20051105〜
目次
役得JUNK部品ありきから
楽〜な気持ちの回路設計
実験(1)〜(15) 20051105〜20060103
試作 20060103〜
測定と雑感 20060326〜
後始末 ******〜
はじめに
お仕事では半導体にはいろいろとお世話になってン10年の身ですが、自身の道楽としては、大して真剣には構っておりませんね。子供時分のラジオ工作以外では、整流ダイオードやら安定化電源部の制御TR・ツェナダイオードくらいしか採用しておらず、増幅素子として使った「完成作品」はありません。実験までは手掛けたものの、無謀すぎて放棄したり、「掴み」ていどの成果で満足し発展しなかったりと、中途半端な態度でした。
幾つかの試作アイデアだけは暖めている(基幹部品確保済みもあり)ものの、なぜか「初めの一歩」が踏み出せない状況が続いておりました。今回の試作がその一歩目となります。
役得・・・ちゅうか、まあ役得そのものですが、仕事の都合で「簿外」だったり「廃棄」される運命?の「訳有り」完動パーツが涌いて出ます。
なんちゅう仕事かは書けませんが、涌くんです。以下、試作の動機付けにもなったJUNKをば。
これはバラック実験初期の画像です。手前の放熱器、出力TRの2SB1560/2SD2390、左奥のパワートランス、右奥のブロックケミコンがソレです。
これ以外にも細々と訳有りパーツはありますが、こりゃもう基幹部品は揃ったようなモンです。凝ったアイデアからは離れて、楽〜な気持ちで拵えようと考えました。
ヤバイ所にはモザイク処理したんですが・・・こりゃバレるかも。
まだ他にもありまして、その時々に告白する所存ではあり舛。
元ネタはラ技1974年6月号(古ッ)の木塚茂氏の回路です。無論当時既に差動2段増幅は存在し、高級機はソレが主流の時代ではあったのですが、木塚氏が「初心者向け」として書かれた記事でした。
変な言い方ですが、「非」差動増幅構成は既に古い風潮でもあって、逆説的に「非」差動増幅回路のアンプがどんなモンかを、市販完成品商品で聞くことも困難な時代になりつつあった記憶です。ならば、手頃な試作例として選ばせていただいた次第です。う〜ん「敷居」は低そうだ。
コレが元ネタの概略です。時代を偲ばせる銘柄と定数が並びます。代替品の制限は緩いと思いますので、好き勝手にやります。
この時既にK師によるDCアンプが誌上を席巻しつつある頃で、気にはしつつ、まだ早い(技術的に)と感じていたのです。しばらく後には、K師のとは異教?のツギハギ回路ではぢめて・・・懲りた経験がありましたし。
いきなり変更、PTにセンタータップがないため単電源の出力コンデンサー付きに退化します。今時珍しくて新鮮でしょ?。ついでに初段・次段の極性も逆転しました。旨く説明できないのですが、出力ミューティングを省くため、次段がカットオフからゆっくりとONさせられないかなと考えました。初段NPNからスロースタートすればソレが出来そうです
80〜90's頃なら“こんなの”で造ろうとは思わなかったのですが、トシと共になんだか拘りが無くなって来た気分です。まあ・・・造ってナンボの心境ですかなあ。
同じPTが2個あるので、±電源の「よくある」回路も出来るのですが、「絶滅した」回路に憧れすら感じて・・・偏ってますね。
20051105
実験はコレがスタート。手前の擬似負荷(390Ω×4の内3本直列)で、約50mAdcの軽負荷時を調べてる画像です。
電源トランスは2次AC46Vほどなので、電灯線電圧が102〜3V時にはケミコン耐圧63Vギリギリになりました。もしかしたら超える事もありそうですが、それなりの負荷時では60V未満に落ち着きます。自己責任でこの組み合わせを強行します。
3行空けのために・・・こげなことを
20051106
一番上の写真の頃。テキトーな温度補償を添えて通電し、Ic≒0.1Aを監視。暴走の気配が無い事を確認。放熱器はデカイので「人肌」ほど。
もう音楽信号を入力したくなる。
3行空けのために・・・こげなことを
20051107
