6V6シングル(3)

201500408〜


目次

昔話 1980年頃?深入り実験・・・2 20150212〜全回路実験 20150418〜
1993年時点の現状サブテーマ・・・2 20150212〜測定 20150422〜
2006年のメモU-808とPMF-10WS 20150216試聴 20150426〜
2010年のメモ思いつき実験 20150217宿題 20150603〜
2013年のメモ前段回路実験 20150220〜宿題・・・ 20150611〜
実験開始・・・いや再開 20150128〜全段回路実験 20150401〜まだ宿題・・・ 20150613〜
深入り実験・・・1 20150201〜深入り実験3・・・ヒーターハム 20150408〜おさらい 20150614〜
サブテーマ・・・1 20150210〜深入り実験3・・・誘導ハム 20150411〜割り込みネタ“5992Ver.” 20160316〜
U-808とPMF-10WS 20150211〜深入り実験3・・・リプルハム 20150413〜6F6-GTへの着せ替えゴッコ まだです・・・


つづきです

使用球の個体差にマゴついてしまい、えらく回り道をしました。半ば諦めたところもありますが、中断ネタの“挫折”は避けたいのです。

注:6V6はRCAサンプル3・4に戻します。


深入り実験3・・・ヒーターハム

20150408〜

A電源・B電源をPC-121からの供給へと移行して、ハムがどれくらい増加するかが調べられると思います。曰く、ヒーターハム、誘導ハム、リプルハム、伊藤ハム、明宝ハム?などです。

全段回路実験2

PC-121に移行する前に、A電源のみ外部ヒータートランスから供給しました。
出力管6V6で生じるヒーターハムでの増加分“だけ”なら、個体テストで済ませておくべきでしたね。正直いえばタマ次第なので、トンデモ無い奴だったら旁熱管とは言えどDC点火する覚悟です。

6.3V3A巻線が2組あるので、出来なくはないと思ってます。配置スペースが心配なだけ。

そして・・・6V6のサンプル3はトンデモ無い奴でした。+18VのHバイアスを与えても、G1ラインを1μFで接地しても・・・左右入れ替えでも2mV台が必ず出ます。

なお、6V6サンプル4は左右どちらに挿しても0.6mV台なので、6688は左右共「可」レベルと存じます。AC点火で3.6mVと2.2mVとテスト済みの個体なのですが、出力段のA≒0.2を考えると0.6mV台は妥当なハムでしょう。しかし一度でも0.0ンmV台を見てしまうと、ナントカしたくなりますし、ハム未確認の予備球のことも考えませんとね。

直流点火回路実験1-2 DC点火実験1〜2。両ch一括Ver.

使い道が無さそうな死蔵コンデンサの活用を考えましたが・・・没。在庫は充分でも本機に納まる個数では、意図した整流電圧とハム抑制に満たないと判断。中途半端な容量では、コンデンサ1個あたりのリプル電流値も、定格を超えそうです。

平滑ケミコンに流れるリプル電流を「正確」に求める数式は知見がございません。武末先生がラ技全書で解説された、“負荷電流の1.4〜1.6倍”との簡易説明を知るのみ。全球での1.5Aではリプル電流が2.1〜2.4Aと信じますが、16V2200μF品の各社データシートでは、1A内外(120Hz)が多く、2個並列でも超過と考えます。なお、日ケミSXAモデルの資料は見つかりませんな。

ハムが小さい個体は、少々のリップル残留でも充分No-ハムになり得るとわかりました。

ブリッジダイオードの1箇所ですが、1Adc流して順方向電圧は約0.8Vほど。これなら計算では・・・中略・・・6.3Vrmsの整流出力波形の先頭値は、約7.3V出ると考えたのですけど。

直流点火回路実験3 DC点火実験3、暫定的最終回路で片chVer。

整流器入り口電圧を、6.30Vacピッタシに設定して、整流平滑出力は6.34Vdcでした。
そして・・・ハムがでかい個体は、少々のケミコン増量ではNo-ハムになりません。

直流点火回路実験3 ブリッジとケミコンは「訳あり廃棄予定基板」から回収した役得部品。だからなんなのさ・・・ですが、いささか信頼性への不安が・・・語尾不明瞭・・・。

25V4700μFは「SOSHIN」と書いてあるがchina製と想像。ちなみに国内著名メーカーの標準品を調べた限りでは、同一定格で2.4〜2.6A(120Hz)のリプル電流耐量があるので、大丈夫とは思うがなあ。

画像下に写っているのが、Class1.5の横河ポータブル可動鉄片型AC電流計です。その右には外部Hトランスが・・・写ってない。

なお、実験3の負荷は、後の6F6GTに着せ替えゴッコした時を想定。6V6使用時では片ch=0.7Aなので、0.ンVは上昇・・・してほしいなあ。

未検証ですが、今時の電灯線(古臭い呼称)交流波形は、多分波頭が抑圧されているでしょうから、RMS値と波高値の関係性は教科書どおりでは無いのでしょう・・・などと屁理屈つけます。

目論見では、7V台が出てくれると期待し、平滑コンデンサ直前にADJ用の固定抵抗を挿入するつもりでした。微々たる抵抗値でしょうけど、突入電流やらイロイロな要素(よく解ってないが)の“緩和”に効くそうなのです。更に、1Ω位が挿入できれば同一負荷直流電流時でも、所要交流電流値の「目に見える」抑制が期待できるのに・・・。最終的には6.3V3A巻線を“全負荷”以下で使用する、PC-121の巻線電圧の上昇を期待。

傍熱出力管の直流点火は、実験を含めると・・・6回目?。絶対AC点火派の諸氏からすれば言語道断の愚行かも知れませんが、「タマによる」との言い訳付きで許容願いたいと存じます。ハムが出ないタマならやりません。

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深入り実験3・・・誘導ハム

20150411〜

回路はPMCシリーズで通電し、同時にPC-121の電源回路に予定する外部負荷抵抗を接続し通電します。これでPC-121からの誘導ハムが調べられます。実はコレが最も懸念している、PC-121→F-475への誘導ハムです。

マウント済みの都合から相互間隔・角度などは変更不可。その気になれば全て作り直す手もありますが、ソコまでの根性はありません。

全段回路実験3 まず、菊水PMC電源で全段回路を通電し、コレまでの動作状態を再現します。左右Noisは、まあ・・・同様の0.09mV前後です。

PC-121を通電しますと・・・あ〜あ、Lch≒0.15mV台、Rch≒0.38mV・・・。

恐れていた誘導ハムですね。PC-121に近いRchで影響が著しく、お試しで鉄板(素材の詳細は不明)を間に入れると、0.34mV程に低下します。

未検証ですが、6V6を3結やULなどで使用すれば誘導ハムは低下すると思います。内部抵抗が高い6V6のビーム管接続ですから、F-475の1次巻線は“開放”に近いと思いますが、この程度に納まった・・・と解釈する他ありません。

タムラの名誉を擁護するような記述になりました。心情的には・・・そのとおりなんで・・。

しかしこの実態には・・・凹みました。

別件ですが、未確認だった6.3V3A巻線の電圧が低い・・・。蓑虫クリップコードの安易な接続が「裏目」に出た・・・と思いたいが、一部目論見の実現性が危ぶまれます。

Lch・PC-121off・0.065mV 同・PC-121on・0.136mV Lchのハム波形。“綺麗”に見えるようオーディオアナライザの30kHz・LPFを入れてます。

傾いて、偏ってた。恥ずかしいが再撮影もメンドーだ。

Rch・PC-121off・0.063mV 同・PC-121on・0.37mV Rchのハム波形。同じく30kHz・LPF入り撮影。

同上・・・。

思いつき“ダメ押し”実験しました。増幅部への電源供給を停止して、PC-121のみ上記と同じ外部負荷で通電、OPTの1次には「冷えた」6V6が繋がってて・・・開放同様と見なしたが・・・2次8Ωへのハムは・・・Lch:0.044→0.29mV、Rch:0.047→0.118mV・・・。・・・?。

・・・・・!!。

○△□%&$♪・・・w|;゚ロ゚|w ヌォオオオオ!!・・・・おいおい左右逆転してるぢゃね〜か。

この件も“薮蛇”実験、と言うことで、深追いを止めます。

長々と続けてきた“水増し”実験が全て台無しになった気分です。作り替えないつもりなので、PC-121を「珪素鋼板」でグルグル巻きにするくらいしか対策が思い浮かびませんし、その効果はやって見ないと・・・ワカラン。過激な手法としては、PC-121をシャーシから放り出して50cmくらい隔離する?・・・やりませんけどね。

