6V6シングル(2)

20150212〜


目次

昔話 1980年頃?深入り実験・・・2 20150212〜全回路実験 20150418〜
1993年時点の現状サブテーマ・・・2 20150212〜測定 20150422〜
2006年のメモU-808とPMF-10WS 20150216試聴 20150426〜
2010年のメモ思いつき実験 20150217宿題 20150603〜
2013年のメモ前段回路実験 20150220〜宿題・・・ 20150611〜
実験開始・・・いや再開 20150128〜全段回路実験 20150401〜まだ宿題・・・ 20150613〜
深入り実験・・・1 20150201〜深入り実験3・・・ヒーターハム 20150408〜おさらい 20150614〜
サブテーマ・・・1 20150210〜深入り実験3・・・誘導ハム 20150411〜割り込みネタ“5992Ver.” 20160316〜
U-808とPMF-10WS 20150211〜深入り実験3・・・リプルハム 20150413〜6F6-GTへの着せ替えゴッコ まだです・・・


つづきです

負荷入り深入りが過ぎて、いまさら端折るのもカッコ悪い気がします。核心に至るのが先延ばしになるのをお許しください。


深入り実験・・・2

20150413〜

20150212実験2

多極管接続実験。F-475の1次巻線抵抗値が470〜480Ω(1997年タムラ資料では、代表値514Ωだが)もあって、Eb≒Ec2条件のために約22V分ADJします。

Dzから見た負荷がSg電極で、ic2minが読めません。カットオフには至らないと思うのですが、到ったら?マズイかもしれないので・・・1mA程度のブリーダー電流を与えております。

バイアスADJ回路の抵抗値を変更しました。

201502−−実験2 RCAとTEN?生き残り1本のデータです。

Ck無しでは、なんと−10db以上の利得低下(1kHz)、これはちと予想外でした。以下、特記無きデータは全てRCA・6V6サンプル1のものです。

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サブテーマ・・・2

20150212〜

多極管接続でのF特です。

6V6s(B)周波数特性 低域の−3db落ちは24Hzに上昇、それでもこのレスポンスは大したものです。高域は24kHzに下降して、やや意外。Ck無しとの差異は極めて少なく、いささか肩透かし・・・。いや、Ck無しで悪化するだろうと予想していたので、変わりないのは良いことです。

高域の劣化はF-475の分布容量の大きさを物語っている・・・と考えます。いや、他の2種との比較を待たなければいけませんが。

実は想像していたよりも平坦で、高域ピーク・・・+3db以上の・・・を覚悟していました。この点はタムラF-475の性能だろうと思います。

3次巻線 3結時の3次巻線測定より細かく拾ってみました。2次8Ω負荷に1Vrms時の3次10kΩには1.52Vrms・・・ちと大きいのは?・・・

しかし、これを見ると3次巻線を使う気が失せてしまいます。後に・・・試しては見ますが、なんだかな〜。もう一個もこんなンかな〜。現行品ではど〜なンかな〜・・・?。

****の**年**号、是枝重治氏の「********」記事中に、F-475の3次巻線についての文章と実測?F特グラフがございます。思い違いでした。緩急O刻2003年Vol.27での同氏による「6336B pp」記事での、タムラPP出力トランス・F-782の3次巻線に関する記述でした。掲載されたような広帯域なら、さぞ位相回転も少ないだろうとは思うので、目の前のF-475も期待してたのですが・・・。

もうひとつ。タムラ1997年8月のテクニカルリポートを読むと、「・・・2次負荷の変化による不安定な発振がなくなります。」と書かれてました。「2次負荷の変化が、帰還電圧の出口・・・3次巻線出力に影響しない」みたいに解釈してしまいそうです。

しかし、「良く」読めば「発振がなくなります」と書いてあるのであって「影響されない」とまで妄想はできないと気付きました。ただ、考えてても先に進まないので、再び道草実験をしてみました。

