2B33/5933WA ULシングル(2)

20150720〜


目次

不本意な電源トランスで・・・ 熱設計のお悩み・・・ 20150720〜
電源トランスの実験 20150502〜 シャーシ加工のお悩み・・・ 20150728〜
バラック実験.1-1 下拵え 20150516〜 安定化電源部のお悩み・・・ 20150815〜
バラック実験.1-2 AC点火実験兼出力管試験 20150520〜 完成までのお悩み・・・全回路図 20150914〜
バラック実験.2-1 全段動作の掴み 20150525〜 測定・・・悩むのはヤメた 20151025〜
バラック実験.2-2 カソホロの効果確認 20150526〜 試聴 20151101〜
バラック実験.2-3 2次歪み打消し 20150528〜 オマケ実験.1 高域ピーク抑制 20151119〜
バラック実験.2-4 FW-20Sテスト 20150529〜 オマケ実験.2 カソホロ直結の復習〜UY-807A三結
バラック実験.2-5 XE-20Sテスト 20150531〜 ***
バラック実験.2-6 XE-20Sおまけテスト 20150531〜 ***
バラック実験.3 350AのDC点火擬似テスト 20150618〜 ***


続きです

ヨソ事にかまけてて・・・いや、これから述べるお悩みから逃げていた節もありました。そろそろカタチを作り上げて行かんと放置ネタになりそうです。


熱設計のお悩み・・・

20150720〜

過剰な電圧設定のMS-140を使用するツケが来たようです。いや・・・電源トランスの実験で既に気付いていたのですが、楽観視し過ぎてました。仮に、最適と思われるMX-205で安定化電源をCHに置き換え、全球をAC点火した設計を想像すれば、およそ110W少々(350A使用時)の消費電力と考えます。MS-140での本構想では多分・・・150W近く食いそうです。その差40W内外は・・・

807/2B33/5933系までなら、ヒーターのDC点火回路で消費する電力は、片ch5W前後と推定しています。無理矢理シャーシ内蔵出来なくは無い範囲かと思いますが、バラック実験.3で、350AのDC点火では不可と解り困惑してます。3D21系(6.3V1.7A)でも同じ事。

初期レイアウト

初期の実験中は、こんなイメージを考えていました。

後ろに定電圧回路のMOS素子(6〜7Wの損失)を背負うくらいの覚悟はしておりましたが、出力管のDC点火回路(最大17〜18W)まで同居させるのは無理とゆーモノ。

かといって、更に放熱器を背負い込むスペースはありませんし、前面やら側面に貼るのもイヤだなあ・・・など、見た目と“試したい手管”との葛藤が、ある意味楽しい。

出力管DC点火部 シャーシ後ろに背負い込む事と決めた出力管のDC点火部。ケミコンは・・・穴を開けたシャーシに突っ込みます。

SW電源でDC点火ちゅう手もあるけど・・・こんな芸風を楽しんでますので。

MOS制御素子 代わりにMOS素子の内蔵を考えます。

中途半端な高さの放熱器ですが、U-808の床下に貼るつもり。最終版前に、約6W入力してみただけの実験です。シャーシ天板にも熱が伝導するイメージを盛り込みましたが、ど〜かな。

室温30℃で、約1H放置・・・経過観察中です。実験回路はコチラ。数値の違いはお見逃しくださいな。

350V巻線整流回路部 350V巻線の整流直後に挿入する抵抗群も熱い。抵抗本体は高温に耐えましょうが、半田付け部への熱的ストレスは緩和したくて。

画像はようやく決まった構造の仮組み状態。手頃な放熱器は・・・探せばあるでしょうが、死蔵のアルミアングルに固執?。

基板下に見えるブロックケミコンは、実際にはシャーシ上に並び、床下暖房的な位置関係に。気になってしょ−が無いのです。

前段用DC点火回路部 内蔵部品過多のしわ寄せで、かなり切り詰めるハメになった前段管のDC点火回路部。

これを隅っこに押し込むつもりでして、アタマ(机上設計)では可能だが・・・ど〜かな。

クドイが、MX-205でCH平滑・AC点火設計ならこんな苦労せんで済む。厄介な芸風と思わんでも無いのですが、止められない・・・。

程度問題なので一概に決め辛いのですが、局所的な高温部は避けたいな〜と。前作も結構詰め込みましたが、シャーシの深さに救われました。本機はH=55mm品なので疲れます。一箇所でも部品がぶつかったらお仕舞い。

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シャーシ加工のお悩み・・・

20150728〜

お悩みと言うか・・・いやもう、連日急に暑くなり、特に午後などは腑抜けの態で、作業は滞り気味。相変わらずのプチ錯誤で、ねじ穴の修正など多数。そして、暑さの所為に出来ぬ“電源SW”の居場所選定ミスが判明しました。真っ当な前面設置は無理・・・ではないが、妙な位置になるくらいなら・・・と、後ろに移します。

レイアウト途中 左上隅(背面側)に電源SWを描いております。初期は・・・図中の左下隅(前面側)のつもりだったンだが、何か危ない部品に当たるのです。

SWの移動に伴い、図中左下隅に置くつもりの前段用DC点火基板を拡張できる見込みです。しかし狭ッ苦しい事には変わりありません。

←図の上が後ろ側、下が前面パネル側です。解り辛い絵ですな。

仮組1 大雑把な仮組状態です。着せ替えシングルと同じシャーシなのですが、CHが無い分楽観していたら・・・コレだもの。

なぜか、まだタマのソケット穴加工をしてません。ここまで進めたなら全部空けるのがスジでしょうが、まだ何か致命的なチョンボしてそうなので、眺めて探ってる・・・つ、も、りッ。見つかったら・・・そりゃ凹む・・・OTL。

左端の前段DC点火回路のブリッジダイオードには小型放熱器を背負わせます。このままではシャーシH=55mmに収まらないので、チョンボといえますが、“足切り”で対処する・・・つ、も、りッ。

仮組2 眺めてても大チョンボは見つからず、上面の穴あけを進めました。そういや・・・シャーシ加工そのものがン年ぶり。コマカな不手際の修正が多く、暑さの所為にしたいが・・・それでも凹む・・・OTL。

仮組ですが、TOPの養生フィルムの色が案外良い・・・って、妙な感性が露見しそう。UY-807の右にはUS8Pオクタルソケットを嵌めてますが、3D21への着せ替えを意図してます。MS-140は綺麗で、中古U-808の薄汚さが際立ちます。

←前面パネルには、入力端子と電源表示LEDのみ。音量ボリュームは省略しましたが、以下、その正当化の弁明です。

近年、完了品の多くには音量ボリューム(以下、Vol.と略す)を設けております。しかし本機では・・・なんだか省略したい気分なのです。前作で用いたVol.ユニットが流用できますから。ちなみに前作は1990年代からの仕掛り品なので、当時の芸風?にて当初からVol.省略設計でした。

まあ、レイアウト模索中に「置き場所が窮屈」な感じもしたし、ALPSのは高いし、かといってマルツで買える「安物」ではちょっとねえ・・・。
そこでA10kΩのVol.ユニットの−6db位置と常用ピンコードで、どれほどの“高域減衰”が起きるかくらいは調べてみました。