さて、本機最大の妥協ですが、無策でこの実態を諦めます。

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深入り実験3・・・リプルハム

20150413〜

プチ豹変します。簡易定電圧電源回路を使いたかったのですが、初期の目論見以上に所要電流が増えてしまい、チャンと機能出来そうもないと解りました。以下、苦渋の顛末を。

電源側画像 シャーシに放熱器と2SD683Aが張り付いていて、撤去すると間が抜けるし穴が空いてます。
温存策ですが、ベース電圧を固定しない「リプルフィルター」に格下げしてもイイかなと。

TRのC-E間には20V未満の余地しかなく、仮に電灯線AC100Vが急激に95V未満に低下したらペケですが、拙宅ではそんな変動は経験がございません。遅い変動ならソレナリに回路が追いついて、出力電圧もソレナリに変わるだけだろうとコレも楽観します。

デリケートな“歪み打ち消し”などを意図しないので、電源電圧の変動は最大出力の違い以外に「現われ」にくいだろうと日和見したのです。

リプルフィルタ実験1 2SD683Aは2素子入りダーリントンTRで、B-E間に固定抵抗が付いてる(約1.9kΩ:PC-510aにて)ようです。「hfe=500(Min.)@Ic=5A」と称してますが、125mA内外では約178程度・・・。
まあ、使えなくはない。

実感としては、hfe>1000だったらなあ・・・とは思いましたが。

リプルフィルタ実験1 故意にリプル過多にした実験用外部電源からの供給ですが、充分効いてます。しかし、電灯線電圧の“揺らぎ”は抑圧しきれず、ンV内外の変動は見えます。高周波Nois主体ですが、
“大元の揺らぎ”でDS-5102Bの演算数値も増減してます。

←落ち着いたトコロで波形をSAVE・・・小賢しい事で。

リプルフィルタ起動 同、停止 起動と停止時の電圧変化です。やや過剰かと思う200μFを入れてますが・・・これくらいならガマンして“待て”ます。

なお、固定抵抗の擬似負荷テストなので、タマ負荷では多少変わるかも知れませんな。

4行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

はぢめての電源内部インピーダンス測定。各種資料・WEB情報などを漁り、手探りですがDS-5102Bで出来そうな気がしました。

リプルフィルタ前の実験 冶具とは呼べない泥縄式“電子負荷”回路なので、画像はご容赦。まずは“リハーサル”から。

50Ωと100μFのRCフィルタは、6V6クラスのシングルアンプではありていな数値を想定(でもダイオード整流か)しました。図では常駐風ですが、“PMC...直接”接続時にはRC共に経由せず測定しております。

電子負荷の2SK2847は、耐圧耐損失だけで選んだようなモンです。高周波特性云々などは見当付かず、最適かど〜かは不明。少なくない接合容量ナンタラが、どんな悪さするかはお楽しみ。

リプルフィルタ前の実験データ ソレナリのカーブは得られました。しかし「最短距離配線」を心がけなかったからか、それぞれの底値にはいささか影響してる気はします。

そんなわけで、PMC350-0.2Aの1kHz以下の出力インピーダンス>0.1Ωは怪しい・・・と、弁明します。菊水さんが見たら怒るかもしれませんので。なを、10Hz以下の計測時に「カチ・・・カチ・・・」音が出ました。

同様に、日ケミKXJ・100μFの10kHz前後の“浅い底”も・・・

PMC直の100kHzが2Ω程・・・。手抜きですが『L、Cのリアクタンス - 高精度計算サイト』で計算“させ”ますと、3μH内外のインダクタンス相当と出ました。ふ〜ん・・・。

以下、“PMC...直接”測定中の正弦波応答波形。上・CH1が「被・測定側」、下・CH2が「測定電流」モニタ。

10Hz 1kHz 100kHz

1kHz以下でもCH1に波形は見えますが、Noisが重なってrms演算表示値の信頼性は乏しい印象です。大雑把ですが、菊水PMC350-0.2Aのインピーダンスの底値は0.1Ω程と見ました。しかし、全段回路実験で得たchセパレーション特性で、1kHz以下が悪化している「原因」の理由付けにしづらい特性です。う〜ん・・・。

以下、水増し&埋草画像。“PMC...直接”観測の方形波応答です。装置のナカミを存じ上げない、菊水(TEXIOや高砂、他社でも同じことですが)安定化電源だからなのか、どーだか・・・波形エッジで妙なパルスが見えます。

10Hz 100Hz 1kHz

10kHz 100kHz DS-5102BはACカップリングで接続してます。取説では10Hz−3dbらしいので、その点も含め測定結果はいささか怪しい気が。

冶具の高域特性も・・・ソコソコの感じ。

このレベルの知見も乏しいので、判断に苦しみます。昔?は、どうやらコレを見て「高速応答云々」を議論された風潮を思い出しますが、PMCのナカミが解ろうと、ど〜こ〜出来そうにもありません。

50Ωと100μFのフィルタ?経由の方形波応答もSAVEしました。以下、上と同様の・・・10Hz100Hz1kHz10kHz100kHzの各波形をリンクしてございます。意味有るコトかどうか自問しながら、記録しとこうかと。いっそ、単独実験ネタで収蔵するのが良いかも知れません。

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ここからがリプルフィルタのインピーダンス測定本番。

リプルフィルタ実験2 電灯線100Vからの整流電源では・・・揺らぎで測定が邪魔されそうな気がしたのです。電源大元は菊水PMC350-0.2A。

平滑回路前の50Ωは、PMC...直後に100μFはマズそうに思えたのです。
CCモードで電流制限かかるでしょうけど。

50Ωは、PC-121の250V巻線片側の、Rdc≒53Ωを模したつもりでもいるけど・・・ど〜かな。

リプルフィルタ実験2データ ソレっぽいカーブは得られたが、どこまで欲張るかがムズかしい。2SD683Aにダーリントンを足せば、更に低下できそうなつもりでいますが、周辺定数の見直しがメンド臭い気がして悩む。回路出口の8Hzに見えた“凹”はナンだ?。波形も歪んでたし・・・。

ベースをツェナで固定した「簡易安定化」の実験もしてみようと、こんなのを考えたあげく・・・電源上流、PMC350-0.2A側の余裕が乏しい気がしてます。ウジウジと躊躇しながら、やめました。

フィルタ出口側の5Hz8Hz10Hz20Hz100Hzの正弦波応答波形をリンクしました。
同、5Hz8Hz10Hz20Hz100Hz1kHz10kHz100kHzの方形波応答波形も。

正弦波応答の100Hz以上は、波形変化が少なく省略しました。2次歪みっぽいのが、周波数が上がると正弦波に近づく傾向を確認しております。で、気になる8Hzではナニが起きたのやら・・・

そして、方形波応答は・・・これまたはぢめて見る波形が出た。CHを使用した“π型”フィルタの存在が関与してそうに思うが、確証なし。これらの深入りは調べ方が解らない「今は」しません。なお・・・10kHz波形ファイルを・・・編集作業で失ったみたいです。再撮影もサボる。

8Hzの凹は気になりますが、思いのほか平坦だったのです。0.45Ω内外とは如何にも中途半端に感じる数値で、何か予想すらしてない「定抵抗成分」が介入したチョンボ?かもしれません。でも、コレで正解ならこのまま使ってもカマワン気分です。今の段階で“最高の性能”を目指す根性はありません。

バイポーラTRの「単純」リプルフィルター・・・ベースがコンデンサだけで接地されている奴・・・は、ベース回路の直流抵抗で、低域の出力インピーダンスが制限されると考えていました。本機では約24kΩ・・・。これが200μFの多目容量で計測に現われ辛かっただけなのかもしれません。10〜22μF程度に減らすと、何か解りそうなモンですが、追試もサボった。別の機会に確かめてみたいが。

今時ならMOS素子が便利とぺるけさんのサイトで学びましたし、幾つか試させてもらいました。本機でもいっそ・・・いや、貼り付いてる2SD683Aを剥がして放り出すのが可哀想なのです。なお、電源回路関連の出力インピーダンスを実測された情報は、WEB上では案外少なくて意外です。70’〜 80’s の「偏った」技術誌上で、実測例が多かった記憶です。

