実験機・本番


目次

実験本番・黒田式新バイアスPP 20140409〜
実験本番・黒田式新バイアスPP・・・プチ障害 20140414〜
実験本番・黒田式新バイアスPP・・・プチ改造 20140418〜
実験本番・OPTを替えます 20140423〜


続きです。

前作では如何ともしがたい定番3周波数の格差、特に10kHzの“えげつない”乖離がイヤでした。今回の実験では各種OPTのサンプルから、あからさまな「優劣」が解るだろうと期待してます。「音がイイ悪い」の言い訳が要らない、工業製品としての性能差が知りたいのです。

各ブランドの先入観もあるので、ちと怖い気もしますが・・・。


実験本番・黒田式新バイアスPP

20140409〜

「正調」黒田式新バイアス方式の実験です。「0Ω」だった共通VRと、固定バイアス電圧2箇所、445冶具のACバランスを「ちまちま」ADJするのですが、2Ibo≒120mAを維持しつつ、歪み数値と歪み波形も見ながらの「根気の要る」作業です。

黒田式新バイアス実験回路7 黒田式新バイアスの実験回路です。数値設計の手抜きから、固定バイアス回路電圧の可変範囲変更のハメに。

カソード電圧は「それなり」に上昇するので、厳密には“正味のプレート電圧≒370V”も維持するのが本来の実験なのでしょうが・・・それはメンドーなので省略。図のカソード電圧は、VR値28Ω時です。

3行空けのために・・・こげなことを

黒田式新バイアスPP実験回路Fの歪み率特性です。

黒田式新バイアス実験7-1 黒田式新バイアス実験7-2 黒田式新バイアス実験7-3

左端は、1kHz・0.5W時及び、100Hz・0.02Wの最小歪み率にADJした特性。中央は、それを80kHz・LPF入りで測定「し直した」特性です。+B・−C電源の安定化とは言え、ツェナダイオードの性能に頼った「簡易型」の“緩さ”、プラス非安定DC点火の限界でしょうか、測定時刻違いの電灯線電圧差が少々感じられます。

「言い訳」はさておき、黒田式新バイアス回路の恩恵は、相当分得られた(1kHz・1W時、約−20dbの歪み率低下)とは感じます。ただ標準PPのままでも、「前段回路」との積極的歪み打ち消しを図れば、似たような特性が得られるの“かも“知れません。(未検証)

3周波数の格差は開きます。100Hzの低レベル時に乖離しているのは、OPTの1次インダクタンス低下“だろう”と推測しているのですが、確証はありません。OY-15型は特に、DCバランスにシビアと聞いて(規格を読んで)おりますので、単なる電流数値を揃えるのではなく、100Hzの歪み率重視でDCバランスをADJしたのですが、1kHzと一致する事はありませんでした。

低レベルの100Hzカーブは、LPF入り測定でも恩恵がみられません。残留Nois以外の・・・3次歪みなんですが、波形撮影を失念。後出し証拠写真を撮りますので、お待ちください。

10kHzは、個別の策を弄しておりません(若干の対策案あり)。こちらは低レベルでは1kHzに一致し、中レベルから乖離します。歪の発生メカニズムが異なるだろう事は分かりますが・・・これもOPT側の問題・・・多分、1次巻線の平衡度の低下かと推測します。(未検証)

右端は、歪みADJポイント違い2種カーブです。大レベルでこれをやると、妙なカーブです。6BQ5(T)PPでの実験でも、同様の傾向を経験しておりますが、その理屈は分かりません。なお、黒田氏の元記事での「最適」共通カソード抵抗値は40Ω台なのですが、大レベルでのADJ値に近似しました。これが何を意味するのか・・・0.5W時のADJ値が、約70Ω台と異なる理屈・・・これも分かりません。なお、いずれの数値もADJの加減にシビアでした。

注:0.2W前後での「うねり」は、アナライザのレベルレンジ切り替えの境目に当たる・・・測定器由来の「クセ」なのかと考えておりますが、抑制しきれていない、実験機の残留Noisも関係している気がします。改善策を考え中・・・。