実は常用ピンコード(約1.5m)の静電容量を、DMM・PC-510aのCレンジで調べますと・・・なんと0.4nF台・・・400pF台と知りました。名も無き付属ケーブルですが、高名な製品ほど重くないし堅くない(音質ぢゃないよ)ので重宝してます。そして、FG-274(50Ω送り)→Vol.ユニット→常用ケーブル→10:1プローブ(10MΩ・22pF)→DS-5102調べで、−6db減衰時に約160kHz・−3db落ちとわかりました。ちなみに−3db減衰では200kHz。−17.6db減衰(中途半端?)では400kHzでしたが、信号源インピーダンスが50Ωなので再生システムの実態とは言えませぬ。

ところで、著名なぺるけさんのサイトにて12AX7・1/2unitでの“ありていな”入力容量が、100〜120pFもあると教わりいささか驚いてもいます。本機ではソレが2unit並列・・・そして、−6db内外の負帰還を前提に想像すれば、同じく100〜120pF受けだろうなあと考えました。上記実測より劣化する事は覚悟せねばなりません。

言い訳でしょうが、これもありていな50kΩのVol.を「内蔵した場合」でも・・・12.5kΩと100〜120pFで形成されるLPFは・・・似たような数値ですね。さらに我田引水風にも、帰還ループ外なのでスタガ比設計にも関わらない・・・などと強弁します。

「告白」にて告白しておりますが、塗装が苦手で長らくサボってました。さすがに“絶対やらねェ”とまで思い込んでませんので、本機を生贄?にして試す(慣れる)事にします。

「アルミ塗装」で検索しましたら、有り難い情報が直ぐ得られます。どうやらアルミカラースプレーなる商品も出てるので、これが一番カンタンそうですが・・・色が少ない。「メタルプライマー」ちゅうのを下塗りすれば、ラッカー・水性・油性のいずれも使用可能になる「みたい」に書いてありますから、やってみましょう。カンカン照りが続く今は好日です。

ピーコックグリーンって 先ほど、妙ちきりんな事書きましたが、最終的に選んだ色は「ピーコックグリーン」です。

今までが地味な選択でしたので、奇をてらった意図が無きにしも非ず。しかし・・・正直言えば生贄になってしまった・・・。黒いトランスやケミコン・・・そしてタマが載れば、違う感じに「見える」かもしれません。

塗っちゃった後で・・・鈴蘭堂の旧SLシリーズみたいに「アイボリー」にしとけばと悔やむ。

愚痴です。メタルプライマー塗布時か、カラー上塗り時か解りませんが、妙な繊維屑を何本か塗りこんでしまいました。屋外作業なので風で運ばれていたのか・・・上塗り前の手脂除去に「ウェットティッシュ」を使ったのが不味かったのか・・・あ〜あ。

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安定化電源部のお悩み・・・

20150815〜

前作では出来なかったB電源の安定化をします。菊水PMC350-0.2Aでは文字通り350Vまでなので実質Eb<340V、Ec2≒345Vでした。些事の拘りでしょうが、355Vの電源電圧を目論見ます。

作業手順の無計画性?・・・事前実験をすっ飛ばしてしまった工程です。過去の作例・実験を基礎にしますので、ブッツケ本番で大丈夫だと楽観しますが、さて?・・・。

整流・平滑部テスト 本番機での整流・平滑部テストです。DMMの電圧は・・・なんだったっけ、コレ。

←基板の小穴は、高電位差のランド間を隔離した“つもり”のオマジナイです。

最も危なそうな、2次350V〜0〜350Vタップの「700Vrms!!」が小穴一列を隔てて隣接してます。テストでは無事でしたが、長期使用に耐えるかど〜かは解りません。

あ〜あ・・・ 回路動作以前のお悩みが発生。途中まで組み上げながら・・・組み込んだ後の「取り外し」が困難と判明。なにやってんだか・・・。

基板中央の黒ベークサポートと、両端の六角メタルジョイントを固定ネジ・ナット代わりにしたンですが、手指の動きが窮屈です。部品全部が盛られたら益々難儀になるばかり・・・、代案を考え中。

ボヤキ:この基板内レイアウト(小穴の位置も)に希少な知恵を動員したのだが・・・パーだ。

作り直し1 作り直し2 こんなスタイルに変更。

窮屈なのは大差ありませんが、少なくとも基板だけの脱着はマシに。あ〜・・・疲れた。

Sunhayato・AT-1基板の“ランド間耐圧”は明らかにされておりません。最大300V台上限のタマアンプで80年代から使用して、まだ「事故」には遭遇してません。しかし、本件では+500Vmax〜−450Vmaxに至りますので、不安でしょうがない。でもやっちゃうけど。

「黒田式新バイアス検証PP実験アンプ」で10秒チョイのスロースタート回路を試み、良さそうなので併用しました。

+360V立ち上がり +360V座り下り? 遅延時間の設計計算してまヘン。

ちなみにキーパーツの2SC4257の実測HFE≒12〜13(Ic=1mA時)は、データシート値の下限っぽい。計算に絡むとは思うけれど・・・正直言えばど〜すりゃ導き出せるのかがワカラヌ。

約2.7kΩの擬似固定抵抗負荷時、遅延は14s程でした。立ち上がってからが速そうで気になりますが、これで進めます。アカンなら、C追加やR値変更の余地(根気も)はあるはず。

-200V立ち下り? -200V座り上がり? 負電源電圧は素早く立ち“下がって”ほしいが、ベース回路での遅延は放置。+360Vに対して十分先行してます。

上下逆に見えますが、負電圧なのです・・・などと自身に言い聞かせないと、混乱しそうだ。

ON直後の22μF・450Vケミコンへの過剰電圧が心配。DS-5102BのSAVE波形では余裕がありますが、擬似固定抵抗負荷実験なのです。12BH7Aでは+360Vの遅延中、負荷が軽いはず。それなりの配慮はしたんですが、タマ使用時に再点検を要すトコロです。

安定化電源回路 元ネタのぺるけさん式リプルフィルタをアレンジして、高電圧ツェナに頼る簡易安定化回路に。

−200Vは2SA1486で安定化。元電圧は無負荷最大−450Vの見込みで、手頃なPch・MOS素子が見つかりません。softonさん発掘?の2SJ181は魅力だが、器用さを求められそうで手が出しづらいのです。

デリケートな歪み打消しを狙いますので、安定化は必須かと存じます。しかし、菊水PMCシリーズ並みの安定性は無理かな。

「黒田式...」ではツェナ電流をCRDで固定しましたが、本機では非安定化電圧の変動巾が100V程なので、E-○○○系統では“耐圧超過か負担電圧の喪失”が懸念されます。そこでサボって固定抵抗にした為、ツェナ電圧に少なからぬ変動が出るようです。まだ全H巻線が無負荷なので、全負荷での安定化電圧は若干減る覚悟です。合計ツェナ電圧が高めに出たのは、単なる幸運か。

PT実験同様、片側350V巻線にDMMのAC・Aレンジを挿入し、MS-140の定格、AC0.14A未満を確認しました。過剰な直列挿入抵抗値(+側141Ω、−側3kΩ)が、多少は巻線電流の抑制に役立ってる・・・と、思いたいのです。

