25E5・OTL(1)

201012**〜


目次

25E5と50JY6 20120801〜***
構想***
キーパーツ 20140422〜***
妄想***
更なる妄想・・・***
ミイラケミコン&タマの試験 20151127〜***
妄想からの覚醒と***
電源部工作・実験 20160404〜***
出力段部工作・実験 20160520〜***
前段部工作と全段回路実験 20160621〜***

はじめに

20101016に当地マルツパーツ館で、JUNK扱いの「6B-B14」を3本買ったのがきっかけと言えます。未開示のEb<Ec2・SEPP実験の後、ある程度の数量を得た「12B-B14パラ・OTL」へと進む心積もりですが、その前に更なる経験を積むべきとも感じました。

本件は「初めての水平出力管」体験の意図もあります。OTL関連では、30Vレス管シリーズが終了したので、次はコレです。そして最終的にはPp>30W級の水平出力管に挑戦したい。で、最初に買ったその6B-B14は・・・どうしよ。

本頁後半から記述がクドくなってしまい、半ば迷宮化しております。危険な箇所は御座いませんが、お気をつけてお進み下さい。

2018某日追記:ぺるけさんのHPにて

「16A8(3結)全段差動PPおまけ・アンプ 」からの引用ですが。『本機のヒーター回路はトランスレス式であり、2014年現在の安全基準を満たしていません。その昔、ごく当たり前に行われていたトランスレス式のヒーター回路は現在では使うことができません・・・』との警告文を拝見しました。困った。悩ましい。今後ど〜する。本機は自己責任(好かぬ言葉だが)にて「目を離さぬよう」運用するつもりだが・・・。


25E5と50JY6

←25E5を、フォントカラー“#0025E5”で書いてみました

25E5と50JY6**** 6(12)B-B14のRoots管ですね。12GB3やら12GB7・・・果てはAudio用50HB26まで、国産の派生管はかなりの多種に及ぶ。最大定格に差はあるものの、OTL用途としての電気的特性は同等と見てます。受信管の歴史に詳しいココで学んだんですが。

25E5は相当くたびれた感じのも含む中古ばかりで心許ない。50JY6は新品かもと思わせる綺麗なのも手に入りました。保険的な意味です。

50JY6がG3分離のピン接続なのは承知してます。単なる差し替えへの工夫は出来るのですが、後の妄想絡みでヤタラ面倒臭い方法に至ります。

同時期、同規模の米国系6BQ6・6DQ6より電流特性(内部抵抗が・・・とは書かない)が優れていて、イイのです。Pp(T)≒13〜15Wの系統ですから6080の半分や6R-A3相当ですが、電流特性では負けても「タフで使いやすい」先入観を持ってます。数値出力を望まぬなら、水平出力管入門用にピッタリと思うのです。

これも同時期の国産派生球、12GB3・12GB7でも同様の実験は出来そうですが、H点火の容易さで25E5/50JY6の方が楽。まあ、電源トランスの都合ですけど。

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構想

2011年頃

今時、コレ2本で低負荷OTLをされる方を、まず存じ上げません。そんな訳で類似の作例と思しき情報は、まずは武末先生による大昔?の「12GB3x2・低負荷(16Ω)OTL」くらいかと。5Wを得るのに±250V程の電圧を加えてます。他に記憶してるのは、小松理一郎氏・・・ラジオ技術1968年2月号「読者の研究・50H-B26x2 簡易型OTLアンプの製作」だけ。参考にはさせていただきましたが、ソコまでいぢめる気はありません。

25E5・三結特性曲線 著名なラジオ技術全書002・002A「全日本真空管マニュアル」掲載のPhilips系多極管の3結特性曲線は綺麗すぎて・・・どうも胡散臭いものがあります。「PHIL・6CA7・3結」はその最たるモノで、幾人かの研究家が誌上・WEB上でご指摘されてます。なので?同全書の「PHIL・16A8・3結」「PHIL・25E5・3結」も同様に考えてます。左の図はAyumiさんトコから勝手に引っ張ってきました。電流電圧スケールがOTL設計向きなのが嬉しい。

Ebb≒300V、Eb≒150Vではibmax≒500mAと読めるので「運が良けりゃ」1W/8Ωなんですが、さて。Ibo≒50mAを想定すると、Ec1≒−20〜25Vですが、さて・・・。こんな大雑把でイイのやら・・・さて。

25E5・OTL前段 25E5・OTL出力段 武末先生が「不平衡結合」型と称するSEPP出力回路です。

前段は50BM8の差動2段増幅です。今風かと思いますが、今風なら「ポジネガ帰還」型の打ち消し・・・提唱者の宮崎良三郎氏は「平衡ドライブ」と呼称されてますが・・・でしょうか。それを敢えて旧来の「ブートストラップ」式を採用します。はっきり言って「好み」で決めてます。

思惑通りなら出力段の利得は−14〜−15dbでしょうから、前段で60dbほど見込めれば20db以上の負帰還は確保できると考えます。この回路で余裕があれば前掲の「12B-B14」や30W超級の水平出力管、さらにはμ≒2の「アレ」や「コレ」など全てに採用したい妄想意図あり舛。

SEPPの打ち消しについては、実は、故・藤井秀夫氏のラ技1995年2月号の記事解説を読むまで正しく理解しておりませんでした。「好み」と切って捨てましたが、高内部抵抗デバイスでドライブするからこそ「ブートストラップ」と言えるのですね。

根気があれば、3結ドライブ・・・これをポジネガ帰還と言ってはイカンかもしれませんが、近似動作になるらしいので試してみたい思惑があります。ループ帰還無しでの出力インピーダンス数値で、実態が垣間見えるかもしれません。

低負荷OTLで経験する(しました)あのキョーレツな3次歪みなんですが、波頭が尖る歪みならば「波頭が抑圧される3次歪みを含む」波形を入力したら?・・・などと、甘い妄想しています。差動増幅回路なら大概そんな歪み方でしょうし、ましてや肩特性がなだらかな50BM8(P)なら期待しちゃうってなモンです。

読めないのは・・・スクリーングリッド電流(以下Ic2)の振舞いです。大振幅領域ではIc2瞬時値の増加も予想されますが、カソード側で決められたテール電流から更に僮c2増加分が削られた僮bで・・・。たぶん「過剰に抑圧」される歪み方がイイ按配になるか、突っ込んで調べてみたい。それにつけても多極管差動のメンド臭さよ・・・?。

思い出し追記:妹尾哲夫氏の作例・報告は重要な参考文献であると書き忘れておりました。氏は、旧来の「カソード接地シングル増幅→カソード結合型位相反転」構成を「差動2段」に改められた理由として、低域時定数の削減・・・を挙げられておられます。そして、本件の実験を進めるごとにソレは実感できました。ただ。2段目がネイティブのままの多極管を用いられた理由は示されておりません。文面の中に、ある程度“以上”の負帰還量を念頭に置かれてるのかな、とも読みました。その点では本件と同じですが、それだけでもあるまい・・・と深読みしてしまいます。

パッシブDCサーボ 正しい呼称を存じ上げないのですが、「多重帰還型パッシブDCサーボ」などと聞く帰還回路を使ってみようかと思います。

半導体アンプではよく見かけるものの、タマアンプでは作例を見ません。しかし、黒田徹氏のラ技2006年11号にてOPT付きPPアンプのシュミレーション回路に入ってます。どうやら3個の低域時定数を持つ回路で生じやすい、ンHzのピークを抑制する目的らしいのです。本機は大雑把に言えば2個なんですが、ドコかに見過ごし時定数が(打ち消し回路などはどうなの?)あるかもしれません。30MP...程ではないが20db超の負帰還を掛けたいので、効かんかなあと。

おっと、重要な作例・・・ちゅうか、実験機の報告が御座いました。故・藤井秀夫氏のラ技1994年1月号「管球負帰還アンプの合理的設計方法とは(4)」では初段6C5のカソードに↑に似た回路を設けてます。曰く「負帰還による低域伸長を犠牲にして、低域での帰還量を増加し、ループ内部で起きる振幅膨張を抑制する」為だそうで、氏は“低域積分補正”と述べられてます。

前作OTLみたいな狭帯域化補償は、やってて気が重かったのですが、多少は緩く出来んかなあと甘い期待してます。例えば中間段のTL1≒0.1μF・100kΩなど、前作の1oct下げ程度でもね。

3行空けのために・・・こげなことを

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キーパーツ

OTLのお悩みは電源関係に集約されますので、手頃なトランスの入手が胆です。ブランド不明、定格規格も胡散臭いけれど、結構使えると思う電源トランスが空いてました。いつ、どこで何のために買ったんだろ?。

東栄との比較 東栄との比較 表? 裏?

PT_560-5039 電源トランスはJUNK出身で、どれが1次なのか明記の無いモノ。

「3A」表記の巻線が最内周に巻いてあるが・・・これが1次なら、次の層0-90-100-110-120Vは何Aだ?。次の外層は100V・0.8A表記。最外層は24V・1.5Aなのです。

東栄・J505(50V/5A)に似たサイズなので、我田引水・希望的妄想判断で300VAに耐える・・・と決めた。100V・0.8Aと24V・1.5Aで116VAを差し引いて、無記名?120V巻線で184VA取れると決めた。まあ・・・大体・・・1.5A巻線かなあ。

各巻線のDCRは、電流注入法で測定。LCRメータやら、とにかく「低」抵抗値用の測定器が無いのです。ただし、DCRが解ったところで、精密な設計計算する気もないし、無駄骨?。ちなみに重量は約4.5kg。

注:120Vの2巻線が、両方とも1次巻線?かも知れぬが、残りの2巻線の総合電力容量116VAでは「解せぬ」・・・と、モットモらしい理屈を付けときます。

25E5電源部 1次90V:2次120Vの倍電圧330V、最大出力でも300V以上を期待。24V1.5Aを遊ばせといたのは、電圧不足時に足す事を妄想したのです。

「不平衡結合」型SEPPなのは、巻線が1組しかないからです。あああ・・・同じPTがもう1個ありゃなあ・・・と。

ところで、フツーとは逆向きの回路図?・・・

OTL前作の・・・と言うほどの経験ではありませんが、Ebbの低下が最も懸念すべき要素とは承知しています。単に最大出力が低下するだけではなく、クロスオーバー歪みの塩梅にも直結します。前作では想定以上のEbb低下ではありましたが、比較的多めかもしれない、Ibo≒90mAの動作でした。これで相当救われたかもしれません。

今回は、どう考えてもIbo≒50〜60mAが上限かと思います。Ebbの低下で容易に動作点がカットオフになり得るわけです。はっきり言って机上計算に乗りにくい部分でもあります。なお、いかがわしい発想ですが、Ebbの低下に同期してバイアス電圧もコントロールできればなあ・・・とも。実態はコレをB電源巻線から得る回路なら、意図せずに若干効いてしまうのかな?とも妄想しました。

一時期あの武末先生も絶賛された「バイアスの安定化」ですが、いま考えますと“危ない”コトと分かります。3極管(3結管も)では、ACライン電圧変動によるEbb増加(減少)に伴って、Ec1も深く(浅く)なる方が望ましいと考えます。OTL向き低rp管なら、なおさら“要注意”かと。

電源のレギュレーションが酷ければ、1H400前に適度なブリーダーを流しておく手があります。上手く言えませんが、なぜか安定化電源を使う気にはなれませぬ。

リレーソケット キーパーツと言うほどの物ではありませんが、次に告白する妄想には必須の(と考える)
US8Pリレーソケット・OMRON「PF083A」、半田付けが不要なのです。

3行空けのために・・・こげなことを

キーパーツ・・・と言ってはイケない1970年前後の生産と思われる200μF500Vのケミコン多数あり。既に4本BASSAMPにも載せてるのですが、意外にもしぶとく生き残ってる感触です。まだ10数本あるので本機に使いたい。買わなくて済むから。

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・・・妄想・・・

前述の電源部を多用途向き、のちの「12B-B14」ネタと共用する構想です。30Vレス管シリーズに倣った考え方でもありますが、藤井秀夫氏もソレをおやりになってましたからねえ。

AC電源部 妄想意匠 木枠組み込みは異様かもしれませんが、実は同じ材料で同寸法の「アンプ部」を拵えようと考えております。2個積み重ねるイメージの、妄想その@です。前述のリレーソケット必須構造。

増幅回路部品は、全て天板上に「露出」配線を妄想。開放構造を選ぶキケンな思想そのものに危惧を感じます。

しかし、高々1〜2W/片chのアンプにこれは・・・と、思わなくも無い。

↑この時は汎用性を盛り込んで、〜12V7Aと〜50V5Aの東栄産業用トランスまで乗せました。こりゃ〜重すぎて、それらは後に撤去しました。

25E5と35FV5 35FV5 妄想そのA、35FV5への着せ替え。

OTLでは存じ上げない「着せ替えゴッコ」をします。同じUS8Pで「名が知られて無さそう」な選択です。

初期カラーTV用で電流特性は相当なもの。25E5と同じくPilips開発と聞き、いかにも25E5の強化版に見える。コレがPp=16Wとは・・・。

前段は0.3Aレス管の16A8。片ch合計102Vでピッタリ。別途トランスを要さない“辻褄合わせ”です。松下16A8の手持ち有るし。

PL136特性曲線 35FV5妄想特性 PL136(LA RADIOTECHNIQUE)のデータシートから、図の表記で
Va=Vg2=100V時のIg2値が解りませぬ。Ia+Ig2≒400mAと仮定し、
推定3結カーブを得ます。

Eb=Ec2(いつもの表記)=150Vでは700mA以上得られる事から、
2W/8Ωが期待出来ます。していいかな?。

ある所にはあるタマ。しかし高い。今回は幸運にもチョイ安値の店で購入・・・意味の無いボヤキでした。

25E5と16GB16 16GB16 妄想そのB、16G-B16への着せ替え。

同じくUS8Pで「名が知られて無さそう」な選択。

某氏の分類では、米国系CTV用6DQ5ベースの国産球とか。外観は確かに似てる様だが、省H電力・高gm化など独自の設計との評。
Pp=24Wの、やや大型管。

前段は0.6Aレス管の8B8。ステレオ分全管直列で96VならADJは簡単。これも辻褄合わせが上手くいった。しかし・・・タマの新調は痛い・・・なに考えてんだか。そして、買えるのが日立以外の8B8だったら、正直言ってthw不揃いの予感。11s管理がなされてる“だろう”レス管でも、他社同士の直列には躊躇。実験で按配を調べるしかないが、結局買わなきゃ進まんのです。なに考えちゃってるのか。

16GB16(T)妄想特性 16GB16(T)実測値 特性曲線は未入手。大丈夫かどうか不安だが、全日本真空管マニュアルの動作例(Eb=70V、Ec2=125V、Ec1=0V、Ib=430mA、Ic2=41mA)から推測しました。

之奴4本は実測済み。非安定化電源、4本直列AC点火ですから信頼性は?。Eb=Ec2=150Vでは約600mAなので、1.4W/8Ωか。35FV5より少出力だが、更にキツいEb>170V動作なども視野に入る。

大雑把ですが、推定性能は期待できそう。バイアス値からはμ>5の印象。各管のIb値ばらつきが、H電圧のばらつきに相関してる気がしてなりません。

ある所にしか無い(と思う)タマ。微妙な値付けだが「お試し」の4本購入。電流特性からすると、やっぱり微妙な買い物。

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更なる妄想・・・

しかし、諦めたネタ

懲りもせず、本件への適合管種(USオクタルで名が知られて無さそうな)の調査をしておりましたら、欧州工業用?出力管のグループにたどり着きました。

E235L_1 E235L_2 E235L_3 E235L。大昔のANZAI氏による標準pp作例を覚えてます。ボトムプレート形状はそっけないが、作り易そう。

トッププレートのE236Lも知ったが、どうやら之等の中身はEL36だろうと感じる。左の記述に“Na=20W”・・・プレート損失20W!なら買いだ〜と思ったが、他の特性曲線頁では12Wの制限曲線が添えられている。20Wは誤植かな?。

