4P55/4B85シングル実験

20180815〜


目次

4P55のおさらい
4P55のコンディションテスト 20180817〜
4P55の実験 20180822〜
4B85のおさらい 20181002〜
4B85のコンディションテスト 20181011〜
割り込み作業.1 20181014〜
割り込み作業.2 20181105〜
4B85の実験
以下妄想


はじめに

ご本尊たる(ベース機)4B13シングル構想が実験どまりのままン10年・・・。4B20も同様の体たらくで、早うカタチにせんと余生間に合うか〜、てな心境なのですが、はたまた道草を食いました。なにを今頃的ヤフオク利用の泥沼にハマって、掲題球を落札。嬉しいし困ってる、矛盾した心理状態に酔ってるかも。之奴の所為で、着手中の6AC5-GTは年内完成が危ぶまれるハメに。ナニやってンだろ俺。

是も又国産球贔屓の顕われか。でもPhilips系のQE08/200も狙ってるっちゅう・・・破綻した精神構造的欠陥も。

4P55実験が一段落着いた・・・ところ〜で、同じく国産球の4B85の出品に遭遇。困ったなあと思いつつ入札したら落札出来ちゃった。いや〜困った困った・・・と喜んでてイイのやら。


4P55のおさらい

***〜

1980年代だったかのMJ無実誌記事記憶(SAKUMA氏のアレでわない)がありますから、そのスジでは既に承知のタマなのでしょう。WEB上でも幾つかの作例を拝見します。あらためて調べなおしましたら、4B20と同じGiant-5Pソケット適合と判明。あそこのデータベースサイトにデータシートが載ってた事も入札の後押しになりました。なを、E32Sベースとか書かれても困るゾ。

国産、4□○○球 ←これ見よがしな国産球、4B20・4P55・4B13のそろい踏み画像ですが、お許しください。もっとゴツイ球を弄るお方もおられるのですから・・・かわいいもんさ?。

出品画像良く観察しときゃヨカッタ・・・ゲッタ残無しに見える消耗球かね。中古の明記はあったから文句言えん・・・。

蘊蓄漁りでは「NHK向け」と「船舶無線」を見聞しました。落札品にNHKの文字無しってことは・・・?

負荷線 データシートには見慣れたEb-Ib特性曲線が、Ec2=200Vの一枚だけ。2/3乗則による拡張推測って手もあるけど、このままで負荷線引いたら望外のハマりよう。

細部の読み取りは丸めますが、Eb=750V・Ibo=100mAの動作基点にRL=5kΩを引いただけ。これでEbmax≒1200V〜Ebmin≒100Vと、オーザッパに読んでもPomax≒30Wは堅いと踏みました。ゼロバイアスカーブの肩を若干下側に負荷線が通っているので、Eb=800V・Ibo=110mA程にズラしたら良いかもしれません。

Eb=400V・Ibo=100mAの動作基点にRL=2kΩを引いたのは、楽な設計意図の試案です。オーザッパに14W程の出力と読みましたが、楽な分モノ足りないのは確かだ。

東芝の資料には8T30の前置増幅回路例が載ってて興味深い・・・でも無線関係に無知だから、どんなモンか分かりませ〜ん。そんな事を書きたいのでわなくて、G3電極の存在が気になります。第三グリッド変調云々の為だろうと想像しますが、ドコゾの五極送信管資料では、+電圧を与えるとEb-Ib特性曲線の肩特性が“改善?”されるのを見た事があります。東芝資料では「平均定電流特性」曲線の中でソレっぽい(見慣れぬグラフだ)違いが感じられます。クドク書かず、G3に+バイアス?加えてみたらオモシロかろう。

804(RCA) 掲げたのは違うタマ。G3電圧印加無しの肩特性が「ユルすぎ」にも思えるし、Ec1=0V時の電流は大したことない管種とお見受けするが、G3電圧印加で特性曲線がガラリと変わるさまを見て取れる一枚。

4P55でも類似の変化が得られるのかどうなのか、得られたらエエなあ・・・とは思います。ただし、タマの動作条件探りは更にメンド臭くなりますなあ。

知る限りG3電圧云々を駆使したアンプ作例は存じ上げません。あわよくば“お初”の名誉にあずかれるやも知れず・・・などと、下世話な事考えてます。もしかしたら先達による「ありゃダメだった」的記録が残されてるのかも知れませんが。