2次開放で3次巻線出力は・・・? じつは、これがトンだ薮蛇実験でした。「2次負荷の変化」の最たるモデルケースとして「開放」を試しましたが、妙な・・・いや、当然の如きデータを見る事が出来ましたが、3次巻線のメリットは全く解りません。と言うより、アプローチそのものにトンデモ無い勘違いを含んでいたのかも。

正直言って、この件の深入りは避けます。負帰還安定性を考えるのなら、位相関係も調べなければ片手落ちでしょうし、そもそも無帰還単段多極管シングル出力段のみで、そのレベルの追及が可能なのかどうかも確証無くはぢめちゃったことに恥じ入るほかありません。もう逃げます。

OTL・・・がっくり・・・

歪み率測定に進みました。まずはカソードバイパスコンデンサCk付きから。

Ck付き多結歪み Ck付き多結歪みF特 MAK-6630の「大出力電圧10Vrms」頼みの測定です。なんとか最大出力まで確認ができましたが、サンプルの中でバイアスが深めの球ではど〜だろうか。

ちなみに、Rg=470kΩ両端のDC電圧変化で最大出力の判定をしております。

RCAサンプル1は、ゼロバイアス電流が小さ目なので、標準動作例条件のロードライン上では早めのクリップになった気がします。

Ck無しでは、MAKの10Vrms上限で振り切れません。445冶具でブーストしました。

Ck無し多結歪み Ck無し多結歪みF特 未開示の類似裏実験で、カソード抵抗による電流負帰還の効果は確認しておりましたが、1kHzに限っては利得低下分以上に効き、予想外です。

妙なうねりは気になりますが、1kHz・0.1W内外を見ると、−20dbほどの低下です。G1入力に対する負帰還作用以外にも、Sg絡みで、得体の知れぬカラクリが起きてるかも?と妄想する。しかし中域に効果が偏っており、この点もOPT絡みの曲線に見えます。

ちょっとばかり楽しみでもあった出力インピーダンス特性です。前回とは測定条件を変えて、測定電流=0.01Arms一定です。使用計器も変わったのですが、記録を残してなかった。

多結出力インピーダンス これはもう、2次側から見た1次開放インピーダンスみたいなモンです。2次開放で見た
薮蛇実験のカーブに共通する根幹が見え、OPTの一面とも言えます。

Ckの有無は、大差ないと言うべきか・・・でも、最高出力インピーダンスには違いが出ました。100Ω超えを目指す“イロケ”もありましたが、Ck無しで400Hz〜2kHzの限られた帯域でしかない。今はもうコレを推し通す気持ちはありません。

2006年メモ以降の妄想回路には既にループ帰還を書き込んでおりますが、−6db内外の低帰還を考えております。中途半端な出力インピーダンスのアンプが出来上がりそうです。

久しぶりに手掛ける出力段の動作特性です。菊水PMC安定化電源機器導入で、測定中のストレスは改善されました。

出力段の動作特性 0.1W以下は要らん?グラフになりました。470kΩ電位の極性反転は、2次8Ω出力ギリギリ3W。

Ic2の増加が心配でしたが、クリップ時でも6mA超えくらいでした。それでも1.5〜1.6Wの損失なので、余裕綽々ではありません。

くどい話ですが、RCAサンプル1ではibmax値が少なめなので、いわゆる「ビーム管の肩」をロードラインが交差しておらず、「肩の上」あたりに架かってる気がします。教科書的な意味合いでは、適正動作点とはいえないのでしょうが、G2負担が少ないこんな按配を好みます。しかし、負荷抵抗値が上昇すれば容易に「肩の下、二の腕」辺りに架かります。・・・Ic2の増大が見られるはずかと。

これも久々の測定です。管球OTLをされる方でも、案外お見受けしない・・・面倒臭いからでしょうね。ワシも苦手ぢゃ。

負荷抵抗対出力 各種負荷抵抗の準備も腰が引ける一因ですが、デリケートな「最大出力値」の判定にも悩んでおりました。読み取り中に電灯線電圧が変化して・・・スライダックで辻褄あわせ・・・やってても、信頼性に乏しい気分を味わってきました。