黒田式新バイアスPP実験回路Fの歪み波形(1kHz)です。↓0.5Wで最小ADJ。

0.125W・0.013% 0.5W・0.012% 2W・0.05% 8W・0.32%

注:画像File連番が前後しておりますが、昨今話題の「データの捏造・改ざん」ではなく、「撮り直し」です・・・。胡散臭いって?。

しつッこく?ADJしただけあって、0.5W時は高次高調波が主体と見えます。それがイイ事なのかどうかは別の話で、黒田式・・・の効果を考えると、PPで偶数次高調波歪が打ち消された、残りの3次高調波歪みを抑制(消える・・・のかどうかは元記事からは読めません)しますので、更に高次の歪が残るはず。0.5W時の波形がソレを示していると考えます。

では、他の出力時の歪み波形はなんなのか・・・。今は、PPの平衡が「総出力範囲での完璧さ」を、実現出来ていないのだと妄想しております。

同じく黒田式新バイアスPP実験回路Fの歪み波形(1kHz)ですが、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8Wで最小ADJ。↓

0.125W・0.013% 0.5W・0.033% 2W・0.06% 8W・0.32%

8W時にADJしただけあって?、8W時には効果が見られます。以下同文・・・

100Hz・0.02% 1kHz・0.0085% 10kHz・0.009% 後出し「証拠写真」、黒田式新バイアスPP実験回路Fの歪み波形です。

1kHz・0.5Wで最小ADJした0.02W時。
MAK-6630の80kHz・LPF入り。

小出力時。100Hzだけ3次高調波歪が強勢なので、OPT由来と考えるのです。DCバランスをいぢると悪化する。1k・10kHzは2次歪み?混じりと思うが、ADJ出力から−14db下は「黒田式・・・」の効果不足ではなく、PP平衡の不同?。

100Hz・0.037% 1kHz・0.0335% 10kHz・0.078% 同上。

1kHz・0.5Wで最小ADJした2W時。
MAK-6630の80kHz・LPF入り。

100Hz・1kHzの見慣れぬ波形はナンでしょうか。2次歪みも垣間見えるし、上向きのあの「角」は基本波と同じ周波数成分にも思える。これもPPの不平衡とは思うのですが、何が絡むのかが不明。

10kHzでは「角」が見えないのです。2次歪み混じりは同じかと思うが、歪み率数値そのものが大きい。OPTの1次巻線の平衡度が、高域で低下しているのだと考えております。

なお、1kHz・2Wの画像ファイル、CIMG1308と同1335は撮影日違いですが、似た波形が再現されたことだけは安堵。歪み率数値が良く?なってるのは・・・これも分りません。いや、相当クリチカルな調整状態で動作しておりますので、数値そのものの「不安定さ」も感じています。課題は多い・・・。

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実験本番・黒田式新バイアスPP・・・プチ障害

20140414〜

早く「OPT着せ替えゴッコ」に進みたいのですが、「些事?」とも言えない問題が垣間見えつつあります。実は先行した50BM8pp他の実験でも感じてはいたのですが、深追いせず放置した案件でもあります。「OPTの差」云々も密接に関係すると考えていますが、どうもソレだけでもない。

これまでの体験では「黒田式・・・」の効能は“限定的”と感じています。その内の「周波数格差」はOPT主因と想定したのが、本実験の主眼でもあります。今回に気付いたのは、レベル差による効能の“偏り”・・・いや、基本となるPPの平衡性が、振幅に対し一定ではなさそうだという実態でした。「黒田式・・・」の3次歪み“抑制効果”で、相対的に浮上したとも言えるかもしれません。