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4P55のコンディションテスト

20180817〜

妄想から現実問題へ。落札した2本が、本来の能力を維持しているかどうかを調べます。ゲッタの薄さが気になってもう・・・。

コンディションテスト回路 コンディションテスト画像1 4B20のテストと同様ですが、三結ゼロバイアスカーブの2/3乗則による「想像」で目安を付けます。Eb=200V時のib≒270mAに、ic2≒30mAを加えた300mAから、195mA/150Vを満足すれば優良品かなと。

170mAくらいだったら・・・悩むが可かなあ。150mAだったら凹むゾ。

計算による期待値とサンプル 中古球と謳った出品だから文句は言えんが、サンプルAはバテ気味?。

ゲッタが消えるまで酷使した球だから、さぞや枯れきってるかも・・・と思や、マシな部類なのだと自身を慰めます。なお、リエージング(ドコゾのShop用語?)の現れかも知れぬ数値の微増が見られたので、多分最終値だろう結果を示します。

期待値カーブは、6GB8(T)のゼロバイアスカーブが似てると思ふ。余談に過ぎませんが、送信管とはいえ受信管っぽいgmやμgig2値は興味深いのです。日本独自の設計とも聞き及び(ガセか?)ますが、欧米に元ネタ球が無いって事かね。

Ec2max=400V定格は三結向きと言い辛い。そのマンマEb=Ec2=400Vで、Ibo=100mAの動作基点に2.5kΩの負荷線を引きまして、オーザッパなebmin/ibmax≒150V/200mAと、ebmax/ibmin≒600V/20mA(甘めの正負非対称動作を想定)を妄想して、Pomax≒10Wが得られるかもしれません。Pp>100W球としては勿体ない気もしますが、Pp+Pg2=40Wの控えめ動作ですしねえ。なお計算上のebmax=600Vは、同時にG2にも加わるのですから・・・大丈夫だかど〜だか。Ebb≒300V級に抑えても五十歩百歩の感じ。

限られた知見の範囲ですが、4B20(QE08 200)には及ばぬものの、さほどではないG2電圧で手頃なIbmaxが得られ、魅力を感じました。4B13(813)ですと、Ec2=200Vではロクな動作にならンけど、750V超に耐えてくれる。三者の個性が異なるから一緒くたに楽しむのは・・・

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4P55の実験

20180822〜

コンディションテストに第一グリッドへの入力部と、平田電機タンゴ・U-808を足した程度の実験です。ただし若干のイロケを盛り込んでしまい・・・以下ほにゃららな様相へ。

実験画像 入力部とU-808を足した程度・・・の前言を、文字通りカタチにしただけの実験画像ですが、写ってない周辺には電流計/DMMが並んでます。おっと、PMC電源他も。

使用したU-808は、100mA重畳規格が明記(安全電流は190→130mAの変更アリ、どっちのモノかは不明)された平田電機時代のモノ。ISOタンゴ期では・・・80mA重畳規格に格下げ?されちゃった記憶なのですが。

****

実験回路 軽い「400V/100mA」動作から初めまして、RL=2kΩ時2次8Ωに10Wチョイ・・・いささか期待外れながら、まあ生きてる事を確認し安堵。

上記↑動作では入力→2次8ΩまでのA≒0.62(−4.2dbほど)でしたが、「750V/112mA。RL=5kΩ」ではA≒1.16(+1.29db)にも増えてソコソコの感度かと存じます。近似Gm動作での負荷抵抗値差が、そのまま表れたようです。gm≒5.8mS/100mAってか?

DC点火無信号時Noiseは、0.1mVrms未満で、AC点火では・・・0.2〜0.3mVrmsのHハムを確認・・・本番ではDC点火したくなるのです。

データシート上では固定バイアス時のRg1上限が100kΩでして、実は最初はソレで進めました。が!・・・○△□#$%&・・・10kΩに減じる修正と相成りました。それでも0.2V程が現れるG1電流ですからバテてるンでしょうなあ。楽チンなCR結合ドライブは諦めます。

PMC160-0.4Aは不定期なCCモード入りの不具合につき排除、所要電圧に不似合いな使いまわしをしてます。余談ですが直さなきゃ。

気が急いてて、すぐTHD/Pomaxを調べました。1kHzオンリーの手抜きですが。

サンプルA・750V/5kΩ時THD クリップはRg1の両端電圧の極性反転で判定しましたが、アッサリ30W出ました。バテてると思ってるサンプルAですが、妄想机上設計に概ね応えてくれたようです。ホッとしました。