これも菊水PMCシリーズのおかげで気楽になった・・・とはまいりません。ある程度の負帰還がかけられ、完成したアンプではクリップ(もしくはカットオフ)判定がわかりやすいのですが、無帰還やら低帰還アンプなどでは“どこがクリップ出力?”か不明瞭なのです。

不手際の開示には忸怩たるモノがあります。ビーム管独特の・・・と言われる、鋭いカーブが得られません。特にシングルアンプではカットオフ側の湾曲が波形判定に迷いを生みます。

本件に限らず感じることは、クリップの瞬間は見つけづらく、Ig1が流れ出したころ既に動作点の移動が始まっていて、カットオフ側の波形変化の方が著しいことがほとんどなのです。よほど脆弱な信号源でドライブすれば、入力側での波形歪みが出力でも観測できるのかもしれません。しかし、実験段階で用いるオーディオアナライザ・MAK-6630(600Ω送り出し)や、ファンクションジェネレータ・FG-274(50Ω系)は、受信管回路程度の負荷では案外歪んでくれませんな。

前述の470kΩグリッド抵抗両端の電圧変化にしても、RL>10Ω以上ではカットオフ側で明瞭に歪んだ頃に極性が反転します。出力の読み取り数値は結構デカイ・・・。結局は、アナライザのモニター出力波形上で、歪み波形の変化で判定しました。主観が絡み、スッキリしません。

なお、スクリーングリッド電流の最大値も拾ってみましたが、最大出力の判定と同じく真っ当な数値かどうかは自信が無い。しかしRL増加に伴い、電流が増える傾向は確かなのです。なお、オーバードライブすると更に急増しますので、掲げた電流値が上限ではない点にご注意。

今回みたいに出力段のみで行うより、完成した“負帰還アンプ”の状態で調べる方が、クリップが解り易そう。どっちが正解なのかは悩むが。

TEN?Ck付き TEN?Ck無し TEN?のただ一本の生き残り球。

こんなコンディションでして、歪み率数値からも「案外使える」球と思われます。

3結時に見つけたノイズは・・・この実験では深追いしなかった。いや、気付かなかったのです。

445冶具ではCk無しTEN球が振り切れない。24Vrmsまで無歪みなのですが、2次8Ωに5Vrms・・・3.125W時には25Vrmsまで振っておりまして、6V6GT入力部で既にクリップしてます。掲げたグラフ数値にはソレを含んでおります。1Vrms入力時の利得はRCAサンプル1と同じ(ミスしたか?)なんですが、なんでかな〜?。他のサンプルも調べないと何ともいえませんが、案外きわどい実験なのですね。最終回路では30Vrms以上が要ると実感しました。

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U-808とPMF-10WS・・・2

20150216〜

タムラ・F-475での基礎実験が終了したので、負荷入り深入りの、更に回り道実験です。再びRCA・6V6サンプル1です。

U-808では U-808使用時は、1次巻線DCRが低いのでスクリーングリッドへの供給電圧をADJします。図中には描いておりませんでしたが、HZ-7A×3とLED×1構成からHZ-7A×2を短絡除去しました。Ebb≒280Vで標準動作例に近似しました。

45Hz〜49kHz(−3db落ち)でした。さて・・・この図体にしては低域が狭い。しかし高域は良い。些細なことでしょうが、2k〜20kHz間に0.1db内外のレベル上昇が見えた。DS-5102Bの指示数値では1.00〜1.02Vrmsなので、LEADER・LMV-181Aを併用し胡散臭いが補間しました。グラフでは読めませんね。

0db=1Vrms(8Ω/0.125W)の小信号測定ですが、1次巻線換算では25Vrmsの振幅です。古いU-808単品資料では「8V一定」の記述があり、いつごろからかソレが4Vに変更されてます。だから何なのさ・・・ですが。

