超UL実験

20120827〜


目次

超ULの発案
逆ULなのか?
初めての投稿 20120817〜
超UL実験 20120828〜
結果を投稿、その顛末 20120830〜
後始末
逆ULについて


はじめに

以前から時折閲覧していたwebサイトですが、コレ以後頻繁に・・・そして毎日覗くようになりました。HPの中身の「濃さ」は言うまでもありませんし、常連さんのレベルの高さも半端じゃありませんね。後にMini Watterも試したし、全段差動PPも、いま「かじってる」最中。

注:以下『真空管&オーディオ「なんでもあり掲示板」http://6403.teacup.com/teddy/bbs』からの引用が続きます。不適切かとも危惧しますが、ご指摘くだされば誠実に対応させていただきます。


超ULの発案

超UL元ネタ 管理人のぺるけさんからの提案がございました。
2012年 6月19日(火)02時07分4秒・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/14927

以後、http://6403.teacup.com/teddy/bbs/14929〜14933まで、RESが続きます。

その中では14933で、善本さんが述べられた「3結以上に出力が減ってしまいそうです」に注目しました。

余計な一言でしょうが、過去の投稿を遡りましたら、ぺるけさんは以前にも同じ提案を出されておられました。
2009年11月23日(月)21時07分37秒・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/9704

2009年当時の文面を引用させていただくと

『ついでにもうひとつ、スーパーULっていうのを考えたことがあります。「0〜5k〜7k」という出力トランスで「0」を電源側、「5k」をプレートにつなぐ。そして、Sgを「7k」につなぎます。そうすると、3結よりも強い帰還がかかるのでこれがホントの「超3」って。』

この前後では、水平出力管のスクリーングリッドの扱いについて議論がなされてましたが、「ヤナギダ理論」の是非に至り、ぺるけさんの「スーパーUL」に絡む展開は見られませんでした。

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逆ULなのか?

逆UL元ネタ 超ULのご提案で連想したのは、故・武末数馬先生がラ技全書011で解説されている「UL接続」のバリエーションで、「逆UL接続」と称されている回路です。

UL接続は出力段への局部負帰還(ソレだけとも思えないが)ですが、組み合わせるOPTのタップの位相を逆転し、「正帰還」としたもの・・・と説明されています。

ちなみに、同書012にはPPの試作例が掲げられております。シングル回路の試作例はありません。

後半以降に本件の“オチ”に至ります。すでに胡散臭さを見抜いた方も、暫くガマンしてくださいませ。

コレ↑との関連を指摘される投稿が現れるかも・・・と、掲示板を見守っておりましたら、下記の実験報告投稿がございました。
2012年 7月 4日(水)00時10分15秒・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15000

う〜ん、残念ながらソレ↑との絡みは述べられておられません。

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初めての投稿

20120817〜

その後も「逆UL」との関連性を指摘される投稿者は現れません。それでガマンできず、つい・・・
2012年 8月17日(金)11時49分33秒・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15197

『はじめまして。

超ULの話題があり興味深かったのですが、展開が続かない様ですので、余計な一言を。

ラジオ技術全書011・012「パワーアンプの設計と製作・上下」武末数馬著、の上巻に逆UL接続と称する回路例が掲げられています。下巻にはPP試作例も。超ULは意図されるところが異なるかもしれませんが、同じ動作の出力段かと思います。

古い資料なので恐縮ですし、私も実験したわけじゃないので、受け売りです。A級シングル動作では有用性が少ないと感じますが、PPではある意味「凄い」動作形態になる気もします。

故、武末数馬先生未公認の弟子(面識、交流もございませんでした)より。 』

と初投稿しました。直後にぺるけさんからのRESがございました。
2012年 8月17日(金)12時01分54秒 ・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15198

大変恐縮なお言葉でして、次のRESをしました。
2012年 8月17日(金)22時37分11秒・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15199

『初めての書き込みながら、ぺるけさんには早速の対応をいただき、感謝しております。同時にぺるけさんにはご負担をかけることになったかもしれません。文字通り「余計な一言」と後悔もしております。