歪みは単純な2次成分主体で、送信管括りの中では・・・大した事無い印象です。バテ球だからなのかはワカランけど、公表されてるEb-Ib特性曲線でも動作基点からの正負非対称さが歴然だし、A1級シングル動作が「最適」な用途とは言えン。2次歪みの打消しをしたくなるのですがね。

実験初期の「400V/100mA・RL=2kΩ」時データも、日時は違うが重ねてみました。この時からEc1/Ec2=-20V/200Vは同じく共通ですが、Ibo/Ic2o≒95mA/7mAでして、Ebbを倍ほど高くしても電流値変化は少ない・・・アタリマエか。しかし、G1電流値は桁違いで、400V動作は楽なんでしょうな。ちなみにU-808ならでは?の2次切り替えによる、500V/2.5kΩ、600V/3.5kΩ動作も試しまして、14W/9.6%と19W/9%の出力/THDを確認。グラフで掲げた2種カーブの間を埋めるような感じです。

サンプルB・750V/5kΩ時THD 気が急いてて、サンプルBを調べました。コンディションテストでは期待値に匹敵すると見たのですが・・・。ちなみに、1Vrms入力時の2次8Ωまでの増幅度は、A≒1.18(+1.44db)。

同じくアッサリ30W超が得られ安堵します。上記サンプルAのカーブも重ねましたが、コンディション差としては見えづらく個体差の範疇か?。ちなみにEc1=−20V共通のままでも、Eb≒750V時のIbo/Ic2o≒106/6mAは、コンディション差とも思えず個体差っぽい?。

Rg1=10kΩ両端電圧も0.22Vほど出て、データシートでは許容される100kΩが危険な数値。サンプルAと似た按配ですな。思い付きでFAN停止を試みたら更に上昇したし、送風再開で数値が引き返すのを見てしまった。本番時での取り扱いに、今から悩んでもしょうがないけど。

最大出力≒32W時のプレート電流は、サンプルA/Bとも概ね115mA、スクリーングリッド電流は10mA弱でした。クリップをさらに進める(過剰な入力時)調べ方など、怖くてやってません。

サンプルB・750V/5kΩ時THDのG3電圧印加実験 サンプルBのままで、G3電圧を加えてみました。実験回路の是非・・・ちゅうか、こんなの前例/作例を見ないので手探りですが・・・無信号時のIbは106→109mAに、件のIc3は0→1.4mA。Ic2は減って5.6→5mAに。何が起きてる?・・・

32W時のIbmax≒120mA、Ic2max≒5.5mA、Ic3は2.6mAに。出力波頭の湾曲は相当進んでいるが、クリップ前と思われる(Rg1電圧極性が反転しなくなった)出力なので、観測態度としては中途半端。気が急いてて見落としはまだあるかも、と言い訳する。

直前のTHDデータに、Ec3=+30V時のTHDカーブを重ねてみましたが、若干の歪み悪化を伴いつつ、大した違いが見えづらい・・・こんなモンでイイのか自問自答の結果に・・・。「・・・」が増えて・・・心理的迷いを表してるのですがね・・・。

う〜ん・・・先人たちが記録を残さなかった(と決めつけてる)理由かなあ。おっと書き忘れですが、プチ利得増は見えた。1Vrms入力時では+0.1db足らずですが、16Vrms出力時には16.5Vrms(+0.27db)にも。直線性云々の言葉遊びで装飾するような現象でわないぞ。

少々言い訳っぽい解説になるのですが、4B20実験も同じく「750V/100mA」の動作基点としながらRL=7kΩを選んだ理由があります。そこではG2ドライブを主眼としており、ありていなG1ドライブより低歪みが期待できますから、逆説的にibmaxは200mAを“大きく”超えられない窮屈さを伴います。RLを下げたら・・・Iboも増やさないとあきまヘン。本件の4P55では、Ec2=200Vの特性曲線からも想像できるし実験結果でも、2次歪みタップリの非直線性は否めません。おかげでってのは変だが、ibmax≒230〜240mAに至る・・・ある意味ほったらかし動作の恩恵で30W超が出たのです。