PMF-10WSに置き換えて。

PMF-10WSでは U-808同様のADJ状態では、Eb≒249V、Ec2≒250V動作です。多極管ではEbの違いが電流値に現れにくいので、Ec2=250Vを優先しております。

38Hz〜32kHz(−3db落ち)でした。低域はU-808よりも優秀。高域は○△□ですな。同様に、2k〜20kHz間に最大+0.3dbのレベル上昇が見られました。ここも、LEADER・LMV-181Aを併用し胡散臭いが補間しました。グラフでも見て取れます。

デジタル計器の指示値全般に感じる最下桁数値の扱いには悩みますが、波形演算数値はケッコウ信頼できそうです。しかし6V6のレポートなのか、OPTなのか・・・DS-5102Bの使用感レポートなのか・・・視点が泳いでます。

実は・・・そろそろ根性がヘバリかけています。この回り道OPT、2種の処遇はここまでにしようかと。

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思いつき実験

20150217〜

前段管は暫定的に12AX7の2ユニットパラを考えておりますが、この手のタマでは出力インピーダンスを下げ難いのです。各部定数・動作条件もまだ白紙ですが、まさか50kΩ以上にはならぬと予想し、6V6の入り口に47kΩを挿入して下流側のF特を調べてみようと思いつきました。

この前に、測定系の点検をしました。FG-274→47kΩ→DS-5102B(10:1プローブ使用)では1kHz・1Vrmsに対し、150kHzで−3db落ち・・・。同→LMV-181Aを、付属のミノムシ⇔バナナプラグ付きシールドケーブル使用では、50kHz−3db・・・。バラ線でも140kHz−3dbとは。測定器入力部の容量が無視できないことが今頃判明したのです。

バッファです テスト性能では まあ苦肉の策ですが、2SK30AGRのソースフォロワ冶具を急遽拵えまして、低入力容量バッファとしました。下の写真とは別の姿勢で、LMV-181Aの入り口にカマして得たのがこのカーブです。

接合容量は少ない部類の2SK30Aですが、47kΩの存在感は大きい・・・。100kHzではナントカ−0.7db、−3db落ちは300kHz付近です。某LPF計算サイトで確認(手抜きだ)すると、Cin≒11〜12pF相当だろうと見ました。10:1の汎用パッシブプローブ同等か若干少ないくらい・・・。なおLMV...への接続で、容量がバカにならぬ付属ケーブルも使用に耐えるのは助かる。

実験に使用中 しかし6V6実験機内部から冶具バッファに導き入れますと、100kHz−1db近くにまで落ちました。タマ(冷えてます)を挿しただけで同−2db近くに低下し、通電しますと同−2.5db・・・。−3db落ちは120kHzほどですが、タマ由来の入力容量のみを抽出した測定はできておりません。なお、コレはCk付きです。

ぶら下がってる冶具の下に実験機・・・

Ck無しですと、100kHz−1.7db・・・−3db落ちは140kHz内外に拡大しましたが、カソード抵抗の電流負帰還作用が垣間見えたのかな?・・・
くらいの違いです。あ〜あ、またアプローチを誤った感じの実験でした。

6V6多極管接続とF-475で得られる高域特性が24kHzですし、出力段の入力容量他は3極(3結)出力管ほどは大きくないはず。前段の出力インピーダンスが100kΩだろうと大して劣化が目立つ気はしません。しかしもう少しナントカしたい気になってしまいました。12AX7以外の選択肢も考えましょう・・・後で。

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前段回路実験

20150220〜

Ck無し出力段で「出力インピーダンス」以外の著しい劣化は目立たないと考えます。しかし、たかだか3Wの最大出力を得るのに25Vrms以上が要るので、小型古典3極出力管並みの感度です。近年の作では仕上がり17dbに落ち着いてるので、−6dbの負帰還を考えますと70倍以上・・・37db内外の前段利得を要しますので、12AX7では無理でした。2段構成なら多極管が要ります。