国内流通数は少なく、高価。

E130L_1 E130L_2 E130L_3 E130L。1990年代?に幾つかの作例が紹介されたが、OTLでは存じ上げません。

カラーTV初期の水平出力管を思わせるスペック、しかもGmがデカい。
三結カーブから、6080片側ほどの電流特性が解ります。μg1g2=6.5はドライブが楽そう。国内流通を多少見るが高い。

EL3010_1 EL3010_2 EL3010_3 EL3010。作例知らズ、ネタ本にアウトラインが記されてたくらいか。

最後期の水平出力管を思わせるスペック。更にGmがデカく、μg1g2=16は凄い。国内流通は極くわずかと思われ、とある店に聞いたがン万円だげな。退散した。

E235L、E130Lは6.3V管。EL3010は6.3/12.6V管です。E235L以外のヒーター・カソード間耐圧は一般受信管並みで、本機への応用には一工夫要る模様。ま、総じて高いから二の足踏んだのです。モノ珍しさで・・・踏み外す一歩手前で我に返ったちゅうか・・・。

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ミイラケミコン&タマの試験

20151127〜

キーパーツと言ってはイケないが、試したら望外の結果なので採用決定。この頃から本件作製の作業が開始しました。

古(いにしえ)のケミコン総ざらえ投入します。詳細は書けませんが、1970年前後のミイラケミコン。これがゾンビケミコン程度に“蠢いて”くれれば儲けモン。アタリマエですが、自己責任でやります。信頼性の保証など出来ません。

電圧処理&モレ電流測定回路 そのための我が家のしきたりが電圧処理。菊水PMC350...の上限、350Vまでですがモレ電流の測定。目安はテキトーだが20μA未満を復活候補と見ます。

底のゴム封止部中央に「盛り上がったヒビ」入りの“危ない”ケミコンでも、モレ10μA台の個体が多いのです。そしてそれらは、PC-510測定の静電容量測定で表記の+10〜+30%と矍鑠としたモノ。

インピーダンス測定回路 ゾンビ200μFのインピーダンス実測例 ESR測定器は無いので、安易な電流注入方で調べられるか試しましたら、多分ソレと見なせそうな20kHz時のインピーダンスは、0.5〜1Ωに収まってます。

ミイラケミコンの500V200μF、全15本中、14本がゾンビ化復活?。

←良好なゾンビサンプル例。使えなくは無いと思うのだが・・・。

ゾンビ470μFのインピーダンス実測例 REW180μFのインピーダンス実測例 左は同じくミイラ200V470μF。倍電圧整流部に使う予定の3本とも20kHz・0.2Ω台なので、ゾンビ化とした一例。予備1個は寂しいが。

右、我が家では最も“若い”と思われる「日ケミ・RWE550V180μF」君、二人にも協力を願い、0.2Ω台なのでやっぱし若い。

再び立ち上がったゾンビと、横たわったままのミイラ 立ち上がったゾンビと、横たわったままのミイラ。←この一本は・・・150V時0.5mA台のモレと、1kHz以上で20Ω台のESR?でした。

なお、静止したDC電圧印加には耐えたが、470μFが電源部平滑で予想されるリプル電流(・・・何mArmsなのか?)や、200μF×多数パラがSEPP出力段の信号経路として両ch同時での最大1Arms(35FV5の妄想2W/8Ω×2)に耐えるかど〜かは見てないのです。

危ない決断、選択を承知の愚行です。運用中は絶対目を離さない覚悟で臨みます。ナニかあったら・・・爆発だけは御免蒙りたいが・・・ケミコンを頑丈なケースで囲うのが良いのか、いっそ後方にだけ“抜ける空間”構造を設けるなどの「過酷事故」への対応を考えねばなりませぬ。おお、ケミコン底には「ベント?」らしき仕組みもあるので、原発並みの扱い?。残念ながら漏洩するかも知れない“化学物質・悪臭”に対する遮蔽手段は・・・無い。

“大爆発”に伴うと考えている電流値以下でヒューズが切れてくれりゃあ良いのだが、・・・甘いか。

16GB16試験中 先行して試験した16G-B16です。“全非安定化”電源で調べた結果は掲載済み。

2球のSEPPですから、よほどのハズレ球でない限り大丈夫とは思いますが、特に25E5は使い古した年季物ばかりです。近年、タマの事前試験は定番で、まだるっこしくてしょうがないのですが、芸風になってしまった。

25E5試験中 25E5試験回路 全部菊水PMCシリーズを用いたテストをします。16G-B16試験で気になった、H電圧とエミッションの関係も調べたくなってので・・・厄介だ。

25E5/50JY6のエミッションの判定は、Eb=50V時のIb>90mAが目安と考えました。

25E5の4球直列点火時では、PMC250...の容量不足で全球同時のエミッションテストが出来ません。実態は測定球だけEb=Ec2=50〜150Vを与えて、他球はH点火のみ。G1の100kΩは実態でのグリッド抵抗を模した意図で、両端電圧を見てグリッド電流の判定をします。

各6本づつの25E5と、50JY6のテスト結果です。

25E5/50JY6結果 残念ながら25E5サンプルA・Dは、いささかエミ減と見ました。しかし“使えなくはない”レベルかも知れません。

残念ながら50JY6サンプルA・Fは桁違いのコントロールグリッド電流が流れてます。こりゃイクラなんでも“使えん”だろ?と。なおBピンG3はカソードに接続。

各6本中、使えるタマが2組づつってのは幸運?

単管点火と直列点火の差は見えますが、この程度ならとやかく云うほどでもないと思います。ただし、松下球以外が混じったらど〜なるかは、やって見ンと。 松下球のアタマには筋ありが全て?と思ったましたが、25E5サンプルA・C・Dにはありませんな。で、ベース部に管名他のプリント。他の3本が、筋アタマの管壁プリントタイプ。後者が新しいタイプの気がします。だから何なのさ・・・かな。ちなみに50JY6は全て筋アタマの管壁プリントです。だから何なんだ〜って?。

実は25E5サンプルEのIhが気になります。静止時のエミッション云々にはさほど影響が見られない感じですが、直列した各球の点火直後〜静定までの間に過剰なH電圧の偏りが生じないのでしょうか。

25E5のヒーター起動1 25E5のヒーター起動1 確かめてみたが、こんな方法しか思い付かず、4本直列の内2本しか同時に見られません。

半信半疑のまま調べたE・Fサンプルでは・・・72Vppと84Vpp。安易に「2√2」で除しますと、25.4Vrms及び29.7Vrms!に。なにやら胡散臭い数値ですが、Eサンプルのバラつきが他球のH電圧を高くしてる様は見えたのです。

ローズ色のch2がFサンプルで、約2秒後の上記最大値。そして10秒後あたりまで過電圧に晒されてる様子。見なきゃ放置するんだが、見ちゃったからなあ・・・。なお、ch2(ローズ色)の垂直位置を1divずらしたのは、Vppがスケールアウトして演算値が得られず***表示。V軸感度を下げると誤差が拡大するのです。Eサンプルのch1は、上側包絡線が見えるから差が生じている事は明らかだと思います。

近年の電灯線電圧波形がアレなので、2√2で除するより高い実効値かも。なお、あまり頻繁にON/OFFを繰り返したくないし、“非安定化”電灯線電圧は出鱈目に変動しますから、数値の再現性は乏しい印象。でもEサンプルのVppは毎回少ない。

25E5のヒーター起動2 25E5のヒーター起動2 お試しで、格差緩和策を。手持ちのNTCサーミスタ、石塚22D-7を挿入してみました。

ちょッと効きまして、66.8Vpp及び77.6Vppに。しかし格差が圧縮された気はしないし、まだ過大電圧状態で根本解決ではないなあ。

外れ対策の言い訳だし気にしすぎかもしれませんが、25E5のH抵抗値は常温で12Ω内外。4本直列で50Ω未満なので、100V印加直後には2A以上流れる計算です。定格の6.6倍に達しますが、昭和のテレビではそれで運用されて来たンですよねえ。22Ω+22Ωのサーミスタ追加で1.1A未満に緩和できる計算です。しかし静定時の電圧は4Vほど削られました。1個辺り6.6Ω程にしか下がらず、サーミスタの発熱と環境温度の不足を感じます。

25E5のヒーター起動3 25E5のヒーター起動4 細ッかい事でしょうが、同様の過電圧に晒されるだろうB・Cサンプルも含め、微小だが分流抵抗をカマします。計算上では少々不足気味の抵抗値ですが。

B・C組とE・F組の格差が見えた。同時測定ではないので・・・ちゅうのンは言い訳がましいが、正直気になる。あ〜・・・また気になることが・・・。

冷却時のバラつき対策にはならんだろうと思ったら、なぜかちょっと効いた。当然ながら静定時のバラつきには効く。

余談ですが、高額デジタルオシロには複数入力chのGNDが、分離・絶縁されてる機種もあるげなね。そんなマシンぢゃ無くても、4本(出来りゃ8本)一緒くたに調べる方法無いモンでしょうか。サンプルが冷却時のヒーター抵抗値に戻るまで10分以上かかり、まどろっこしい。

25E5/50JY6ver.では前段管が別経路点火なので、直列されてるのは同型管種だけですが、後に試すつもりの35FV5ver.と16G-B16ver.では前段管も含めた直列点火を予定。う〜ん気になるが、着せ替え前のエミッションテスト他の際に調べましょう。

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妄想からの覚醒と

読み返して恥ずかしくなりました。木箱筐体は止めて、真っ当な?アルミ弁当箱シャーシに変えます。いやその、アンプ部だけですが。

なぜ電源トランスの収納を木箱に拘るのかうまく説明できません。多数タップがある汎用性を、ヒューズホルダで切り替えたいので、閉鎖筐体ではメンドウ臭いと言い訳しましょう。実験機クサさを臆面も無く晒したい「露悪癖」もあります。

覚醒意匠 実験機らしく?、安くてそっけないLEAD・S-1(W450×D300×H65)を、無塗装のままの手抜き案。電源木箱のWDサイズでもあり、積める。もしかして、K師の真似?。

これくらい広いと、ど〜にでも並べられますな。後ろにゾンビケミコンを大量に載せても充分なスペースがあり、タマの間隔を離せます。

K師みたいに、電源ケミコンを外部電源に別居?させるのが、なんかイヤ。信号経路と思えば同居が基本でしょ。

過酷事故への対策は・・・困った。底の“ベント?”モレは、S-1シャーシのまま底フタ無し、漏れるがままを許容して直下の部品や木箱電源部の天板で汚染を受ける覚悟。噴出するような(聞いた事ね〜けど)モレだったら、成す術も無い。

○○爆発したら・・・上に打ち上げられるのか、四方八方に飛散するのか・・・想像するだに恐ろしい。某セット内部で粉々に吹き飛んだ、小型ケミコンの残骸と惨状を見た事はあるのです。見た目平静のまンまお漏らしして、基板がきちゃなく、くちゃくなったのも厄介だったけど。

まだ妄想 実現可能な妄想です。差し替え妄想出力管三種のPIN接続が全て異なるので、同じUS8Pソケットでもソレは変えなければなりません。前述のリレーソケットPF083Aはネジ端子なので、カンタンとは言えないまでも半田付け作業は不要です。しかし下付けしたら・・・台無しだし、上に載せたら配線はシャーシ上下を貫通させて・・・おおぅ、メンドくせ〜。

フツーのUS8Pソケットでシャーシ内変更をやると・・・8P×4=32箇所・・・ではないが、20くらい?。この半田付け作業がメンド臭いし、間違えそうなのです。もう・・・言い訳ばっかだ。

例のアレなら若干楽そうだが、正直不安。そこで、V-FET...で試したAT-1W基板にソケット×2配置。そして、Mini...で試した管種ごとに・・・都合3種拵える案です。贅沢ですが、チョンボ回避にはヨカろ〜と。

←絵図では10箇所の接続点を描きましが、H2本、Ebb、GND、OUT、上下入力の2本、下バイアス・・・最小限なら全8箇所×2ch分です。う〜ん意外に減らない。バイアスADJ回路まで含めてますが、決定事項ではありません。

いっそ前段部も・・・と思わんでもないが、50BM8→16A8→8B8などの差し替えは、H配線だけの変更です。芸風の一貫性は無いけど、フツーのラグ端子配線ですな。

3行空けのために・・・こげなことを

ま〜だ妄想 手頃な(最高・最適ではない)マッチングトランス入手の所為で、湧き上がった新たな妄想です。330Ω負荷もやれそうなので、25E5(T)にはピッタリ。高RL動作だから、頑張っていただく目論見で、遊休24V巻線を足して・・・Ebb≒380Vを見込み三結10W級を期待。

そして、武末先生風「簡易標準多結SEPP」で20W級が狙える?、無理?・・・。

これではEb≧Ec2動作ですが、下Ec2をEbb≒300Vに、上Ec2を前段用400Vナニガシに繋げば例のアレ風に。高度なSEPP平衡性を求めるなら専用の設計をすべきですが、カンタンな実験くらいならすぐやれそうな妄想が。

3行空けのために・・・こげなことを

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電源部工作・実験

20160404〜

作りかけ“ホッタラかし”のAC電源部完成。空きスペースに何か盛りたい気分。

AC電源部前 AC電源部後 完成したAC電源部です。天板は付けますが、前も後ろもアッパッパで危ない事この上なし。中身にドライバなんぞを落としたら家のブレーカーが落ちるかも。いや、底中央の安全ブレーカー(6A)が落ちてくれる・・・と信じる。

後ろの接続端子選定にだけは「理性?」が残ってて、“♀”ソケットを使用。ACアウトレットはH用、11Pは整流電源用です。8Pは管種拡張ヒーター用で、本機は未使用。

重量低減と「取っ手」代わりに、両サイドに大穴明けました。重量は・・・あんまし変わらンかった。そして異物混入のリスクは増えた。

AC電源部回路 中身の回路図です。

ヒューズホルダで各種電圧の切り替えをします。AC24V・1.5A巻線を120V巻線に“乗せる”のではなく“敷く”工夫しました。

本件だけなら、ヒーター電源はAC100Vのみで済みますが、別途手掛ける妄想機ではAC110〜120Vを要します。ぼ〜っとしてマチガイやらかしそう。

3行空けのために・・・こげなことを

整流電源部負荷試験中 整流電源の擬似負荷試験中。

うず高く積み上げられた擬似負荷の手前、裏返しの基板が+400V前段用と−150Vのバイアス用の整流部。

シャーシの穴空け工作は・・・撮影忘れた。出来上がりが、このあと徐々に晒されます。

シャーシは無塗装のまま・・・ではチトまずいかなと、前作で残ったメタルプライマーを使用。無色だから無塗装に見える。

整流電源部擬似負荷試験回路 按配探りはぢまり。1次100Vの、2次120V巻線では足らず、2次110V+24Vでは過剰。
400V電源用もイマイチ過不足が・・・。

・・・・・・・・ン回目・・・・・・・・まだ定まらズ。

按配探り実験10番目。1次90Vタップに電灯線100Vを印加し、2次90V+24Vを試しました。
無信号時を想定した2Ibo≒100mA時では、+318Vと+450チョイに上昇します。