そして、本件の“目玉”になるかも・・・とは大して期待してないけど・・・G3電圧印加はIbo値への影響が少ないと分りました。そして多分ibmaxの増加(ebminの低下も伴う)だろう様相で、Pomaxも2次歪みも微増したッちゅう・・・無邪気には喜べない結果に。+30V以上のテストはしてませんが、ピンポイント的最適状態は見つかりそうにない印象で・・・と言い訳しつつ記録に残しましょう。本番機で試す程の事か微妙だ。

「楽チンなCR結合ドライブは諦めます」と書いた↑けど、豹変。本件からのスピンアウト機となる4P55 シングル ステレオアンプ 手抜き版を拵えました。減電圧動作によるストレス?軽減と、G1電流が少ない個体の4P55が後に入手できたので、懸念を回避。いや、課題からの逃避策かもしれませんが、やたら大袈裟にせず、ありていな受信用出力管を構うくらいの「手抜き」をしました。手抜きの後始末にはいささか手古摺りましたけど・・・

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4B85のおさらい

20181002〜

このタマは、2000年代末頃に前述の4P55あたりと一緒くたのWEB情報として知った記憶です。そして4P55ともども2012年にデータシートを得て・・・まぢめに読んだのはヤフオク出品を見たホンの数日前。

上には上がある事は承知。で、その世界にイキたいんぢゃないのだけれど、データシートを見て「ナントカ出来そう」な気分になっちゃったから。実験ネタとしてはそれで済むが、4B13ネタで着せ替えゴッコを楽しめるかどうかは・・・真剣に考えてはおりません。大丈夫か?、オレ。

落札した4B85と 落札した東芝、及びマツダの4B85と、前述の東芝4P55。

ベラボーな値付けぢゃなかったから落札できたのだ・・・と思うが、価格なりの見た目コンディションではある。価格なりの中身コンディションだったら凹むが。

データシートをまぢめに読んでも実感はないが、4P55のPp=120Wに対し、4B85のソレは150Wと大した差が無い。でもサイズは一回りデカいし中身も随分異なる・・・てなコトもWEB情報で知ってはいたものの、同じGiant-5Pソケット適合とは。だから手ェ出しちゃったのかなあ。

4B85のEb-Ib特性曲線 負荷線を引く気が起きない電流軸数値。代わりに・・・ではないが、Eb=Ec2=200V時のIb+Ic2≒1.4A(テキトー過ぎ?)を元に推定計算した三結ゼロバイアスカーブを重ねてみました。ちと上にズレてるのはご容赦・・・m(_ _)m

4P55とは相当異なる大電流向き特性で、6080の片Unitに匹敵すると信じる。しかし4P55と同じでEc2の上限は低く、三結ではその能力を活かせそうにないのです。OTLシングルやる?。ibmax=1.4Aで妄想した8Ω負荷出力は・・・2W未満、やらねえッて!。

データシートに書かれてる用途例として、カソードフォロワー用とか定電圧制御管云々とも。
そういやEhk尖頭値±500Vも凄い・・・ん?尖頭電圧?・・・。

結構な高gm管で、4B20実験で味を占めた、G2ドライブ適合管だと思います。それでも有り余る大電流領域は活かせそうにないけど。

気が早いG2ドライブ妄想案。4B20では抵抗負荷でしたので負電源が必須。CH負荷なら要らんはずだが・・・と。

妄想G2ドライブ回路 平田電機タンゴのOPT・No-11891の定格DC重畳電流140mA目一杯設定で、RL=5kΩの負荷線上のibmax/ibmin≒280/0mAを妄想。願望もあるけど、G2ドライブなら正負対称動作に近いと考えます。

4B85の肩特性は良さそうに見えるものの、ebmin≧100Vが無難と思いまして・・・Eb≒800Vの動作基点を。そしてebmin/ebmax≒100/1500Vが得られれば、Pomax≒49Wっちゅう・・・そんなウマく行くかいッてな妄想。同社電源トランス・11892なら出来そうな気がするから怖い。

ドライブ素子は未定。タマでやるのが本筋と思うものの、イマドキのMOS素子も捨てがたい気がするのです。

推定三結カーブから、無信号時のEc2≒40〜50Vと推定しました。4B20実験に似た按配ですが、Ic2はどうなのやら。ここでは掲げてないデータシートのEb-Ic2特性曲線には、Ec2=200Vとの明記が無いけど・・・そうだと信じ65mAほどと読みましょう。Ec2≒40〜50Vでは・・・あの3/2乗則を意味無くハメりゃあ・・・6〜8mAと出たンだが。