前作から始めた電子負荷回路による電源内部インピーダンスの測定をしました。

+360VのZo測定 +360VのZo値

同じモノを元に、負荷の規模が大きくなったのでソレに合わせたのですが、熱損失からいって上限っぽい。FAN冷却が必須の測定風景。片ch出力8Wを想定しますと・・・40mArmsの電流振幅(無歪なら±56mA超peak)です。両ch分80mArmsを試しましたが、そこまでやる必要性はあったか?。いや、あるッ・・・と思いたいが、モニタ波形やらの印象では、電子負荷の性能限界超えてるかも。

余談はさて置き、2SK2847のId≒0.1A時の│Yfs│≒0.5Sの想像から2Ω付近は妥当かと。その平坦部分は中途半端に狭く、1kHz以上から出口の10μFが効いているのやらど〜なのやら。前作の2SD683Aによるリプルフィルタより高Zoだから、他の要素も埋もれてる感じです。その所為か、正弦波10Hz1kHz100kHzや、方形波応答10Hz1kHz100kHzはシンプルですが、電子負荷の性能限界も表れてる気がします。

+357V側の測定電圧波形・演算数値は揺らぐ事があります。ツェナの非定電流動作のツケがここでも見えた気分。

負電源のZo測定中画像をココに。電子負荷の電流はDC12mAですが、AC測定電流設定に悩みまして。

-200VのZo測定 -200VのZo値

初段100kΩ負荷に30Vrmsが出れば0.3mArms×2ch。カソホロ段の33kΩ負荷に、その−1db落ち・・・約27Vrmsが出ると0.82mArms×2ch。予定の出力段にそんな電圧振幅ではオーバードライブですが、左右合計2.24mArmsです。ん?・・・初段とカソホロの電流位相は?・・・この際不問!。

実はこの計算をする前に、区切りが良い・・・という理由だけで、1mArmsで測定しました。コレが「数mVrms」の測定電圧でして、安定化回路で抑圧しきれないAC電灯線電圧の揺らぎが、DS-5102B波形・実効値演算値も揺らす。+355V電源でも若干見えた揺らぎですが、100mVrms台の測定電圧では困る事はありませんでした。桁違いに微小な測定電圧では無視できない揺らぎです。

測定電圧を増加させるため5mArmsで調べますと、理屈はワカランが20Hz以下で測定電圧波形が歪みます。しか波形や数値の揺らぎは減って、読み取りはし易い・・・。いささかインチキ臭いが中庸の4mArms測定を基本に、それでも歪む10Hz以下では「歪まない」測定電流に減らしてツジツマ合わせしました。

結果は・・・100Hz〜1kHzの5Ω程が平坦部かと。その上下の緩やかな増減は・・・解らぬ。不穏な事態を孕んでるのか、こんなモンなのか・・・別途個別テーマで実験・検証すべきとは思うけど、なんだか情熱が湧かないなあ。ま、殆ど10Ω未満ってだけで、可としましょう。ちなみに正弦波2Hz10Hz1kHz100kHzや、方形波応答2Hz10Hz1kHz100kHzです。2Hzの波形を記録したイミは自問自答中・・・。

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完成までのお悩み・・・全回路図

20150914〜

+B・−C電源部が出来上がって、居場所も決まって・・・しかし邪魔でもある。この後の増幅部の配線・部品の組み込みへの窮屈さ、作業性の悪化は増すばかり。楽観してたが、作業手順の無策が浮き彫りに。

SP端子ウラ U-808取り付け直前 ±安定化電源部が付く

楽観しつつ覚悟はしていた、SP端子付近の配線。±安定化電源部を外さないと作業不能です。この段階で、2次側の積分補償素子(Zobelネットワークの呼称を好かぬ)を“吟味”せず一緒くたに配置。数値変更などやりたくも無くなる場所です。

U-808は、シャーシ取り付け後に端子への半田付けはムリですよね。好きなOPTではあるが、ソコだけは不満。でも外側を向く2次端子配線は、取り付け後の半田付けを強行するつもり。1次配線はその前に“下拵え”的に付けとくしかない。

収まった、いや収めた。そして際どい位置にSP端子のセンターピンが迫ってます。勿論接触はしてないが、このピンに直接半田付けしたかったのです。

U-808の2次配線?、やりましたとも・・・苦労して。ここでは見せられませんが、見えちゃう場所だ。

前段用DC点火部 収まるか〜? 収まった

半ば忘れていた、前段管のDC点火回路を組み込み。そのために±電源整流部を“また”外す。もう何度目?。半ば無理矢理の収まり方で、2度とやるもんか・・・と決意しつつ「いつかまた」似た事やるんぢゃなかろ〜か。

内装 外装1 外装2

出力管のDC点火部。350A向きの事前実験はしたが、主役である807系のテストを忘れてます。0.9Aの約半減だから、電圧ADJ抵抗値は倍でヨカろ?と1Ω。350Aでは同じく1Ωをパラ追加・・・の思惑で、全4本組み込み。

807系と、350A・3D21系のADJ抵抗値切り替え作業では、放熱部“だけ”を外す構想です。組み込み構造の按配は確認済み・・・と思ってたが、配線が加わると窮屈で、描いた妄想?ほど楽ぢゃないと実感。見せてないが、ヘルニア(脱腸)?みたいに、撓んだ配線が下側にはみ出てしまった。

AGW20配線材では細い?・・・350A他の1.6〜1.7A球の事を考えると、確かに気になる。ただ、これ以上窮屈になるのも、なんだかな〜。ボヤキが過ぎました。途中はすッ飛ばします。

haniwa

ヨソゴトにかまけてて・・・しばし放置し、再開しました。

本ページ掲題の2B33で本番を迎えるのがスジかもしれませんが、予想外にコンディションが良好そうなUY-807Aを起用。掲題・・・書き換えようかな。

出来た外観

出来上がった本機。部品が載っても「違った感じ」には見えませぬ。プレート配線に「習慣的
刷り込み」の赤を使ったので、これが異様な目立ち様。

余談ですが、出力管のプレート配線に1990年代にアキバのオヤイデ天井にぶら下がって売ってて・・買った、“高耐圧品・・・記憶では1kV超だったか?”と称するケーブルを「モッタイナイ」ので使おうかとも思いました。しかしUL1015・600V品でカマワン気もしたので。

丈が異なるタマのプレート配線長でもお悩みが。長いの一種類で済ましたいけど、見苦しく曲がるのもイヤだ。それに・・・プレートキャップへの「線材の弾力によるストレス」は怖い。同じ9mmφとは思えぬほど勘合が「緩い」球があったのよ。

偏見で中華Pキャップはイヤ。USA物だからなのかSYL・WE球には頃合の勘合だが、なぜかJAP球では・・・なシて?・・・。苦し紛れで東芝球向きに金属片を“締め”たら、CAP内壁での踏ん張りが弱まって・・・ほにゃらら・・・

出来た中身 中身です。毎度「こんなに詰め込まんでも」・・・と思いつつ、同時にもっと凄いヨソ様の作例を拝見しますと、まだまだかな〜・・・などと考えてしまい、確固とした理念の不足を恥じてしまいます。

前段管ソケットを覆うAT-1基板は・・・正直言えば“止めたい薬物”のようなモンです。しかし基板向きのトリマ抵抗などを、ラグ端子に直付けするのも怖い気がします。シャーシがでかけりゃ、TOCOS・RA25Yを使いたいのですが。