年代的な相方選びですと6AU6(6SJ7かも)なんですが、既に9Pソケットが組み込み済み。6267もイイがストックは少なく、他構想分が目減りするのはイヤだし・・・。で、いささか変則的ですが、昔の実験で収集した中から選ぼうと考えました。片chあたり10mA程の消費電流を考えると、PC-121ではギリギリです。

6688実験回路1 6688実験データ1 東芝の6688にしました。

カソード抵抗100Ωのバイパスコンデンサ無しで、所定の利得が得られるよう2〜3パターンを試した程度ですが、この回路に決めようかと思います。

Ck付きでは100k〜470kΩの負荷に44db台、
同Ck無しでは37db内外の利得が得られます。積極的な意図の処置ではないけれど、電流帰還分の歪み低下は効きました。

実は、出力段のような別途プラスバイアス回路併用で、1kΩ台のカソード抵抗をハメるアイデアもありました。プラスバイアスのADJで出力段との歪み相殺も考えたのですが・・・面倒臭くなったので、止めました。出力段の歪みは前述の数値が維持できればと考えます。

なお、単体の最良歪み率はもっと浅いバイアスのはずですが、負帰還抵抗値が1kΩ以下ではF-475の3次NF巻線の負荷として「キツイ」気がしたのです。妙なカーブは気になるが、25Vrmsは“まあまあ”低歪みですし、40Vrmsまでなら余裕で出てくれました。このデータは100kΩ受けの歪みですから、6V6側は470kΩを予定していますので、チョッとは良くなると楽観しております。

DS-5102Bと10:1プローブ使用で調べた限りでは、−3db落ちは300kHz以上でしたから充分でしょう。多極管ならでは?の利点と言って良いのか、電流負帰還による内部抵抗の増加が表に現れないのです。アタリマエの事ですが、∞になっても出力インピーダンスはRL値を越えません。

ここまで全てのNois・歪みは、オーディオアナライザMAK-6630の全フィルタ無し、〜500kHz・BW数値でした。6688前段実験でのNoisは、400Hz〜500kHz・BWで殆ど変わらず、〜80kHz・BWでは0.16mVに減りましたので、高域成分が主体だと思います。出力段の高域特性(24kHz−3db)で、かなり「隠蔽」されると考えるのは楽観的スギますかな?。

幾分利得は下がるが、6R-R8も考えました。あらためての追試はしませんでしたが、バイアスADJによる2次歪み激減の可能性を他の妄想で活かしてみたい思惑があるのです。

「納期」の無い道楽なんですが、なぜか急ぎたい心境です。

6688実験回路2 ようやく増幅部2ch分の組み込みを終了しましたが、電源部は未完のままで、いまだ菊水PMCシリーズからの供給実験が続きます。

前段実験1でテストした6688のサンプルは1本だけだったので、あらためて全8本のテストを進めますが、組んだ2ch回路に2本づつのサンプルを挿しました。従って・・・厳密には全くの同一条件とは言えません。

もう一つ、Ec2は若干低下したので実験時の動作条件からすこ〜し変わります。

6688全8本 東芝6688のばらつきです。バイパス無しカソード抵抗のおかげで利得はナントカ揃ってる体裁ですが、Ib ・Ic2・歪み・Noisは相当異なりました。

バイアスをADJできれば歪み率の差は圧縮できると思うのですが、今回は負帰還抵抗値との絡みでRk=100Ω固定です。

Rkを固定・・・と宣言したのですが、サンプルAのみで回路定数を探ったツケがきた気分です。昔の実験で痛感したはずの感覚を忘れたのね。東芝本他を読んで知ってるはずの6688動作例には、「カソード抵抗630Ω、第1グリッド供給電圧+9V・・・」の記述があります。そして、実質のEc1値は記載がございません。このタマの実際の使用回路例など存じ上げませんが、E280FとE282Fで設計された広帯域増幅回路例はございます。各段ともにケッコウな値のカソード抵抗を与え、2〜3段目のG1に共通の+6Vを加えています。