と、書きながら「忘れた頃」の実験結果にも興味がありまして、気長にお待ちしたい気持ちです。矛盾してますね。私も手持ち部品で実験が出来ないかを考え始めました。テーマを蒸し返した手前、ぺるけさんにお任せ、ではいられない気分でもあります。』

う〜ん、硬い文面ですな。

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超UL実験

20120828〜

超UL実験回路 動作基点の「固定化」を意図したのですが、なぜそうしたのかウマイ説明がし辛い。

余談だが「定電流好き」が多い昨今、固定バイアスは喜ばれないかもしれません。

ブースターはコチラ

超UL実験中 James・JS-6015H使用時、B-3.5k-5k-7kタップのOPTはコレしか無いので。

紛らわしいが、「超3結実験」の残骸を再利用。

超UL実験・JS-6015H 標準多結とその他・・・みたいな差。

超UL実験中 ぺるけさんの提案に対する「姨捨SG 」さんRES?案を追試、U-808使用時 。
2012年 6月19日(火)20時40分56秒 ・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/14929

超UL実験・U-808 超ULが乖離した。これは未投稿データ。

超UL実験まとめ 手抜きだが「まとめ.xls」を画像化。以下の投稿内容はコレからの抜粋。

2行空けのために・・・こげなことを

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結果を投稿、その顛末

20120830〜

実験結果の抜粋を投稿。
投稿日:2012年 8月30日(木)22時32分49秒・http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15242

ぺるけさんのRES速ッ。固定バイアスで動作基点を「変えない」意図を“隠蔽”したのですが、ずばりソコをご指摘されました。
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15243

自身の弁明RES・・・
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15244

常連の「かつ」さんからもRES!。実験意図の説明不足部分を突いてきます。ラ技全書011をお持ちの「mi」さんからも。
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15245
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15246

「かつ」さん「mi」さんへの、苦しい弁明・・・。不得手なPC操作だが、今頃全書011の関連図面を・・・書き起こし添付投稿をしました。
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15247〜15248

常連の「Ayumi」さんからのRES。おお、こういうコトなのか、これが知りたかったのです。文章に、し難い実態が、分かりやすくシミュレートされております。
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15249

疑問が解消できて、そのお礼と“お騒がせ”のお詫びを投稿。
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15250

「かつ」さんのお言葉で“オチ”付きました。
http://6403.teacup.com/teddy/bbs/15252

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後始末

言い訳・弁明が多いのはご容赦いただきたいのです。m(_ _)m・・・

まずは超UL実験での「固定バイアス」の意図ですが、最適条件を探すつもりは毛頭ありませんでした。標準5結時の動作基点を、文字通り「固定」し、負荷抵抗値も5kΩ固定したまま、まずは各接続での最大出力の変化を調べました。接続の違いはEb-Ib特性曲線の違いに表れる理屈で、特にEc1=0V時の曲線がどのように「変わるだろう」かを実感したかったのです。

具体的に知りたいのは負荷線上の“ibmaxとebmin”の数値ですが、大掛かりな直読装置などがないと(オシロで代用できるかも)正確には把握できません。手抜きでしょうが、グリッド抵抗両端に直流電圧が発生する、クリップ時点の最大出力の差異で「大雑把」に把握しようと考えた程度のことです。この際に「最適動作点」を探してIboを加減しますと負荷線も特性曲線上で上下にシフトし、クリップ点が遠ざかったのか近づいたのかを比較し辛くなると考えたのです。

現実には、接続の違いによるG2電圧の差異(数V)による動作基点の移動は目をつぶってます。これはOPTの巻線抵抗の影響によるものなので、根性があれば全接続でピッタリに出来なくも無い。その点は手抜きだと承知しております。(開き直り?)

