US8P出力管PP実験機

1992年4月〜


目次

EL34ppに向けて
EL34(TELEFUNKEN)他 19920424〜
6550各種
6GB8/8417
6L6系
8045G
展望 199X****〜


はじめに

1992年の松下通信工業のオーディオアナライザ・VP-7720A(中古)購入が、本件構想のきっかけかと記憶します。前年までは帰省時に行っていた「イタズラ」ですが、この年から赴任地千葉市に機材を移し、大型連休を待たず実験を行うようになりました。その初回が本件です。今思い出して(メモを読み返して)みると、結構濃密なデータを得たモンです。

前作が1984年完成の6V6-GT(T)PPで、えらく間が空いてしまい「次」に踏み出そうとしていたのかもしれません。結局は「実験」だけで終息してしまいましたが・・・。


EL34ppに向けて

まだ先の事・・・と考えていたのですが、既に入手済みのタマが「大丈夫」なのかを確かめたかったような記憶。故・武末数馬先生の「高性能アンプシリーズ」にモロ影響を受けた前作に続くべく、先生に倣って同じEL34は入手済みでした。そして、なぜか2本づつしか買わなかった65506GB8が初期の対象でした。後者2種は「電波技術別冊・設計製作 名パワー管アンプ」あたりの記事が元ネタでしょう。

そういえば、こんなモノまで既に手ェ出してました。

SELカタログ1 SELカタログ2 学徒時分の作品を解体し、SELのトランスを再利用。SD-150Fパワートランス、OT-30-8出力トランス。

地味だが真面目な造りのOPTで、各数値は中庸を得た印象。周波数特性グラフは、1次インピーダンスも含む広帯域測定の表記。

ただし、「1kHzの歪み率」のみに“偏った”測定意図の実験なので、F特は無視した扱い・・・ごめんなさい。

解体中オモテ 解体中ウラ 奥澤の「O-5」シャーシだった記憶。CHはカタログ未掲載の、SEL・C-1016(10H/160mA)。UX4Pソケットは・・・何してたんだっけ?。

2005年に解体する直前の写真で、埃もそのまんまです。この後にBASSAMPへと生まれ変わります。

US8Ppp実験機回路 6V6GT(T)pp同様の回路で、EL34(TFK)から始めました。記憶に基づく大雑把な定数ですが・・・。

3行空けのために・・・こげなことを

←作図ミス・・・OPT2次は4-8-16Ωのタップなので、一つ多かった。

実験早期で、PT・CH容量不足を実感・・・PTは当然ですが、CHまで熱かったのです。そこで+400V級電源のみを外部から供給し、CHはTANGO・0.7H500に交換しました。

RLpp=8kΩは、武末先生の3作品共通のインピーダンス設定なのでピッタリです。通常の設計としては過大ですが、A級pp動作、またはA級に近いAB級ppを意図しているのですから。

下↓の写真、出力管の後方に見える放熱器に、+400V級安定化電源の制御TR・2SD683Aが付いてます。−240V電源も安定化、詳細記録は・・・無いが、30Vツェナを8〜10何本も並べて制御TRのベース電圧を固定した程度の・・・安易な奴です。

US8P 実験01 US8P 実験02 US8P 実験03

左は実験開始当初、EL-34のテスト時。中央は、新たに買い求めた7581A(GE)使用時。右は・・・わからん。実験機左の床にトヨデンの外部電源トランス。

実験当時「写ルンです接写」撮影。

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EL34(TELEFUNKEN)他

19920424〜

EL34(TELEFUNKEN) そのコンディション 1980年代初期?の当地Shop選別特価品。アタマに3結Ib値が記されて、数値順にバルク箱に並んでました。測定条件は聞いたっけかな〜。ま、中央あたりから8本選ばせてくれた覚えがあります。

右は実験開始当初のコンディションメモ。シロート測定でも揃ってることは実感できました。半端だが7本の12AX7もNoisチェックしてます。ど〜やって調べたのかは思い出せませぬ。

3行空けのために・・・こげなことを

次回のUY-807系&US8P出力管シングル実験機では測定年月日をグラフに書き込みましたが、本件ではサボっております。おおむね記憶してるつもりの「実験順」に紹介しますが・・・データを得た回路の動作条件も未記録が多い・・・ご容赦を・・・ m(_ _)m

なお、断わり無きカーブは全て「1kHz」です。

EL34-1 実験初期の、実に素っ気ないデータ。多分Ebb≒350Vかと。武末先生の3部作?初回機に倣った動作条件のはずですが、UL時≒15W、3結≒8Wしか出ないのが不満。