あくまでも推測ですが、バイアスのばらつきを平準化する目的もあるかと思います。6688の標準動作例ではIb=13mA、Ic2=3.3mA。カソード電圧は10.3Vほどなので、EC1≒−1.27Vです。フツーの自己バイアスならばRk≒78Ωですが、多分・・・上記実験のようにバラつきが著しく現れてしまうかと。

結局・・・面倒臭いからと、一度は没にしたバイアス可変を試すハメに・・・。まずはLch側だけ組み替えます。

6688実験回路3 あの歪み率のバラつきを見つけてしまうと、ど〜も放っとけない性分です。多分最適バイアスが異なるだけだろう球でも活かしたいと考えます。

大袈裟すぎると承知のバイアスADJ付き“改”路。グリッド・カソード周りが途端に窮屈に、
旧回路のスッキリ感は喪失・・・。コンデンサーの増加が気にならないヒト向き?。

バイアス電圧生成の電流分(片ch1mA・・・根拠は無いけど)の増加を嫌い、Ec2用ツェナは
却下。中途半端な抵抗ドロップに変更しました。元電圧の変動がどう関わるかは・・・あああ・・新たに気になる用件が湧いた。

細字で大雑把な時定数計算値を書き込んでみましたが・・・?か・・・

実はサンプルBの歪み率を見て、他サンプルもこれくらいの数値が得られんかな・・・と、欲が出たのです。加えて、まだ先の話ですが、2次歪みの打ち消し云々も選択できそうです。

しかし、組み上げた2ch分の回路を再度手直しするのは、いささか残念。実験回路1の段階で全8本調べときゃヨカッタと悔やむが。

また6688 8本・・・ 似たネタでこれだけ引っ張るのも気が引けますが、結果です。

10Vrms出力時で最小歪みにADJしてみました。出力段がA≒0.2なので、8Ω負荷に2Vrms(0.5W)時相当です。

6688サンプルA 6688サンプルB 6688サンプルC 6688サンプルD

6688サンプルE 6688サンプルF 6688サンプルG 6688サンプルH

ヤケクソで、調べた全8本のデータをぶちまけます。一筋縄ではいかない実態が見えて、困惑しながらも興味深い。

目論みだった歪み率の平準化は、10Vrms時だけでADJしたので幾らか出来た・・・気がせんのです。コレと一緒に見ていただい・・・ても解りにくいのですが、サンプル「A・B・E」と「C・E・F」の差が見えませんか?。なお、サンプル「G・H」がいささか可笑しい怪しいみたい。「A・B・E」はバイアス浅めで、「C・D・F」はやや深め。それだけで語れるとは思いませんが、歪み波形も前者は汚いのです。タマの供給者はこんな特性曲線を公表しておりますが、なんのなんの・・・ケッコウな個体差を孕んでいると思わざるを得ません。なお、10Vrms時1%のADJは“判”を押したような一致振り

スクリーングリッドの供給電圧が固定されていない事で、状況が掴みにくい気がしてなりません。多極管の煩わしさを痛感した次第です。・・・今頃。Ec2の固定を考え直し・・・たいのか、ど〜だか、迷います。

菊水MPCシリーズがあるから、Eb・Ec2・Ec1(これはLUXKIT・M-6Pで)独立電源で試験できるのですが、電圧増幅管風情に・・・と思わんでもない。しかし、やるべきだったかもしれません。とはいえ、これ以上の深入りを“今は”さぼります。深めバイアスのサンプル「D・F」を選びましょう。サンプル「C」も捨てがたいが、不規則Noisが出る。

ガーン・・・((( д°°)))・・・

情けないチョンボをしておりました。負帰還抵抗値を1kΩと決めた実験を進めておりましたが、こりゃあ・・・8Ωタップから約−6dbの負帰還を想定した数値でした。更に、サンプル8本を調べた限りでは、ここの利得が思惑の37dbに「ちょっと」足りないのです。些細な違いですが、帰還抵抗値の変更も利得を削る一端になる気がするので、負荷抵抗値も変えましょう。