○ △ □ # $ % &・・・

4B38 余計な一言。WEB画像では見た目そっくりの兄弟姉妹?球、4B38。

NECのデータシートを見つけまして、Eb-Ib特性曲線を抜粋。似たカーブ・・・と思いきや、Ec2=300V時。妄想計算はしてませんが、三結ゼロバイアスカーブは異なりましょう。「μg1g2=6」からも余計な妄想をしてしまいますが、別物と言うほどでもなさそう。4B85同様にG2ドライブ適合管だと思いました。その際のG2電圧は少々高めかな。

oldtube.comのWEBサイトに、WEB画像では見た目そっくりの三兄弟姉妹?球だが三極管「4T85P」の、“ザックリ”とした一部データが載ってました。営業休止?のままとはいえ閉鎖してないありがたさに甘えて、無許可無断転載の暴挙を。テキストデータをだらだらとコピペしただけなので、読みづらいトコロはご容赦...m(_ _)m

4T85P =Transmitting pulse Power Triode= (BASE = A9S/E32S, TopPlate) Eh/Ih=6.3V/4.8A Fmax=20MHz Ppmax=150W Epmax=2500V gm=13mS(@Ip=300mA) μ=34 op : Ep=2000V Ec1=-135V Ipo=23mA Ic=5mA Po=3000W(pulse) (size : 175mmH x 93mmφ)

で表した部分から、rp≒2.6kΩと計算するのですが・・・1000V級のEb動作でないと、規模に相応しいPo出ねェのでは?・・・などと妄想は楽しい。それだけのハナシですが。

○ △ □ # $ % &・・・

JOHNSON 275ソケット EIMAC SK-410 左は4B20や、本件の4P55実験時に使用し、4B85も挿さる中古のGiant-5Pソケット。裏に「JOHNSON 275」の浮彫表示。

右はWEBで拾った、勿論買ってない「EIMAC SK-410」ソケットの画像。

「For 3-500Z 3-500 4-400」などと用途例も併記されてたから使えそうな気がする。でも国内Shop(HAM屋さんも)の扱いはWEB上で見つからず、ebay他米国Shopでも結構な値付け。

無線関係に疎い拙でして、下方がアッパッパのSK-410は、チムニーと称す筒抜けのガラス管と組んで矯正空冷を施すための構造らしいのです。4P55や4B85が、ソコまでしなきゃイケナイ球なのかどうかは分かりませんでした。

無名ソケット1 無名ソケット2 今のところJohnsonソケットで事足りてると思うが、心配になって新規調達した、某HAM店のヤフオク出品モノ無名ソケット。中露どっちかなどワカラン。韓国台湾やら東南ASIA製って、あるン?。価格から、まさか日米欧製造とは思えんし。

別出品者の「金メッキ」モノは・・・金ピカの有難味で誘ってる気がして嫌だな。Audio的趣味性の商売っ気がA$AMA$I・・・おっと個人の見解・嗜好ですが。

う〜ん・・・おさらいでも何でもない、WEBで拾った蘊蓄の知ったかぶり・・・

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4B85のコンディション

20181011〜

運が良かったのか・・・4B20と4P55は、頭のキャップと足を洗う拭う程度で事足りたのですが、之奴らはいささか錆付きの態。磨くというか、研磨剤入りのナニかを使うのも気が引けたので、コピー用紙より若干硬めの紙にコンタクトスプレーを含侵させ、せっせと擦ってみました。

キャップ外して 4B20では出来なかった(固くて怖い気がして)アタマのキャップが外せました。で、案の定天辺のピン表面と、キャップ芯穴の内側も汚れてます。怖いのは接触不良ですな。

全電源通電中に、Ebだけ喪失した際のIc2値急増を想像すると・・・おお怖ッ・・・

←この時点で9mmφ適合と知る迂闊。4B20や4P55は14mmφキャップです。

ソケット側のピン接続が同じなので4P55実験残骸がそのマンマ活きます。コンディションテスト回路は4P55時のG3外部接続を省略・・・って、
G3そのものが出てない。要するにテスト回路掲載も省略。Eb=Ec2=100V時に500mA近くまでイクかを調べたいところですが、持ってる菊水PMC電源では対応不可。更にPMC160...の不調放置が悔やまれる。よって60V時の230mAを判断基準にせざるを得ない不手際。