実は出力管にも、3D21系との着せ替え「中継」用・・・着せ替えシングルのアレみたいな端子台の為に基板をカマそうかとも考えましたが、着せ替え頻度を想像して止めました。またやるかも知れんけど。

全回路図です。

全回路

前作の「宿題・・・U-808のオマケ実験」で確かめたタンゴ指定外?の、2次@-D端子からの負帰還です。後に述べるように負帰還量は大したこと無いので、お好きなところから配線しても大差ないでしょう。今回は負帰還に関わるスッタモンダを省略し、この後掲げる測定項で最終結果を示します。

カソホロ直結は久しぶりだと先に書いたのですが、ラ技JUL1983年号で武末先生が報告された「出力管のラッシュ電流」は気になってました。

“整流管嫌い”の先生ですし、安定化電源搭載とはいえ、電源電圧の起動時間に工夫を盛り込んだ類の記述もありません。その号は12BH7Aのカソホロ段+300Bシングル出力段ですから、カソホロ段のヒーター(カソード)起動までに約−110Vのバイアス電圧が静定している事が必要だったのです。結論はカソホロ段のバイアス回路に挿入するケミコンの容量選択で「若干のラッシュを許容する」按配に留めた・・・と感じました。

そんな訳で、整流管使用に似た起動を真似たつもりで・・・実は、整流管使用例の実データを持ってないのですから、片手落ちは承知。意図だけは組んでいただけたら幸いです。

擬似負荷による電源部のみのテストだけでは不安なので、測定作業前の最終点検も兼ねて、出力管周りの電圧推移を追って見ました。

ONカソホロ OFFカソホロ ON/OFF時のLchカソホロ段のプレートとカソード電圧変化を、例によってDS-5102Bで観察しました。

Vmax演算値は、(1)はともかく(2)は胡散臭い・・・無視して下さいませ。

カソード電圧は出力管のバイアス電圧そのものなので特に注意しますが、せいぜい“静定バイアス以下”の浅い状態が見えないことを確認するくらい。ちと気になる動きが見えますが、ナニが起きているのかは不鮮明。

後知恵っぽいのですが、この段のバイアス電圧静定時間は、CR積から概ね4秒未満×3≒12秒と思われます。12BH7Aのthw≒11秒に対して微妙な按配ですが、+355V側の遅延時間に、30kΩ・100μFのデカップリング数値の遅延も加わって・・・更にもう一つ二つ絡んでそうな印象です。

ON出力段 OFF出力段 同じく、出力管のプレート電圧とカソード電圧の推移です。10Ωのカソード抵抗でカソード電流を推し量るわけですが、予想外の挙動が見えていささか困惑します。

同じくVmax演算値は、(1)はともかく(2)は胡散臭い・・・無視して下さいませ。

気になる上の↑オーバーシュートは、初段回路無しテストでは見えませんでしたから、結合コンデンサの充電によるものと思われます。355V電圧の立ち上がりを遅くすれば無くなりそうですが、未検証。初段のデカップリング47μFを馬鹿デカくしても軽減できそうですが・・・そんなスペースは、にゃあ(無い)。

Sweepの5s/divが遅すぎて、立ち上がりと“座り下がり?”が速く視えましょうが、やっぱり速すぎかも。

ON出力端子 OFF出力端子 出力管のカソード電圧と、出力端子・8Ω擬似負荷のON/OFFノイズです。

Ibのオーバーシュートは、今回は少なかったが一定しないのですねえ。

少なからぬ振幅が見えますので、SP次第では
・・・いや、こりゃ絶対聞こえるだろうなと。

まだまだ突っ込みドコロ満載の結果とわかりました。しかし・・・OFF時のノイズは、どこ突っ込みゃ軽減・解消出来るか思案中。Ibの“切れ”が速いので、ソコから探るか・・・

意図はあっても、旨く機能する確証が無いまま回路設計した事を告白します。タマのthw後にB電圧が起動する事は達成できましたが、それだけぢゃ不完全だと実感しました。イマイチながら「致命的」って程ではない・・・と、今は甘受しますけど。

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測定

20151025〜

先に述べたように、UY-807Aからやります。そしてここからは、グラフの画像ファイル名に使用管種を冠します。

807A Lch入出力特性 807A Rch入出力特性 入出力特性。

以後のデータは全て2次歪み打ち消し状態です。初段のバイアスADJで裸利得は変わりますので、深いバイアス状態ながらも案外良く揃ってて安堵しました。

タマの個体差なのでタマタマかも?・・・m(_ _;)m・・・

Lchの裸利得は23.2db。−6.4dbの負帰還で、仕上がり利得は16.8db。
負帰還時の残留Noiseは0.06mVrms(500kHz・BW測定)、同0.04mVrms(〜80kHz・BW測定)。

Rchの裸利得は23db。−6.2dbの負帰還で、仕上がり利得は16.8db。
負帰還時の残留Noiseは0.043mVrms(500kHz・BW測定)、同0.033mVrms(〜80kHz・BW測定)

初段管ナシ、カソホロ入力を接地した状態の残留Noiseは、左右共0.03mV(500kHz・BW)内外でした。初段管は松下12AX7(T)と、同「工業用」文字入りです。確か・・・「CasCompアンプ実験」で試したサンプルの2本ですが、中古ストックからの無作為抽出球。選別してませんから、良いのを探せばもっと良くなる?。

余談ですが、初段ソケットのセンターピン接地をサボって、0.075/0.073mV(帰還あり500k・BW)でした。まぢめに接地すると違うモンですなあ。

807A Lch・F特1 807A Rch・F特1 周波数特性。入力部に1μFを足した無帰還時と、同負帰還時。

なお、U-808の2次積分補償は付けっぱなし(除去がメンド臭い)です。

807A Lch・F特2 807A Rch・F特2 上記負帰還時の周波数特性と、1μFを除去し、0.1μFの入力部状態に1000pFの高域微分補償を加えた周波数特性。

807A Lch・F特3 807A Rch・F特3 レベル違いの周波数特性。入力部は0.1μF、高域微分補償付きの負帰還時です。

低域は入力部の帯域制限で、高レベルでの磁気飽和が隠蔽された態。

8W時の高域は、Ib+Ic2の増加で100kHzで打ち止め。その時Ib+Ic2≒100mAに至り過酷なテスト、Ic2も1kHzで5mA台→100kHz時8.6mAに。Pc2in≒3Wか。両帯域端の負荷線は中域より「立ってる」と妄想します。

Volユニット+常用ピンコード使用時。Vol.0db → ‐6db絞りで高域‐3db落ちは、Lch:63kHz→56kHz、Rch:64kHz→57kHzに。

まあ・・・良くは無いが酷くも無い。U-808なりの中庸なF特です。入力部の低域制限は過剰だったかも知れませんが、ガタイに似合わず低域がソコソコのU-808に、10Hz以下を通さぬ方が良かろうと。

使用したU-808は、2個とも事前実験サンプルとは違う個体(中古)です。カキ集めた死蔵未チェック品なので、テストの意図もありましたが、やや個体差が気になります。ところ〜で、合わせカバー面に「12345」「B SG B」ラベル貼りTYPEは、平田電機U-808では新しい方なの?。

本件で、都合・・・4個のU-808を調べたのですが、100kHz付近の凸は「個性」だと考えるようになりました。ただし、6CA10での使用例では異なるので、まだ“印象”としての認識に過ぎません。