6688実験回路4 6688サンプルDとF クドすぎるので舞台裏の経緯は省略し、最終決定回路です。

最低歪み率は先のデーターに負けます。
まあ・・・似たような性能と考えますが。

消費電流の節約も意図した変更の「つもり」
ですが、さて・・・最適かど〜かは自信が無い。

片chあたり12mAの消費電流で、コレまでと同じく10Vrms時最小歪みを得る動作条件なのです。出力段との歪み打ち消しを図る場合バイアスは深くしますので、消費電流は減る見込みです。

EbbやEc2の供給点を、左右ch分離にする予定です。chセパレーションを考えての処置ですが、左右共通を試してからの吟味が望ましい
「実験手順」をサボります。

やっとここまで ラグ端子数不足を「東芝端子」の追加で補う“反則”ワザ、70mmの深めシャーシのおかげで
相当救われます。しかし、金輪際したくない配線になりました。

話は逸れますが、アレをなぜ「東芝・・・」と呼ぶのか由来がわかりません。
「スタンドオフ端子台」の方が検索されやすいのにね。

あっさり終える気でいた前段部で、一月以上かかってしまいました。前例が乏しい管種を選んだツケといえます。

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全段回路実験(全回路ではありませぬ)

20150401〜

主に6V6(RCA)サンプル1を使用して調べてまいりましたが、相方の同サンプル2との差が見過ごせない事が判明しました。
以下、同サンプル3と4に“急遽”変更してご報告申し上げます。

全段回路実験1 6V6の外観2種 もう決めました。実験途中ではありますが、
コレで進めます。

出力段のスクリーングリッド給電回路のブリーダー電流で、バイアス回路の電圧生成が出来ると気付きました・・・今頃。

ちなみに1/2組と、3/4組の外観・印字文字が異なるので、相方を入れ替える気がしません。

先立って試した同サンプル1と2での、動作状態・各部電圧電流値をココに掲げます。サンプル2は、バイアスが浅め・・くらいの違いだけど。

クドいけどサンプル3と4で。

入出力 chセパレーション 1kHz・0.1V入力時の利得は、Lch=24.47db、Rch=24.48db。サンプル1・2の24.8db内外より下がったが、その差は希少。各段のカソード抵抗による電流帰還で、利得個体差が圧縮された賜物と言えます。

懸念されたchセパレーションは、まあまあかと。Noisフロアが0.1mV未満なので、−80db以下の領域でも「漏れ」波形が見えました。菊水PMCシリーズの恩恵とも言うべきかも。

先立って試した同サンプル1と2での、入出力特性をココに。chセパレーションをココに掲げます。出力管の違いがchセパレーション特性に差が出るとは解せぬので、なにかの錯誤?か。未検証放置。

1kHz以下では、どうやらそのPMCシリーズの内部インピーダンスが垣間見えたかのように思いました。まだ検証しておりませんが、曰く「高速安定化電源」「超低Zo電源」ナンタラの、マニヤが声高に謳う回路とはずいぶん違うのかもしれないと想像します。

Lch歪み率 Rch歪み率 無帰還時の歪み率特性

6V6サンプル1と2の「中庸?」と言って良いのかワカラヌ数値。でもまあ・・・揃ってる方かなと感じます。サンプル1の低歪みが異様なのかも。

先立って試した同サンプル1と2での、歪み率特性をココココに掲げます。なお、6V6のサンプル1と、同2の差し替えテストでは、数値が逆転します。単体事前テストでは調べてなかったツケが来たんですな。またまたアプローチを誤った気分。

シングルアンプにあるまじきカーブは・・・よく解りません。気になるので、2W時の波形を記録しました。かといって、解決に至る道筋は・・・
導き出せませぬ。これも単体テストで把握しとくべきだったと、悔やむ。