出力段を模した負荷電流270mAに大儀は無い。予想してる両ch最大出力時「300mA超」には満たないが、片chフルパワー+他ch無信号「200mAチョイ」の中間くらいかと。件のPTや、1H400の許容電流が気になって臆病になりました・・・。

主巻線電流波形 0.1Ω両端波形を見ました。実効値で1.2Armsほど。ゾンビ470μFには、一個辺り0.6Arms流れてると解釈しました。まだ妙な事は起きていないが・・・。

2次負荷電流値合計358mAとの比率は≒0.3・・・・。“非安定化”電灯線電圧を「大体100V」にADJしながら、「表記値」で求めた擬似負荷抵抗値を元に算出した電流値ですから、大雑把な目安です。この負荷状態で、件のPTは人肌になった。(室温≒26℃)

3行空けのために・・・こげなことを

前段用400V安定化電源です。無負荷元電圧が500Vにも至るので、450V級のケミコンが使えないのです。ましてや・・・手持ち420V100μFを“打ち消し”用に使おうってな意図なので、超えない工夫の為です。400Vの静寂性能は二の次。

安定化電源部装着前 安定化電源部装着後 ゾンビケミコンの底が並ぶ裏側。
左隅奥が倍電圧整流部。

左側の基板が+400Vと−150V整流電源部。空きスペースは後ほど・・・。

右の基板が毎度のツェナだらけ安定化電源。間の放熱器にMOS素子貼り付け。空のケミコンバンドは後ほど・・・。

3行空けのために・・・こげなことを

しばし、本件にも絡む“よそごと”やってました。

予備実験中は妙に涼しかったのですが、いよいよ初夏の雰囲気になり・・・シャーシ実装後の下記回路で発熱に悩む。

安定化電源部回路 400V安定化電源の元電圧は出力段電源に乗っているので、無信号時想定の軽負荷時に450Vを超えます。前段回路の負荷電流は変わらないので、MOS損失は4W近くにも及び・・・
コリャ熱い。ツェナ周り全体でも5W近く食ってて、これも熱い。

まだまだ暑くなるこれから・・・怖くなってきました。ど〜しよ〜か・・・。

絵面が右往左往してスミマセン

AC電源部のタップ選択と、安定化回路定数見直し。

AC電源部のタップ選択の変更 安定化電源部回路・改 出力段電圧低下覚悟で按配探り実験8番目に変更し、MOSの損失は最大2Wほどに低減。

最大出力想定の擬似負荷時にMOS分担電圧は相当減りますが、何とか10V少々は確保してます。電灯線電圧の低下でリプルの漏れは・・・覚悟しつつ回避を祈る。

絵面が右往左往してスミマセン

安定化電源部基板・改 ツェナ周りも、基板上の配置と数値変更・・・、まあ、1W程度の総合損失低減ですが。
ついでにイマドキ3W抵抗に定格Upしました。

+120V・−15Vのツェナがケミコンバンド領域にも侵食。SP端子周りが窮屈になって・・・前作の二の舞になりそう。

回りクドい手順と記述でした。積み上げ式電源は、他に手が無いときだけの変則手法だなと痛感・・・m(_ _;)m・・・

400V電源ON 400V電源OFF 習い性になったON/OFFタイミングの測定。
この按配に深い意味は無い。

無信号相当の軽擬似負荷付きでOnしました。実態はタマのthw≒11s間は殆ど無負荷なので、max値は前述の470V台になろうかと。カーブも段差が生じるものと想像。

ところ〜で、切れ方の2段傾斜が・・・ワカラヌ。

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ヒーター点火部 ヒーター点火部回路 オマジナイ程度のNTCサーミスタが並びます。
マチガエそうな気もするH配線用タップが8組。着せ替えゴッコ止めりゃこんな仕掛けは要らんのに・・・。

25E5Ver.では前段球と出力管ごとに22Ω品で挟みます。端のCRは、中性点の接地経路に。

「25E5のヒーター起動3」で試みた出力管個別のH電圧ADJ分流抵抗は後ほど・・・。

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以上で電源部の基礎が出来上がりました。細部は“また”変わるかも知れません。

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出力段部工作・実験

20160520〜

「妄想からの覚醒と」で述べましたが、Sunhayato・AT-1W基板1枚あたり片ch分の出力段をあてがいます。で、今頃気付いたのですが、
菊水PMCシリーズの各種で動作点検できると思いつきました。

記述が煩雑・冗長になってしまいましたので、ここだけの小見出し目次をご用意しましたが・・・余計なお世話?・・・

電流ラッシュに遭遇
本筋の「F特・Zo」
本筋の「歪み率」
電流ラッシュのおさらい
EFペアのテスト
「あのバイアス回路」への未練・・・

25E5/50JY6Ver.出力段基板 出力基板試験 25E5/50JY6Ver.基板です。作りかけの方には、未だに拘る“Ebb分圧型バイアス回路”を載せてみようと・・・。

右は新作冶具と菊水PMCシリーズで試験中の様子。+300V給電ラインに22Ωと800μF×4のRCフィルタを挿入、実機の電源平滑部より豪華?。

バイアスADJが“下向き”なので、無理な転倒姿勢を試す。撮影後は・・・シャーシマウントでのテストに移行しようか悩む。

3行空けのために・・・こげなことを

出力段基板テスト 445冶具の20Vrms超なら案外最大出力も調べられそうですが、主眼はハム探しと出力インピーダンス測定です。全PMCシリーズ電源ならNoハムでしょうが、HをAC点火したら?。・・・などと回りクドい事をまた・・・。

出力コンデンサの容量選択テストも。ま〜・・・820μFに決めてるのですが、SEPPの出力インピーダンスが“想像上”のrp/2=150Ω内外なら、10μFで出力部TL2≒100Hz。100μFなら10Hzだろうと考えます。その確認も。

いっそこの回路で完成させてもイイかな?と妄想してしまいました。

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これはオマケ・・・と言うか、この実験初ッ端に気付いた懸念事象について。

まだドライブ冶具と負荷は未接続、出力段基板の上下入力端と出力端は開放状態。PMC350...から基板へ直接給電で調べ始めました。直流的な動作確認です。Ebb=300V、Ibo≒50mA、SEPP中点電圧≒150V、上Ec1≒21.5V、下Ec1≒21.3Vを得ました。

出力段の実験回路では3種のPMC...電源で、H50V・下球のバイアス元=−150V・Ebb=300Vを独立して供給しますが、その印加タイミングは、Hとバイアスをどっちからでもいいけど先に。それらが静定してからEbbを徐々に加えるですが、目論みの動作状態を見届けた後、Ebbを遮断。しばし後にイキナリ300Vを与えると、挿入してた300mAレンジの横河2051計器が100mA超えに振れてから、50mAに。

・・・う〜ん・・・

下側球は、先行してるバイアス印加でのEbb待ちの状態ですが、上側球は・・・ゼロバイアスからの起動?なんでしょうね。下Eb分圧式(と勝手に名付けてる)バイアス回路にはソレ相応のCR充電時間もありますから、即座には規定のバイアス電圧が発生しません。

Ebb印加直後のラッシュ・100μF 下側カソード抵抗の電圧推移を調べました。1Ωですからラッシュ電流は130mAに至ります。25E5のIkmaxは150mA(連続定格と解釈)ですから、直ちにど〜かなッちゃうとは思えませんが。

分圧回路のCR時定数は・・・大雑把に2秒内外と思いますので、その3倍以上の時間は静定しない状態が見えました。

SEPP中点の電圧推移も見たいけど、DS5102Bでは...あああ4chデジタルオシロが要るッ・・・。

Ebb印加直後のラッシュ・47μF Ebb印加直後のラッシュ・22μF Ebb印加直後のラッシュ・10μF

上側100μFを、47μF→22μF→10μFの減量して同じテストしました。10μFでラッシュ消失・・・、安易な容量数値選択のツケが来た気分。

固定バイアス回路共通のリスクの一つでしょう。2B33シングルでも見たのに・・・。タマの定格・耐久性との兼ね合いも判断(妥協?)せねばなりませんが、ココの時定数はむやみにデカくすンなって事です。したけりゃ相応の配慮が要るので、もっとヤヤこやしくなります。

Ebb=300Vの供給元、PMC350...自体の出力は“瞬時”に出てないのかも。最終形態の整流・平滑電源でも似た按配か、多少なりとも遅れ目だったら緩和されそうな期待です。25E5自身のthw≒11sも絡むので、後ほどあらためて確かめましょう。本筋のテストを急ぎたい・・・。

Ebbラインに22Ω→800μF×4の模擬平滑回路を挿入して調べたら・・・今度はPMC350...のCCモードで、Ebbの起動に5秒。これでは実態は掴めません。100μFに戻したラッシュ電流も60mA程度さ・・・。

ボヤキですが、何時の日にか手掛けたい妄想OTLネタ球の6○△□や6C33C-Bなど、プリヒート時間が必要な奴で悩みそうな事象なのです。あああ・・・上バイアス電圧を、Ebbに先立って確立させられる・・・専用バイアス電源(巻線ってことか)が要るのか〜・・・。

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早々と“脱線”して先が思いやられます。ここからが本筋のテスト。減らした上側バイアスの10μFは元の100μFに。

SEPPドライブ冶具内蔵の4μF結合コンデンサは過剰で、出力段基板と同時の300V投入は危険です。4μF充電電流がバイアス電圧を浅くするので、過大電流がしばらく流れました。まだるッこしいが、供給元のPMC350...は+100V内外から入れて、徐々に上げるっちゅう・・・。

ドライブ冶具入力→BCペアの8Ω負荷への利得は−17.6db(A≒0.13)。ちなみに負荷開放では+13.3db(A≒4.6)で、30db以上の利得上昇には恐怖を覚えます。先走りの考察ですが、図らずともON/OFF法の出力インピーダンス計算が出来ます。Zo≒277Ω?・・・えらく高いぞ。

全PMC電源供給で、8Ω負荷へのNoisは0.045mV(500kHz・BW測定) 。ヒーターのみスライダック供給AC点火でも、0.048mVは予想外の成績で“またチョンボ?”と。試しに100kΩ//1μFを介してBC球の中間線を接地しても片線でも大差無し。EFペアも同様だったら最高だが・・・。

DC点火に戻して、出力段のみ非安定化外部電源から給電。リプルはもとより、電灯線電圧の揺らぎが目立ち、数値記録に躊躇するが・・・0.2mV〜1mV超か。三結だし、出力コンデンサが750μF使用時なので、電灯線の揺らぎはスル〜っとダダ漏れの印象。

25E5・BCテスト・F特1 BCペアの8Ω負荷時F特。全PMC電源供給に戻しています。

出力コンデンサは、10μF・100μFも試しました。その低域特性からもZo≒277Ωは頷けます。

既に決めちゃってる820μF(実測750μFだが・・・)でしたら充分と存じます。

高域はドライブ冶具単体の思ふ策無しF特に似た傾向が見られましたので、750μF使用時にその思ふ策を再び試しました。SEPP冶具単体で試した22pFでは不足でしたが、ADJして効果あります。

思ふ策無し500kHz 思ふ策入り500kHz どう考えたら良いのやら・・・。SEPP冶具の上下出力の不平衡が改善されたのは分かりますが、“思ふ策無し”波形の上側に見られた「鋸歯状波風」の歪み方が気になりました。OPアンプ工作で見た「スルーレイト制限」波形みたいだ・・・と。

思ふ策付きでも500kHz以上では同様の波形歪みが現われます。その上限が1〜2oct押し上げられただけの事なのか・・・。

出力波形の下半分は下側球が担当?している時間でしょうが、まだマトモな正弦波半波にみえます。上側球の担当時にナニが起きているのやら・・・D-S分割のSEPPドライブ冶具の上下出力インピーダンス差は絡むのか・・・もしかして“打ち消し”動作の?・・・。

「・・・」が増えてるのは、理解が及ばない時の癖ですな。どなたかヒントを〜・・・。

25E5・BCテスト・F特2 BCペアの8Ω/84Ω/330Ω負荷時F特。0db=1Vrms条件を同じにしたのは・・・適正なのかどうか自問中。

84Ω時の利得は+0.51db(A≒1.06)、Noisは0.13mV。330Ω時の利得は+8db(A≒2.51)、Noisは0.3mVでした。

出力C=10μFのトンデモ条件は低域の変化を見るためと言い訳しますが、出力管のrpが負荷抵抗値の差を圧縮してると考えます。高域では、出力管段にミラー効果が現れたと解釈。25E5(T)の電極容量が解りませんから検証は・・・出来ません。なお、SEPP冶具への“思ふ策”を除去したデータです。

周波数特性の測定で、こんなに楽しめるのは・・・偏ってる?。いろいろ興味深いデータが得られたのですから。実は、方形波応答も見たのですが、素っ気無い。純容量負荷試験も・・・Zo≒277Ω(と思ってる)と負荷容量による“積分波形”を眺めている気分。撮影・記録はせず、記憶に留める事に。

25E5・BCテスト・Zo BCペアの出力インピーダンスF特。ワザと10μFの出力コンデンサを使用して、10Hz以下を省略。

電流注入アンプからテスト基板に渡る抵抗値は、8Ωに拘らなくともカマワンと考えました。
100Ω/0.01Armsの1Vrmsならばと、横河回路計3201のAC3Vレンジで電流モニタしてます。

20Hz以下は、測定電流モニタの“1Vrms”が維持出来なかったので、再計算値・・・。胡散臭いが、10μFのインピーダンスを読んでいるよ〜なモン。

中域Zo≒280Ωを確認できました。

言わずもがな・・・このZo値は1/2・rpを示すものではありません。SEPPドライブ冶具側打ち消し回路の2.7kΩと、上側バイアス回路の47k+47k+モロモロ・・・の抵抗も並列されてます。計算メンドクサイが実質300Ωくらいかと。

このZo測定は、無帰還出力段だから・・・との判断で、測定電流注入の直列抵抗を100Ωにしました。負帰還アンプでは、規定の負荷抵抗値をあてがうのが本筋でしょう・・・などと弁明します。

ボヤキ:それもこれも、信号源のFG-274が7Vrms程度の上限なので、1Vrms/8Ω・・・0.125Armsなどの注入電流では、精々50Ω以下の範囲しか調べられませんから・・・。などと、これも弁明・言い訳か。そもそも?100Ω以上のZo測定って・・・語尾ほにゃらら・・・。

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25E5・BCテスト・8ΩTHD BCペアの8Ω負荷時、歪み率特性。

445冶具で最大出力まで調べられました。ACバランスは・・・出来なくは無いがメンドクサイので放置。小出力から3次歪みタップリなので最適点は見つけづらそう・・・と言い訳します。

無信号時のEbb=300Vで放置し、成り行き任せのデータです。0.66Wで波形上が先にクリップ開始。痩せた波形なので、負帰還などで肥えたら出力数値は多少増えると楽観。

22Ω経由とはいえEbbの低下(298V)が少ない電源事情なので、これでは実機の按配を模してるとは言えませんな。Ib値を同じ両対数目盛りにプロットしましたが、急増のイメージが掴み難い・・・約3倍増なのに。

SEPP冶具に“思ふ策”を足すと、10kHzの歪み率が他に接近します。F特上の効き目以外にも差が現われたのは興味深い。

25E5・BCテスト・0.00125W・0.08% 25E5・BCテスト・0.125W・1.65% 25E5・BCテスト・0.66W・6.7%

アナライザの測定範囲最少レベルでも明確な歪み。カットオフ近傍のPP動作だからか、BCペアの不一致さで生じた2次歪みが見えた印象。中レベル(0.125Wですけど・・・)では、既に盛大なる3次歪みで2次歪みが目立たなくなります。