全段回路実験4 0.75Vrms(2.3Vpp)のリプルを含有させた外部電源からの給電では、左右共14mV前後の巨大ハム。6V6のスクリーングリッドへの影響が主体かと思います。

拵えたリプルフィルターを介しますとハムは0.09mVに低下し、PMCシリーズ使用時に匹敵します。A-395・CHは要らんほどに効きますが、電灯線電圧急落?時の「保険?」か。

スルーしてもカマワン様な実験かも知れませんが、PC-121を稼動させますと、誘導ハムでリプルフィルタの効果が抽出できない気がしたのです。・・・などと弁明の多いことで。

外部電源装置は、実質110μF→5H→110μFの、貧弱とは言えない程度のπ型フィルタを載せてます。リプル過多状態は5HのCHを短絡したのですが、CHを活かすと30〜40mVpp程にリプルは低下します。しかし、電灯線電圧の揺らぎは殆ど通過してる印象で、DS-5102BのACカップリング観測でも画面からはみ出るほど動きます。これをアンプに給電しますと、左右共0.15〜0.5mVのNois指示(MAK-6630・500kHZBW)でしたから、そこそこの性能ではありました。

もうじき出来上がり 右手前の隙間が多い基板が、リプルフィルタ回路。100Vツェナを3本載せる実験の余地を残したのですが、前述のようにサボりまして。

中央手前がDC点火の最終基板。手順がグダグダですが、全段実験3で感じた電圧不足は杞憂でした。0.22ΩのADJ抵抗が挿入できて、多分6F6GTでも大丈夫かなと。

以上で、深入りハム実験は終了しました。なんだか回りくどく、合理的ではない手法・手段だったのではないか?・・・との自問自答をしながらの実験でした。次回からは、もっとマシなPMCシリーズの活用が出来るよう考えんとイカン。

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全回路実験

20150419〜

ヒーターバイアスを追加。各ch、6V6のカソードから与えました。個体差の一つといえますが、Hハムが出るタマならH-K間に「リーク」があると想像します。サンプル3・4ともDMM測定では開放ですが、H回路を接地するのが気持ち悪くなってきました。

自己バイアス出力段のカソード電位を流用するのは、H⇔Kを同一電位に置く意味で良い方法と思いますが、本機ではカソードがバイパスされていないので直結は避けて、10kΩと100μFのLPFを挿入しました。ナニが回避できたのか・・・までは未検証の「オマジナイ」ですが。

全回路実験1 まだ無帰還。

そして、この後・・・

上記全回路動作を試しました。な、なんと・・・ハムは増えてます。深入り実験3の誘導ハム値が再現されると思ってましたが・・・

Lch・0.2mV Rch・0.6mV ハム波形。“綺麗”に見えるようオーディオアナライザの30kHz・LPFを入れ・・・忘れてます。

深入り実験3のハム波形とは異なりました。

コレに“も”凹みました。ちゃぶ台返しに遭った気分です。

全回路実験2 深入り実験3とは異なる部分を思い巡らしますと、DC点火回路の追加です。手探りの検査方法ですが左記の実験を試み、6.3V巻線の負荷状態が誘導ハムの多く(殆どか?)を支配していると見ました。

腑に落ちても・・・気持ちは凹んだまま、回復した訳でもないのです。

DC点火では、ヒーター巻線の電流負担が増加する事は承知しております。しかし誘導ハム波形の変化を見ると、ヒーター巻線電流の波形変化も伺えます。DC点火を諦めると、タマの個体差が・・・改善策が思い浮かびません。まさかヒーターだけ外部供給に頼るなどはご勘弁を。

1A未満の整流が、PC-121の漏洩磁束の内容(波形と言って良いのか?)をこれほど変えてしまう実態には驚きました。出力段の高内部抵抗設計もこれを敏感にしている一因とは承知しております。ULなり3結なら半減出来そうな予感もしてます。しかし、意地(クダラヌ!)もあるので、このまま進める気になってます。あとは・・・6db内外の負帰還で、半減を願うだけ。

ボヤキ:回路シミュレータが便利な時代ではありますが、こ〜ゆ〜誘導ハムなんぞは無理ぢゃろ?・・・と悪態をついてみます。しかし出来るようになれば、そりゃあもう使いたいなあ。

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ようやく負帰還を試す段になって、今まで接地していた1.8kΩをNF巻線に繋ぎ替えました。そして発振・・・。・・・。   ・・・。   ・・・。

<(゚ロ゚;)>ノォオオオオオ!!・・・

タムラ1997年8月のテクニカルリポート1 ロクに確かめもせず接地していた負帰還用3次巻線の「E」端子は、タムラ1997年8月のテクニカルリポートによると、2次COMとは逆相だったのです。

同資料からの抜粋。ちゃんと見とりゃ恥ずかしいことやらんで済んだのに・・・。

本件で掲げてきた3次巻線のF特は「誤り」か。いや、変わらんさ〜・・・などとは言えないのですが、3段帰還回路の設計ではE端子が接地されるはずです。そして、タムラさんのことですから、どちらの位相で使用しても極端な違いは無い「様に」作ってある・・・と期待。うん、期待でしかない。

Lch・3次巻線 Rch・3次巻線 期待通りかどうか調べました。再び負帰還の接続を切り、「NF」端子と1.8kΩを接地します。

全段回路で調べたので、前回の測定時と同条件ではありませんが、“似てる”範囲内かなと思います。言い換えれば、100kHz以上の「グチャグチャ」も似てて、負帰還専用巻線のありがた味が伺えないトコロまで似てる。

Lchは、2月測定のプロット周波数に準じた再計測です。厳密には100kHz以上の凸凹周波数に、数kHzのズレが御座います。Rchは新たに凸凹周波数を探って描いたからか、特に凹レベル下限が異なりました。これが個体差だったらヤだなあ。なお、周波数的には・・・似てるといってカマワンかな。

全回路実験 正しい負帰還の為に、F-475周りを書き換え。

古い回路図のアラ探しは平にご容赦を・・・

 

m(_ _;)m ・・・

電圧電流の記入(測定も)を止めちゃったのは・・・サボるのと、電灯線電圧の変動を放置して通電しているから・・・言い訳ですけど。

低帰還の部類ですが、なにもこんなに・・・ってくらいの、かなりキツい高域微分補償を加えています。意図があっての“お試し”ですが、その実態はのちほどネチネチと。

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測定

20150422〜

唐突ですが、一旦完成。一連の基本特性を測定します。予期せぬ事が見つからなければ、最終特性と決めますが。

比較のための無帰還特性も再測定しましたので、一部はコレまでのデータと異なる部分もございます。・・・などと、これも弁明か。

Lch入出力特性 Rch入出力特性 基礎データの一つ、1kHzの入出力特性。

Lch利得・17.35db(7.37倍)、負帰還量−7.63db、Nois・0.2mV(無帰還)、同・0.11mV(負帰還)

Rch利得・17.29db(7.32倍)、負帰還量−7.65db、Nois・0.62mV(無帰還)、同・0.29mV(負帰還)

NoisはMAK-6630の500kHzBW測定

日付の前後は突っ込まないで下さい。

今更の話ですが、C.L出力≒2.4W時(無帰還)にカソード抵抗470Ωには13Vrmsも出て、0.36W食われてます。足しても3W未満・・・解せぬ。

周波数特性です。入力側で16Hz−3dbの制限を加え、高域もいささか過剰な微分補償により負帰還の恩恵が見えにくい特性に“して”しまいました。

Lch Rch 無帰還時のF特でプロットした周波数のまま、負帰還時特性を調べてしまいました。3次巻線の周波数特性も、特に100kHz以上ではタップリ絡んでいるので、凸凹を描ききっていないはずです。お見逃し下さ〜い。

Rch・3次巻線 特にRchの3次巻線は、著しい凹を確認しております。

これが負帰還電圧に反映してると考えますと、空恐ろしい気分です。200kHz付近のレスポンスが「切れて」いないのはその所為かも知れません。しかし正視する勇気が無いので、今は“心霊現象?”から逃げるが如く「逃げ」ます。

4行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

8Ω負荷での方形波応答3種。DS-5102Bではディティールがイマイチなので、SS-7810で。

100Hz 1kHz 10kHz

狭帯域特性を示す波形に、100kHz以上の凸凹が絡むとこれか〜。1000pFの微分補償が過剰とは言えない気がします。100kHz以上が
−20db以下に「落ちて」おったら、まあちッとマシな10kHz波形になってたはず。