三結ゼロバイアス電流値のテスト中↓

東芝球のテスト画像1 東芝球のテスト画像2 東芝球は、Ib+Ic2≒217mA+11.2mA=228.2mA。Rg1電圧≒0.009V。何となくですが期待出来ます。

マツダ球は、同230mA+20mA=250mA?・・・

この時既に、菊水PMC250-0.25AはCCモードに至り、Eb=Ec2≒58Vなのです。規格値超えっぽい気もするが、実はG1電流による、Rg1電圧≒0.9Vの正バイアス状態でした。

煌々とは光らないけど、白昼でも見えるHの灯。部屋を暗くすると↑刀鍛冶工房のアレが想起される、強いオレンジの光が頼もしい。4P55では楽しめなかった・・・。

さて、まだ100V未満で入力損失も10W少々の段階ですが、マツダ球はエミ減こそしてないけれど、ボーソーの兆しが感じられます。菊水PMC電源の限界にも至ったので、次のステージに移りましょう。

ここで三本目の4P55を落札。急遽コンディションテストの「割り込み」作業にて中断・・・支離滅裂のありさま。

標準ビーム管接続のありていなG1ドライブを想定したテストです。Eb電源品質には鈍感だろうと楽観して、非安定化電源供給。ただしEc1・Ec2は安定化が必須と考えます。

4B85テスト回路2 公称されてるEc2=200V条件は無視し、100Vで。Eb≒400V時にIb≒100mAとなる、Ec1≒−13.7Vに仮設定しました。Eb上昇でIbは微増・・・かと思いきや、案外増えました。4P55とは違う性格を感じます。なおIc2の少なさは4B20に近似。

Ec1/Ec2を固定したまま、Ebを上げてプレート損失を増加させます。Rg1=10kΩの両端電圧を調べ、過酷な動作条件下におけるG1電流が“使いモノ”のレベルかどうかの判定が主眼です。4P55ではいささかアレだったから、気になってしょうがない。

東芝球は、左記のごとく良好かと感じました。マツダ球は・・・残念ながら、同じ動作条件に至る以前でテストを断念。Eb≒600V、Ib≧130mAで・・・Rg1電圧>0.4Vを見て、暴走手前の「歩き出してる」気配がしたのです。あ〜あ・・・

4P55実験では公称されたEb-Ib特性曲線のEc2=200Vを、そのマンマ選びました。しかし4B85でソレやると・・・Ib>300mA以上、1.4A近くにまでにも広がる動作電流領域が無駄になる気がするのです。仮設定した100Vでも有り余りそう・・・

そういやGE製8417でも、ボーソーする個体多数の苦い経験あります。おお、こんなコト書いちゃってイイのだろうか・・・。

G2ドライブを想定したテストです。マツダ球のG1電流が1mAを超えるようなら・・・若干の負バイアスで糊塗出来るか・・・などを試したい。なお、Ibo≒140mAを得るEc2/Ic2値探りでもあります。

4B85テスト回路3 コントロールグリッドを接地電位に。1kΩはオマジナイ的習い性ですが、0Ωで良けりゃそれに越したことはないけど発振が怖くて。そしてスクリーングリッド電圧が、出力管の動作基点を決めるバイアス?ってな回路ですな。+25Vで事足りたのは驚きですが。

4B85本来のコンディションではないマツダ球ですが、これならナントカ暴走しない様子。別にG1ドライブでも、カソホロ直結やDCR<1kΩのトランスドライブ、あるいはグリッドCHなどで実用に足る動作は出来そうです。でもG2ドライブしますよ。

左記はテスト中に回しっぱなしだったFANを止めて、G1電圧の上昇が頭打ちになった頃の数値を記録したもの。FAN再開では200mV以下にまで落ち着きますから、温度との関連性は確実。でも本番機にFAN設置は好まないし。辛うじて自然冷却でも働いてくれる範疇だと思いたい。なお負バイアス実験はサボり、本番機での「最後の手段」と先送り。

コントロールグリッド電流値↑の方が、スクリーングリッド電流より多いってのは・・・はぢめてだ。しかし4B20然り、Ec2<30Vやら数mAのIc2値も、前述の予想外しっぱなし。屁理屈こねるの止めよう。

