2A3W シングル

1984〜


目次

元ネタから
ハムテスト 19930605〜
収集家時代・・・ 1990年代〜2000年代初頭まで
ずっと停滞・・・ 201701**
71Aと45は別アンプにするッ! 201708**
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はじめに

大方のマニヤが手掛けるだろう2A3です。我ながら妙な信条?かと感じてはいますが、手掛けるタマの順番を気にしてます。ハタチ代に6GA4s6V6GT(T)ppを拵えた後、807(UL)sあたりを拵えてから、本機に進もうと考えていました。情け無いが既に予定は狂いっぱなしで、
完了品に掲げたような体たらくです。

偏っている自覚があり、いつ頃からか妙なタマの事ばかり考えていました。とはいえ著名な出力管を手掛けてみたい衝動に駆られることはあります。さしずめ300Bなどはその最たる対象でしょうが、あえてWE球の事はあまり考えないよう(憧れのタマは50です)にしてきました。その点2A3は随分庶民的でありながら、極めて著名なタマと考えます。試作例も多く参考文献にも事欠きません。まあ、タマ遊び道楽の通過儀礼みたいな感じもあって、一度はトライすべきタマでしょうか。

2A3W(H&K) 実は1970年代に「JAN-CRC-2A3」を買って・・・寝かせて・・・売却、勿体無い話でしたね。

その後、現構想の動機付けになったのは、2A3W(Heintz and Kaufman GAMMATRONと書いてある)です。中身はSylvaniaそのものでしょうが、見慣れたST16バルブとは全く異なる印象に魅せられたのだと思います。そういえばこの頃拝見した佐藤定宏氏のPP記事の影響もあったかもしれません。

3行空けのために・・・こげなことを


元ネタから

武末先生PX4-1 武末先生PX4-2 まずは武末数馬先生のPX4シングルアンプ(ラ技1972年11月)です。

タマは異なるが、類似管と言い切っても差し支えないと考えます。なぜ2A3のシングルにEb=300Vの動作例が発表されていないのか?と考えたくなるほど、先生の回路に2A3も適合しそうです。

←↓・・・ワザと“読みづらい、読めない”引用をしました。これでも気が引けてるのですが

辰口氏2A3-1 辰口氏2A3-2 辰口氏2A3-3 もう一つは、ラ技1972年5月号の辰口肇氏の作品です。

回路も動作条件も・・・殆ど武末先生のとは共通点がありません。U-808使用くらいか?。とにかく電源部は異常なほど過剰?・・・韻を踏んでる場合じゃないのですが、当時としては抜群の低雑音を実現されました。加えて高度な2次歪みの打消しで、無帰還ながら0.0ン%台(1kHz)の最低歪み率と、定格出力1%未満も達成されてます。いや、脱帽する他ありません。

3行空けのために・・・こげなことを

2A3s回路プラン 構想回路。細部は未定。

負帰還を予定していますが、その余裕があるかどうかも未検証。

本機では武末先生の試作例から、標準動作例に無いEb=300V、RL=5kΩのカソホロ直結ドライブを拝借。辰口氏からは、12AX7の1段増幅(2A3との相性は実証済み!)及び、電源ハムの根絶方針をお借りしました。まあ、設計と呼べそうに無い継ぎ接ぎですが、電源部はPT選定を含め苦労しました。異常に過剰なタンゴMX-280です。

これはもう6.3V・5.2A巻線が決め手です。AC点火でも実用に足るはずの2A3ですが、0.1mVクラスの雑音またはそれ以下を目指すには、DC点火は必須です。AC点火派の先輩諸氏がなんと言おうとも、です。6.3Vの整流電圧≒6Vから半分以下にまで落とす、無駄(10W位の損失)を承知の暴挙です。タマ次第ですが、前段部もDC点火するかもしれません。B電源C電源共に安定化します。正直言って物量投入型と言われてもかまいません。