クリップ直前の0.66W時ですが、クロスオーバー歪みも見えます。負け惜しみかも知れませんが、もっと酷いかも・・・と危惧していました。歪み率曲線の増加傾向に、クリップ前の“中折れ”が見られなかったので、この実験ではギリギリAB級動作を維持しているのかも知れません。

習慣を変えてDS5102Bで観測したのは、波形の演算数値から出力管のibmaxが推定できるかもと。そして2.3Vrms時のVpp≒7.08Vは、Ibmax≒0.44Aと考えます。電圧尖頭値で「正弦波相当」の出力をデッチ上げますと0.76W・・・おお、我田引水の屁理屈?。そしてクドイか?。目論見の0.5Aにあとちょっとですが、そのチョッと差の二乗が大きいなあ。

25E5・BCテスト・8ΩTHD-F BCペアの8Ω負荷時、歪み率の周波数特性特性。

750μF使用時に、SEPPドライブ冶具の“思ふ策”も試しまして、こりゃ冶具側の弱点が見えたのだ・・・と思い至りました。低域は実に平坦で、OPTアンプの弱点は「当然」ながらありません。

中途半端な容量では、低域端に向かうにつれてレスポンスの低下が見えます。それをイカガワしくも入力増で補っておりますから、歪みは増えるはずさ・・・の想像は、ちと外れました。最低域端ではそれが出てますが、途中では歪みが減るのです。

出力Cの10μFや100μFの低域インピーダンスが、出力段の負荷線を“寝かせてる?”とは思うのですが・・・これ以上の検討・考察は放棄。頭回らン。

実は、測定レベル基準には迷いまして、0.125W/1Vrmsも試してはいます。しかし、中域で既に1%超のレベルなので、帯域端の入力増に耐えられない・・・。一体ナニを知りたかったンだか・・・。

管球式低負荷OTLアンプでは、ぜひ掴んでおきたい「負荷抵抗値vs最大出力」特性。

25E5・BCテスト・負荷抵抗vs最大出力 痩せた無帰還波形では、実効値が目減りするので可哀想ですが、全PMC...給電ですとストレス無く調べられました。

250〜330Ωが最適値と出ましたが、SEPP冶具の2.7kΩ打ち消し回路抵抗でも消費してます。些細な差だが、6W級・・・と贔屓目解釈。グラフに描いておりませんが、4.16W/84Ω時の歪み率は5.15%、5.35W/330Ω時は3.7%でした。ACバランスを取ってないのですが、若干の改善は見込めそうな“見込み”・・・。

Ibmaxも描きました。最適RL付近で、約半減しました。高RL設計一本でしたら、ステレオ2ch・150mA程度の電源で済みそう。

25E5・BCテスト・各種負荷THD マッチングトランス想定のオマケ。1kHzのみ。

330Ω負荷時で想定されるibmax≒200mAに対し、Ibo=50mAは中庸なAB級動作だろうと思われます。ラフ計算では6.6W出るはずなのですが、構想で掲げた三結特性曲線に及ばない25E5ばかりなのでしゃあない。

8Ω負荷時でも最大出力時のEbb低下は2Vちょっと。おかげで動作基点移動が少ない様子を、歪み増加傾向の「横並び」に見て取れる気がします。甚だしい低負荷ミスマッチング条件でもクロスオーバー歪みが抑制されてる印象です。くどいけど・・・PMC350...出口に挿入した22Ωでは実機の按配を模したとは言えませんな。更に悪化すると覚悟せねば。

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起動時のIbラッシュおさらい・・・。いささか気が重いけど、一度でも見たからにゃ見届けて納得したい。

余熱時間の指定が無いフツーの傍熱管なら、10秒ほどのウチにバイアス電圧が確立しておれば平気なんですが、バイアス回路の設計次第では微妙な事に。安易にあてがい勝ちな100μFが、周辺抵抗値に対して過剰なのかも知れません。

25E5起動おさらい1 25E5停止おさらい1 電源部工作で拵えた+300Vと−150Vを供給。

そして東栄J-505のAC50VでHを同時点火しますが、着せ替え用?H点火部の10Ω・NTCサーミスタ×2を経由させました。SEPP出力部には、750μF(820μF品だが)→8Ω負荷を接続。SEPP入力部は開放です。

thw≒11sと知られるレス管なのに・・・この遅さはナニ?。NTCサーミスタの効果かと思いますが、効きすぎ?。

その所為か、先立って調べた起動ラッシュは見られませんから・・・本機では取り越し苦労でしたな。ただし、Ib変化推移は奇妙でナゾ解きは増える。あ〜楽しいやら、うっとおしいやら・・・。

750μFへの充電電流はどこの期間に含まれるのかは、下側球のカソード抵抗電圧監視では見えませぬ。上側+300V供給部に挿入した300mAレンジ計器では、H起動後に40mA→30mA→以後穏やかなIbo値静定への動きが見えましたから、最初の急増が出力Cへの充電期間だろうと考えます。そして、OFF後に生じた下側60mA未満のIbラッシュが、出力Cの放電電流だと考えますが、300mA計器も似た動き・・・。どうこう出来る変化ではなさそうですし、前段部分(打ち消しコンデンサも)無しなので、状況はまだ変わるでしょう。

回りくどいが、ここまでは“おさらいの掴み”です。これも芸風なのかもしれませんが、各部分単独で起きている事象を知っておきたいのです。イキナリ全回路を調べると、複雑すぎてアタマが混乱しちゃうのよ。

25E5起動おさらい ↑の実験にSEPPドライブ冶具を加えました。非安定化電源なので、表記電圧は目安に過ぎない・・・と言い訳しときます。

既に述べておりますが、冶具内蔵の4μFでは充電時間が長すぎで、その間出力管のバイアスを浅くします。そこで上下出力管G1の間には、実機を模した0.1μFを挿入します。

打ち消しコンデンサの充電電流は・・・上側バイアス電圧の確立を早めてくれそうな想像をしますが。

25E5起動おさらい2 25E5停止おさらい2 電流の起動は「丸み」を呈しました。

←では見えない(見えっこない)+300Vラインに挿入した300mAレンジ計器の振れも、右往左往せず滑らかに上昇していた・・・と、目撃証言します。

こりゃ本当に、打ち消しコンデンサの存在が絡んでいるのでしょうか。

25E5起動おさらい3 25E5停止おさらい3 実態無視の、打ち消しコンデンサの開放除去。

再びIdo起動に「角」が立ち、300mA計器の指針も右往左往。“25E5起動おさらい1”の再現に見えます。約0.1μFにした結合コンデンサの影響は軽微と考えました。

25E5起動おさらい4 25E5停止おさらい4 打ち消しCは元に戻して、330Ω負荷時。

OFF直後のIbo凸は変わらんので、出力Cの放電電流云々の憶測は外れ・・・ナニがこの凸を生むのか、ナゾである。。。

25E5起動おさらい5 25E5停止おさらい5 半ばヤケクソで、出力コンデンサ容量を100μFに。ぼ〜っとしてて、負荷330Ωのままでやっちゃった。

OFF後の凸は、もっと減ってくれる憶測が外れ・・・このテーマの謎解きは止める。

似た波形画像の羅列は、HPスペースの無駄遣い。言い訳ばっかですが、ON/OFF時のIb変化、特にラッシュ電流は嫌いなのです。しかし、改善が見込めなくても「この程度なら」と実測出来れば気持ちが治まる。都合の良い解釈を選ぶ心理傾向の自覚あります。

25E5起動おさらい6 25E5停止おさらい6 視点を変えてSEPP出力ラインのDC電圧推移を。750μF→8Ω負荷条件です。

ON直後からの約80Vステップは、SEPPドライブ冶具の2.7kΩ経由ではあるが、Ebb印加と同時に始まる打ち消しコンデンサの充電によるものでしょう。「30MP27・OTL」でも微小な電圧ステップがあったのです。

25E5起動おさらい7 25E5停止おさらい7 同じく出力ラインの“打ち消しコンデンサ無し”。実態にそぐわぬ条件。

出力ラインは「ゼロ」からの起動に様変わりしました。

25E5起動おさらい8 25E5停止おさらい8 8Ω負荷に現われる電圧変移。打ち消しコンデンサ付き。OFF時のch2はV軸感度を上げたのでドでかく見えるが、−77mV。

この実験で「ONの約0.45V」は聞こえそう。実機の+400V電源の遅延措置で、どの程度緩和できるか心配ではある。

25E5起動おさらい中 25E5起動おさらい中

脱着容易にしたつもりの出力段基板ですが、一度シャーシに組むと外すのが億劫になった。なんだそりゃ。

無駄骨かも知れぬ各種テストでした。心配するのが“可笑しくって涙が出そう”くらいの気分に落ち込む・・・。SEPP出力段周りには、充放電の挙動が解り辛いケミコン多過ぎッ。

クドクドと「ON/OFFタイミングのテスト」に拘るのは、この手の実測例を殆ど見ないから・・・と、弁明します。皆さんは“調べるけど、開示せず隠蔽”なさってるのか、それとも見てない?・・・おっと、これ以上はホニャララ・・・。

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25E5「EFペア」のテスト

ゼロバイアス時の電流がちょっとだけ大きいペアなので、ちょっとだけ出力増を期待。そして、E球のIh大目は・・・24.4V及び25.9Vの差を生じる。F球への2.2kΩADJで25Vと25.3Vに。なお合計値の矛盾にはお目こぼしを。重ねてBCペアのEh値未記録未開示も(5%未満だったことは記憶)ご容赦の程を。

25E5・EFテスト・8ΩTHD 先行して拵え、BCペアのテストで使用した出力段基板に挿してます。

BCペアデータ同様、全PMCシリーズの給電です。プチ期待に応え、クリップ前で0.72W/8Ωに。でもピーク電流値は0.46Aだったから0.5Aには到らず。欲かくとイカンが。

低レベルの歪みが少ない。EF球のペア性が良いのかもしれませんが、ACバランス放置のSEPPドライブ冶具と、タマタマ当たった気も。なお、10kHzでは“思ふ策”足して繕ってます。

ドライブ冶具入力→EFペアの8Ω負荷への利得は−17.8db(A≒0.128)。ちなみに負荷開放では+12.9db(A≒4.33)で、30db以上の利得上昇には・・・前文同様・・・。前文同様、ON/OFF法の出力インピーダンス計算で、Zo≒263Ω。

全PMC電源供給で、8Ω負荷へのNoisは0.03mV(500kHz・BW測定) 。ヒーターのみスライダック供給AC点火でも、0.05mV内外。100kΩ//1μFを介した接地は省略ッ。

DC点火に戻して、出力段のみ非安定化外部電源から給電。リプルはもとより・・・前文と同じ・・・0.2mV〜0.6mVはタマタマか・・・。

大雑把にF特のみチェックし、BCペアと同様。もし大差あったら・・・そりゃあ困るぞ。

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30Vレス管シリーズで試み、ど〜も負帰還安定性に劣る“Ebb分圧式上側バイアス回路”を再び。

ここまでの実験で使用した出力段基板や、前作も同じですが、下側Ebを分圧して上側球のバイアスを得る“良く普及してる”方法では、Ebb・・+B電源電圧の変動で上下出力管の電圧が1/2・Ebbを維持しなくなると武末先生の文献で既に解説されています。無信号時と最大出力時の陽極電流差が大きい低負荷OTLでは、容易に起き得る事態です。

眺めていた・・・だけだったと思い知らされた「ラ技全書012、14・1・3 出力管のバイアス回路」の(14・7)計算式は、どうやら結果を示しただけの感じ。この式が導き出された過程は省かれてますな。そのヘンはさて置き(置いとくンかい)、前提としては下側球のバイアス電圧が“Ebbの変動”を受けない点です。従って?かど〜か、上側バイアスだけがズレて・・・ちゅう按配は解るが。

25E5・BCテスト・Ebb低下1 まずは、旧来の下側Eb分圧式バイアスでEbb=300V→270Vの下降を試しました。先生の解説例に似た按配の上下不平衡が生じました。

前作のEbb低下は10V少々でしたが、上下電圧の関係は逆転してました。今更謎解きは御免蒙りたいが、下側バイアスも変動してるので今回の実験とは同列に考えにくい・・・と、ツッコミから逃げたい。

本機もバイアス電源を“PTの主巻線”から取ってるので、同等比率では無かろうとも、若干の影響は受けましょう。それは、上下電圧の不平衡を緩和してくれるだろう・・・と楽観します。出たとこ勝負ですが。

25E5・BCテスト・Ebb低下2 その基板と これならEbbの変化分が上バイアスに与える影響が「少ない」と考えたのです。代わりに・・・バイアス給電部を上側球のカソード(SEPP出力部分)へ交流的短絡を要し、無極性コンデンサが要るかも・・・。

ケミコン2個の無極性接続でもカマワン気はします。それでも300V超2個の嵩は、50V100μFの比ではない。画像は手持ち630V2.2μFに400V100μF×2を足したところで、全100μFには満たない。2.2μFを除いても載るかど〜か・・・。

↑↑と同様Ebb=300V→270Vの下降。SEPP上下の電圧不平衡は“皆無”ではないが減少、しかしIbは更に減少・・・上側球のバイアスが“過剰”に浅くならない代償かと。

Ebb分圧式上側バイアス回路 上側バイアス電圧給電点と上側球のカソードを交流的に短絡するコンデンサ(長ッたらしいが略称が思い付かぬ)は、まず2.2μFでF特を調べました。

レスポンスだけは似た按配だが、下降の傾斜と波形が異なりました。2.2μFに無極性接続の100μF×2個を並列加算して、調べ直してみました。

拙バイアス2.2μF・1Hz 1Hzの波形歪みを云々して良いのかどうかは解りませんが、旧来式のバイアス回路基板ではこんなンぢゃ無かった。件のコンデンサ2.2μF時です。

些細な違いですが、2.2μF時の方が1Hz付近のレスポンスが良い。しかし←この歪み方は何だ。そして、またタマタマなのか、下半波の「斜め欠け」歪みが目立つ。上側球が受け持つ上半波波形もエラい尖り様。

2Hzでは“上の尖り・下の斜め欠け”ともに緩和されます。1Hzでもレベル半減では“下の欠け”が緩和、しかし“上の尖り”は残留してて、まるでシングルアンプの2次歪み含みソックリ。もうSAVE・開示に疲れたので、空虚な観察記録文のみ・・・。

拙バイアス2.2+46μF・1Hz 件のコンデンサに50μF相当を追加時。SEPPの上側に対する効きだけかと思ってましたが、下側にも?・・・。SEPPの上下対称性は改善されます。SAVE・開示してませんが、旧来式バイアスの1Hz波形に近いのです。

低域端で不平衡を生む要素が多い回路ですから、差が見えて楽しい。

楽しい・・・のはイイけど、咀嚼不足。

上下バイアス回路の定数不一致は、ドライブ冶具のD-S出力の低域アンバランスにも絡むと思いますし、バイパス効果の不揃いが、上下の各出力管G1-K間に届く入力信号振幅・位相にも不揃いを生じる・・・てなイメージはあるのですが。

冶具出力と打ち消し部に法外な容量を与えていますから、見えたのだ・・・と言うべきでしょう。ただ、各部時定数の按配が不用意に近似しちゃった気もします。実機でこんなスタガ配置はやりませんから、もっと高い周波数から段間で落とします。