良好な東芝球は、Ec2≒26Vで同一動作条件に。その時のG1電圧<1mVでして、FAN無し数値です。う〜ん・・・このコンディション差で左右chを賄うのは、いささか心苦しい。キリが無いけど、次の出品を待つ日々でございます。ちなみに、4B38/4B85のShop扱いは・・・無くは無いけどバカ高ッ!。G1電流値の按配などワカランしなあ。そんな細かい事突っついたら顰蹙買うだろうし、多分売ってくれンかも。

Rk=10Ωの存在が無視出来ぬ実験でした。テスト条件の前段階で短絡を試みると・・・マツダ球は危なかった記憶(記録してない)。直ぐ戻したくらいに効いてます。なお東芝球では試さなかった・・・怖いから。

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割り込み作業.1

20181014〜

4P55を、また一本落札・・・ど〜したんだ、オレ。

やや躊躇した値付けではあったが、入札しといたら落札できちゃった。出品画像での判断ですが、ゲッターが残ってる!・・・てな動機です。先行した2本はG1電流過多の、バテ球と見た(でも使える)のですが、今度のはデータシートにあるRg1=100kΩでも安全だろうか、期待したいのです。

4P55「29100」 これはヤフオク出品画像ですが、赤文字が濃い。ゲッタも濃い。綺麗。届いた実物も同様。

結論を急げば、150V時の三結ゼロバイアス数値は194+12.7mA。Eb/Ec2/Ec1=750/200/-20V時、Ib≒95mA、Ic2≒4.9mA。10kΩのRg1電圧≒0.009Vは、サンプルA/Bを「NG球」と言いたくなるくらいの優れモノ。AC点火Hハムや、実負荷出力試験の前段階ですが、相当期待できます。

嬉しいけど、之奴のコンディションに匹敵する“もう一本”が欲しくなる。困ったモンだ。ど〜する?オレ。

之奴は以後個体判別に、「29100」連番で呼称します。なお、最初の2本に連番無し。引き続き「サンプルA/B」呼称で。

○ △ □ # $ % &・・・

一月足らずのうちに、4P55をまた一本落札・・・ど〜なってもイイや、オレ。

4P55「76101」 これもヤフオク出品画像ですが、赤文字ゲッタは濃い。でもキャップ袴足など金属露出部は・・・●▼■・・・。届いた実物も同様。

結論を急げば、150V時の三結ゼロバイアス数値は196+15.6mA。Eb/Ec2/Ec1=750/200/-20V時、Ib≒100mA、Ic2≒5mA。10kΩのRg1電圧≒0.03Vは微妙で、良いとは言いづらいが、マシな方?。AC点火Hハムや・・・以下同文ですが、期待感も微妙だ。

テスト初期に「こりゃアカン」数値だったRg1電圧は、損失入力増と時間経過中変化しまして上記の結果(まだ変わったかも)に。最初のサンプルA/Bで見た、増加一辺倒ではないのです。これを「リエージング」と呼んでいい?のやら。

まだ、「29100」球のコンディションに匹敵する“もう一本”が欲しい、困ったモンだ状態。ど〜する?オレ。

之奴は以後個体判別に、「76101」連番で呼称します。

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半月足らずのうちに、4P55をまた二本落札・・・こんなにゴロゴロ出回ってるタマなのでしょうか。それともタマタマ?

4P55「51023」「51021」 これもヤフオク出品画像ですが、出品者の「4P55 × 2本 Toshiba(未使用?)」コメント。だからだかど〜だか、ケッコウな入札数と額に競り合う事態。意地ちゅうかヤケクソの落札金額。でもShop価格はもっと高いから・・・と、ジブンを慰めるのです。

手に取って観察した2本は綺麗です。ゲッタも陰り無く、赤文字もインキが滴り落ちそうな照りが印象的。十分な輝きが残る金属露出部のウチ、足ピンにソケットへの挿入痕を見ますが、P/G3キャップは滑らか。(未使用?)のお言葉には信ぴょう性を感じます。