3行空けのために・・・こげなことを

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ハムテスト

19930605〜

また随分寝かしてしまいましたが、そんな偏った設計思想の元、「45も試せるんじゃないか?」と妙なイロケを出してしまいました。いささか不安もありましたが中古を入手し、本件が始動しました。

油圧シャーシーパンチを買って、初めての鈴蘭堂SL10シャーシーに組み込んで・・・予備実験しなかったツケが来たようです。

いきなり本番 イキナリこんなスタイルに組み上げました。

注: えらくボケたが、これはごく最近奥から引っ張り出して撮影した画像です。

なお、サンプルはコレも1970年代に買って、なぜか手放さなかった商社ブランドのCEI・2A3。何処製かは不明だが、米or加のどこからしい。コイルばね釣りのフィラメントで、JAN-CRC-2A3より良い造りと思うが。

この頃まだ武末先生スタイル・・・とも言えんが、入出力にメタルコンセント使用。それだけでは使い辛いと思い、RCAピンジャックとポストターミナルの併用。信念無いから。なを、写ってない後ろに、AC入力のメタルコンセントと、安定化電源用制御TRの放熱器付き。

写るンです画像1993 製作当時「写ルンです接写」撮影。

非安定化のままでも基礎実験なら出来そうだと考えました。自己バイアスの出力段のみ。これのAC点火からDC点火への変更が、どれくらいハム低減に効くかを体験したいと考えたのです。後悔すべきは・・・本式シャーシに組んでからやる実験ぢゃねえな・・・と。

3行空けのために・・・こげなことを

2A3ハムテスト U-808のZp設定、Ebb、Rk、他・・・多くが未記録。確かEb<250Vで40mA程度の動作条件だったかなあと。

多くの条件記録に不備がある中でCk値のみは、47⇒100⇒2200μF!・・・を試したと、メモされていました。AC/DCどちらでのテストか・・・も不明ですが、Ck値が大きいほどハムが少ない。具体的にはRk部のハム電圧が異なります。いや、ここに「対地ハム波形・電圧」が出るとは存じ上げませんでしたよ。

試した経緯の多くも未記録ですが、ハムテスト回路の最終的DC点火回路で結果が残っておりました。

AC点火2次出力ハム:1.3mVリプル:未記録・・・
3.8V整流DC点火2次出力ハム:0.25mVリプル:460mVp-p
6.3V整流DC点火2次出力ハム:0.13mVリプル:21mVp-p

結果は良好と感じましたが、とにかくDC点火回路抵抗の発熱が無視できないと実感しました。ADJ部の0.ンΩ然り、2.2Ω10W品2個も、火傷しそうな塩梅です。ラグ板取り付け程度では、ハンダ付け部・周辺部品・近隣ワイヤリングを炙ります。何らかの放熱処置が必須と感じました。

古(いにしえ)のこんな回路 余談ですがこの時の経験で、古(いにしえ)のこんな回路は、ハムの“打消し”ではなかろうかと考えました。大昔の大容量ケミコンが無い時代、数μFのCkでは相当のハム電圧がRkに重畳したと想像します。大元はA電源のAC波形そのものなのか、B電源のリプルなのか・・・多分その両方だと思いますが、対地電位のコントロールグリッドとの間に「入力」される理屈です。

ならばRkに表れた波形を、コントロール・グリッドと対地間に敷けば打ち消されるはず・・・と感じたのです。実際には、Rgと前段回路のインピーダンスでVRkは分圧され、実質的にコントロール・グリッドに表れる電圧VRk′は減少しますから、自ずとその効果には限界があるはず。

と、まあ妙な理屈をでっち上げましたが、残念ながら実験当時はそこまでの検証を失念しておりました。「根性」があれば、ソレを見てみたいモンです。

ずっと後・・・最近の知見ですが「貧弱なバイパスで損なう低域特性を補う処置」と解説された記述を、どこかで拝見した記憶です。低域でバイパスし切れずに電流帰還となる電圧が、グリッドに正帰還される働きのようです。効果を計算してみようと頭を捻りましたが・・・止めた。実験の方が性に合ってるなあ。