ぼやき:・・・う〜ん、こんな塩梅で、本件の決着は付くンだろうか。

ここまではEL34サンプルFGでしたが、DE球に差し替えてみました。「店選別」品と言うだけあって、DC動作はFG球と殆ど変わらない。しかし・・・・これがハムを出す。なんと60Hzのハム。通電後1〜2分はFG球近似の0.05mV内外だが、0.1mV超に。なお、AC動作は良好のようで、低レベル以外ならばFG組みとの差は無い様に感じる。タマの交換で、PP平衡の塩梅が変わる様を見ようと思ったが、コレでは・・・。

FG組に戻すとハムは発生せず、DE球の両方かどちらか・・・を疑う。FE組を試すと、ハム出ない。D球の疑いが強いが、それは「置いといて」FE組で歪みADJを試みると、FG組同様の結果は得られた。つまり、ADJした出力ポイント以外では若干のPP平衡の崩れが見られたのです。

ぼやき:・・・う〜ん、DC点火でも残留リプル分があるから・・・などと思いつつ、突っ込まなかった。タマの個体差は確実なんだが。

その後、しつこくADJを繰り返すも、新たな展開が感じられず、逆に?2Vrms・0.5W時の0.00%台数値が悪化を呈す。波形撮影を失念したが、4Vrms・2W時の確認後に2Vrms・0.5Wを調べると0.02%前後に。1Vrms・0.125W時を経て、2Vrms・0.5Wを見ると0.00%台に回復。コリャなんだ?・・・・@■&#∵$☆〓£〇』・・・。

一旦OFFし、インターバル(数時間)を置いて再試行したところ、数分間は0.5W時の0.00%台を維持し、後に0.01〜0.02%台に悪化する傾向を掴む。その移行期の歪み波形変化は、妙な「ピクピク」感を伴うし、どこかの接触不良か?とも思わせるが、不思議な事に「外力ショック・・・あちこちを突付く・揺らす」では波形全体の乱れ・揺らぎとして「見える」だけで、手放せば瞬時に直前の波形に戻るだけでした。

数回のインターバルを経て試し、同様再現する。なお、悪化後の波形は、またもや失念。どうも2次歪みを孕む様相・・・でも0.01〜0.02%なんですから、「諦めようか」ってな弱気も。一度上昇した後は、何処いぢっても回復しません。コレは困った。

はあ〜・・・・・。

投げやりな気分で、数値変化の推移を眺めておりますと、Ebbの上昇に絡む感じを受けました。ツェナダイオードの温度特性は「それなり」なので、370V台から374〜5Vまで、ゆっくりと上がります。うちわで扇ぐと、370V近辺にまでEbbは下がり、なぜか歪み率も0.00%台に低下・・・・・・・・・・・・・・・なんで?。

ぼやき:・・・う〜ん、こんな塩梅で、本件の決着は付くンだろうか。

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実験本番・黒田式新バイアスPP・・・プチ改造

20140418〜

日を改め、同様の事象が再現する事を確認・・・、確証は無いけど電源の改善を考えます。

黒田式新バイアス実験専用電源回路2 ツェナダイオードの「温度特性」と決め付けてますので、CRD+固定抵抗に置き換えました。しかし、「負」の温度特性を示し、断念。

ツェナと共に47μFケミコンは、突入電流の“恐れ”を想像し除去。制御デバイスのゲート電圧にリプルが増加するかも知れん・・・結果オーライだが、改造前と遜色ない感触でした。100k+100kΩと1μFは「電源遅延」の塩梅で決めたのですが、リプル除去にも充分効いていたのですね。(計算しとらん・・・)

黒田式新バイアス実験専用電源回路3 ならば、「正負」同士の組み合わせを。まあ大体その方向に出来たが、若干の「正」が残った。改善の余地はあるが、ひとまずこれに決定。

電源回路単体の性能を調べてみたい気はあるのですが、後回し。

黒田式新バイアス実験回路8 EL34の両カソード間にVRを渡しました。AC/DC共に「効く」バランスで、50R-P28(T)ppにも採用した奴ですが、どんな効き方になるかは・・・?。

若干の「期待」を裏切る、同様の結果。通電初期のADJで得た0.00%台は、0.01%台に上昇。上昇後の再ADJ苦労は報われません。なお、ここでも波形撮影を失念、片手落ちが甚だしい。