4×6cycleの両対数グラフを「贅沢」に使ってますなあ。で、縦横軸の数値単位記入を失念・・・。縦中央が歪み率0.1%、横軸中央が8Ω出力1Wです。

EL34-2 パワー不足をEbb増加で“ナントカ”した短絡的思考の実験です。それでもUL時20Wに満たないので、RL=4Ω(1次RLpp=4kΩ)まで試し、早くも負帰還かけてます。せっかちだなあ。

EL34の他サンプルを試していない手落ち。コレを調べたにもかかわらず、使用球サンプルbフ記録が・・・無い。

EL34-3 初段の負荷抵抗を変え、多分・・・10kHzの歪みのADJしようとした・・・かも知れない(曖昧すぎ!)記憶のデータ。使用球のサンプルb記録してますが、おいおい、動作条件が記されてないゾ。

当時はワカランかったが、今見ると100Hzのカーブ乖離はOPTの「個性」と考えられます。

EL34-4 初段の簡略回路を書き込みはぢめました。記載は無いが30W近い出力なので、多分Ebb≒410V動作。2Ibo≒110mAだったかと。

点線は出力段片側のグリッド入力部波形歪み率ですね。カソホロ直結なので、Zin=100kΩのVP-7720Aを接続しても「平気」と考えてた様子。負帰還かけて「0.01%領域は近いぞ」と思ったはずです。

EL34-5 初段の電流を絞って、歪み打消しを意図した実験です。10W付近までの歪み低減は確認できましたが、全体的には・・・ど〜かな、と思う特性に。

なお、上と同じ出力段の動作条件と思うが、その簡略回路も併記しました。G2抵抗値に差を付けたり、下側出力管のRk=10Ωに容量付加したりの“小技”は・・・データに出てない様子。

歪み率偏重の習い性は、VP-7720A導入で甚だしくなってしまった気がします。しかし手探りの段階でもあり、系統立った手順とはいえません。EL34(TEL)では他にも屑データが5枚もあって、早くも「飽き」はぢめてます。

6CA7(GE) EL34-5 目移りネタ。

ど〜してこんなのが市場に出てたか知らぬが、楽器マーケットの存在が大きいと聞く。之奴の入手が、どうやら”歯止めの無い収集癖”のスタートだったのかも知れないのです。

両対数紙をケチったデータ4種。Ebb≒430V・2Ibo≒110mA動作と書き込んであります。どおりでPoデカイ。EL34telと同じとは言えんが、似た感じ。ビーム管構造なのに、ご丁寧にもスクリーングリッド電流まで似せてます。元球は何でしょうかねえ。

6CA7(松下) EL34SUPER(GD) KT77(GEC) EL37(Mullard) 収集の一端です。アキバっって怖い街ですな。

****

左から、まず国産球好きには外せない松下6CA7は未点検。次の中華EL34SUPERは流通期間が短く、入手時既に生産終了と思われ3本のみ。後に着せ替えシングルで試したが・・・実験中にヒーターが消えた。切れたのか?。・・・動作未確認のタマは、早く調べとかんと不安になってきます。ン年後の「交換希望」など言えませんからねえ。

KT-77(GEC)は、アキバ某ビルのB1F・・・いささか胡散臭そうなShopにて。これも未点検。EL37はアキバ外の店で2ペア購入。すぐ通電テストし、1本が深いバイアスでもカットオフしないと気付く。Eb=Ec2>350V以上では電極内部で妙な“発光”もした。話を聞くと「最大定格電圧でのテストはしてません」と・・・最大定格電圧を与えるのは“いけない”とでも言いたげな口ぶりで、呆れる。Eb=Ec2=400Vに耐えるタマとの交換には応じていただいたが、なんだかな〜・・・。

故・武末数馬先生の「高性能アンプシリーズ」を模倣したくて始めた実験は、「入力トランスを使わない」という誤った?選択(これを言い訳にしてイイのか?)にて、当然ながらあの高みには及びません。半ば諦めの心境を抱えながら、同シリーズ初回に採用されたFX-50-8Gと、体裁を揃えたMS-330D(G)など入手。性能よりも見た目重視スタイルで***を拵えようと妄想しています。以後・・・進展ナシ。