定番3周波数の方形波応答。波形が派手な方のLchを掲げます。

100Hz/8Ω 1kHz/8Ω 10kHz/8Ω 10kHz/負荷開放

8Ωとの並列は省略して、純容量負荷時の10kHz方形波応答を。以下、同上。

10kHz/0.047μF 10kHz/0.1μF 10kHz/0.22μF 10kHz/0.47μF

低帰還ですし、ややキツ目(と思うが)の補償措置で、リンギングは安定?してます。なお、大人しい方のRchが特段綺麗なわけでもなく、似たようなモノ。しかし、100kHz近辺の凸凹は、ありていな補償方法では取りきれません。後に試してみたい手管がありますけど、いつやるの?、直ぐは無理ッ。

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807A Lch歪み率 807A Rch歪み率 負帰還時の歪み率特性。オーディオアナライザ・MAK-6630の各種フィルタ機能OFF時、500kHz・BW測定です。

同80kHz・LPF入りのグラフをここに、そっと掲げます。いささか胡散クサい気がしないでもない・・・

807A Lch無帰還歪み率 807A Rch無帰還歪み率 無帰還時歪み率特性。同じく500kHz・BW測定です。

6dbの負帰還量にしては歪み率が案外?な気分でして、調べ直し。で、バラック実験サンプルのUY-807Aに及ばない数値だったとゆー・・・

コレを見る限り6db分の効能はあったんだなと思います。なお、2次歪みの打ち消しは本件のテーマの一つですが、前段管の選別などの「追及」はしておりません。初段管の左右入れ替えなど簡単に出来るし、異なる結果が得られる可能性があるにしても・・・なんだか気が重くなりました。左右の特性差が有ろうとも、無作為の組み合わせで得られた一例だ・・・と、そのまんま受け入れます。

出力管がToshibaなんだからMastushita前段管はケシカラン・・・などとはさらさら思いません。ToshibaのX7・BH7Aを持ってたとしても。

本件で、都合・・・4個のU-808を調べたのですが、100Hzカーブの乖離は「個性」だと考えるようになりました。ただし、6CA10での使用例では異なるので、まだ“印象”としての認識に過ぎません。

807A Lch出力インピーダンス 807A Rch出力インピーダンス 出力インピーダンス。

例によって電流注入方です。注入アンプには“ 広帯域「風」バッファ ”を使用しました。

無帰還時の・・・はサボる。バラック実験時のデータで、差異を比較してもらいたいのです。中域DF値≒3ですので、元DF値≒1が、6dbの負帰還で矛盾の無い数値に上昇した事は確認できました。社会通念上?ではアンダー気味でしょうが、平気。前作前々作を思えば、十分“真っ当”な数値。

200kHz以上では出力端の積分補償によって、≒10Ωに固定されました。測定方法にチョンボは無いと安心したのです。

807A chセパレーション chセパレーション特性。

Noiseフロアが両chとも‐80db/V以下なので、0db=1Vrms条件です。残念ながら全帯域でモレが見えました。信号注入側出力管の陽極ラインには、未確認だが25Vrms内外の振幅が出てると思うとゾッとするのですが、誘導ハムの都合でPT・OPT配置を決めたのが絡んでる気はします。左右対称レイアウトが好まれる所以か?。

測定帯域端ではch間のF特格差が絡み、特にRch・160kHzはレスポンスを殆ど失っております。しかしLch には100〜125kHzに等しいモレ波形・電圧が現われておりまして・・・計算するとこんな按配に。

haniwa 疲れた・・・

各球の静止時電圧メモです。出力段だけ、8W出力時の電圧も。そして、両chはおろか、片ch最大出力時でもMS-140のAC0.14A超を危惧するが、後の祭り・・・放置する。実験段階で既に覚悟してたが、黙ってたのです。

Lch・12AX7Rch・12AX7
ヒーターC−H間電圧 6.18VヒーターC−H間電圧 6.2V
ヒーターD−H間電圧 6.18VヒーターD−H間電圧 6.23V
プレート電圧 301.2Vプレート電圧 305V
グリッド電圧 0.12mVグリッド電圧 0.13mV
カソード電圧 3.21Vカソード電圧 3.49V
Lch・12BH7ARch・12BH7A
ヒーターC−H間電圧 6.26VヒーターC−H間電圧 6.2V
ヒーターD−H間電圧 6.11VヒーターD−H間電圧 6.23V
プレート電圧 201Vプレート電圧 201V
グリッド元電圧 ‐41Vグリッド元電圧 ‐40.5V
カソード電圧 ‐28.5Vカソード電圧 ‐28.2V
Lch・UY-807Aサンプル@Rch・UY-807AサンプルA
ヒーター電圧 6.17Vヒーター電圧 6.24V
プレート電圧 345 → 341Vプレート電圧 345 → 341.8V
SG電圧 352 → 349.5VSG電圧 352.4 → 350.3V
SG・100Ω両端電圧 0.167 → 045VSG・100Ω両端電圧 0.201 → 0.55V
グリッド電圧 −28.5 → −28.6Vグリッド電圧 −28.2 → −28.4V
カソード電圧 0.599 → 0.745Vカソード電圧 0.596 → 0.729V

・・・スライダックで“ AC100.○V ”供給を心がけましたが、あまり自信が無い。言い訳だらけだ。

基礎データは以上です。この後「飽きる」まで聴いて、ヨソゴトに目移りしなければ、代替管への差し替えなどオマケ実験を進める所存です。

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試聴

20151101〜

固定バイアスのアンプは、シングル・プッシュプル含めて久しぶりです。カソホロ直結も。そして、妙チキリンな“特色”を盛り込まないで、概ね旧来技法の範疇で拵えるのも。

絶対聴こえるッ・・・と覚悟してた、特にOFF時のNoiseは大丈夫、聴こえません。414-8Bウーハのコーン紙触診でも不明瞭。

別ページの「音楽体験、2015年版」では、寝かせてある死蔵CD?の“聴き返し”を目標に掲げております。しかし「買わンでも済む」よ〜な節約効果は無いなあ。スティーリー・ダンなどは、1993Live盤を「ピーター・アースキン(Dr)」参加の理由だけで買ったら・・・持っててロクに聴いてない3枚の代表作の聞き返しだけでは収まらなくなりました。

GREEN FLOWER STREET Aja The Nightfly

クリアーです。曖昧さの無い、思い切りのよさが感じられました。ディティールどうこうよりも、音や楽曲の骨格がガッチリしてるように聴こえます。気軽なドライブ音楽?では無かったのか。

左端が件のLive盤。ラジオ局音源らしいが、オーディエンス収録に毛が生えた?くらいのクオリティー。中央は、持ってた“銘盤・名録音盤?”だが、只のCDDAの一枚。右端は今頃買った“銘盤・名録音盤?”だが、これも只のCDDAです。なお、高品質フォーマットに興味が無い・・・多分聞き分け出来ん気がする・・・ので、全くこの分野を語れません。せいぜい右2作品は「おお、ハイレゾ売ってんだ。」くらいの薀蓄。