以下、10kHzの容量負荷試験です。

「8Ω+0.22μF」の波形撮影を・・・スッとばしてしまいました。+0.1μFと+0.47μF波形の「中間」くらいですので・・・と言い訳をして、再撮影を省略。何卒ご理解ください。

8Ω+0.022μF 8Ω+0.047μF 8Ω+0.1μF 8Ω+0.22μF 8Ω+0.47μF

0.022μF 0.047μF 0.1μF 0.22μF 0.47μF

容量負荷に「強いのかもしれないF-475」の一端は感じますが、20dbくらいの帰還アンプでないと真価は見えないでしょう。胡散臭い?負帰還用3次巻線を使用しましたが、これもまだ是非が判断できる段階では無いなあ。

0.1μF以下を省略するつもりでしたが、↑0.047μF容量負荷時に“目立つ”リンギング発生。1cycleに30個数えられるので・・・約300kHz?。0.022μ以下には妙なモノは見えない。以上、左右は似てるのでLchのみを掲げました。

ここの段階で発振したり、もっと派手なリンギングが見えるようなら、OPT2次にZobelナンタラを噛ますつもりでしたが、今ン所は“無し”で。

Lch Rch 歪み率特性です。

ハムで小出力時は悪化し・・・いや、それよりも1kHzのウネウネがね。

根性がヘバりました。無帰還時の「再測定」は省略m(_ _)m・・・全段回路実験のアレコレでご勘弁を。

Lch・0.43% Rch・0.42% 1kHz・2W時の左右歪み波形です。

無帰還でも見られた汚い波形は“当然”のごとく引き継がれた模様。RCAサンプル1と、生き残りTEN?球のちぐはぐペアの方がマシ?。

4行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

Lch Rch 出力インピーダンスの周波数特性です。無帰還時の特性は20150214のデータを使いまわしました。新たな測定をサボったのです。
・・・m(_ _)m

1kHzキザミの凸凹探しも・・・やりかけて、結局は省略。F特の凸凹に呼応した周波数付近に、例えば・・・Lch・182kHzで10Ω程、同・206kHzに5Ω未満の奴が見つかりました。
イヤもう・・・キリが無い・・・。

出力段の高内部抵抗化の努力?は、7.6dbほどの負帰還で台無しに。そして、中途半端なDF値(1.1チョイ/8Ω)・・・

本件では1MHzまで出力インピーダンスを追っておりますが、意味有るデータなのかどうか自問中。測定結線まで絡んできそうな帯域かもしれません。しかし、100kHz以上での上昇は・・・2次巻線のインダクタンス成分主体なのでしょうか。3次巻線からの負帰還が、ソレを放置してるような気がしました。なお、OPT2次にZobelナンタラを噛ますと、多分変わる。

0.01Armsの測定電流による注入法です。0.1Armsでも10Hz〜100kHz間は大差ない事は確認しましたが、1MHz手前から電流注入用アンプの振幅上限に至るでしょうし、測定電圧≒10Vでは、OPT1次側に250Vrms内外の電圧が発生するので怖いのです。

chセパレーション chセパレーション特性です。

ハムで下限が上昇し、実力が見えなくなりました。低域の按配はPMCシリーズ使用時データに似てて、本機中身側・・・アース周りの原因を伺わせます。高域R→L漏れの悪化も気になる。気になるが・・・放置。

ハムが総合的な出来を低下させてるとの自覚はありますが、あの電流負帰還はイマイチ結論を付け辛い心境です。場違いな引用・比較かも知れませんが、あのCascompアンプも究極の電流負帰還回路と解釈してるので、タブーを犯した気分はありません。

注:近年別の意味を持つ「電流帰還ナンタラ」を耳にします。もっぱら半導体・OPアンプ界の用語ととらえてますが、本件で言う「電流負帰還」は、昔馴染み?のカソード抵抗(エミッタ抵抗でもソース抵抗でも同じ)が生み出す「入力電圧に直列で」加わる負帰還作用の方です。イマドキの電流帰還は・・・なんだかよく解りません・・・。

20150629記:イマドキの「電流帰還ナンタラ」に関する書籍を見つけました。鈴木雅臣氏の「定本 続トランジスタ回路の設計・CQ出版社」によりますと・・・コレが実は・・・ますます解らなくなりました。詳細には触れませんが、もしかしたら1980年代のMJ誌でY氏がよく採用されてた回路もソレに当たるんぢゃないかと誤解しそう。仕掛品の之奴に採用したいと考えてる回路を、出力端から負帰還にしますと、その某氏の回路になっちまうと考えますが、ど〜なんでしょ。

とあるHPでは、タマのシングルアンプでさえ、初段のカソードに負帰還が戻ってる回路がソレだとも述べられてましたな。ならば本機も6V6のカソードバイパス省略云々以前に「電流帰還」アンプってことですわな。なんだソリャ。

余談はさて置き、基礎的な実測データを得たあと、一旦全て“忘れ”て聴きたいけど、そりゃ無理かな。

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試聴

20150426〜

トランスの被せ物を取ったらピカピカで、それがシャーシの小汚さを印象づけています。20年も放置していたのですから・・・。

試聴中 さて、本機には入力Volがありません。基本構想、製作着手がまだ武末先生のBTSコネクタ使用スタイル影響下時代なのです。プリアンプが無い当家では、6V6GT(T)pp時代に拵えたVol.ユニット必須の使用形態です。

Vol.ユニットのギャングエラーを“大雑把”に調べました。−50dbまでは概ね1db未満の差が見られます。中身はNOBLE帝国通信工業RV24YG・A10kΩですが、入り口の1μFを“今だけ”のつもりで短絡しました。

電源コネクタは使ってるけど、入出力は全くの“お飾り”状態。

ネイティブの多極管接続アンプを聴くのは2台目ですが、最初のは20dbの高帰還でした。本機はあえて低帰還にしたので、タマの個性を・・・期待したけど肩透かし。あのカソード抵抗負帰還?が、なにかを「殺し」てンのかと邪推。

聴き込んでおりますと前作のDF≒0.4程ではないが、バスドラは頃合のユルさを感じます。スネアには芯と張りが小気味よい。シンバルは薄めかな?・・・って、レッスンで叩いた感触と混同しはぢめてるゾ。

The Meters 音楽体験(3)のR&B(2)から自家引用

『近年まで存じ上げなかった、古典Funkバンド。某著名邦人ミュージシャンによる「Cissy Strut」のカバー演奏動画で知る。BAND譜まで出版されてるみたいだから、ソノ筋では有名曲と思われるのです。ガツンとは来ないし、スカスカにも聞こえるし、軽いし・・・でも、つま先が膝が腰が肩が・・・首が動き出すMagicはナンだ。TR08「6V6 LA」はタマの6V6だげな。本機で聴くと、更にGrooveする・・・ってか?・・・m(_ _;)m 』

これではまるでCD評なんだが、軽いけど快い・・・軽快ってことですワ。でも、シングルアンプで“重くて鈍い音”のは作った記憶無いからね。

KIN←→ 意外にも“濃い”音の印象。軽いけど薄くは無いちゅうか、弱く無い。盤の録音かも知れませんが。なお、パットの新プロジェクトは何を目指しているのやら・・・まだ、わかんない。

余談ですが、パットは同年代のPMGメンバーではなく、若い世代の演奏家から“影響”されたかったのかも・・・と妄想しております。かつては“憧れ?”だった先輩達との競演で、名盤・銘盤・迷盤を残したパットも、還暦越えてるし・・・。

Violin 久々に聴いた、コレがなぜか不思議なほどアッサリした音。オレゴンの盤ではこってりとした方なのですが、いささか肩透かし。しかしゲスト参加のZbigniew Sefertの「Violin」は明快でした。前はもっと他楽器に埋もれてた気が・・・。

う〜ん・・・思い出せば・・・このCDよりアナログ盤で聴いた回数の方が多いかもしれないので、ソッチの印象と比較してたかも。CD化の際にMASTERをいぢってる?。

6V6を「好きなタマ」に上げられる方は“多かった”と聞き及びます。正直言えばその「風評」を期待していた“心理的バイアス”を否めません。偏った音楽嗜好で損してるのかな?。

毎回新作の試聴を快く引き受けてくれる近隣の先輩(PC-121を譲ってくれたお方)は、筋金入りのタムラ好き。よって、正しく“利きアンプ”をしてくれます。過日、先輩とお仲間のお二人に聴いていただく機会がありました。“綺麗”な音との評価をいただきまして、安心したのです。