「○△□×バイアス回路」・・・などの命名をしたくもなるが、功罪がイマイチ不明なのでためらいがあります。まだしばらくは「Ebb分圧式バイアス回路」と書くつもりです。なお、旧来のバイアス回路は、その伝で書けば「下Eb分圧式バイアス回路」と・・・あ〜ヤヤコヤしい呼称だ。そして、低域端で起きる不平衡状態の実験・考察・捻くり回しは中断します。実態に対してあまりにも杜撰な実験だったと痛感してます。こんな機材・環境・そして先入観では、深入りすると墓穴を掘る。

困惑しつつ その「Ebb分圧式バイアス回路」そのものを諦めたのではありません、念のため。
言い訳がましいンですけど。

3行空けのために・・・こげなことを

その「Ebb分圧式...」の起動電流ラッシュはあるのでしょうか。いちいち細ッかい事ばっか気にしてたら何時まで経っても出来上がりませんけど、見届けないまま先に進むのもちょっとね・・・。菊水PMC...での通電を離れ、電源工作で拵えた整流電源と東栄J-505によるBCペアのAC点火を再び。

25E5起動おさらい9 25E5停止おさらい9 アソコのバイパスは2.2μF、SEPPドライブ冶具→0.1μF→出力段基板、出力750μF→8Ω負荷。

ch2は下側カソード1Ω端電圧を見ています。

旧来式バイアスの起動電流波形と大差は無く、上側球の陽極電流を監視する300mA計器指針の動きも大人しい。ただし、25E5のthw未満の期間に、何が起きているのかは・・・見えない。見る根性は・・・失せた。

25E5起動おさらい10 25E5停止おさらい10 条件は同上、ch2はSEPP出力線電圧を見ています。

これも旧来式バイアスの起動電流波形と大差は無いように見えます。しかし・・・↓の画像に続きまして。

25E5停止おさらい10の約20分後 停止おさらい10波形の続き。OFF後約20分後には、出力線電圧より先にEbbが低下して・・・こりゃあ打ち消しケミコンの逆電圧状態?。

容量の選定にも絡むでしょうが「Ebb分圧式...」では、SEPP出力線に繋がるコンデンサの放電経路が無い?。こりゃ困った。

****困ったモンだ****

25E5起動おさらい11 25E5停止おさらい11 条件は同上。
ch2は8Ω負荷電圧を見ています。

ON直後の一発目、thwタイミングの二発目ともに旧来式と・・・以下同文。

OFF時にch2V軸感度を“変え忘れた”ので、おさらい8波形とエラく違う印象にSAVEしてしまいましたが、実質同じ程度なのです。

以上のON/OFF繰り返しインターバルでは、タマの冷却を待ちながらテキトーな所でケミコンの充電を抜いてます。最後のおさらい14画像SAVE後はそれを放置して・・・約1H超後にEbbとSEPP出力線電圧監視のDMMを見ました。Ebb≒0.0ンV、SEPP出力線電圧は2.9V台。無謀だったかと後悔しますが、打ち消しの100μF×3にはそのまんま2.9Vの逆電圧が充電されておりました。打ち消し接続を開放して確認もしましたが、その後も出力線は2.8V台などの電圧を維持。どうやらSEPPドライブ冶具のゲートバイアス回路の抵抗(289kΩか)くらいしか、出力コンデンサ750μFの放電経路が無かったか。それも打ち消しCを逆充電する方向の・・・。

****困った****

****困った****・・・。ここまで調べた挙句「打ち消しコンデンサまでも無極性必須」ではねえ。打ちのめされた気分です。

いささか後ろ向きになりかけております。今回のような「人がやらない」回路は・・・多分大昔にも試されたが淘汰され、その痕跡が残されていないのだろう・・・と思い至ります。しかし、妙なトコロに意地が出るモンで、まだ諦めません。

よく訪問させていただくウェブサイトでご紹介した、「真空管SEPPOTLアンプのぺージ」の中で、“5.真空管アンプ実験室→《実験、その他の雑学》 の4.SEPPOTLアンプのバイアス電源”と進みますと、《 第2図の方法 》として、似た回路が掲げられております。異なるのは、トリマR2の@(Bかも知れません)がSEPP出力線に継がれていて、旧来式のバイアス回路と同じ風。ただし、武末先生他でも多用され“てはいない”R1の存在が気になりました。見た目では上側出力管のP-K間に並列されている「だけ」と感じますが、残念ながらクドいご説明が無いので、R1無しの旧来式と同じ事なのか、もしかして異なるのか解りません。

往生際の悪さは承知で、本実験で調べられると思います。Ebb分圧式...基板のアソコが殆ど1/2Ebbの電位なので、SEPP出力線に短絡すれば同じ回路が出来上がります。1/2Ebbと上側球のバイアス電圧を得る抵抗群は出力の一部を消費しますが、コンデンサで短絡されているだけの回路と・・・これも同じ事。その意味では打ち消し電圧を受ける、前段の2.7kΩの方が消費は多いのです。

25E5・BCテスト・Ebb低下3 アソコをあ〜したら、こ〜なった。見た限り旧来式のと変わりませんでした。

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3行空けのために・・・こげなことを

m(_ _)m・・・大風呂敷を畳む事に決めました。“諦めない・意地”は儚くも崩壊・・・。

3行空けのために・・・こげなことを

「旧来式のバイアス回路を採用する事を、ここに明言し進めてまいります。これは新しい判断に基づくものであります。」

などと、どこぞのどなた様みたいに。これは言い訳の応用に使えるなあ・・・。ほとぼりが冷めたらまた蒸し返すかも知れんけど。

ここから先、入ってはイカン アソコのバイパスは2.2μF+46μF
以下同上。

負帰還安定性を問う前に、広げた大風呂敷を畳みました。カッコつけた命名してなくて良かった。

心理的状態を描いてみたが・・・意味不明に。

サッパリした中身 なんでこんな色に 畳んだ後の中身と、消沈した意気の高揚になるかどうか、ここまでに出来上がったオモテの画像も。

25E5のプレートキャップ付近には、良く見る・・・いや必須と思われる“発振止めインダクタ”を省略して実験を進めました。今ン所発振には遭遇しておりません。そのうち必要となる場面になったら考えましょう。

3行空けのために・・・こげなことを

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前段部工作と全段回路実験

20160621〜

上手く行きゃ今後のOTL妄想機の定番回路にしたい思惑があります。その為のデータ取りを兼ねるので・・・記述が「出力段部工作・実験」より煩雑・冗長になります。再びここだけの小見出し目次をご用意しましす。・・・なんと言われよーが・・・

指針
50BM8のH規格測定
差動2段直結で右往左往
ナゾの「条件付き、無帰還時発振」
前段部の測定と道草 更に小見出し目次あり
負帰還安定性と帯域補償の妥協 更に小見出し目次あり
多重帰還型パッシブDC?サーボを試す→実験終了 更に小見出し無し?目次あり

指針

全部試行錯誤で拵えてる・・・と思われちゃあイヤなので、「負荷線引いてます」宣言。そして、ここから各種数値設計を・・・してません。実験偏重主義の身勝手さ・・・と自嘲します。

PCL82(Philips)3極部RL100kΩ 初段の動作条件作図。

直結される2段目のカソード電位を“上げたくない”ので、窮屈な按配。最大出力は10Vrms程度が得られりゃエエやろ・・・と楽観。

PCL82(Philips)5極部RL10kΩ 2段目の動作条件作図。Vg2(図の表記)=100Vを想定・意図しているのではありませんが、同50V時の図など知らンから。

胡散臭く400V点を外挿してるし、武末先生風の直流負荷線と交流負荷線を書き込む不慣れさはご容赦。そういやこの内容に、Ic2要素が含まれていないことにも気付き・・・思考停止。

出力段の設計ではないのですが“どこなのか解り辛い肩”からも外れた按配です。これをFullスイングする意味も無いでしょうね。逆説的に、更に低いVg2(図の表記)でも充分機能すると見ます。

6BM8系はガタイに見合わない大電流向きの特性を持ちながら、Ppは小さくIkmaxも50mAしかありません。Ep=Vg2=200Vのシングル標準動作例など、5.6kΩの負荷線上で読めるibmax≒70mAは、200mA近いと見る“緩いけど肩”のはるか下。Vg1は−6Vまでしか振れませんぞ。動作例数値表でも6.6Veff(rms?)で3.5Wと。まあ・・・良し悪しというより、得意ではなさそうなA1シングルの精一杯の流用例?。

大電流向き管種に有り勝ち?かど〜なのか、多極管なのにrpが低め。正確な打ち消し電圧の重畳を求めるには、いささか・・・。

データシート上の動作例などでも20kΩ前後なので、思惑以上に下球へ“漏れる”かもしれません。実際の動作条件はIbなどを絞るしEc2も低いので、もうチョッとは高いだろうとは思います。↑の特性曲線はEc2>100Vではないし大雑把は承知で、Ec1=−8Vと−10Vの曲線から・・・Eb=170V・Ib=13mA時にはrp≒40kΩ台だろうと推測(ラフ計算の果て)しました。根拠は無いけど、負荷抵抗値≒10kΩの10倍くらい欲しい気がします。で、カソード抵抗に470Ωの個別抵抗を用意して、電流帰還によるrp上昇を目論みますが・・・その余裕があるや否や。

余談はさておき、“差動の半分・・・”とは言ませんけど、既に実験済み。PMC350...電源なので↑の作図には沿っておりませんな。

前段回路つかみ実験 本番の差動増幅回路構成では、入力→片側出力は増幅度が半減(平衡出力に対しては同じ)すると思います。図の定数で+66dbがヤットコさなのは意外でして、目論みの負帰還量に対して微妙・・・。

カソードバイパスのバリエーション実験をサボってしまった。
差動で組んだ暁には、やるッ。

↑は五極部のスクリーングリッド電圧が低すぎで、最適ではない。Rsgの半減(5極部Ibは同値にADJ)で、無歪み最大出力電圧は60Vrms(50kΩ受け)を超え、μ≒2の“鈍いあのタマ”でも振れるだろうと確信できました。しかし利得は62〜63dbに留まり、ココが心配。

5極部rp増大を図る470Ωの電流帰還用Rkは・・・裸利得の余裕が思いのほか少ない為、断念。あと+3〜+6dbほど大きけりゃ試すところだったが。

前段部 前段部回路実験2 部品点数多すぎ。

本機ではスペースに余裕があっても、妄想段階のOTL機に治まるかどうかの“お試し”も兼ねて窮屈に。

ここのスペースも
窮屈だなあ・・・

抵抗の直並列を多用したのは、近年の小型高規格品でも発熱量が変わらない分高温になると危惧したのです。でもこれだけ密集させたら意味無いかも。回路図で「B1k1W」と書いたトリマですが、実験では0.75W品を“仮付け”しました。200mW食うところなので、いささか不安があり「北陸電気工業社製高電力形サーメット可変抵抗器・VG161シリーズ」を確保しました。しかしマウント方法が厄介なので、0.75W品で済むなら済ませたい。済まなかったら?・・・VG161の出番ですが。

多極管はスクリーン電圧次第で特性がコロコロ変わって最適値が掴み難い・・・、↑の電圧数値は妄想初期値で、この先コロコロ変わる覚悟ですが、5極部まわりだけの試行錯誤に留めたい願望は・・・ある。計画倒れの懸念もありますが、共通カソード抵抗の一部を5極部の電流帰還に振り分けてみる、または全抵抗のバイパスなど“妙な小細工”を試みたい。はい、計画倒れになりました・・・。

「構想」でも妄想?しておりましたが、5極部を三結にするとブートストラップの“つもり”が、打ち消し電圧の一部は下側球に届いて負帰還作用になるそうです。これも試したいが、またまた大風呂敷広げて・・・根性続くかな。

大風呂敷は置いといて、6BM8系の発振はコワい。内部シールドは5極部のカソードに繋がってるげなね。カソードが浮いた差動増幅なんかで若干の症例を知るけれど、ど〜も核心に至る記述が見つかりませぬ。ワイヤリングに絡む処置やら、ドコそこに入れたコンデンサで回避した・・・などは拝見したけど。

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50BM8のH規格測定

25E5/50JY6みたいに、電流ペア・・・を見つけるのが正直言って煩わしい。アタリマエだが3極部と切り離せないので、5極部だけIb見ても直結関係にある前段の3極部も揃わンと意味希薄。でわ3極部ペアを優先して・・・やっぱり相方が替えられませぬ・・・てな言い訳で省略。

3極部のDCバランスの方が重要かも知れません。2ッのEp不同が5極部の動作点不同に、文字通り直結します。5極部Ep差が10V未満なら・・・まあガマンする覚悟ですが、全てはタマ次第。3極部のカソード間にB200Ωトリマを“書き込んで”いますが、無くて済む事を祈る。

50BM8サンプル9本 思い出し・後出し情報で後ろめたいのですが「50BM8pp実験」では未開示の、9本組み合わせ実験データが残っておりました。本機に使う出自不明(JUNKだろ?)の東芝球です。

←その9本。文字向きが全て@Hピン側に向いてて、実に気分がよろしい。しかし「東芝Hi-Fi」プリント有無が混在。見た目綺麗だし未使用かもと思ふが、丸裸箱無し。大昔どこぞで2種のバルク品が混ざった後・・・流出したン?。

50BM8サンプル9本 これが当時のペア組み実験リスト。

何のこっちゃワカランような書き方ですが、「30」「31」とpUった2本からスタートして、残りの7本を「A〜G」と名付けたのです。これらを調べた実験回路がアレなので、本機の回路にも通用するかど〜かは・・・やっぱし試してみないと解りません。でも「A球」がいささか怪しかった事が思い出されます。

実験途中でも回路に手を加えたり、全組み合わせを試したつもりで・・・どこか抜けてるよ〜な胡散臭さプンプンの・・・。まあ、特定条件下での歪み率一本槍験査でしたし、そもそも三結PPですぞ。でも参考にする。

手間を省いた代わりに、Eh=50.0V時のIhくらいは見とくか。2球直列ですから、気になる差がありゃ分流抵抗でADJします。その目安にはなるでしょうけど、揃えたらペアになる訳・・・でもない。

50BM8×9の1 コレ見て・・・出自不明(だからJUNKなんだろ?)ながら良く揃ってる様子。まあ・・・「31」球と−2%超球の組以外なら特にADJ抵抗は不要と考えます。メデタシメデタシ・・・って、この後から見つかるだろう別要素の不同は覚悟せねば。

後悔・懺悔:If=0.100A固定で、Efのばらつきを調べるべきだったかも・・・。カミさま・・・罪をお許しください・・・。

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差動2段直結で右往左往

基本形と考える、差動2段増幅から調べます。とはいっても5極部の共通カソードに定電流回路は無く、約2.4kΩの固定抵抗ですからキビシイお方からは“準差動だ”と突っ込まれるだろうユルい回路。細かく言や、5極部の両カソードを短絡して、470Ωの電流負帰還を殺した実験で、もちろんバイパスコンデンサ無しね。

なお、50BM8×2は拵えた電源部のNTCサーミスタ経由で電灯線100V点火。25E5×2は・・・AC50Vの用意がメンドウなので、PMC160...のDC点火しました。

「50BM8pp実験」では“歪みだけは少なかった”「30/31組」でスタートしました。スライダック起動の途中から「大振幅の発振」に見舞われ・・・愕然。10V/divのスケールアウト・70kHz台・鋸歯状+サイン半波風波形の記憶、慌ててたので波形SAVE失念。入力端子開放だったから・・・と思ふ。常用ピンコード接続(末端開放でも)のみで抑制されたので、入力直後での小容量付加で回避できそう。発生原因は不明・・・宿題@。微小な(でも、ン10mVpp出る)間歇発振は残留しながら、とりあえず各部電圧が調べられる程度に落ち着きました。そして・・・3極部のEp不同(約66Vと68V台)が原因と思われる、5極部Ebの(勿論Ibも)酷い不同(約150Vと300V)を見るが、宿題A。Rsg初期値の100kΩが過大だろうEc2≒105V・・・実質Esg≒32.5V・・・宿題B。