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蒐集家時代・・・ 1990年代〜2000年代初頭まで

1990年代の首都圏在住時、そして帰郷後暫くまでこんなことやっていました。

2A3(CEI)01 2A3(SYLVANIA)01 2A3(JMTEC)01 2A3各種01

左端は残存するイチバン古い買い物、上京前に買った商社CEIブランド。コイルスプリング吊りのフィラメント故に、中身は北米製かと信じる。前述のハムテストは之奴で。

次、在京時入手。由緒正しい・・・と信じる米国SYLVANIA製。釣竿式スプリング吊りで、マニヤが喜ぶし自身やぶさかでない「ブラックプレート」。何が良いのやらワカランが。

その次、帰郷後入手。岡谷の製造とも聞くが、とりあえず国産。マツダや松下ほどでなくても、やっぱり国産。国産としての評価は?だが、とにかく国産ッ!・・・。

右端・・・こんなに集めてど〜しよう。F定格違いの6A3や275Aまでも・・・

初期型1枚プレートのアレは最初ッから収集意図なし。実物など見たことありませんし、そんなにエエもんなのか?ってな印象持ってます。売ってても高くて買えないヒガミは若干ある。なお、中露球は眼中に無い。

45(RCA Cuninghum)04 VT52(SYLVANIA) 45各種03 71A各種01

いっしょくたに楽しもうと考えて・・・苦しんでます。そりゃまあ手間はかかって当然。

フィラメンド定格違いはナントカする。動作条件違いも・・・。しかし、その余地を下拵えせねばなりません。単種アンプを別途拵えたほうが、よっぽどマトモだと承知して・・・いや、つまり、その〜・・・○%△#□&・・・

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ずっと停滞・・・

 〜201701**

面倒でもバラック機から始めれば良かったと悔やんでます。もうSL-10のアイボリーは入手不可、現状に工夫を凝らすしかありません。OPT直下周りに若干の余裕はあるんですが、推定7W超×2ch分の発熱体は、自己バイアス標準シングルのRk損失x2ch分の約3倍です。床下が暑いのは嫌だなあ。

* * * 長考愚考の末 * * *

辰口氏風意匠プラン カッコよさを捨てて・・・だけど性能だけは「あのレベル」を達成したいがための妥協案。これなら熱的にも余裕が得られるでしょう。結果として辰口肇氏風の趣に。でもPTは一個だぜ〜・・・てのは、何の自慢にもならぬ。

やたら太い400V820μFは止めて、35oφの有体なケミコン多数に。そして、安定化のMOS素子、DC点火の整流器とドロッパ抵抗は、手ごろな放熱器を与えて表に置きます。みっともなかろ〜が発熱部品自身の安全と同時に、シャーシ内部の温度を過酷にしたくないのです。

ナニカのために温存してた鈴蘭堂純正?SL-20アイボリーを、本件に使う決心しました。ただ〜し、失敗出来ね〜からLEAD・S-1での試作を経るつもり。まどろっこしいけど。

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71Aと45は別アンプにするッ

201708**・・・

今頃決断する愚かさを自覚します。2A3/45のコンパチは拝見するが、71A絡みはやり過ぎですわ。71Aだけ別にするのがマットウでしょうが、45を2A3と共通のRL=5kΩ使用に躊躇してます。小題の2種はRL=7kΩのOPTでかわゆく拵えたくなったの。

45・VT-52・71A とはいえMiniwatterは作ったので、似たのは止め。「武末先生風+那須氏風」だけど、大袈裟過ぎないスタイルに留めたい。

「2T81シングル実験」が今にも出来上がりそうなほど進んでおりまして、だけど直熱管の「お初」に↑はやめとけ・・・?てな意識もあります。ラクチンでは無かろうとも、71A/45の方を先にやるのがマットウな気がするのです。で、本件2A3は・・・いつ?。

3行空けのために・・・こげなことを

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