G1/G2/K/Hだけの通電って事は無いと思うが、6CA7系のそんな記事見た事あるンで・・・

之奴らは以後個体判別に、「51021」「51023」連番で呼称します。続きではないが、2番差の近さは嬉しい気分にしてくれる。

「51021」球のゼロバイアスコンディション、Ib+Ic2/Ebは、196+16.3mA/150Vで良好。Eb/Ec1/Ec1が750/200/-20V時、Ib/Ic2は100/5.1mA。酷く気にしてるRg1=10kΩの両端電圧は、0.75mVで「29100」球を凌ぐ優良さ。

「51023」球の同上は、180+13.8mA/150V。同上の750/200/-20V時、95/4.8mAなど、プチ少な目数値でしたが良好。同じくRg1両端電圧は、0.9mVで「51021」球に違わぬ優良さ。いや、恐れ入りました。

それぞれ段階を経た4〜5Hほどのテスト中、指示計器の数値変動が極めて少なく、落札価格にふさわしいコンディションだと安心し、出品者に感謝申し上げる次第で御座います。これならRg1=100kΩの固定バイアスでも、安全に働くモノと考えます。ならばサンプルA/Bや、「29100」「76101」の立場は・・・

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割り込み作業.2

20181105〜

幸運なのでしょうが4B85を、また一本落札。・・・ど、ど〜したんだ、オレ。

これはまた汚く煤けた出品画像・・・開始価格100円って?。「見た目判断」だろうか入札件数は少なく、先だって入手した二本の半額ほどで落札できましたが、なんか怖いぞ。

4B85三本目 結論を急げば、55V時に三結ゼロバイアス数値が240+9.7mAもあって、PMC250...のCCモード直前。先の二本以上に流れます。しかしRg=10kΩの両端電圧は−0.2V内外で、いわゆるガス電流?とは極性が異なります。NG球ではないだろうと楽観しますが。

Eb/Ec2/Ec1=800/100/-17.8V時、Ib/Ic2≒140/0.53mA。10kΩのRg1電圧≒0.016Vは、一本目の東芝球に匹敵するコンディションと考えます。バイアス差は気になるけど、黙認。

G2ドライブ想定のテストでは、Eb/Ec2≒800/19V!にて、Ib/Ic2≒140/0.62mAを得ました。そういや一本目東芝球の同テスト詳細を明示失念。800V/25V時に140/0.25mAだったのです。差はあるけど、左右chを任せられるコンディション。で、マツダ球は・・・

足のきちゃなさは相当なモノ↑。鑢掛けはして無いけど、ステンレス製ピンセットの腹エッジで「研ぐ」感じの処置。拭うと結構な黒い汚れが取れてるのです。しかし、DC2VからのH通電初回は点灯せず「切れてんのか」と愕然。しかし通電中のままタマを抜きかけた時、菊水PMC18...の電流モニタ部に、リミット上限の5.0xAが表示され安堵しました。中途半端な挿入状態を再度差し込み切ると、また切れた?。再三の研ぎ→拭い・・・の末、ナントカ接触が安定し次の作業に進める、てな顛末。いや〜慌てましたぞ。

頭と足、そしてハカマは汚いが、球内部は綺麗。ゲッタも豊富に残ってる個体です。ガラス管壁の文字は薄いからソレナリの熱変化を経てるとは感じます。おお、東芝/管名の反対側に、薄く「9013」連番?が読める。そういや一本目の東芝球は「D035(0035かも)」でした。

頭のキャップは取れません。キャップの固定ネジひとつが、固くて回せないのです。ネジ頭をナメそうで断念。キャップの上っ面を拭っただけで試したのですが、テストは出来た。実験や本番で何も起きなきゃエエがなあ。

まだ掴み段階ではありますが、4B20では欠かせなかったプレートの10Ω挿入を、4B85では省いても安定でした。おっと、4B20実験でソレ書いてなかったのは・・・意図的な隠蔽では無くて・・・あの・・・え〜と・・・その・・・

4P55の「51023」「51021」と同じ出品者による、同時期の4B85の2本は・・・競り負け、あんなに高くなっちゃ手が出ませんワ。コンディション良さそ〜な画像に見えたンだが、残念。

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4B85の実験

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4P55の実験で用いた平田電機タンゴ・U-808に、140mAてなことは無理。4B20実験で試した平田電機タンゴ・No-11891を再び。

東芝球二本の個体識別に、管壁の連番を用いることにします。一本目を「D035球」、二本目は「9013球」です。マツダ球は・・・そのまま引き続き「マツダ球」と・・・。

以下・・・

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