50BM8×9の2 ↑故意に読みにくく書いて、読み飛ばしてもらおうっちゅう魂胆です。宿題BはRsg=100kΩに200kΩを並列し「25E5_Drive_Stage_exp1.GIF」近似に。宿題Aは9本の“原始的差し替え”選別にて、良さそうな組を見つけました。宿題@は・・・先送り。

←故意に読みにくく・・・した訳ぢゃねエんですが、理解不能の9本・36通りのペア組みテスト。昔のペア組み実験や、今回のH電流実測などが無意味と化す実態。

差動増幅回路はイイ事ばかりでもねえな・・・との偏見を訴えます。もちろん差動増幅が悪いのではなく、タマの個体差が原因です。相方球のサボリ(又はガンバリ)が、自球?に波及する様は原理的なものと解ってはいても、いささか厄介だなあ・・・と。5極管ではIsgの存在(バラつき)も事態をヤヤコしくしてる印象。2段目の共通カソード部は実質2.4kΩの固定抵抗ですから“縛りは緩い”と思うンですけどね。

差動2段の直結に対し、楽観が過ぎました。9本の組み合わせ中で見つけた「C/F」と「E/G」の5極部僞pは10.7Vと3.9V・・・。しかしこの数値は再現性が乏しいと、後に痛感します。今更の話だが、緩やかだが変動する指示値の「タマタマ良い数字の時」を記録してた記憶。僞pが10V以内は僮p<1mAと気付くのが・・・遅ェよ。

前段部回路実験3 今のところ3極部のカソードトリマ無しに拘ってます。(後述)

全段差動PPの世界では半ばタブーとされてる印象の「カソード分離・コンデンサ結合」を試しますと、「E/G」組の“なぜか悪化”してる僞p≒100Vが、同≒3Vに圧縮されました。最初に試して匙投げた「30/31」組も、僞p≒8Vに落ち着くので悩む。なお、G2の給電抵抗の共通状態は“まだ”いぢりたくない。Q社のアレみたいな手法をやったらど〜か・・・とも思いつくけど、頭ン中が整理出来ず訳解らんくなりそうです。

入出力の結合容量追加は後述・・・。

両カソード間のバイパス無しでは、5極部に個別Rkの電流負帰還がかかります。全段利得は−28dbほどの低下なので、多分5極部はA≒1.6(+4db)かと。カソード間バイパスのインピーダンスが上昇すると、こんな動作に近付くワケだ。

5極部のカソード抵抗分離に決めます。音がど〜こ〜言わないから。

3行空けのために・・・こげなことを

カソード抵抗の分離は“効く”けれど、本家ぺるけさんのご著書でも指摘されておりますように、両カソードを短絡するコンデンサが新たな時定数を生むのです。20db超の負帰還を目論む本機ではアタマが痛い案件ですな。予定の段間TL1≒16Hz、出力段TL2≒0.76Hzで充分なスタガ比は得られたと楽観しておりますが、TL1の前に一個追加される訳です。中間の時定数に選べば中庸な容量値でカンタンだが後で苦労しそう。TL1の上は・・・音声帯域を削るし、TL2の下だとさイが(名古屋弁出た)・・・1000μF級が要るか?。耐圧をキリ詰めても100Vはほしいが、2200μF×2個は嵩張る(某社一般品22mmφ・50mm)ぞ〜・・・てな悩み。

右往左往 入力部の0.1μFに10μFを並列し、回路出口の0.1μFには・・・1μF(しか手持ち無い)を足しました。加えて・・・もとい、アナライザの接続を除いて、10:1プローブの10MΩ受け測定に。これで、5極部カソード間の短絡コンデンサ容量の按配が低域レスポンスで見られる・・と考えましたのですよって。

外部実験ですが、10μFの100kΩ受け→1μFの10MΩプローブ受けで、回路前後の低域制限を模した実験を行いました。FG...の最下限0.1Hz時に−5.5db落ちなので、概ね入り口側の応答(0.16Hz−3db)が確認された・・・と、しんぢるのです。

前段部回路実験3低域おさらい 50μFのバイパスは、故意に容量不足を確かめたかったのです。1Hz時の容量リアクタンスと4.87kΩで構成されるカソード回路をデルタ・スター変換して、1.2kΩほど相当の個別カソード抵抗が挿入された・・・と見ました。ここでの電流負帰還は−14dbほどと計算され・・・ちと合わんぞ。数学嫌いが犯したチョンボか測定ミスか・・・その両方か。

500μFですと出力段TL2≒0.76Hzに近似し、まづいとちゃうかな。実装できそうな小型ケミコンの発掘に努める所存ですが、最終的には実験で試行錯誤することに決定・・・、「決めるべきときには決める」・・・などと強弁してみたいが。

両カソードの短絡では、前後の結合容量「以外」に低域制限を生む要素が無く、もちろん望ましいのですがねェ。あのDC不平衡分“だけ”を初段のどこかに負帰還できそ〜な気もするのですが、昔どなたかがOPアンプ併用で、似た意図の事されてた記憶あります。受動部品だけでは無理かな。

前段回路“のみ”の実験で記述を続けるつもりでしたが、なんだか心配です。ここらで出力段と組んだテストが要ると感じました。

段間に追加した1μFを除去し、TL1≒0.1μF・100kΩ(約16Hz)に。PMC160...を25E5×2点火にマワし、50BM8×は電灯線100V点火します。いつもの“掴み”レベルテストですが、8Ω負荷に無帰還時1kHzのA≒130(42.3db)を得て、Nois≒2〜3mV(500kHz・BW)はいささか情けないが、前段のAC点火判断は・・・?。そして、1.5Vrms/8Ω以上の振幅で、予期せぬ発振!?しよります。

おお、これが寄生発振・・・パラスティック何とやら・・・か。でもアナライザのOSC使用+アナライザへのInput計測が条件でして、FG-274からの信号では起きないのです。気持ち悪ウ・・・。

負帰還量ADJの2kΩトリマが約1kΩ未満の位置で発生する事を突き止め、原因不明・理由付け不能の結果オーライ策ですが、下側50BM8の3極部G1に挿入した1kΩ→2.2kΩで回避しました。策実施前に負帰還を試してる間は発生しなかったのです。う〜んナゾだ。どこかにマズい部品配置・配線があろうかとは思うものの、その場所が解りませんし、解っても部品位置の変更余地が殆どありませぬ。

先走りついでで、負帰還量ADJのmax時にはA≒6(15.6db)でしたから、26.7dbの負帰還が掛かりました。大袈裟な発振などは起きなかったのですが、Noisが0.1mV台〜1mVほどまで不規則に揺らぎ、低域発振気味を疑います。5極部カソード間バイパスは500μF状態でして、負帰還を20db程に減らしますと、Noisは0.4〜0.5mV付近で落ち着くのです。ついでだからと、負帰還max時の負荷開放も試しまして・・・覚悟していた発振。35Vrms・約1.3MHzでして、出力段の最大振幅ではなさそうです。詳細は改めてネチネチと述べますが、抑え込む事は可能でした。そして、高域発振の影に隠れてそうな・・・低域の発振兆候・・・揺らぎなどが見えず肩透かし。出力部のTL2が安全側に移動したのかも?と、喜んでイイところですが、まだ怖い。

5極部カソード間バイパスで生じる時定数は、信号方向順なら“TL1”と呼ぶべきかも。ならばここまで“TL1”を使ってた段間が・・・、そして出力部の“TL2”は・・・。メンドクサイから5極部カソード間のを、以後“TL0”と呼びます。カソード間を短絡できりゃ、この“TL0”が消えますので。

お試しF特 この段階で掲げる事の是非はあろうかと思いましたが、20db負帰還時・無補償のF特を“大雑把”に調べてみたのです。

高・低域端ともに問題を孕んでいる感触。これらは後にネチネチと“弄ぶ”所存で御座います。

歪みも調べましたが、20dbの負帰還ではソレナリで、詳細は後のお楽しみ。

3行空けのために・・・こげなことを

裏方の作業実態を、プチ告白。

5極部カソード間バイパスの更なる増量実験を経て、10000μF級が要るぞ・・・との感触を得ました。で、「実装は不可能」と判断したのです。そこで、Sub基板に準備はしておいたものの試していない「3極部のカソード間トリマ」を活かしますと・・・○△□$&#・・・。

中途半端な200Ωトリマながら、容易に5極部僞p<10Vが得られまして、利得の低下・・・これが使用に二の足を踏んでた理由でしたが、1db内外に留まりました。負帰還量トリマmaxでも残留Noisの揺らぎは大人しくなり、0.1〜0.2mVrms/8Ω(500kHzBW、ただし全球PMCシリーズのDC点火)が得られました。差異の多い30/31組でもトリマの偏りは甚だしくなく、外装の10目盛り線で言えば・・・センターから±2目盛りチョイほど。これならイケますぞ。なお、「真空管OTLに詳しい...」サイト管理者様の実験報告に、似たテーマがあり、参考にさせていただきました。ここに感謝の意を表すとともに、僞p<1Vなどの追求は無理・・・との達観に到った事を申し添えておきたいと存じます。

5極部の両カソード短絡に回帰します。前言撤回の謗りは・・・聞き流す所存で御座います。

「TLo」と名付けた新たな時定数名称を使う機会は・・・失せました。

3行空けのために・・・こげなことを

開示すべきか隠蔽しちゃおうか・・・いささか迷った挙句、“真摯に向かい合い、受け止めて参りたいと思っております”・・・と、差し障り無い表現を取り繕いながら、残る苦難の顛末を次に。

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ナゾの「条件付き、無帰還時発振」

ここしばらく、「MAK-6630使用条件付き、無帰還時発振」に首をヒネリ続けてまいりました。

不思議な事に負帰還時には発生せず、それは無帰還時の2〜3mVrms/8Ωのハムに紛れていたのです。ハム退治のつもりで50BM8×2をPMC250...のDC点火を試して気付きました。以下の記述とダブリますが、本機入力はアナライザのOSC出力には繋がず、入力短絡・無帰還時のNoisは0.7〜0.8mVrms(500kHzBW)に減りましたが、アナライザのOSCを繋ぐと(出力OFF設定)2mVrms台の指示値に。アナライザの80kHz・LPFで半減・・・。

MAK-6630の「OSC・OFF」は、出力端子内部で“開放”なのか“短絡”なのかは知る由もありません。旧作品の測定中で得た感触では残留雑音数値が落ち着くので、DCR≒0Ωとまでは言えずとも、ほぼ短絡状態に近いのかな・・・と想像しております。半導体MUTEなのかリレー?MUTEなのかも想像レベルの事。ただし、短絡MUTE?と仮定して・・・その奥の回路・部品との接続は?・・・ホニャララ・・・

作業部屋天井の照明(P社インバータ式?蛍光灯)が電気Noisを撒き散らしている事は承知しており、作品によっては無視できない数値性能に陥ります。本機も紛らわしい状態になるので、当然OFFします。その上で発覚して・・・まだ他に出してる奴らが居るんかいなとあちこちの機械を切って・・・まだ全部は切ってない中途半端してます。

ナゾの発振1 その発振波形。SS-7810でも似た波形・振幅・周波数が表示されます。オーディオアナライザ・MAK-6630のOSC出力(OFF設定)→本機→同入力・・・の接続で起きるのです。

この無帰還発振時に、下出力管のG1にも同様波形(振幅は大きい)が届いておりました。前段で発生していると“単純”に考えましたが、さて・・・

この時のMAK...レベル指示値は2mVrmsちょっと。マニュアルの端々に書いてある「500kHz BW」の意味って・・・。

ナゾの発振2 OSC・ON時、H軸設定は↑とは異なります。最小レベル設定の−85.9dbでも、本機無帰還出力には10ンmVrms/8Ω出てる理屈ですが・・・ワケ解らん。でも発振が重畳してると見えます。

特に意図せずOSCレベルを上げてみたら・・・−84.0db前に発振が消失し、滲みは残るものの確かな1kHz正弦波形(約20mVrms)が現われました。OSCレベルを最下限に戻しても発振は再発しません。そして、OSC・OFFで再発・・・も〜ワケ解らん。

これは初めて体験する事象ですな。最悪・・・MAK側の不調もアタマをよぎるが、類似旧作での再テストは発振せず、ホッとしつつも悩ましい。

なを、アナライザの出力/入力のどちらかだけでも外せば消失します。どうやら、MAK...と本機のループ状態が条件かとは感じています。勿論MAK...側の「INPUTブロックの接地スイッチ」はOFFです。そして、OSC・OUT→本機→INの“接地線だけ”接続でも発振するときゃするッ!。う〜むナニがど〜なってるのやら。

古いLeader社のLAG-120を接続した場合は、上記事象は発生しません。ただ・・・OSCの歪み率は0.02%・1kHz/10kHzで、100Hzでは0.1%台・・・、モノ足らぬ実力。

以上の事との関連を疑うのですが、曲がりなりにも20db超かけられる負帰還時の0.1〜0.4Vrms/8Ω辺りで、THD指示値が「0.0009?」などのトンデモ無い数字。そしてモニタ出力には、波形が出ませんな。なんだこりゃ。

ナゾの発振対策まとめ1 詳細は省略して、マガリナリにも効いたみたいな処置を掲げます。完治とも言えんし、無帰還なのになぜ効くのかは不明のまま。

他にも、400V前段電源の「外部供給・給電箇所の吟味」やら、見つけた怪しい半田付けの補修など・・・。いずれも決め手ではなかった。

出力管プレートに挿入したインダクタは、ヨソさまの作例を参考にした手巻きと、OTL前作で試したコア入り10μHの2種。いずれも「MAK...使用条件付き無帰還」の発振に効果なし。原因メカニズムに無関係だったと思い、止めました。

おおむね高域の減衰も伴う処置かと存知ます。ただし「計算に基づく高域ポール変更」などはやってません。本式に負帰還安定度を吟味する段階でやる事になろうかとは思いますが、今の段階では“別原因”が潜んでいるように感じています。そして・・・それを掴みきれてないのよ。

あちこち突付く、揺する、触る・・・むやみにやると感電しそうな部位も・・・などに鈍感です。まあ、突付いた時だけ波形は瞬くように変化し揺らぎますが、オシロ画面からはスケールアウトしないし、直ぐ収束して元の発振を維持します。掴んだ発振条件下で概ね再現できる印象もあり、本機以外のサンプル自作2機では発生しない事も確認した・・・のにもかかわらず、未だにMAK...との関連が払拭できません。別個体のMAK-6630でも試したい気分でもあり、そして松下VP-7720Aの不具合放置を悔やむ。

かなり落ち着いたかな・・・と思いきや、負帰還時のMAK-6630のTHD指示値変化、モニタ波形の揺らぎが多い日があります。そして、そんな時にはモニタ波形(歪み成分)に発振らしきモヤモヤが乗っています。Nois+歪み+発振の合成波形などから、発振成分だけを抽出・分析する知見/技術は持ち合わせませんから、ひたすら「発振が混ざらない」条件を闇雲に手探りしている体たらくです。

インチキ臭いが、LUXKITのM-5GL・低歪みOSCなどを持ち出そうかと思案中。久々に調べますと、1Vrms/100Hz時のTHD≒0.004%、同1kHzと10kHzでは0.002%なので、LAG-120よりかはマシかと。