さて、当初の「逆ULに絡めた」誤解はさて置き、「超UL」では善本さんが早々に看破された如く最大出力の減少を実感しました。しかし出力段の内部抵抗・・・出力インピーダンスは減る。これのカラクリが分りませんでしたが、Ayumiさんのご教示により、それらが全て氷解した・・・ちゅう訳です。

“告白”すれば数学が苦手でして、加えて「国語も」大したこと無いと付け加えましょう。各接続の違いをどう解釈・表現しようか・・・無許可ですが、AyumiさんのRESにも掲げられたシミュレート結果を拝借させていただきました。

Ayumiさんによるシミュレート 標準5結からUL、そして3結までの曲線の変化は、幾つかの教科書・参考書で同じものモノです。

注:ここからしばらくは、左記図表の表記に沿った(つもり)の記述を心掛けます。
常用している「Eb・Ib」用語は封印。

超ULでは、3結より「立ってる」と知り、実験結果との整合はあります。気になるのはVp≒40VまでIp=0mAの領域ですが、これも実験との整合が見て取れます。

内部抵抗の低下は、“Ip値の目減り”で実現しているような動作かと感じます。Vp<200Vの領域では、Vpmin(瞬時値)>Vg2min(同)といった感じかなと。そしてVpmin<40Vでは、Vg2min<0Vが先行して、Ip=0mAの「カットオフ」状態。3結(Vp=Vg2)より最大出力は少なく、内部抵抗も減るカラクリはこれですな。

Vp>200Vを境にその逆の“追加”が見られ、Ip値は増加しますが、ありていな出力管のシングルアンプでは活用が不便(不可能?)な領域でしょう。本題から離れるのかもしれませんが、Ayumiさんのシミュレート中の「E1=-250m」が本来の「逆UL」曲線なのでしょうか。興味深いが、これも使いづらい印象。

あらためて、疑問氷解のきっかけを与えてくださったAyumiさんには感謝しております。しかしご著書も持ってるのに、活用方法を見出せず、至らぬ読者だと反省も・・・。


2行空けのために・・・こげなことを

弁解がましいのですが、以上の「御託」はAyumiさんの“シミュレーション結果“を解釈しただけですね。なぜこの結果になるか・・・の理解には程遠いと感じてはいます。

言わずもがな・・・の結末になってしまい、後ろめたさも感じております。現実的には“最大出力の減少を伴う低内部抵抗化”の回路とわかりました。ぺるけさんスミマセン。m(_ _)m・・・

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逆ULについて

言いだしっぺの「逆UL」について“知ったかぶり”を披露しましょ。ナニをカン違いしたのかを知って欲しくてしょうがない我侭に過ぎないが。

いつ、どこで買ったのか思い出せないのですが「音声増幅器 設計 並 調整(第三版)・NHK技術現業局整備部長 島山鶴雄著」に「正しい」回路と説明がございました。

音声増幅器 設計 並 調整357頁 音声増幅器 設計 並 調整358頁 持ってたなら先に調べとけ!・・・みたいなオチでもあります。

なお、この時代すでに考えられていた事は感慨深い。クルマに疎いので不適切な例えでしょうが、まるでターボチャージャーみたいな「最大瞬時電流値拡張」と感じます。「AB1級増幅の場合には・・・」これは勿論PP出力段の事ですね。

余談ですが、手元にあるのは「昭和42年6月30日 第三版11刷」です。初版は昭和28年の・・・古い本ですなあ。

混乱の元とも言える、武末先生のラ技全書011では「スクリーン・グリッドに加わる電圧の位相を逆にした場合を・・・」と説明されています。よお〜く見ますと前述の回路 (a)シングル接続では、逆相になりません。先生のチョンボか、かつさんが仰る編集部のソレかはわかりませんが、ここは「編集部の所為」にしておきたい気分であります。

なお、(b)プッシュプル接続の方は正しく、同書012には6BQ5による逆UL接続の試作例が掲げられております。

赤石健司氏作例 余計ついでに、比較的?近年の実例が見つかりました。

赤石健司氏による、ラジオ技術1993年10〜12月号「6L6GCプッシュプル・パワー・アンプの試作」で、逆ULを含む各種接続の実測データが盛り込まれております。

その中で、逆UL接続時には正帰還動作に伴う利得の増加以外にも、低負荷時の出力増大が報告されています。ならば、Ec1=0Vの曲線は上方(電流増加方向)に移動していると考えられます。

3行空けのために・・・こげなことを

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