* * * * * * * * * *

翌日、夕べの最終ADJ状態を維持したまま再試行。3Hほど経過観察したが、0.00%台が悪化しない。なお、前日のADJは相当なもので、2Ibo≒110mAだったのですね。

* * * * * * * * * *

さらに翌日・・・・0.00%台をずっと維持。2Ibo≒110mA→120mAに(当然、全ADJやり直し)戻すが、0.00%台が再現、悪化しない。
うわ〜・・・何が「起きなくなった」ンだ〜・・・・・・・・・・・・・。

黒田式新バイアス実験7-4 歪み数値が「なぜか?」安定したので、EG球の組みを試しました。これまたメンドーな事態を孕んでる予感です。

1kHzの数値は、ここまでのダントツを得ましたが、3周波数格差は相当なもの。100Hzの乖離は、DCバランス微調をサボっている自覚ありますが、10kHzの妙ちくりんな曲線は・・・?です。あ〜あ、コレの謎解きが加わったのか。

注:80kHz・LPF入り測定です。

実験8-1・・・と名付けるところをチョンボしました。以後この頁・・・7-6まで続いていますが、実験回路は「黒田式新バイアス実験回路8」です。あ〜弁解がましい・・・。m(_ _;)m・・・

1kHzの波形撮影。なんだか都合の「良い」モノだけ載せてる気がして・・・。0.5W時最少ADJ、アナライザのフィルタ無し測定です。

0.125W・0.01% 0.5W・0.009% 2W・0.045% 8W・0.43%

ぼやき:・・・↑キョーレツな映り込みがうっとおしい。なお、こんな塩梅で、本件の決着は付くンだろうか。

以上ここまでは、LUX・OY-15-5、サンプル@でした。

黒田式新バイアス実験回路8で新設した両カソード間の「50Ω」VRは効きすぎて過大でした。ロスや電流帰還作用も気にはなるので、あとで10Ωに替えようと考えます。

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実験本番・OPTを替えます

20140423〜

直前のEG組みのまま、各種OPTを試します。

ここからは、差異に絡む記述・データがございます。各方面に、いささか差し障りがあるかも知れません。

黒田式新バイアス実験7-5 ISOタンゴ・FX-40-5、サンプル@。注:80kHz・LPF入り測定です。

実は初期の実験でもイマイチでしたが、電源由来の雑音・ハム低減により更に鮮明になってきました。1W未満では、OY-15-5よりも見過ごせない、100Hz・1kHzの3次高調波歪が残留しております。10kHzの乖離は、先の実験7-4と同様の傾向を引き継いだようです。

同型サンプルAも試しましたが、サンプル@と同様の傾向を示しました。たった2個の結果から結論付けするのは拙速ですが、同様の品質と感じます。全4個のテストを経てから判断すべきなのでしょうが、早くも情熱を失いかけていて・・・・語尾不鮮明。

黒田式新バイアス実験7-6 橋本・HWC-30-5、サンプル@。注:80kHz・LPF入り測定です。

数値の差はあれど、上記に類似した傾向を感じます。それにしても10kHzの妙なカーブまで再現されますので、ここだけはOPT由来とは考えにくい・・・謎です。

サンプルは2個のみですが、Aは未確認。

ISOタンゴ・U-405は見ておりません。20140315の初期実験では、どうも「良さそう」な気がしないのです。まだ予断の段階ですが、「定インダクタンス」設計との関連か、1次インダクタンスが小さい事は100Hzの歪み率の数値に絡むと考えています。

ぼやき:・・・う〜ん、こんな塩梅で、本件の決着は付くンだろうか。

OPTサンプル各種 先が読めない実験経過です。黒田式新バイアス回路の「恩恵」は見られるものの、限定的と感じます。加えてOPTによる差異による制限も垣間見えてきます。厄介な問題に足を踏み入れた気分です。

←これらの単体測定へと続きます。

3行空けのために・・・こげなことを

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