インチキ臭かろ〜と決めます。MAK...のOSC部はケリ付くまで休止、M-5GLを使います。

3行空けのために・・・こげなことを

M-5GLお試しTHD MAK...のモニタ波形も安定。理由がワカランのは癪だが、ストレス無く進みます。なお、M-5GLの−40db・ATTで、Fineレベルminは6mVrms少々出てます。−∞ぢゃ無い事を失念してました。これもインチキっぽいが、間に10kΩ・Vol.ユニットを介してます。

無帰還時と、仕上がりA=7倍にした−24db負帰還時の併記。全Hは菊水PMC...シリーズのDC点火。

インチキついでで、MAK...入力前に0.22μFを挿入し≒0.7HzのHPF代わりに。Noisの揺らぎは気になってましたが、別系統の高圧電源冶具の同時運転でも揺らぎ成分が同期していましたから、電灯線由来と判断しました。

「不平衡結合」型SEPP出力段は電源の揺らぎに弱いのかも、と感じてます。「平衡結合」型・・・±電源の方・・・は、まだ試した事無いのですが、武末先生の全書012では電源品質の“リプル成分”について述べられており、「平衡接続」型が優位だそうです。“揺らぎ成分”に置き換えて解釈しても良いと思いました。

SEPP冶具+出力段ほど低Noisに出来ないので、0.02W未満の悪化は致し方ない。それ以上では、概ね出力段単体の性能が維持されていて安心すべきだが、50BM8(P)の差動増幅回路が発生するだろう逆位相3次歪み云々も殆ど関与していない。ちゅうか出力段の歪みがダダ漏れで「アンダー・コントロール」ではない。ただし健康への影響、風評被害はなかろう・・・?。

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前段部の測定と道草

ナゾの発振はさて置いたまま、再び前段回路部“だけ”の実験を蒸し返します。道草とも言うが・・・

ジブンで書いてて書いた場所が分からなくなったので、ジブンの為の“小見出し内小見出し目次”を設けました。こりゃあんまりだ・・・と思われるご訪問者様には→→→非常口・避難経路をご用意しました。

道草1. 前段回路のおさらい
道草2. 5極部Rsgを変えてみる
道草3. 5極部のカソードバイパスを考える
道草4. 5極部のSGバイパスを考える
道草5. 5極部の下側入力を接地してみる
道草6. 元に戻しながら
道草7. 段間のF特を調べる
道草8. 番外・5極部の三結を試す
道草9. 番外・打ち消し電圧の“分布”を調べる

前段回路のおさらい

Rsg≒66.7kΩ時 ここまでの実験で採用してきたRsg≒66.7kΩでの平衡出力電圧歪み率特性です。
負荷はMAK...各々の平衡入力端子Zin=100kΩ(と信じる)。入力→平衡出力へのA≒1700(64.6db)、Nois≒8.6mVrmsでしたがDC点火で無いと無理。

30/31組では対カソード電圧で68VほどのEsg。出力段は休止状態で、上下入力部を外し、MAK...のZin=100kΩが負荷。打ち消しCは−を接地。

最大出力電圧はMAK...の平衡入力上限を超え、上下単独波形測定・観測から120Vrmsまでクリップしない。歪み率も優秀・・・とまでは言えませんが、充分な低ひずみ・・・ん?・・・。

1kHz・32Vrms・0.125% 10kHz・32Vrms・0.081% 波形は、SS-7810オシロの「ADD機能」で描いた上下加算波形と、MAK...のモニタ出力波形を示します。

100Hz・32Vrms時の歪み方は1kHz近似、2次歪み混じりは予想外でした。そして10kHzは“妄想”していた歪み方で、更に良好。↑のカーブもそんな風だ。

・・・ん?。

「波頭が抑圧される」位相の3次歪みを生むと決め付けていた妄想が外れました。ネイティブの50BM8(P)がその傾向を後押ししてくれるかなと思ったけど、世の中・・・そんなに甘くない。

しかし10kHzの歪み方は「ソレ風」でして、クリップするまで更に明瞭な3次歪みが見えました。ただし・・・25E5(T)・SEPPの歪みを相殺出来るほど大きくも無い。世の中・・・そんなに甘くないなあ。

1kHz・32Vrms・0.095% 10kHz・32Vrms・0.091% 波形は、翌日SS-7810オシロの「ADD+INV機能」で描き直した上下加算波形と、MAK...のモニタ出力波形を示します。

紛らわしいが、前日の性能は維持していません。本日の初期数値は1kHz/10kHzが大体逆転しており、イカガワしくも各部トリマの再調をしてしまいました。

簡易安定化電源の“緩さ”で、電灯線電圧や周囲温度にもおおらかに変動します。初段差動の定電流回路も、2SK373GRのだろう温度特性に左右され・・・。そしてそれらの総合的?結果は対球との不同性(ペア性と言えよ)を、微妙にずらしてる印象。「Cascomp実験」で体験した程ではないが。

初段のDCバランスと、テール電流トリマのADJに「電圧の平衡度」は敏感です。言わずもがな、直結された5極部の動作点移動に「文字通り直結」しますので当然の事。そして初段・次段のどちらの・・・などと切り分けて考えることが出来ません。差動2段直結増幅回路を甘く見ていました。ただし・・・歪み率数値にはやや鈍感な感じもします。歪み成分にはちょっと効くかな。

平衡出力F特1 外付け100kΩに、プローブ容量22pF(だと信ぢる)の負荷状態のDS...測定と、外付け100kΩを外してMAK...の平衡接続(ケーブル容量≒200pF)が加わった2種併記。

高域特性の点検が主眼なので、前後の結合容量に追加は無し。

MAK...の高域レスポンスは500kHz−2.9dbでした。平衡出力電圧値直読(加算演算)が出来ないDS...なので、両chの個別rms演算値をExcel上で“足しただけ”のグラフです。片側電圧だけで描いてもカマワン気がしました・・・などと、妙な弁明だらけだ。

ほぼ10倍の差を宛がった負荷容量の違いほどの差は見えません。段間でのレスポンス低下が支配的なのだと思います。それは・・・この測定だけではなんとも・・・。前にどこかで「25E5(T)の電極容量がワカラン」・・・とボヤきましたが、解るのは“ビーム管として”のCin=17.5pF他(Philips・PL36)程度。8Ω負荷への利得が低いのですから、ミラー効果も大した事無いと妄想し、22pF<?≪200pFの間かな。予想範囲広すぎだが、↑2種曲線の間だと思やァ気が楽だ。

無理っぽい理由付けを一つ。50BM8(P)のrp≒∞なら、出力インピーダンスは≒10kΩ。222pFで構成される1次LPFの計算サイト結果は、71.7kHz−3db落ち。実測70kHz時の差は−2db程なので出力インピーダンスは8〜9kΩ程と妄想、rpも40〜50kΩと「指針」での妄想を補強・・・?。

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5極部Rsgを変えてみる

5極部のSG電圧・・・Ec2とも書いてきた・・・の按配探りがテキトーでした。初期値Rsg=100kΩのEsg<50Vでは50BM8(P)のバイアスがかなり浅かったので「Ec2低すぎ」と感じただけです。既に「非差動2段増幅」?実験で、Ec2を増しますと利得が下がる事を知り・・・これはIb値不変条件下の話でして、バイアスを深くする必要性と関連してる様子。総合利得が有り余るなら、5極部カソード各々に電流負帰還用抵抗をカマして、頃合の利得にADJ出来ましょうが、今回はそこまでの余裕は無いなあ。470Ω分を用意しといたのですが・・・。

Rsg=100kΩ時の各部電圧 4種Rsgの歪み率 左はデフォルトのRsg=100kΩ時の調整状態です。5極部Epはタマタマ?揃ったが、のんびりと変化しますので、常時監視・追っかけ・再調してません。おっと、ACバランスは・・・直前のADJ位置(左2目盛り)のままでした。

テキトーな抵抗値並列でRsgを変えます。足さない100kΩの他に、82.5kΩ、前述の66.7kΩ、及び50kΩ時の歪み率を1kHz時のみで併記しました。

大体ですが、各5極部Epを対地230V程度(片球Ib≒13mAを目安)に初段テール電流・バランスをADJしています。@10〜15mAの選択は出来るのですが、新たなパラメータ追加は・・・眩暈がするほど悩ましい気分。↑の結果もRsg変更に伴う「初段部ADJでも意図していない按配」が現われたに過ぎない気分。アレを再現せよ・・・と言われても困る気分。

Rsg=100kΩ時ではEsg<50Vでして、「指針」で掲げた100V時から2/3乗特性に則り・・・計算しません。AyumiさんのHPに、計算方法(又はヒント)書かれてましたっけ?。50kΩ時にはEsg≒98Vなので、「指針」で掲げた特性曲線に近付いたと思いますし、バイアスも−8.8V程でそんな風。しかし、20Vrms超えからは強勢な3次歪みが出て悪化。タマタマなのか、タマにもよるのかは未検証。

入力→平衡出力の利得は、Rsgの減少とともに65.8db、65.2db、64.6db、63.8dbへと減少。妄想他機にマッチするかどうかは・・・微妙です。20db超の負帰還量に拘るならギリギリかも。歪み率は、最悪Rsg=50kΩ時でも25E5・SEPP段にはモッタイナイほどで、「歪み方」が足りません。「目に見えるほどの有効な打ち消し」を狙うには、該当するレベルで「打ち消したい歪み率の半分以上」の“逆位相歪み”だけが要ると思います。・・・そんな事出来るンかなあ。

Rsg=50kΩ時の最大平衡出力もMAK...の入力上限を超え、不平衡電圧と波形観測上では・・・片側75Vrms位でも明確にはクリップしていない様子。上下に外付け100kΩ負荷を足して(出力管のRg≒50kΩ時を想定)も維持してます。ただし平衡100Vrms時の歪みは0.85%→1.1%に増え、利得は−0.6db減少します。

Ebb≒400Vは、本機出力段の所要入力電圧に対して過剰なのでしょう。かといって、極端に窮屈な動作条件下なら30Vrms/7%近く・・・は可能かもしれませんが・・・3次歪み以外も増えそう。負帰還アンプでは前段部の飽和レベル余裕が重要(TIMナンタラ?)とも聞きますし・・・。
てなワケで、甘い妄想は・・・苦々しく潰え去りました。

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5極部のカソードバイパスを考える

5極部カソード抵抗の分離実験では中途半端なバイパス容量では物足りぬ・・・と判断しましたが、共通カソード抵抗のバイパスならばインピーダンスが“中途半端”でも表向きの利得が変らんやろ?・・・と想像しました。中途半端な「差動増幅動作」は気持ち悪いが。

Rsg=50kΩ・Kバイパス時の各部電圧 50kΩ・Kバイパス時の歪み率 5極部の「カソード接地増幅回路」テスト。共通カソード抵抗を100μF×2でバイパスしてみました。1kHz時≒0.8Ωなので100Hzでもソコソコだが、10Hzや1Hzでは・・・。

Rsg=50kΩ時のADJ状態を使い回ししたのがど〜だったのか、自問自答の結果。日にちが違うってだけではないが電圧関係は維持されてないのです。

共通カソードのバイパス有無は総合利得に変化無く、目論みは成功。計算では10Hz時には約80Ωの共通カソードインピーダンス。同1Hzの約760Ωで行われる“差動風増幅動作”って無視できる?出来ない?・・・。良く解りませんので無視します。なお、今日はNoisが少なく、おしなべて低レベルの数値が良い。カソードバイパス時に歪みは増えたが、たった一組の実験ではなんとも・・・。

上下出力電圧の差も調べまして、興味深い事象に気付きました。差動増幅動作では、平衡出力電圧を調べているMAK...の下側接続を外しますと上側電圧がちょっぴり減ります。カソードをバイパスした時は変化しません。

MAK...のL/R入力端子は、選択操作で片側が“開放状態”になるのでは・・・と感じます。従って上下単独出力電圧を調べるに厄介で、電圧値監視はDS...のch1/ch2の常時接続のRMS演算値で確認しました。CIMG2776.JPG撮影前にいぢったACバランス状態は、上下単独出力電圧も揃えたいぢり方だったようで(覚えて無いンかい)、MAK...での平衡電圧値「10.00Vrms」時差動増幅動作での上下「5.05/5.07Vrms」でした。カソードをバイパスしますと「4.86/5.23Vrms」などと差が出ましたので、単独カソード接地増幅回路(共通Rsgの振る舞いは未検証)に“平衡作用”が無いのでしょう。。

そして、MAK...の下側接続を外しますと、差動増幅動作時「5.00/5.52Vrms」に。同じくカソードバイパス時「4.86/5.63Vrms」でした。些細な違いかも知れませんが、MAK...のZin=100kΩを失った下側電圧の増大が、差動増幅動作では上側に波及し、カソードバイパスではソレが起きないのだと解釈しました。本機の5極部には“緩い2.4kΩナニガシ”程度の共通カソード抵抗しか与えていませんが、ン00kΩ以上?ンMΩ台の「定電流回路」を宛がえば、差動対デバイス間での“電流束縛作用?”は更に強まり、負荷状態のアンバランスは相互に影響し合う印象です。だから何だってんだ〜・・・かな。

前段回路の入出力結合コンデンサ容量を再び増量して低域のF特を調べてみましたが、共通カソード抵抗のバイパス有無は違いを生みません。そこで視点を変え、共通カソードの電圧波形を観測してみました。回路の平衡出力100Vrms相当の大振幅ですが、これでなんとか見えた波形があるンで。

カソードの波形と比較するならG1波形だろ?・・・と、上側段間の波形をch1に。カソードがch2です。

差動1kHz 差動10Hz 差動1Hz

共通カソード抵抗2.435kΩの準差動?増幅動作時。カソード波形は妙チキリンだが、差動対の動作不同が現われたものと解釈します。共通カソードインピーダンスの中途半端さも絡むかと。差動対の完全一致と、共通カソードインピーダンスがン00kΩ以上MΩ台だったら、ここの波形は入力の2倍周波数が現われるのだと思ってます。

段間波形を見るのがはぢめて。直接MAK...のZin=100kΩなど接続するのは酷なので歪み率など調べてませんが、波形は綺麗で安心しました。ここまでの記述でも初段の歪み要素に触れておりませんが、引き続き「無視する」所存でございます。

共通カソードを200μFでバイパスしますと・・・。

Kバイパス1kHz Kバイパス10Hz Kバイパス1Hz

カソード波形電圧はバイパス効果に伴って変化します。ここでは掲げておりませんが、1kHz・50Vrmsの上側出力波形は2次歪みが強勢な印象で、1Hzで若干改善されたと見えました。“差動的動作”に移行しつつある様子なのでしょう。

共通カソード部のバイパスならば、極端な大容量でなくとも“厄介な時定数の発生”に至らないと想像しますが、動作形態はいかにも中途半端です。似たようなカソードバイパスしてる作例を存じ上げますが・・・これ以上はホニャララ・・・。なお、独立カソード抵抗の個別バイパスですと、低域での電流帰還作用で時定数が・・・ホニャララ・・・。何が言いたいのか・・・之も保ニャ羅裸・・・

「差動増幅回路」の勉強ならば、ペア性を厳選した3極管か半導体デバイスの方が理解がし易いかも知れません。50BM8(P)など多極管は、次で考察するスクリーングリッドの存在が実態をヤヤコしくしてる気がします。