論評のなかで「6dbくらいの負帰還ですか?」との問いが出て、おお、解るんだ〜と、舌を巻きました。クラシック聴きのお二人で、当方が聴いたことがない楽曲(オペラだったか?)で、どこで解るんでしょうか。いや、只々脱帽するのみ・・・

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宿題

20150603〜

冒険的要素がありますが、意味不明?な出力段のカソード抵抗の電流負帰還を止めてみます。フツーの設計というべきですが、単にバイパスコンデンサを抱かせるだけの事です。しかし、出力段の利得が10dbほど増して、その分(より減る)がループ帰還に回ります。高帰還アンプとまでは言えませんが、15db内外にはなるでしょう。

なお、「調べてみる」だけの処置と予定しており、Lchのみで進めます。結果次第では・・・いや、どんなに良くたって、宿題が終わったら元に戻します。

宿題1-1 出力段のカソード抵抗を、220μFでバイパスしました。無帰還利得は35db(57倍)に。1.8kのままの負帰還抵抗では20db(10倍)で、負帰還量は15dbでした。高帰還アンプとまでは・・・。

入力側の低域制限を0.7Hz−3dbに緩め、高域の微分補償を取り除いた周波数特性を調べました。負帰還量に見合う帯域の拡張が見られますが、両帯域端にピークが出ました。

今回は“心霊現象?”だろ〜が、“オバケ”だろ〜が正視してみました。

100kHz以上でも1kHzキザミで凸凹を探し、拾いました。以前に拾った無帰還時のプロット周波数とは、多数で一致しないため、Excelグラフは「途切れ」るので重ねておりません。改めて無帰還時も全て同一周波数で測定し描けば、同様のシームレスに出来るのですが、サボったのです。いや、上手いやり方を知らないだけかも。

高域‐3db落ちは・・・67kHzと・・・あと何箇所?。

100Hz・8Ω 1kHz・8Ω 10kHz・8Ω 10kHz・負荷開放

負荷開放のカーブ、波形は“発振”してたら得られなかったのです。190kHzのピークが10kHz方形波のリンギングに見られますが、8Ω負荷時と開放の差が・・・大きいのやら小さいのやら、経験が無いので判断が出来かねます。

15db負帰還時の最初は、恐れていた“発振”に見舞われました。ンMHzで訳ワカラン・・・。アンプ入力部の配線短縮化と2.2kΩの追加挿入、そして・・・1000pFの高域微分補償コンデンサの開放除去?が効きました。その理由は解っておりません。したがって、上記データの条件は半ば必然的なモン。

1000pFの高域微分補償付きでは、8Ω負荷時ですら更に酷い発振をします。行き当たりばったりの模索で、入力開放で停止する事と、初段→出力段間・・・結合コンデンサ0.47μFやら、出力段G1に挿入した1kΩなどに触れると変化・発振停止するなどが解りました。まだ他にもアプローチがありそうですが、見出しておりません。

1000pFの補償を緩めるテストは「まだ」試しておりません。後に“言い訳”するかもしれない理由で、止めたり減らしたくないのです。

容量負荷時の10kHz方形波応答です。まずは8Ωに各種容量を付加したものから。

10kHz・8Ω 同+0.005μF 同+0.01μF 同+0.022μF

同+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

小容量では、立ち上がりエッジに微小な違いが出たくらいで、波形の変化は少ない。8Ω+0.1μFが少々ハデに見えるくらいか。

負荷開放に各種容量を付加したもの。

10kHz・負荷開放 同+0.005μF 同+0.01μF 同+0.022μF

同+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

0.047μFでキョーレツな発振、オシロのV感度は5V/divですから出力段はクリップしてるはず。スクリーングリッド電流・損失は定格超え必至(調べてないけど)。怖くて撮影中の“短時間”しかやりたくないので、発振周波数は・・・これも未確認。F特で調べた凸の200kHz前後より高そう。なお、0.01μFと0.1μFも危なッかしい。

22Ω+0.22μF 同+0.1μF 同+0.05μ 出力トランスの2次8Ω端子で積分型位相補償を行い、0.047μFの容量負荷時発振を押さえ込みました。

キツめから徐々に緩くしてみましたが、抵抗値のバリエーションは試しておりません。

タムラF-475“ほど”の有名な出力トランスなら・・・、負帰還用3次巻線が付いてるなら・・・etc・・・。幾つかの「偏見・先入観・思い込み・決め付け」があったことは認めましょう。

これも“思い込み”の一つかもしれませんが、タムラに詳しい先輩の「F-475は6V6用とも言える」と、イカにもありそうなお話。昭和何年の設計かは存じ上げませんが、当時の6V6シングルですと、前段管は・・・6AU6?・・・もしかして6SJ7?。いずれにせよ本機みたいな18kΩなどという低負荷抵抗値で使うタマではなかったと想像します。

実は、段間の高域特性を伸ばした設計自体が、F-475に対し不適切だったのかもしれない・・・と感じ始めています。宿題中の?Ck付き6V6出力段は、入力容量を約25pF(無帰還時の段間周波数特性から)と推定しました。前段Zo=18kΩでは、fc≒350kHzにも及びます。6AU6や6SJ7等でのありていなRL=100〜250kΩでは、fc≒60〜25kHzでしょうから、F-475の高域の暴れが「絡みにくい」のでは?・・・

出力段の周波数特性から高域ポールを24kHzと考えていたのですが、15dbの負帰還ですと200kHz前後の凸が無視出来ないようです。凸を抑圧出来る狭帯域設計が望ましかったのかと。しかし、このようにOPTの個性が絡む場合、スタガ比計算はとてもやりにくい・・・冒頭の添付資料でもそんな帯域まで開示してヘンしちゅうか、そこの凸凹を調べないと無理でしょ?。そして、調べた事を無駄にしてしまったのかも。

愚痴になってしまいました。m(_ _)m・・・。

5〜10Hz間の凸は予想外。深入り実験・・・2の頃には全く念頭に無かったので、Ck付き出力段の周波数特性を調べておりませんでした。なお、カソード回路の容量は 1/(1+μ)でプレート側特性に波及するとの、ぺるけさんやAyumiさんの“ご指導”が御座います。

多極管ですけど、μが不明でも出力管の増幅度に置き換えれば可と考えました。6V6のRL=5kΩ時の裸利得・A≒17なので・・・12μFと、F-475のインダクタンス≒40Hでは、約7.3Hzの共振回路だと解ります。おお、そんな感じだ。

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宿題1-2 Ck無し15db負帰還時の歪み率です。

周波数間格差が減って、妙なウネウネが消えて、Pomax≒2.9Wと増えて言う事ナシかも。
Noisはチョイ増えた。

F-475の定損失分を考えても詮無き事ですが、1次出力≒3.6W・・・

宿題1-3 同、出力インピーダンスです。

DF値では倍増だが、2少々はまだまだ「フツー」に満たない・・・かも知れない。なお、1MHzで100Ω超えは、低帰還時と変わらず。

まだ高域ピークは放置状態ですが、総じてカソードバイパス付きの方がカッコ良い性能かと。まあ「フツー」のアンプに近づいたのでしょう。さあ...どうしようか。片chだけの実験に留めるつもりが、迷います。しかし似たような(前段は随分違うが)アンプは拵えていますので・・・迷います。

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タムラF-475の“売り?”と目される「NF用3次巻線」を使用している事も、事態を複雑にしている気がしてなりません。「NFB巻線のインピーダンスは16Ωです」と書いてあるので、2次16Ωタップからの負帰還に変更しました。同じく15dbの帰還量でした。

宿題1-4 低域端にも違いが出たけど・・・チョンボしたンかなあ?。

2次の積分補償は除去。
高域の凸凹は、ホンの少しシンプルに見えます。

100Hz・8Ω 1kHz・8Ω 10kHz・8Ω 10kHz・負荷開放

変わりました。水平部分(何と呼ぶの?)に乗ってたウネウネが小さいのです。しかし、3次巻線からの負帰還と「どっちが良いか?」などは判断しかねます。

8Ω負荷に各種容量を付加したもの。

10kHz・8Ω 同+0.005μF 同+0.01μF 同+0.022μF

同+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

+0.1μF時のリンギングが更に目立ちます。上下の振幅差は・・・シングル出力段の2次歪みと同根かも。

負荷開放に各種容量を付加したもの。

10kHz・負荷開放 同+0.005μF 同+0.01μF 同+0.022μF ギリギリ踏みとどまってる風でしたが・・・

同+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

容量負荷に弱くなったと痛感しました。0.022μF時が“微妙”でしたので、再試行したらこんな事になってました。振幅は減ってても・・・。

0.047μF負荷・10Ω+0.22μF 0.1μF負荷・10Ω+0.22μF 0.1μF負荷・10Ω+0.47μF 22Ω+0.05〜0.47μFの、2次側積分型位相補償では発振が抑えきれません。