The Meters THE METERS 5cd Nocentelli live in SAN FRANCISCO

前作では「軽いけど快い・・・」ミーターズが、不思議に「強く」聴こえます。スカスカの音場に屹立する一つ一つの楽器音が太く逞しいのです。BASSやBDは薄い(そーゆー録音かと)ので、腹にはこないなあ。

5cd中の3枚目、通算6枚目となるアルバム「FIRE ON THE BAYOU」の同名曲も良い。ミーターズのGt、レオ・ノセンテリのソロLiveの方を先に聞いたが、コチラではジャムセッション風の長尺演奏が聴きモノ。通じて年代を重ねるごとに演奏・音楽スタイル、録音技術の進化が聞き取れて興味深いバンドです。でも代表曲は「Cissy Strut」。

Crossing NAFAS Music For Large & Small Ensenbles

ECM盤を3枚。

聞き慣れたOREGONは“やや”キツ目に響き、緊張感が増した感じ。繊細な4名の演奏は、いささか堅く力んでる?風。地を這うBASSは引き締まってて明確ですが、風圧はソコソコ。入力部の低域制限が効きすぎたか?。

Oud奏者ラビ・アブ=カリル作品から、Frame・DrumやDarabukkaのソロ/デュオが堪能できる1枚。音像を分離せず意図して重層した録音かと思うし、個々の打楽器を熟知もしていないから聞き分けは困難。でも手で打つ感触が伝わって・・・来そうなんだが。

地味で真面目なケニー・ホイーラー作品から、タイトル通りの大編成アンサンブルで、厚みは・・・案外希薄。そーゆー音創りかも知れぬ。アンサンブルのソロパートや、2枚目のDuo〜Trioトラックは明瞭で濃い印象。

もしかして、DF≒3が前作・前々作より「マトモ?」なだけの違いを聞き分けてるのかも知れません。だとしたら・・・情け無い事で。成功した・・・と思ってる低Noise化が、以上の音質感覚に貢献してると思いたいが、ど〜かな。

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オマケ実験.1・・・807A(UL)の高域ピーク抑制

20151119〜

あの100kHz付近の凸は気になりますし、方形波応答にもソレが原因らしいリンギングが出てます。低帰還なので大事には至っておりませんが、凸そのものが安定?していて、「何かやれンかな」妄想が・・・。

U-808単体測定 UL出力段のおさらい1 Lchの出力段をサンプルにして、見た事が無いSG端子電圧のF特を調べてみました。組み込んだままのU-808を単体測定。UY-807Aは抜いてますが、2次の0.1μF+10Ωは残ってます。

内部抵抗相当の4.7kΩ数値や、SG端子の開放電圧を測定する是非はあろうかと思いますけど、実態を良く解っていない。

2次出力は無ピークかと思いきや、出てましたな。調べたら平田電機時代のU-808資料でも“見つけづらい”程度の段差が読めましたが、それよりキツイぞ。

UL出力段測定 UL出力段のおさらい2 2次にあの凸出ました。90kHzの凹は殆ど変わらず、−9db内外の120kHz凸が−3db台に成長?してます。

SG側の変化は・・・予想外。何ででしょうか。

MJ誌で、森川忠勇氏がPP用出力トランスの「平衡性」を測定された記事の中に、SG端子のデータも含まれていることを覚えています。2次巻線側から信号注入されてましたね。

さて、UL接続時のスクリーングリッドの振る舞いは、考えるのが面倒臭い・・・。単なる勉強不足ですが、とりあえず今はSG端子電圧を「受け取る」入力電極として考えてみますと、興味深い状態に置かれていました。

単体時とUL動作時で差異はあるものの、SG電圧のF特と2次出力電圧のソレは“かなり”一致しておりません。SG側の方が若干のHigh上がり傾向を伴いながら、伸びてます。概ね40〜100kHzまでの帯域では中域のレスポンスを上回っているので、スクリーングリッド電極への「負帰還」作用は強まり、プレート出力に対しては減少方向に働きましょうが、それは軽微でした。

単体の90kHz付近をピークにSG側は急激な減衰を始め、130kHzまで連続した降下が見えました。この帯域の2次出力は、緩いピークを伴いレスポンスの低下が押し止められていて、130〜150kHzの範囲でSG出力との相対利得がほぼ一致しています。

UL接続でSG側電圧レスポンスの急激な低下は、負帰還作用の喪失なので、プレート側・・・そして2次出力の増大=凸に到ったのでは、と考えました。しかし、実際のUL動作時の曲線を眺めていると、それだけでは無い気もしてます。なんでしょうねえ。

古い作例から一つ。同じく、森川忠勇氏による「6550ULシングル・MJ1987年7月号」も、平田電機タンゴのFW-20S使用で似た事が起きてます。近年のWEB上では、「直結カソードフォロアードライブEL−34(UL)シングルアンプ」(真空管SEPPOTLアンプのぺージ)も同様かと。

「はじめに」で紹介した、武末先生の「KT-88/6GB8(UL)シングル・・・」にも似た凸見つけました。などと・・・決め付けてはイカンかな?。

UL接続ではありませんが、タンゴ高級OPTのSGタップ電圧を出力段の第一グリッドに全量帰還させた作例が「現代真空管アンプ25選・黒川達夫氏著」にございました。そして“どえりゃー”高域ピークが発生して、出力トランスの1次、P‐SGタップ間他のCR補償素子でソレを抑圧されてました。ピーク発生のメカニズムには触れておられませんが、処置の好例と考えます。やって見ましょう。

凸補償SG側 UY-807Aを抜いたU-808の単体測定です。SG側のF特を、2次出力に近似させられるかもと黒川氏をマネて、P-SG間に補償素子を加えます。

100〜220pFを与えただけでは、SG側F特の下降カーブは緩やかになってくれません。下降開始周波数が下がるばかりで、ついでに妙な凹出来た。330pF以上で良さそうな傾向が見えてきました。それにしても990pFは過剰かな。

凸補償2次側 上記処置の2次側F特です。

元々持ってた100k〜130kHz間のプチ凸は抑えられ、意外にも90kHz未満での副作用が少ない印象。

UL動作時凸補償 期待はあるがイマイチ確信が無いまま、再びUY-807A挿してUL接続動作させて調べた2次出力のF特です。150kHzに新たな段差が生まれましたが、660〜990pFでは効果アリと見ました。

いままでの測定は、こんな所に容量を挿入していたと気付きました。100Ωを跨がない測定は・・・サボる。

UL動作時990pF補償 今ン所、最も良く効いたと思われる990pF使用時の、SG側と2次側の電圧F特です。最適かどうかは、まだ・・・

単体測定カーブと、UL実動作との整合性を見つける事は難しい・・・ちゅうか、知見がありません。990pFの100kHz時のインピーダンスは約1.6kΩだから、三結近似にも思うが、到底それだけの要素を加味した所で・・・いや、もうナニが何だかさっぱり。

UL全段動作990pF補償 初段を含めた無帰還時と、元のループ帰還時です。

一見、綺麗サッパリと凸消えました。

ニ見・・・などとは言わないが、異なる周波数での緩い段差やら、いささか不自然な感じも

10kHz・8Ω負荷 10kHz・負荷開放 負帰還時の10kHz方形波応答です。

左の8Ω負荷時は綺麗になったが、右の負荷開放時はプチ改善程度・・・
リンギングの収束は速くなった。

0.1μF 0.22μF 0.47μF 負荷開放で純容量負荷。

0.047μF以下は大人しいが、リンギングの振幅デカくね?。

凸問題“だけ”なら効果ありと言えます。しかし、純容量負荷時の方形波応答に改善が乏しいのは・・・あの凸以外の発生メカニズムを孕んでいるでしょうけど、このアプローチでは的ハズレだったって事ね。そういや「無負荷」時のF特なんぞ調べてないモンね。