ここからしばらくは、オシロのCH1が上段Lch、CH2が下段Rchに接続され、CH3が中段の歪み率波形モニタです。
V軸の位置操作をサボったのです。

Lch・100Hz・2.24% 同・1kHz・1.28% 同・10kHz・2.5%

Rch・100Hz・2.48% 同・1kHz・0.64% 同・10kHz・2.2%

シングルアンプにあるまじき歪み波形・・・。Ck無しの電流帰還が“醸し出してる味”なのかも?。だとしたらあまり旨そうに思えません。

Ckの有無 2W・1kHz・3.95% RchでCkの有無を再確認しました。単体テスト同様約10dbの利得増加も再確認。

しかし、その10db分の「電流負帰還」の恩恵が、低レベルでは乏しいかのようです。こんな事やってる作例を存じ上げないので、以降・・・思考停止。

←Ck付きサンプル4の、1kHz・2W・3.95%時・・・2次歪みだけではなさそうです。

判りづらいが、カットオフ側の半波に高次成分が少ないと感じました。だからナンなのさ・・・ですが、単純にタマの個体差の“個性”かな・・・と。

RCA・6V6サンプル1や、同2のCk付きを調べるのが流れかなとも思いましたが、冶具ドライブでCk有無を調べた「TEN生き残り」で。

生き残りTEN?球 Lch・1kHz・1.8% 445冶具ドライブのCk無しに似た特性は再現されます。RCA球よりPo出るのも個体差か。

そしてRCA球より、なぜかしらマトモ見える波形。しかし・・・相方がおらんのよ。

“異質な低歪み?”の、RCAサンプル1とペア組む手もあるけど、変かな。やっぱり止めとく。

↑の100Hz歪みが低出力で増加・・・。どうやらLchにそんな傾向が出てる気がします。

TEN生き残り球を、Rch側に差し替えて調べました。思い付きで実験を進めてる感は否めません。

TEN球・100Hz歪み Rch・100Hz・0.00125W・0.33% 100Hz・0.00125Wの歪み率は、Lch側が0.5%台で、R側が0.3%台と差が気になったのです。NoisではなくOPTの歪みと思うのですが、OPTにも個体差?。

Lchは・・・撮影失念、毎度の片手落ちです。

半ばヤケクソで、東芝6V6-GTのサンプル1と2を調べました。↓これらもCk無し。

東芝球1 東芝球2 バイアスは、−12.6Vと−11.9V・・・この数値と歪み加減の関連性は・・・読めません。

国産球好きの期待を、ちょっぴり裏切るカーブと数値。もう掲げないが、歪み波形はRCAサンプル2〜4に似てます。

他の東芝サンプルを調べる根性は失せました。カソード抵抗をバイパスすれば、多少のバラつきは多量の2次歪みで埋め尽くされ、かなり均一な歪み加減に揃うと存じます。でも、それは「どこにでも有るフツー」のアンプですし、今更はぢめちまった電流負帰還併用を取り下げるのも癪なので、このまま進めます。これで音がイマイチだったら、面目丸つぶれですが。

実は、妙に出力が少ないのは気になってましたが、カソード抵抗470Ωで相当食われているかもと考えました。実測をしてないので半ば妄想ですが、動作例の4.5Wならば出力段の冓b=30mArmsですから、470Ω両端に発生する出力電圧は14.1Vrms・・・ここで0.4Wは食ってるラフ計算です。実質ロードラインも、単純に5.5kΩ相当?と考えてよいのやらど〜だか。OPTの定損失だとか、多分6688ドライブの早期クリップ(445冶具などよりも弱いだろうね)も加味するン?。Rkでの損失は後で実測しますが。

周波数特性や出力インピーダンスなんたらは、後のお楽しみに。既に調べた特性とカワラン気がしてるので、サボったとも言えますが。

全段実験中 全段回路実験中の本機。電源は菊水PMCシリーズからの外部供給です。

これから徐々に、内蔵の電源トランス・タムラPC-121使用へとまいります。・・・まだるッこしい進め方だことで。

1行空けのために・・・こげなことを

この頁も“冗長”が過ぎてしまいました。6V6風情で・・・と言ったら可哀想かも知れませんが、水増し?データ、及び「駄文」過多のため
(3)ページに及びます事もお許しください。

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