再びIc増加傾向を眺め、0.1A→0.11A程度と知る。他の電気的特性を調べぬまま、ポータブルMDで音出ししてしまいました。MONO再生ですが、フツーに聞けます。
その後のテストで、ON直後には出力に20Vほどの電位変化・・・ポップノイズ・・・を見る。無策ですから当然ですが。
同じ回路で実験(2)(3)を分けた意味・意図ともに希薄。
20051120
最終形態に向けて基板を整備。温度補償TRも(写ってないが)TO220形状の2SC4495に交換。Ic=0.3Aまで試すが、当然熱い。この時の+Bは記録してなかった・・・。
3行空けのために・・・こげなことを
20051123
前段組み込み、しかも無帰還・・・。NO時のポップノイズは無く、過剰なスロースタートになった。入出力利得は1.3db・・・初段R6がバイパスされてません。
電圧換算の電流値を調べました。出力TRのランク違いは承知していますが、ベース電流値は矛盾?・・・単品計測してませんし・・・。
シンボルaE・・R1とか、C2など・・・を“格好付けて”書いちまったのです。本頁では貫きましたが、コレっきりにしようと存じます。
20051125
スロースタートの按配探りやらで、各部容量値を試します。C4を付けて当然利得は増大、VR1最小で37dbに。8Ω負荷への波形が歪むし、「刺?」まで出たが、波形撮影は失念。
R2とC2の追加は・・・意味無かったかも。以後そのまま温存してますが。
3行空けのために・・・こげなことを
20051127
いままで、無帰還でした。まあ、予感はあったものの、R9挿入でスタート動作が一変。理屈はわかりませんが、10秒ナニガシで立ち上がります。(図の定数で)
3行空けのために・・・こげなことを
20051203
入力Vol.を新設。右端は出力コンデンサが2000μF分、これに足したり引いたり。
C5・47pFの挿入前は、VR2で「高利得」設定ができなかった。これが一変し、安定。何が起きてて、何が変わったのかは理解してない。この時も波形撮影・記録失念。
AC/DC動作とも安定と感じたので、R8短絡・VR2最小のAC無帰還状態を試し、約60dbの利得を確認しました。8Ω負荷への最大出力も調べましたが、20Wに留まる。電源部の3Ω抵抗が効きすぎて、60V⇒50Vまで落ちます。要検討ですね。
3行空けのために・・・こげなことを
TRアンプでは滅多に見ない入出力特性、AC無帰還時の「線」は怪しい。VR2=0Ωで約32dbの利得、帰還量は約27db。VR2=1kΩでは、同18db、帰還量約41dbです。Excel作図法の不備ゆえに・・・線が分断されてます。勉強不足が露呈。
Noisは、2.2mV→0.3mV→0.13mVへと減少。
3行空けのために・・・こげなことを
20051210
意味ありげで、無いかも知れぬF特データ各種。C4は100μFでイイや。C6は帰還ループ外なので5000μFが要るかと。
3行空けのために・・・こげなことを
20051211
意味ありげで、無いかも知れぬ歪み率データ各種。まだC4値に迷い。C6値も2種試してる。
入力Vol.新設してもMAX位置で調べますと・・・VP-7720Aの最小出力設定でも、無帰還時の8Ω負荷電圧が0.1Vrmsまで絞れないのです。ハムが多い(波形記録なしッ)ので、負帰還でもソレ相応に低レベル数値は改善されない。
3行空けのために・・・こげなことを
20051223
Vol.をケッコウ絞って、VP-7720A側の出力を上げました。無帰還時の0.1Vrmsが調べられまして、低レベルの数値が改善?・・・なぜ、負帰還時では変らぬ?・・・。
C4の数値変更を“外付け蓑虫ケーブル接続”でやってたのを、470μFの基板マウントに整理してハム減る。
見たことあるような、Ic値をパラメータとした歪み率。1Aくらい流してみたくもなるがPTや放熱器に余裕無く、ハムも増加気味だし。
電源平滑容量の倍増。Ic≒300mA時でハムはプチ改善だが、フリッカーが減った。以後コレに決まり。8Ω負荷時のIcmaxは、
1A未満なので保護ヒューズは1Aに決まり。
20051225
いささか興味深い「ブートストラップ」の実験。理論的な文献は読みますが、こういった実験報告は存じ上げません。
