのです。RCA・813(T)は捨てて、ULのみに限定し、50倍/70Vrmsがクリアできれば・・・でも、ちと足らんか・・・

銅陽極?GM70 Russia・GM70の「銅陽極」と広告に。

見たら・・・ホニャララ・・・だが買った。この手の謳い文句に弱いのォ・・・。黒鉛球も眠ってンのに。

3行空けのために・・・こげなことを

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4B20

20121126〜

えらく放置して、いきなりこんなタマに遭遇してしまいました。別レポートをご覧くださいませ。

CIMG0104.JPG 之奴は、作例が乏しいので直ぐ実験したのです。先に確かめるべきタマがあるのにねえ。

4B20で妄想 今も同等品が買える、鈴蘭堂SL-15○○○で意匠の妄想。

食わず嫌いのSW電源を未だ食べた事が無い。しかし、旧来の整流平滑H点火周辺発熱部品は・・・シャーシ上に並べないとエラい事になりそう。B遅延の5AR4をドコに?・・・。

カソホロ管にも迷いが・・・。チンケな球で済ませたい拘りも残る。

3行空けのために・・・こげなことを

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