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Artist

ESTRELLAS DE CHOCOLATE

Title

GUAGUANCO A TODOS LOS BARRIOS



Japanese Title グァグァンコー・ア・トドス・ロス・バリオス
Date the late1950s
Label PヴァインPCD2146(JP)
CD Release 1990
Rating ★★★★☆
Availability ◆◆◆


Review

 コンフント・モデーロ解散後に、フェリックス・“チョコラーテ”・アルフォンソがその残党を中心に結成したコンフント。プチート原盤による本盤は、エストレージャス・デ・チョコラーテ名義としては最初期(おそらく50年代後半)の録音。

 くわしいメンバーはわからないが、ソロのときの掛け声から、トレスはニーニョ・リベーラ、ピアノにはダビ・パロマーレスとリリー・マルティネスの2人が参加しているのがわかる。リベーラとパロマーレスはモデーロ時代のメンバー、リリーはもちろん元アルセニオ楽団の名ピアニスト兼アレンジャーだ。
 キューバ音楽のエッセンスがぎっしりと詰め込まれたソン・モントゥーノ、グァグァンコー、ボレーロ中心の構成は健在だが、アルセニオ直系といえたモデーロにくらべると、フットワークがずいぶん軽くなった印象を受ける。

 オスカール・デ・レオーンを思わせるハイ・トーンのヴォーカル(名まえは不明)は、グァグァンコーのようなアップ・テンポの曲ではサルサを予感させ、スローなボレーロでは甘く切なげなエロスを醸し出している。ビンビンと下腹部をえぐるようなアルセニオとは対照的に、流れるように軽快なトレス・ソロを聞かせるニーニョもすばらしい。アルセニオなきあとのキューバ最高のトレス奏者であったことは疑いない。

 なお、後年、エストレージャス・デ・アレイート(ワーナー VPCR-19006/7) が取り上げたアランソーラの名曲'QUE TRAIGAN EL GUAGUANCO' 'GUAGUANCO A TODOS LOS BARRIOS' のオリジナルを収録。また、'FANIA'はサルサのファニア・オール・スターズのテーマ曲にもなった。キューバ的な濃厚さでは、ミゲリート・クニーを擁するチャポティーン楽団に一歩譲るものの、アルセニオの血がサルサへ受け継がれていく橋渡し的な位置に立つアルバムだと思う。'QUE TRAIGAN EL GUAGUANCO' のなかにこんな詞がある。

「アルセニオは外国へ発つとき、グァグァンコーのリズムを置いていったらしい、キューバのソンのリズムを置いていったらしい」


(12.11.01)



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by Tatsushi Tsukahara