AC無帰還で、約60db→73dbの増加。曲線は並行移動ぢゃ無いんですね。元回路のAC特性が、強烈に絡んでいると見ました。
歪み率は・・・なにか、間違えたんでしょうか?。
3行空けのために・・・こげなことを
20051230
負帰還かけました。だんだん普通の(よく見る?)曲線に近づく。Ic=0.3Aの曲線は良さげに見える。なお、クリップの上下が揃い、25W出る。これもブートストラップの効能か。
年の瀬までこんなンやってる自分が・・・。
20060102
電流注入法で出力インピーダンス測定。ブートストラップが入ると・・・コメントは止め。なお、C6を1000μFまで試したが、
30kHz以上のインピーダンスが「少〜し」下がるだけ。
新年早々こんなンやってる自分が・・・。
20060103
電流注入法なら、負帰還アンプ(低インピーダンス)でも測定中の読み取りストレスが無い。C7=出力コンデンサーは帰還ループ外なので、数値差はそのマンマ表れますね。
ストレス無くても、まだ慣れてない?・・・凸凹してる。
新年早々・・・。
20060103〜
ダラダラと実験を続けてまいりましたが、もう止め。本番の試作に進みます。
マットウな製作者でしたら、マットウなシャーシ・ケースに組み込むのでしょうが、マットウな道を「ちょっと」踏み外しました。
実験中の「敷物」に使用していた、30cmx30cmの合板端材を基幹材に、これまた端材の4本足。
デジカメ不調につき、以下は近年撮り直したもの。ン年間の埃が・・・。
左右の「オマジナイ」部品は後ほど。
ええと・・・どっちかのTRが異なります。初段2SC2240・次段2SA1145です。最終特性でも“聴いて”も・・・差が解りません。なお、出力波形上は遅い動きが見えるものの、ON時のポップノイズは聞こえません。OFF時には聞こえる「時」もあったのですが、出なくなった?。
MUTINGリレーを使わない工夫は出来たと思うのです。でも元ネタ回路にも無かった記憶・・・ポップノイズに関連する記述は、読み返さないと思い出せません。
20060326〜
実験Nの再試行。妙なカーブが消えましたが、どうやら「ミノムシクリップ」などの中途半端な接続が、インピーダンス測定値に影響が出たものと思われます。半田付けの結果がコレです。
C7の最終値は、4700μFにします。倍増したって1octしか拡張できないんだから・・・てな諦観。
2016年清書中の後知恵:高域10kHz手前からのZo上昇は、無帰還時のF特を反映した負帰還量の減少でしょう。ブートストラップのアレかなと思ふ。
Lchの歪み率特性です。電源平滑部の変更で電圧上昇により最大出力は28Wほどにプチ増加。0.47Ω程でもフィルタ効果が見られ、0.07mV台にNois(リプル由来か)も減少。
その割りには、最小レベルのひずみ率数値は下がってくれない・・・。
←や↑は、出力ラインの保護ヒューズを「8〜32Ω」の固定抵抗に置き換えたのです。当然パワーは激減しますが、Noisも減って・・・歪みも減る。
完成写真に映っていた39Ω0.5W×4本並列の常用抵抗ユニットでは、DF値が“1以下”の愚行してます。
フルパワー(10Wほど)は出せないけど、出さないから平気。
世の中の「通説」に逆らい?「緩めの音」を好むのかもしれません。MAINSPがクセものなのでしょうが、
アンプで“制御”されない鳴りっぷりが聴きたい。
68Ω×4(17Ω)のも試したのですが、緩めすぎの感じ。DF≒1ほどがMAINSPに合う印象。などと書きながら、4Ω挿入のDF≒2を試してないズボラしてます。
100Hzカーブの「直線」はナゾです。ムカシのTRアンプ特性で、そんなのを良く見てましたが・・・ありゃあ測定下限のためだとおもってました。もちろんソレも含まれましょうが、本件はVP-7720Aで測定してますので、100Hzでも0.00%台のはず。波形記録してないのは痛恨の手抜きでした。イマドキのTRアンプでは見られない様なので、ブートストラップ由来の“個性”かと解釈してます。根拠ありませんけど。
3行空けのために・・・こげなことを