なお、OPT2次の積分補償と高域微分補償は変えていないので、案外悲惨な状態が生じてるのかもしれませんな。

ここまでの実験前に「LCRノッチフィルタ」の挿入で、あの凸抑制を考えていました。若干の予備テストまで進めた挙句・・・ナニ考えてたんだか。

ント・・(。´・_・`)ゞ・・・このテーマの追求は止めます。足したコンデンサも除去しました。音も聴きません。

SG端子にDS-5102Bのプローブが繋がっている作業のついでに調べた余計なデータですけど。

807A(UL)ebmax - ebmin 807A(UL)ec2max - ec2min 8W出力時のプレート電圧とSG電圧波形です。

ch2、ローズはec2maxと、ec2min。第二グリッドは480V超に晒されるので心配。ステム上面の引き出し線間の耐圧が気になってます。

初期に見た類似波形よりebmax値が高いのは電源電圧の微増もありますが、2次歪み打ち消し動作によるカットオフ側の動作領域拡張が行われたと考えます。クリップ前なのでebminは高め。

プローブの耐圧を超えたので、マネはオススメしません。おっと、807のEc2maxを無視してるので、エラそーに言えんけど・・・。

U-808のP−SG間に挿入したディップマイカには、カットオフ側で「 ebmax−ec2max=160V 」が加わっていたと判明しました。500V耐圧と信じてるので安心ですが、無負荷で妙な事やらかしたら安全とは言えなかったかも。

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オマケ実験.2・・・カソホロ直結の復習〜UY-807A三結

201805xx〜

ラ技2018年4月号掲載記事への問い合わせに、同6月号クロストーク欄における記事執筆者御自らのご回答を賜りました。ここで改めて謝意を表明いたします。そのご回答文面に・・・“また?”ってゆっちゃ気を悪くされるのは必至の疑問が湧きました。4月号でも感じたけど質問には加えなかった「些細」な事柄をネタに、本件を再開しましょう。キッカケが出来てヨカッタっす。

807(T)RCAに負荷線 807の三結出力段の検討です。Eb=350V、Ibo=60mA、RL=5kΩの動作条件を共通にすればバイアスもUL接続近似の約−28V。A1級領域でのebmin≒157Vと読め、低歪みドライブ想定時のebmax≒475V(推定)から・・・Pomax≒2.5Wに留まります。CR結合ドライブでは遊び電流過多でしょうから、Ibo<50mAが頃合いかと存じます。

+15Vまで特性曲線が描いてあるのでソコまで振ればebmin’≒52V。ebmax’は・・・遥かなる空白領域ですから困る。そこで禁断の「完全歪打ち消しドライブ」前提の、ebmax"≒650Vを妄想しますと・・・UL接続時に遜色ない9Wが得られる計算でございます。

+15Vまで振った時のコントロールグリッド電流瞬時値は32mAにも及びます。前述のラ技記事解説からの知見では(考えた事ナカッタ)カソホロ段、12BH7Aの2Unitパラが負担するのだと思うと・・・これはキツイぞ。なお、−28Vと仮定したバイアスに+15Vを上乗せした正ピーク43Vは、初段12AX7で大丈夫でしょう。負側の所要ドライブピークは、2次歪み打ち消し時の想像上で50〜60Vほどかと思うが・・・−80V内外まで振るってか?。

1/2・12BH7Aの推定負荷線 ラ技記事で得た新たな知見を、本実験のカソホロ管で推定しました。

う〜ん無理ではないけど、+15Vまで振った時点のebmin≒185V、カソード負荷抵抗33kΩには≒6.5mA、そして807(T)のグリッド電流32mAが加算された、計38.5mAが12BH7Aパラに流れましょう。その瞬間の12BH7A(1Unitあたり)の動作点・・・動作起点ではない・・・は、エライ所に。

以上は、あくまでも「その瞬間」を思い描いているので、「その実像」を捉えるのは面倒です。なお、電流計/DMMなどのDCAレンジでは平均値を指示しますから、尖頭値を妄想するには乱暴です。格安2chデジタルオシロでの測定を試みたいが、さて・・・。

12BH7A(GE)の特性曲線↑は目盛りが粗いので、カソホロ管カソード電圧=出力管バイアス電圧=−25Vを動作起点とした作図です。本機の動作状態を正しく模してはいません。実験機のカソホロには±200Vを与えており、カソードが「0V」となるプレート電圧200Vまではグリッド電流が流れないリクツなので、12BH7Aの片ユニット辺りのRL=66kΩ負荷線上で動作すると考えました。

+15Vまで振ったら、その瞬間のプレート電圧は185Vで、同時に807(T)のグリッド電流瞬時値32mAの半分が追加され・・・19mA超のトコロまで行くのですねえ。この“描き方”ではカソホロ段でエラい歪みを発生する?・・・てな印象ですが。

脳内妄想はさて置き、以下の実験を試みました。

実験中画像 約3年挿してたUY-807Aではモッタイ無い気がして、初期実験で使用したUY-807(寡婦球)で。片chは出力管無し。

807も、本項主役のカソホロ管も目立たぬ地味な実験。画像を掲げる意味希薄・・・。

807(T)カソホロ実験回路1 ラ技記事関連の実験回路です。無帰還状態の片chを使い、カソホロ→出力段部を抜粋したもの。カソホロ管のプレート電源だけ菊水PMC350-0.2Aによる200V供給に変更したのは、350Vからの30kΩ経由では+ドライブ能力が削がれ、上記の想定条件から乖離すると思うのです。

カソホロ管のプレート電流とカソード電流、そして出力管のコントロールグリッド電流を監視します。しかしこれらはDC平均電流指示計器なので、前述の+ドライブ時の尖頭電流値は読めません。図中に無信号時/6.125W時の各部電流電圧値を書き込んでます。

書き忘れ・・・初段12AX7はIb≒0.7mAの、積極的2次歪打ち消し動作させてます。807のUL接続時より歪ませ方は少な目でした。

結論を急ぎたかったのは、カソホロ段33kΩ負荷に流れる電流値の変化です。1.5mAのグリッド電流は・・・33kΩ側には流れません。807のグリッドに流れる電流ですから当然と言っちゃそれまで。出力管のバイアス電圧は深め方向にシフトしましたが、カソホロ管のカソード側から見た内部インピーダンスによる「降下」だと解釈。以上、前述のラ技記事の記述に対する我田引水実験と思われたら悩む。なお、+15まで振れそうな気もしたのですが、出力波形を見て怖くなって・・・

採取した各部波形です。807(RCA)の三結特性曲線と一致しない結果は・・・個体差だ!・・・と言い繕います。東芝球だしね。

807(T)のG1とP対地電圧波形 6.125W出力時の出力管のコントロールグリッドと、プレート(=G2)の対地電圧波形。

グリッド電圧のVtop(2)値から+11Vまで振ってると見ましたが、波頭の抑圧は甚だしい。プレート電圧Vmin(1)が150V未満の区間でも見える波頭の抑圧は・・・ドライブ段の責任が主因かの様相。