10Ω+0.22〜0.47μFでも危険水域・・・
「中振幅の?発振」ですな、コリャ。

これ以上キツくする気が失せました。

4行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

1000pFしか試していない高域微分補償は、外したままです。戻しますと、負荷開放だけで「中?発振」します。2次側積分補償で止められますが、容量負荷には弱いまま・・・いや、更に敏感な印象です。

宿題1-5 1000pFそのものが“設計計算”手抜きの暫定数値でした・・・と、告白しましょう。最適値を“設計計算”する知恵が無いので、安易な区切りで減らしてみました。なお、2次側の積分補償ナシです。

←1000pFでは負荷開放だけで発振するので、3曲線とも8Ω負荷時です。凸は気になるものの、これだけで容量負荷時の発振兆候を見つけられそうに無いのです。

凸の高さとは逆に、補償容量を減らすにつれマシになるが、負荷開放・容量負荷時の応答は「1000pF無し」に近づく“だけ”の印象です。これらだけで判断するのは安易?。

ひどく乱暴な実験だろうとは思いますが、F-475では負帰還用3次巻線の効能が認められました。しかし、あんなに著しく凸凹したF特を孕んでも、専用3次巻線からの負帰還だから効くのさ・・・などと単純に考えて良いものやら・・・。でも単純に考えたくもなるのです。

ほとんどを10kHz方形波画像だけで吟味・考察?しましたが、一時こんな周波数特性を調べ「かけ」たのです。多くのデーターとの整合性が乏しいRch側ですし、1000pFを外しただけの低帰還(6V6のRkバイパスなし)なので判断材料には不適切と考えました。いや・・・正直言えば、とっても大変なのです。それに・・・発振したら測定出来ませぬ。発振を止められた諸条件も併記すれば、何かの足しにはなるでしょうが・・・面倒臭そう。

位相特性の測定は・・・つらいので(目と頭とココロが)やる気が起きません。一度やって懲りました。

(´_`;)疲れた・・・

容量負荷試験にばかり偏って「こだわり過ぎ」なのか・・・と、自問しつつ調べてまいりました。まだ“少年?”時期に武末先生の記事・文献に触れてしまい、洗脳されたのかも知れません。そして今も解け切っていないようです。

初期の2作品は無帰還なので、こだわる理由すらありませんでしたが、「着せ替えシングルVer.2」以降、武末先生の“教示?”が甦りました。しかし、0.47μF(昔の記事では0.5μFか)まで発振しない事が“本当に必要?”なのかどうか、今は揺らいでます。

イヤミな言い方になりますが、WEB上でも技術誌上でも「容量負荷試験」の結果が掲げられた作例は多くありません。試験を行ってないだろうと思われる負帰還アンプも結構ありそうです。とはいえ自身の作例でも、ロクに調べず作りっぱなし・・・のもあるンで、エラそーな事言えませんな。

まだ結論は出ておりませんが、出力トランスの“個性”が容量負荷試験の結果を左右する事は間違いないのでしょう。では、どんな“個性”が絡んでいるのか・・・それが解ると良いなあ。出来れば「買う」前に。

前段回路の「広帯域」設計も、容量負荷試験に相当影響(もしかして敏感に?)するのかと感じ始めております。まだ手探りの中での印象でしかありませんが、ソレをやるなら低帰還に留めておくのが無難かも知れません。

中途半端なのは承知で「宿題」を終え、次の「宿題・・・」に進みます。

ココロ残り:そういえば・・・2次巻線からの帰還で歪みや出力インピーダンス測定を省略しましたが、高域100kHz以上のインピーダンス数値は調べときゃあ良かったかな。でも、もう疲れました。

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宿題・・・

20150611〜

今のところ、1次インピーダンスに高域ピークを持たないF-475は「容量負荷に強い」かもしれない・・・などと幻想を抱いております。
「強い、弱い」は相対的な考え方ですので、U-808と比較をしてみましょう。位相補償の類はナシです。

以下、再び“似たよ〜な”・・・でも微妙に異なる波形が並びます。

U-808では 宿題2-1 U-808を外付け接続しました。高域凸凹は随分シンプルに。

1次巻線の直流抵抗値が208Ωなので、P端子に270Ωを追加・・・電圧関係は近似しました。6V6の内部抵抗(ン10kΩ)の高さに頼った泥縄実験ですが。

チョンボしました。Zp=5kΩ使用ですから、2次@-A間に8Ω負荷を接続しますが、この時の16Ωタップは@-C間です。それを・・・@-D間からの負帰還接続してしまいました。

そうとは知らズ、裸利得(35.2db)と、同じ帰還抵抗値での利得(19.5db)を調べまして・・・仕上がり利得のプチ減少は気になったものの、負帰還量は15.7db(これはプチ増加)なので、これでイっちゃえと。

100Hz・8Ω 1kHz・8Ω 10kHz・8Ω 10kHz・負荷開放

定番の3周波数+10kHzの開放方形波応答波形です。F-475とは随分異なり、シンプルに見える。しかし125kHz(8Ω負荷)や150kHz(負荷開放)の鋭いピークはリンギングとして明瞭に出ました。

凸以上の周波数ではレベルが低く、好印象。ところで、1〜8kHzでの緩やかな盛り上がりは気になります。低域の凸は見えにくいレベルに収まってるだけで、痕跡は感じられました。

8Ω負荷に各種容量を付加したもの。0.1μF以下では波形の変化が少なく手を抜きました。

10kHz・8Ω 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

3行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

負荷開放に各種容量を付加したもの。

10kHz・負荷開放 同+0.005μF 同+0.01μF 同+0.022μF

同+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

様相はかなり異なるが、発振しましたね。130kHz程と数えられるので、F-475よりも低いのです。なお、0.22μFと0.47μFは発振しかかってるように見えます。これもF-475とは違うなあ。

0.1μF発振に2次積分補償は 2次側積分補償で、↑負荷開放+0.1μF時の発振が止まった・・・とは言えんような按配に。

3行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

F-475では“負荷開放だけ”で発振してしまう「1000pFの高域微分補償」が、U-808では大丈夫です。その按配を見ました。なお、2次側積分補償ナシ負荷開放でも発振せず、安定。

宿題2-2 宿題2-3 補償容量の増加に伴い、教科書どおり?に高域レスポンスが抑圧される様が見えます。

高域微分補償220pF 同470pF 同1000pF 高域微分補償“だけ”で負荷開放+0.1μFの発振が抑圧・停止されました。

しかしこれも・・・F-475では調べられない波形なので、比較にそぐわない感じ。

宿題2-4 0.1μFの容量負荷時に、高域微分補償だけで発振が抑制された状態のF特です。

F-475では厄介(副作用?)だった高域微分補償が、U-808では相当効きます。OPTの“個性”と考えるしかないのですが、こっちの方が「好き」だなあ。思考停止の言い訳ですが。

5行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

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U-808の「オマケ実験」です。

先に述べたように、U-808の2次@-Dタップからの「カン違い」負帰還のままデータを取っております。平田電機タンゴの資料によりますと
「1次インピーダンス5kΩの場合2次は0〜8Ωより0〜16Ωの方がやや特性が良くなりますからNFBは0〜16Ωよりかけます。」との説明です。要するに@-Cタップの事です。

1次P-B間に1Vrms・1kHzを入力しますと、2次開放@-A間に≒0.047Vrms、同@-C≒0.068rms、同@-D≒0.078Vrms出ます。途中は端折りますが、@-Dタップは大体・・・22Ω(Zp=5kΩ時)相当。 ・・・それは置いといて、2次無負荷電圧差は1.15倍弱(+1.2db弱)です。実態では負荷も掛かり、差が圧縮された様子で、負帰還量の差は0.7dbになってますけど。