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6550各種

****〜

手持ち球のテストを主眼として始めたものの、オモシロくなって買い足す泥沼にハマる。アキバ以外にも危ない店はあるから・・・地方出身者は気を付けましょう。

6550(RCA) 6550(RCA) これが上京前に買った2本の6550。アノ本では“名門RCA”などと書いてあるモンでつい。

RLpp<5kΩ以下で使うのが定石と知りつつ、先行実験したEL-34同様の動作条件では、6550の上位定格が活きません。Ebb≒440Vでも28Wに留まります。

“名声”ほどには最低歪み率が減らんなあ・・・と思ったのか、2Ibo≒140mAも↑流してます。後で、初段12AX7のテール電流=2mAをADJすりゃ変わったかもしれんと悔やむ。

以下は未テストコレクション・・・勿体ねーーーー

6550(TUNG-SOL) 上京後に、ただしヨコハマ石川町で買ったけど、中華街のリプリント球ではありませぬ。
○孔空いてて、↑のRCA球と区別付かンから、本家以外のUSA製リプリント?。

そういやアキバ某老舗店にて中華リプリントだろう「Tung-sol」球は見ました。ン千円/ペアはあり得んし、プレートの合わせ目に銀ピカのずれ部分あるから「Shuguang製」なのでは。だってGD球と同じだッたもん。

6550A(GE) 6550B-3(SVETLANA) GT形状の定番だった?6550A(GE)。素っ気なくも貫禄あります。

あっとゆーまに市場から消えた感じの・・・ジルコニウムペレットゲッター(と聞く)の6550B-3(露)。露出度高い。でも使用例知らズ。

KT-88/90の類もいささか蒐集・・・勿体無いが持て余し気味。近年のTung-sol球(露)は・・・なんだ、ありゃあ。

既に流行らないスタイル?となった、50〜100W級OPTに同等サイズPTの3個並びと、その前面に6550/KT-88辺りの大玉が4本ズラリ・・・。こんなのを作りたかった頃モタモタしてて、ついにX-5PやらMS-505の入手を逃す迂闊。今思い返せば、そんな重いの作ったら大変だぞ〜・・・と負け惜しみをつぶやきます。

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6GB8/8417

****〜

同上・・・でございます。

6GB8HiHi最後期か 6GB8HiHi最後期 上京前に買ってた、多分最後期の製造かと思しき頃のHi-Fi管。

之奴も6550同様というか、RLpp<3.5kΩがヨカロウと思うからPower出ないのは当然。でも無帰還最低歪み率が0.01%に近づき驚く。

チョーシに乗って負帰還かけたら最低歪み率が0.01%を割って、大喜び。無邪気な実験してました。

喜んでて・・・タマのIb/Ic2の記録忘れ。直前の同一動作条件(ただし12AX7のテール電流は2mAかもしれぬ)では、PP上側球のIbo/Ic2oが55.9/4.6mA、Ibmax/Ic2maxは68.1/10.1mAとメモされてます。

6GB8Hi-Fi各種 右端が上京前↑に買えた球、残りはその後のアキバで。
巷の“ブラックプレート云々伝説?風評?ガセ情報?”なんぞを聞きかじったモンね。

ここには含まれない「Hi-S」のどれかもテストし、上記近似の性能を確認。余談だが「Hi-Fi/Hi-S」が書いてない6GB8を見たことないな。

3行空けのために・・・こげなことを

実験中に新規参入↓した、製作記事の乏しい管種。森川忠勇氏の作例では好感を受けたが、他の方の記事を知らない・・・。

8417(RCA) 8417(RCA) 8417のお初、信頼できるスジのRCA球4本。

6GB8同様、RLpp<3.5kΩがヨカロウと思うからPower出ないのは当然。でも意外なほど素直なカーブに好感。2Ibo>120mAで更にTHD低下の傾向を見たけど記録なし。ウソぢゃない。

MJ森川忠勇氏以外の製作記事を知らない・・・不人気球。だからかど〜か、市場に相当数あったしソコソコ安かった。そしてブランドを問わず相当数を集める愚行に邁進。結果は死蔵。現在の枯渇状態にプチ関与したかもしれぬ後ろめたさアリ升。

8417/6GB8(GE) いかがわしい二つ名の6GB8?・・・。同じでは無いが、市場での扱いはこんなモンかのォ。
胡散臭いのを承知で入手したが、“8417”として扱えばエエぢゃろ?。

「6GB8」を名乗らないマットウな8417(GE)も持ってますがら、意味希薄なコレクション・・・

6GB8/8417を一括りで語る胡散臭さはお許し願いつつ、近代設計最後の音声出力受信管として“良いトコロ”かも知れぬ一旦を垣間見た気がしました。タマタマ試しただけに過ぎない、浅いバイアスのAB級ULppが意外に低歪みだったのです。真空管製造者の意図(忖度だが)や、過去の作例で述べられている寄稿家の記述とは異なる印象なので、「なに言っとりゃあす?」・・・かな。贅沢だが6GB8/8417の“一品モノ”を拵えたい妄想が湧きます。ただし、まだ具体的なプランには至らない。

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6L6系

****〜

6L6系に思い入れ無し、調べたい手持ち球ナシ・・・だったンだが、やはりアキバは危険な街だ。

7581A(GE) 7581A(GE) 実験した6L6系最強上位球の7581A(GE)。
KT-66名併記は・・・GE公認?