Vtop(1)の620V点は・・・カットオフに至ってるのやら・・・不明瞭です。−80V近くまで振ってますが、12AX7の歪ませ方が足りんて?。

三結は楽かも知れんけど、スクリーングリッドにもこれだけの尖頭電圧が乗るっちゅう・・・解っててやってるんですが怖い気もします。グリッド電極より、マイカやステムなどの絶縁性大丈夫?てな。

807(T)のG1とK対地電圧波形 6.125W出力時の出力管のコントロールグリッドと、カソードの対地電圧波形。

プレート電圧のクリップ側波頭抑圧分を補うかのように、半波とも言えないグリッド電流波形が、カソード抵抗波形乗っかってると見たのですが、ど〜かな。故・藤井秀夫氏が、コントロールグリッド電流やスクリーングリッド電流を、プレート電流に加算合成した実験を試みられた理由が分かったよ〜な気分になりました。

カットオフ側区間はグリッド電流が無いので、プレート電流分だけで発生したカソード電圧波形のはず。そして、まだ807はカットオフしてません。わかっちゃいるけどIbo≒60mAは多過ぎる。同時に、動作点移動が少ないドライブ方法なのだとも言えます。

1個前とコレを共に「グリッド電圧波形」でトリガかけりゃ良かったなと悔やみます。そうすりゃ・・・プレート波形とコレのカソード波形が、時間軸で対照観察できたのに・・・。

プローブの耐圧を超えたので、マネはオススメしません。おっと、807のEc2maxを無視してるので、エラそーに言えんけど・・・。

807(T)のG1電流波形 同出力管のコントロールグリッドに挿入した100Ω両端の波形です。デジタルオシロのVmax(1)から・・・・・8.2mAのグリッド電流ピーク値と。なお、横河電流計の3mAレンジも約135Ωあって、実験回路ではグリッドまでに全2Vpeak近く降下してるリクツ。電流計の読み1.5mAとの積では0.35Vほどだが・・・

回路のGNDから浮いた観測なので、上記2枚のSAVE波形との時間軸を一致させられるトリガタイミングを得る手立てが思い付きません。「適切」な差動プローブってか?・・・。

「フローティング計測」なる用語と、関連オシロ/プローブ製品があるげなと。これならカソホロ段の上記ン箇所同時観測できるかなあ。持ってる格安デジタルオシロでも「1か所」づつだけならと見てみたけど危ない?。

なにを言いたい?・・・てな手順の実験でした。カソホロ直結ドライブのカソード負荷抵抗値は、ある程度の「定電流性」を維持できりゃヨシなのでは・・・と。ドライブ能力の強化「風」に思ってる(いた)チョーク負荷のカソードフォロワ方式は、CHの“低DCR”が大して意味合いを持たないと、考えなおしている次第なのです。おっと、供給する負電圧値を低くできる利点はあります。

切実なのは、カソホロ管の内部インピーダンスと、それに加わるプレート側の電源インピーダンスの方だと考えます。本実験の菊水PMC電源供給は、電源側の事情を無視できる状態に置く意図なのです。この点に気づかせてくれたのは、森川忠勇氏のVT-4Cシングル記事(1980年前後?)だったかと存じます。

歪みの打消し動作をしてるのでTHDくらいは見てますが、開示できる程の連続データは採ってません。1kHzにて0.14%/0.5W、1%/2.9W、4.7%/4.5Wくらいの調整状態でした・・・と、書いときます。

ちょっぴり触れた「G1電流加算云々」が気になってきました。新たなネタが増えるのは厄介だけど・・・いつかは手を染めることになりそう。困ったモンだ。

807(T)カソホロ実験回路2 カソホロ管のプレート電源側に、元の30kΩのデカップリング回路を挿入した実験です。電流計の挿入を省略しましたが、大勢への影響は・・・無視。

静止時のプレート電圧は+203Vでしたが、まあいいや。6.125W時では+169Vにも低下し、カソード電圧=出力管のバイアス電圧も−29.2Vに低下。出力管のIkは約60→70→65mAへと変化し、カットオフ側への動作点移動が計器の指示で読めます。波形は掲げないけど、若干の余裕も持ってカットオフには至らず、遊び電流過多設定が効いてるのだと思いたい。

出力波形も掲げないけど・・・完全にクリップしてるものの角が丸いからか、6%/6.125W(1kHz)ほどのTHDに留まりました。大甘判定で5Wを定格出力としたい。

この場でCH負荷のカソホロ直結ドライブを否定する意図はございません。2T81シングル実験で有用性を実感しており、ポジティブグリッド管のドライブなので負電源の省略が主目的です。そこで用いたCHの直流抵抗値が足らないので若干の固定抵抗を追加しておりますが、グリッド電流の経路ではないので出力段の動作を損ないません。かといって1kΩちょっとのRkに置き換えるのは、カソホロドライブ管の静止時電流が維持できてもAC的動作に負担が重すぎます。10kΩほどの固定抵抗ならカソホロ管6BM8(P)三結にも頃合いですが、−100〜−200Vの負電源が必須。ナシ(Rk片側接地)ですとカソホロのIbは絞り過ぎ状態でしょう。おお、ナニを言いたかったンだか・・・。

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UY-807Aに戻して、三結シングルVer.に。ちなみにUY-807寡婦球実験ではF特/THD他見てません。

カソホロ段の+200Vの30kΩ経由結果を見た後なので、情熱は冷めかけています。なお、全回路図の掲示はHPスペース節約のためサボりますが、利得低下の予感にて無帰還に。負帰還ラインの切断とともに、初段の下側Rk=100Ωを短絡します。

入出力特性 左右一緒くたグラフです。利得はLch≒20.2db、Rch≒20.3db。積極的2次歪み打消し動作による左右初段のIbは0.69/0.67mAでして、無帰還ながら良く揃ってることを自画自賛。しかし近年の仕上がり利得設定≒17dbに対し中途半端。3dbほどの負帰還のためにRNFを変更するメンドーを避けた手抜きがバレる。

左/右Noiseは、0.08/0.06mVrms(各種フィルタ無し・500kHzBW測定)。

クリップ判定は不明瞭で、観測者の主観が排除できません。アナライザのTHDモニタ波形に棘っぽいのが見え始めるのは、Lch≒3.8W、Rch≒3.5Wです。+ドライブ直後でもあり、人情的に辛過ぎ。

波頭が完全に「天井に当たる」8W超までは、丸まりながら先っぽはまだ微増してます。波形歪みは目に見えるが数%台のTHDを維持して、いや〜喜んで良いものやらど〜なのやら。807(T)寡婦球実験と同じく“大甘判定の5W”を定格出力にする。

書き忘れました。三結ではIb絞れ・・・ってなリクツなので、UL時や直前の実験で用いたIk≒60mA設定を55mAに変更してます。試行錯誤せずアテヅッポウで。なお、実験で調べ忘れた三結のSg電流は、無信号時の左右が1.3/1.6mA。6.125W時でも3mA内外でして損失的な無理はしてません。でも内部の絶縁耐性だけは相変わらず不安で、上下マイカの円弧上スリットによる沿面距離隔離加工って言うのか、そんな構造も無駄にしてますから。

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