年中行事
1.はじめに 2.大般若会 3.涅槃会 4.花祭り 5.お盆
1 はじめに
年中行事とタイトルをつけて困ってしまった。あまり書くべきものがないのである。もともと寺院は僧侶の修業の場所であった。ここで僧侶とは、「僧」に「人」という意味の「侶」という語をつけただけのものである。「僧」とは修行者の集団を意味する「僧伽」(そうぎゃ、サンガと読む。サッカーの京都サンガはここから取ったと思われる。)を短縮しただけのものである。つまり修業者集団のメンバーというくらいの意味である。そんな所にそんなに行事などあるはずがないのである。
そして、現代のほとんどの既成仏教は、葬式と先祖供養をその第一任務にしてしまった。というよりも、厳しい修業をしなくなったから、葬式と先祖供養が残ってしまったのであろう。ちょうど戦前の天皇からすべての政治的実権を取り上げてしまった為に、「象徴」という地位だけ残ったようなものだ。そういう意味でいまどきの寺院の一番の仕事は葬式と法事なのであるが、これでは年中行事というにはふさわしくないので触れません。
ということで、ここでは季節感のあるいくつかの行事を紹介してみます。これも本来なら除夜の鐘から始めると記事がしまるのですが、慈眼寺には文字どうりカネがありませんので、住職が年越しの時刻に新年を迎えるお経を読むことだけお知らせするにとどめます。それでは・・・。