高域微分補償220pF・0.1μF負荷 タンゴ指定?の@-Cタップからの“‐15cb”負帰還時。

無負荷・高域微分補償220pF付きで・・・0.1μFの容量負荷の耐性は低下しました。@-Dタップ帰還の同一条件波形では、かろうじて収束傾向が見られたのですが。

0.22μF負荷 0.47μF負荷 タンゴ指定?の@-Cタップからの“‐15cb”負帰還時。

無負荷・無補償で容量負荷試験しますと、大容量?時に発振しました。微々たるモンだが、負帰還量が減ってるのに容量負荷耐性が劣ると見ました。

タンゴ指定外の@-Dタップ使用時では、0.22μF0.47μF共に、まだマシ。

3行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

以上の実験結果からは、@-Dのタンゴ指定外タップからの負帰還を薦めたくなります。容量負荷に“強い”だろう理由だけの話ですが。なお、@-Aの8Ωタップからの負帰還を試そうか・・・とも思ったのですが、帰還抵抗値の変更が面倒なのでヤメ。実測もせずに論じるのは
“危険”ですが、容量負荷の耐性は低下すると思ってます。別ネタでは確認したい。

6R-P15版の「着せ替えシングルVer.2」では、20dbの負帰還やって苦労しました。でもナントカ出来たのはU-808の“おかげ”だと、つくづく思います。実はこの時既に、@-Dタップからの負帰還をやらかして・・・助けられたのでしょう。結果オーライの態でもありましたね。

トコトンやるなら、各2次タップ毎にF特を測定して、その差異を調べるのが望ましいのでしょう。でも大変だからやらない。それに・・・負荷開放・容量負荷時の特性を調べないと“片手落ち”でしょう。エヌエフのFRA・・・ナンタラがあれば・・・いや、あっても大変だ。

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まだ宿題・・・

20150613〜

PMF-10WSに置き換え。2次16Ωタップからの負帰還を試しました。ここも高域各種補償はナシから。

PMF-10WSに 宿題3-1

1次巻線の直流抵抗値は230Ωですが、挿入抵抗は270Ωのまま・・・電圧関係は近似しました。以下同文。

PMF-10WSは負帰還関連の接続指定ありません。よって、2次フルタップから。

裸利得35.1db、同じ帰還抵抗値での利得20.4db・・・14.7dbの負帰還でした。

いぢわるですが、30kHz〜160kHzを細かくプロットしました↑。高域‐3db落ちは・・・36kHzと・・・あと何箇所?。

100Hz・8Ω 1kHz・8Ω 10kHz・8Ω 10kHz・開放

ええと・・・どう書きゃエエのか困る。正直に書くとマズそう。

以下、10kHzの容量負荷試験です。

10kHz・8Ω 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

0.1μF未満では変化が少なく、省略ッ。

10kHz・開放 同+0.005μF 同+0.01μF 同+0.022μF

同+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

良く“踏みとどまっている”と思ったが、開放+0.1μFは不安定。見てないが、+0.22μFも怪しい。

220pF 470pF 1000pF

微分補償で負荷開放+0.1μFの発振が“抑圧・停止”されました。2次側の積分補償は使ってない。

4行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

PMF...2個目 なんとなく気になって、PMF-10WSの“もう1個”を調べました。似てるし、でも違うし・・・

初期のアレコレは、どっちのPMF...を使ったンでしょうか。区別してなかった。

方形波応答も見ましたが、同じく“似てて違う”程度。撮影・掲載はやめました。

Zpに高域凸を持つPMF...です。“意外”と言っちゃあNoguchiさんに失礼ですが、容量負荷耐性はU-808と左程変わりないと解りました。
ズミマセンでした〜・・・ m(_ _)m・・・

でも...あのォ...ウネウネはねえ...聴いて解るモンぢゃ無くてもね...ブツブツ...グチグチ...高帰還が流行らない昨今で、ヨカッタっすね。

宿題を終えます。テストに使用したU-808は、別ネタに。PMF-10WSは・・・未定。

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おさらい

20150614〜

3種の出力トランスを試した中で、高域特性に限ってはU-808が最も良好と感じました。困ったのは・・・出来上がっちゃって今更置き換え出来ない(しないつもりの)F-475です。100〜300kHzの凸が元凶でしょうが、なんで高域微分補償との「相性」がアカンのか見出せておりません。

OPTをF-475に戻し、3次巻線からの負帰還に戻し、カソード抵抗の全バイパスで15dbの負帰還がかかった状態での“おさらい”です。
ロクな事無い、高域微分補償容量“1000pF”を、再度試しました。

微分補償1000pFの発振 8Ω負荷、入力短絡時の発振波形。出力段のカソード電圧は20Vを割り、波形サイクル(こりゃあ・・・5Hzか)に従って変動します。初期の発振は再現されました。

この発振時のスクリーングリッド抵抗100Ω両端電圧は・・・約0.2Vが変わりません。波形振幅を思えば、ebminは危険な領域までは至ってない様子。出力段のG1バイアス(元)電圧は+13V→+12.9Vほどの変化は見える。しかし、直接G1電圧を見ると・・・発振しなくなります。PC-510a・DMMの接続容量が効いたかのように・・・。

出力段のG1周辺の計測器接続(結合コンデンサ表面への触診なども)が、発振の抑圧や停止に効くことは「宿題」の当初から気付いておりました。そして、段間への容量付加が絡んでいる気がしたのです。

もう一つ、入力開放で発振は止まります。末端開放の接続コード・ピンコードの類が挿入されただけで発振します。そして、FG-274やMAK-6630などの出力を繋いでも・・・。これも「宿題」当初からの現象でした。う〜ん、測定のための信号を、何も入れられません。

発振の本質とは異なるかも知れませんが、5Hz前後の発振で思いつくのは、CkとF-475の1次インダクタンスによる共振?・・・、そして、リプルフィルターのインピーダンス凹です。検証方法は思いつかないし、そんな精神的余裕も無いのでPASS。

安易な手探りですが、段間を10pFで接地(実際はRg・470kΩに並列)すると発振は停止します。無信号〜小信号時では安定したかの様相なので、この方向で調べてみました。なお、F-475・2次側の積分補償、10Ω+0.1μF追加のみでは発振波形が変わるだけで解決せず。

段間に10pF 段間に10pF 段間に33pF 10pFでは左端2Vrmsや、それ以上の出力では“滲み”の様な発振。それに負荷開放時も発振・・・

右端は容量増加で、8Ω・クリップ時も安定になる様子。負荷開放でも安定しました

残念ながら33pF付加で「落ち着いて」も、0.047μFの純容量負荷時は、微分補償コンデンサ無し同様(に見えたが)発振しました。“1000pF”は“ナニも貢献していない”かの様相。

高域微分補償を“1000pF”“470pF”に、段間での容量接地は除去です。無信号時は8Ω負荷及び、開放共に安定でした・・・が。

8Ω・1Vrms 8Ω負荷時の1Vrms出力波形。

微分補償の緩和が、発振境界の劣化を?・・・。いやいや、段間の容量接地を除いているので・・・って、
諸条件設定がおかしくなってるゾ。

20kHz・2Vrms 負荷開放+0.22μF時の20kHz・2Vrms超え出力で発振を始めた波形。10kHz方形波入力でも発生、
1kHzや10kHzの正弦波では起きない。

う〜ん、これも↑の条件との繋がりが希薄な・・・ロクな実験やってない。

←入力止めても ←入力止めても 左は、そのまま入力信号を絞っても継続してる発振波形。遅いSweepでは
SS-7810のデジカメ撮影に難儀します。

同時モニタしてるDS-5102BでSAVEしたのが、右・・・4Hzかい。

なお、負荷開放+0.047〜0.22μFまでの発振は段間への10pFで止まりますが、同+0.47μFでの発振は、段間33pFでも止まらず、100pFで・・・やっとこさ止まった。

高域微分補償の“470pF”“220pF”への変更は、微分補償ナシと、何ら変わらないように感じました。比較的安定ですが、容量負荷耐性は良くも悪くもなっていない・・・開放+0.047μFでは、ヤッパシ発振するのです。

このくだりは、相当テンパってた記憶です。闇雲な実験に終始し、大した知見は得られないまま・・・次の実験に“逃げ”たのです。

「癪」ですが、乱暴にも段間のfcを下げた「狭帯域化」補償の真似事です。100pFを付加しますと、段間のfc≒70kHzかと想像します。6688のRL=18kΩ動作で、高域を伸ばした意義を失う気がします。