由緒ある系譜の末裔かつ最強かもしれぬが、後発球の性能に対し引けを取ってる印象。こんな比較では良さが見えんぞ・・・との誹りは聞き流す。

10Wに1%歪んでたモンで・・・初段12AX7のテール電流を相当絞った結果↑・・・よくわからんです。歪み波形の撮影・記録など気が回らん頃の実験だから・・・と悔やんでも詮無き事。

本実験中に加えた新規参入管です。歴史ある系譜の末裔でしょうが、後発の競合管種に張り合えるような“異なる何か”を秘めているのか・・・などと大それた思惑はありません。学徒時代に807ppを組んだだけで、この系統を真面目に試したこと無いから。

以下は未テストコレクション・・・勿体ねーーーー

6L6-GC(東芝) 再び“ブラックプレート伝説”による浅薄な物欲にて。内田ラジオ店頭で10本ほどを見たが、薄給ゆえ“全部大人買い”は出来ず。

6V6シングル製作初期に試し挿ししたのは之奴出羽無く、アルミクラッド鉄板だろうグレー物。モライモンだったかな。

以下はなぜか、非「行灯型断面」電極構造の同系球に興味が湧く、偏った感性にて蒐集。

5932(SYLVANIA)1 5932(SYLVANIA)2 SYLVANIAの5932だが、構造違い2種。パラ構造のは、半分死ぬ故障云々を聞きかじった記憶。でも報告事例はおろか作例すら知らぬ。使ったら体験できるって?。

右のは、同社5933WAに似た構造で・・・使いまわしぢゃね〜の?。

当時のアキバ某店頭で、NEC製らしき5932も拝見した記憶有り。でもありていな6L6系電極っぽかったよ〜な。

5881(Tung-sol) 6L6WGB(GE/CANADA) 本家USA製と信じる(90's購入だから)5881。
よく似た、カナダGEと書いてある6L6WGB。

似た外観の6AR6WA(TUNG-SOL)や、その強化版などと聞くが別物「6384」までも・・・ココには載せない。

KT-66の類もいささか蒐集・・・ついでにNU-350Bまでも手ェ出す。勿体無いが持て余し気味。

この実験では未確認なので無責任な妄想ですが、始祖6L6の標準動作例にもあるA級ppが“良さそう”と感じつつ、ソレで一品拵えたい。

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8045G

****〜

8045Gに思い入れ無し・・・だったンだが、以下同上でございます。

8045G(LUXMAN)と同(GoldAelo) 実験してないからタマの画像だけ貼っときます。

何も好き好んで・・・たのかも知れぬ収集品。純正品は見た目も妙なハズレ中古かも知れん。通電試験した記憶アリ、Pin<40Wで陽極赤熱見た。

何も好き好んで・・・たのかも知れぬYUGOのレプリカ。プラ管パッケージがイヤで、入れ替えた白箱に偽造ロゴスタンプ押した愚行を。

多分・・・武末先生も気にされてたはずのタマ。その真意は、3件の記事でも明らかに書かれてない。

多分・・・武末先生も気にされてたはずのタマだから、▼□●×%&#@今やもう・・・気持ちが離れつつある厄介者死蔵管だ。

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展望

199X****〜

妄想↑と言い換えるべきかも。まず、EL-34/6CA7は初志を見失わず、FX-50-8Gと組んでステレオワンシャーシスタイルの別ネタを目論む。

US8P出力管PP実験機U 6GB8/8417は、これまた異なる魅力を感じたのです。当時健在だった平田電機タンゴのXE-60-8/ME-225で、本実験の更なる高度化を目指しましょう。

←目指しかけたのですが・・・

6550やココには掲げてないKT-88/90は、↑の機体に近年入手した中古X-5Pを乗せ替え、50W超級をめざしましょ。8045Gは、・・・う〜ん・・・↑同列扱いにして“遊ぶ”以外のアイデア無し。

永き空白の時を経て

8417ULpp 2018xxxx〜、本件の派生ネタ第一弾として実験を開始しました。

ただし中身は往年の回路方式に日和見しまして、自身の変節に言い訳がしづらい。

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