実験風景 狭帯域化実験 15db負帰還、微分補償ナシで段間に10〜100pFを付加したF特です。
「劇的に落ちた」感じはしないけれど、効いたンですよね〜・・これが。ワカラン・・・。

100pF付加では、200kHz近辺の凸が、「‐db」領域以下に落ちてはいます。この辺の按配で効き目が出たのでしょうねえ・・・癪ですけど。

1kHz・8Ω 10kHz・8Ω 10kHz・負荷開放 段間に100pFを付加した時の方形波応答。100Hzは省略ッ。

付加ナシ波形10kHz・8Ωよりずッと綺麗になったが、この「狭帯域化」という言葉以外に代償はあるのでしょうか。

100pFによる「狭帯域化」だけで得た容量負荷試験結果。撮影した容量以下でも安定しております。

負荷開放+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

3行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

なぜかF-475では“危険”な“1000pF”の微分補償を、往生際が悪かろうとも試してみます。

狭帯域化+各種補償 100pFの狭帯域化に“1000pF”の微分補償で、レスポンスは更に低下。

ついでに、2次積分補償も加えた「やり過ぎ補償?」のF特も。なかなか“スパッ”とは切れて
くれない・・・アタリマエか。

100pFの狭帯域化に“1000pF”の微分補償で得た容量負荷試験結果。そして元の木阿弥・・・、波形にもウネウネが復活。

開放+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

あ〜あ・・・ ε-( ̄ヘ ̄)┌ ダミダコリャ…

2次側の高域積分補償、0.1μF+10Ωを加えると安定。波形はとても大人しい。

開放+0.047μF 同+0.1μF 同+0.22μF 同+0.47μF

同+0.047μF ヤケクソで、2次側の積分補償“だけ”の実験です。「狭帯域化」「高域微分補償」ナシでも、負荷開放+0.047μFへの容量負荷耐性を維持してます。確かにコレが一番効きそうですもん。

リンギングは派手になっても、発振しません。近い条件でも2次巻線からの負帰還時波形とは異なるのですから・・・何が効いてるのやら。

・・・手抜きですワ。他の負荷容量時を調べてません。

3行空けの為“だけ”に、こ〜ンな事を・・・

なんだか不毛な気がする実験ですワな。発振の止め方を知ってて止められるけど、発振の根本源因を知らないっちゅうか、オープン・ループゲインやら位相測定無視で、突き止められるはずもないと知っていて・・・。

この「おさらい」では高域微分補償に“偏って”拘ってみました。教科書的?な意味では、高域スタガ比の不足を補う手法の一つと理解しておりますが、OPT付きアンプではOPTの存在がスタガ比設定を難しくしています。

なお、前段回路の高域を可能な限り伸ばす設計は、黒川達夫氏の作例・ご著書から学んだのです。まあ、ソレはまあ実現できたものの、OPTとの絡みが予想できなかったちゅう事ですかな。なお、氏の作例の中にはOPTの1次巻線にCR回路が添付されたものもあり、う〜ん・・・良く読んでませんでした。本件にも絡むヒントが書いてあったかど〜だか?。

故・藤井秀夫氏の記事から学んだのですが、高域微分補償には負帰還の安定性向上?以外にも、減少しがちな高域の負帰還量を「レスポンスの低下と引き換えに確保する」作用があると。そして氏が提唱された、負帰還量が減少する帯域端での「段間の振幅膨張」を回避できる手法の一つだと言うのです。この考え方に魅入られたのが本音です。

Rch側も似たようなモン。“1000pF”付きのままカソード抵抗をバイパスすれば“あの”発振しますし、入力周りをいぢって無いからか、更に酷い様子。入力開放でも発振が止まりません。そして、同じく「狭帯域化」で落ち着きます。“1000pF”ナシで「粗く」見た容量負荷試験も0.047μFで発振、他では持ちこたえます。う〜ん・・・若干でも良ければ、見直しのサンプルに出来たかも知れないのにね。

宿題や、おさらいが終わった気がしません。正直言ってF-475が「こんなに厄介だとは・・・」と愚痴をたれて、元の低帰還アンプに戻して(“1000pF”は温存)逃げます。

おさらいのオマケ

カソードバイパス無しの動作について、重大かも知れないし、どおって事無いかも知れない見落としがございます。6V6のスクリーングリッドは100Ω+RD-22F経由の給電ですが、交流的には接地状態と見なしています。しかし、カソードには少なからぬ信号電圧が発生していて、コントロールグリッド入力にだけではなく「スクリーングリッド」にも負帰還が掛かった状態と考えられます。

頭の中を工事中 このスクリーングリッドへの帰還作用を、全く考察しておりませんでした。μg1‐g2の数値でナニガシかの計算が出来そうですが・・頭の中はテンテコ舞です。それに、6V6の特性曲線イメージさえも異なるのではないかと考えています。

2月測定の6V6単段実験データと、4月の全回路測定でクリップ出力時のカソード信号電圧から想像した出力段周りの模様。胡散臭さプンプンの妄想です。当てはめた数値に矛盾があるのか、K⇔SG間に13Vrmsが「負帰還」として加わってるイメージの“扱い”が釈然としません。

最大出力の少なさについても、スクリーン・グリッドへの帰還が、6V6のEb-Ib特性曲線全体を「引き下げてる」気がしました。Ayumiさんのサイトに、ヒントが述べられているかも知れない・・・と、今頃勉強中です。そして、この手の疑問はシミュレーションで明快な“解”が求められそうにも思います。ご著書付属のTINA...で出来るかな?。

早くから宣言しておりました「6F6-GTへの着せ替え」が残っております。実は・・・別件にも手を出し始めてしまいまして、6F6云々は後回しにしたいのです。ご容赦を・・・m(_ _)m 

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割り込みネタ“5992Ver.”

20160316〜

唐突ですが、5992に差し替えをします。6F6-GTへの着せ替えよりカンタン(当然か)なのです。6V6GTの高信頼管と称されるので気にしつつ・・・入手の機会を逃してました。過日、中古の販売を知り、急遽2本だけGET。ペア扱いで実測Ib/Ic2数値ラベル付き。

偏向雑誌?の写真や某店頭、WEB画像で見聞きしてはいた記憶ですが、手にとって・・・随分構造が異なるなとあらためて「ふ〜ん・・・」。
根拠の無い期待感はあります。

東芝6V6-GTと5992 静特性チェック

メンドーですが、深入り実験・・・1で行った方法で大雑把なゼロバイアス特性を調べました。で・・・早速・・・If=0.6Aの不見識を思い知らされました。

更にメンドーですが、深入り実験・・・2で、所定のバイアスチェック。

出来上がった機体の一部変更による作業でして、全く同一かど〜か。いや、同じはず・・・。

もっとメンドーですが、深入り実験3・・・ヒーターハムで行った方法ではなく、初段管を抜いて、出力管のコントロールグリッドを2.2μFで接地してハムのチェック。条件が異なるのでエコヒイキですなあ。

今更ですが、エコヒイキ無しの同一条件でRCAと東芝球のハムテストを。「RCAサンプル3」はヤッパシ酷い。

ヒーター・カソード間耐圧が“ 350V!”などと書いてある5992ですから、妙な期待もしちゃうンですが、0.1mV未満?など飛び抜けた数値では無いけれど酷くも無い。たった2本ぢゃ論評できませんが、買ったサンプルはAC点火でもフツーに使えるだろう数値かと。しかし、DC点火回路が出来上がってるので、いまさらAC点火に組み替える気は御座いません。

5992ver・Lch・THD 5992ver・Rch・THD 期待はあってもこんなモン?・・・と言ったら語弊ありすぎ。他の6V6系統のバラつきを考えると「同じタマ」との印象。ナニ考えてたんだか。

5992を左右入れ替えますと、0.01W未満の低レベル“以上”では、数値が逆転します。だからなんなのさ・・・ですが。

利得:Lch・17.3db、Rch・17.4db。残留Nois:Lch・0.13mV、Rch・0.33mV(500kHz・BW)。F特・Zoなどは大差なく、掲示は省略。

5992ver

見た目は相当変わります。

聴いた耳?は相当・・・変わらん。何のコッチャ。でもなんとなく“格上”に聴こえちゃうンだからエ〜加減な耳で。

これ以上の水増しはありません。***********

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6F6-GTへの着せ替えゴッコ

***〜

まだです


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