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5極部のSGバイパスを考える

Ec2電圧値の観点だけで述べてきた「共通Rsg」の振る舞いを考えます。バイパスしていない事で何がど〜なってるのかを、です。

Rsgの下流は50BM8(P)の共通G2ですから、各球個別のic2波形の「差分」電圧波形が現われると考えます。入力信号の基本波成分は上下球のバラつきが希少なら、殆ど打ち消される理屈ですが、差が有れば若干の相殺残留が現われるでしょう。それが上下どちらか・・・かは解りませんが、G2への負帰還と対球G2への正帰還として作用し・・・何となくですが、平衡性に影響を及ぼすかと思います。

Kバイパス・共通G2 Kバイパス・共通G2 5極部の共通カソードをバイパスして調べた、Rsg=50kΩ(ずっと戻してない・・・)の共通G2側、対地電圧波形です。

ch1は引き続き上側段間波形を見ておりまして、ch2の波形は・・・どうやら基本波成分は殆ど相殺されて・・・この後のリクツが立てられません。2次歪み成分の打ち消し残り?・・・

←この時の上/下プレート電圧振幅は50.0/53.4Vrmsでして、カソード接地の平衡増幅回路ですから差は出てます。共通G2を22μFで接地バイパスしますと50.0/50.4Vrmsに圧縮(てゆ〜か、タマタマかも)されまして、バイパスしない共通Rsgは平衡度改善に寄与していない。

5極管の平衡増幅回路(と言って良いのやら・・・)を前段に用いて有名なQUAD社のアレが似たことやってます。多くの先達方々が様々な追試・解析をされておられますね。幾つかの解説は目を通しておりましたが、「スクリーングリッド結合」などの呼称で、恰も「カソード結合」みたいに位相反転作用・平衡度の改善作用があるなどとも。

LUXMAN・MQ36が、5極管の「カソード結合型位相反転回路」を用いたOTL製品として有名?ですが、6CL6(P)の共通Rsgはケミコンで短絡され、接地電位でした。共通カソードには何某かの対地電圧波形が生じるので、SG=Kを基礎とする多極管動作に何某かの影響が加わるだろうと想像するのですが・・・ソコを云々される方を存じ上げません。そして武末先生の古いOTL作例では、50HB26×6/片chを6BQ5(P)でドライブした作例が御座います。コチラは同じく共通Rsg一本の給電ですが、共通SGと共通カソード間をケミコンで短絡・・・。この考え方の違いは、記事中で述べられておらず、只々妄想・邪推するのみ。なお、似た時期のTechnics・20Aではドライブの6BQ5(P)をカソード接地の平衡増幅回路として設計され、「K220K」などと分かり辛い表記の220Ωだろうカソードバイアス抵抗が、バイパス無しで各球個別についてました。SGも独立した抵抗を介して、律儀に個々のカソードにバイパスされてます。同社独自の打ち消し回路の為だろう事は解りますが、こりゃ参考にならぬ。

ど〜でもイイ↑薀蓄でした。読み飛ばしてください。・・・m(_ _)m

ボヤキ:多極管の「Eb-Ib」特性曲線に相当するような「Ec2-Ic2特性曲線?」などの知見は御座いません。古くから、スクリーングリッドに負荷を与え、その出力を利用する試みは知られていますが、もっぱら出力の基本波を“あてに”して考え出された方法かと思われます。しかしそのスクリーングリッド出力の「歪み」については・・・ワカラン事が多すぎるのか、実験テーマとしては「ツマラヌ事」扱いだったのか・・・掘り下げた解説を知りません。などと書けば「お前やれよ」と突っ込まれそうで困るが。

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5極部の下側入力を接地してみる

乱暴にも下側段間を2.2μFで接地短絡しました。50BM8(P)は「カソード結合型位相反転回路」に替わるだろう意図ですが、まず調べたのは「スクリーン結合位相反転」動作です。

下側段間接地・Kバイパス・共通G2 下側段間接地・Kバイパス・共通G2 その上下出力 共通カソードはバイパスしたままで、Rsgバイパスは除去。

上側入力信号の「逆相」波形が共通G2に現れました。ただし上下出力はかなりの不平衡↑。先達方々の解説を追試してるだけか。

上側段間電圧→上側出力電圧から、上側50BM8(P)のA≒18.5に。30倍そこそこあったのがG2の逆相信号で“負帰還”・・・とは言いがたい。入力電圧に対しての帰還作用が考えられないので、gm減少作用と言いたいけど・・・結局は広義の“負帰還”解釈されるのかな〜・・・。ついでに、下側のG2入力≒10Vrmsが下側出力36.7Vrmsに。A≒3.67ですが2次歪みたっぷりなのは上側G2出力の所為かも。

段間での容量接地は初段管の負荷状態が変わる手法でした。接地された下側球のibmaxは相当増えるだろうと想像出来て、その分対球のibminを削ると考えます。精密にソレの影響などを抽出しておりませんから、上記結果にどれだけ初段の変化が含まれてしまったか・・・考えるだけで気持ち悪い。

↑のスクリーン結合位相反転」に、カソードバイパス除去による「カソード結合位相反転」が加わった動作です。

下側段間接地・Kバイパス除去・共通G2 下段間接地・Kバイパス除去・共通G2 下段間接地・Kバイパス除去のカソードK 共通G2の波形に何が起きたのやら。そして共通カソードの・・・以下同文で御座います。

50.0/46.7Vrmsに改善されますが、カソード結合の恩恵が加わった・・・と“だけ”は解る気がする印象の感じ・・・

下側段間接地・バイパス無しG2-K波形 ↑の回路から、ch1(G2波形)−ch2(K波形)をDS...のMATH機能で描いてみたのですが、振幅が一桁違うのでG2対地波形に近似・・・。Ec2=100V時の特性曲線上ではど〜なってるのやら。

格安2chオシロですから段間波形の同時描画は不可能で、4chモノを渇望するのはこんな時。

今頃気付くのはおせ〜よ・・・と言われましょうが、ここまで測定波形のレベルが大きすぎた(上出力50Vrms基準)ようです。一桁下げると、妙な波形も概ね正弦波なのです。

カソード結合でG2をバイパス File1 共通カソードと共通G2間にバイパスを加えます。ネイティブの多極管動作を狙うならココしかない。ただし、G2を接地バイパスしたらど〜なっちゃうのか、興味深いがやらない。

引き続き、上側段間波形と、カソード波形=共通G2波形って事ですが・・・。

上下出力は50.0/43.5Vrms。スクリーン結合を失った状態かと思いますが、カソード結合の強さがわかりました。

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元に戻しながら

差動G2-K間バイパス File2 下側段間の接地を開放して、上下平衡入力に戻してみました。カソード-G2間はバイパスしてます。

同じく、上側段間波形と、カソード波形=共通G2波形って事ですが・・・。

カソード-G2間バイパスを開放しますと、「25E5_Drive_Stage_exp6_nobypass_1kHz.JPG」波形が再現されます。

差動G2-K間バイパス歪み なんだか道草食って元に戻った感じの実験でした。↑の回路の歪み率を調べましたが・・・

利得が変らなかったのにNoisが増えたのは、バイパス22μF450Vを内蔵できず(その気も無い)、外付け配線≒30cmの所為にしよう。ついでに歪みも増えたが、これは動作の違いだと思います。3次歪みが増えただけの結果か。

多極管の差動増幅回路で、G2給電を抵抗一本で済ますのは楽なんですが、起きている事はマカ不思議。回路図絵面の部品が少ない事を「シンプル」と言えるのかど〜か考えさせられました。で、結論は?・・・実装の都合でRsg=100kΩ//470kΩ//470kΩ≒70kΩを組み込みます。同じく実装の都合で、バイパスの類はナシ。確信犯的実験でした。

多極管差動増幅の測定モデル・サンプルとして「厳選」など考慮していない“30/31組”の波形で、ナニを語ろうと言うのか・・・てなオチです。
もう、あの36組全部を見る気は起きませんから、偏った結果だったとしても「そ〜でしたか、気付きませんでした」で済ます所存です。

後出しの言い訳を。プチプチと変更を加えた(引いた)毎に、最適調整などしておりません。「前段回路のおさらい」以降は“触らない”事に決めたのです。その是非はあると思いますが、ココ突っ込まないで下さい。お願いしますm(_ _)m。

・・・ ( ゚ ρ ゚ )ボーーーー ・・・ ちょいと休憩 ・・・

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段間のF特を調べる

初段と2段目間のF特が全体の高域特性を決めていると感じています。それを抽出できるかどうか試してみました。

初段プレートF特測定・掴み 初段プレートF特測定・ホンバン まずは段間へのプローブ接続で、ドライブ段出力に現われる影響を調べてみました。4chオシロが欲しくなるイタヅラ、その・・・何度目?。

右が測定本番で、プローブ容量の大きい組み合わせが段間に繋がる“苦渋”の決断。SS-0130R+DS...でエエんちゃうか?との迷いあり舛。

初段プレートF特測定 以前の測定よりドライブ段F特が「良くなって」る?のは解せぬが、なんだか胡散臭い下降カーブだったのだ、とも気付きました。

本題の段間F特は・・・これがまた微妙に重なるし、ワケ解らぬ乖離とも見えるしで、なんとも信頼性に乏しい結果でした。

←重ねた−6db/octの点線に沿う帯域の上に、「−12db/octの下降」が垣間見えてるか・・・程度の印象。22pFプローブでは段間に与える影響が無視出来ないのです。

初期掴みの「非差動2段増幅」実験で、粗く段間F特を確認しましたが、もう少し詳細に調べたい思惑はありました。2SK30冶具も試そうかと考えて、入力1MΩで拵えてたと思い出し断念。ちなみに、ラ技2015年11・12月号では是枝重治氏が「似たような意図で、更に厳しい条件」の測定用に専用測定器を設計・製作されてました。そんな情熱(と、\...)ありませぬ。

初段両P間に“高域積分補償回路”を置くかもしれないので、その下地が把握出来りゃあな・・・との思惑はありました。でも結局は試行錯誤に終始するでしょ〜よ。

オマケ

広帯域の平衡変換冶具が無いので下側段間を接地し、再び「カソード結合型位相反転回路」風に。

次段プレートF特測定 次段プレートF特 FG...出力を初段上側プレート=次段のG1に注入して、平衡出力(0db≒10Vrms/1kHz)のF特を見ました。ややインチキっぽい自覚あり枡。

外付け100kΩ//22pFプローブ負荷にはソコソコ広帯域。しかし、MAK-6630のZin=100kΩ//200pFケーブル+22pFプローブ負荷時ではこんなモンか。25E5(T)SEPPではどんなモン?。

これも掴みの「非差動・・・」で粗く調べて、その詳細測定した「つもり」。ただし、注入電圧の同時モニタしてない・・・手抜きしてます。

インチキっぽいついでに、上側出力だけ10kΩ負荷時の1kHz電圧変化を調べました。2Vrms/100kΩ→1.14Vrms/10kΩの結果から、上側の出力インピーダンスZo≒9.15kΩと算出しました。そして11kΩの負荷抵抗に並列されていると解釈する、50BM8(P)はrp≒54kΩと。

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番外・5極部の三結を試す

三結では増幅度、最大出力電圧、内部抵抗などが低下する・・・増えるのはCg-pくらいかと。

三結実験 三結F特 インチキ臭いのを承知で、下側段間接地による・・・例のアレで上側段間→平衡出力を見ますとrp低下の効果が現われた、と見ます。

入力→平衡出力では、三結のrp低下より入力容量の増加で高域が支配されたと見ました。そして、222pFの負荷容量で下降カーブが変る様も。

しかし、三結rp≒2〜3kΩの予想ほど高域が伸びていない気がします。またも上側出力の2Vrms/100kΩ負荷時と、1.4Vrms/10kΩ負荷時の結果から、同rp≒9kΩチョイ?と・・・

あれ?・・・。

出力段用途などでは三結rp≒1.6kΩと述べられるようですが、Ib≒30mAの時です。その半分では高くなろ〜もんね・・・とは思うものの、何かカン違いした?気もする。信号を入力した上側球のカソードは接地状態ではないので、ナニガシかの電流帰還はあるでしょうが、波形を見てなかった。上下同時に平衡入力すりゃ共通カソードに現われる電圧と波形が様変わりする予感なのですが・・・これも未検証。

6BM8(P)のμg1-g2は9.5〜10などと公称されてますから、昔のOTL作例で良く使われた、6SN7他その派生管種μ≒20の半分です。総合利得の低下は−15〜16dbに至り、「カソード結合風」動作時も、上下出力電圧の平衡性は甚だしい。コレだけ見るとお勧めとはいえません。

三結実験THD 三結平衡32Vrms・0.081%・1kHz 初段が先にクリップする不安もありました。そして初段の負担も増えただろう要素が混在してると推測します。しかし・・・その内訳の分離抽出は試みていない。

利得低下分Noisは少なく、歪み曲線の見てくれは良いが、100Hzカーブの乖離は何でしょうね。なお、かなり減ると思った平衡最大出力も、100Vrmsでクリップ開始ですから標準多結並みかと。

初段の各部ADJをサボったIb(T)≒@16mAではロードライン上のebminが低すぎると感じましたが、Ayumiさんのトコから勝手に拝借した特性曲線に10kΩの負荷線を・・・引きかけて作図トリミングを中断。バイアスADJせんでも大差無い動作点に居ると、大雑把に判断しました。

パラメータが少なく、頭の中は楽。ただしいぢり甲斐も少ない。2次歪み主体の成分構成は気になるけど、突付くとキリが無いので・・・。

3行空けのために・・・こげなことを

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番外・打ち消し電圧の“分布”を調べる

再び思い付き実験。三結実験の後なので、そこから進めます。接地してたブートストラップコンデンサを通じて、外部から信号を注入してみました。4chオシロなら入力波形・上下波形・カソード波形をSAVEし開示出来るンだが・・・と、何度目かの悔やみ事を。ちなみに、全て同相の綺麗な正弦波形です。

三結管への打ち消し電圧分布 多極管への打ち消し電圧分布1 多極管への打ち消し電圧分布2

なお、最適負荷抵抗の最大出力時には40Vrms超が加わるのですが、2.2kΩにそんな大レベルを送り込める冶具がありません。ありていな振幅でも綺麗に見えましたのでヨシとしましたが、レベル違いで電圧分布や波形が変わるかも知れぬトコロまでは・・・ほにゃらら。

下側の電圧が武末先生文献に出てくる「打ち消し残り電圧」なのでしょう。ブートストラップが有効に働いていない成分ですが、故・藤井秀夫氏は「下側出力管」への負帰還作用になる・・・と。そして、増幅管のrp≒0Ω(って、あり得んが)では、上下に等しい電圧が現われると述べられてます。それは、今風と思われるポジネガ帰還型の「打ち消し」と同じぢゃね?・・・などと呟いてみる。

三結→標準多結→同・電流負帰還付加へドライブ段を変更しますと、上下出力電圧の配分が変わります。↑で呟いた「rp≒0Ω」とは反対に「rp≒∞」方向への実験です。これまでの「ダラダラした記述」の合間に“50BM8(P)のrp値”ばかりを気にしてきた意味がココにあります。

故・藤井秀夫氏の教えに基づく(武末先生の教えは・・・数式が多く、読み飛ばしてた)ブートストラップ式打ち消しメカニズムのおさらいでした。個人的な好みですが、打ち消し電圧が上側ドライブ管の高いrpで遮られ、他に波及しない方が「アタマの中」はスッキリします。P-K分割ドライブのP側はソレを満足しますが、今回の6BM8系平衡(差動)増幅では、ソコん所がやや緩い感じ。

調べたンだから“活かそう”と決断・・・しません。470Ωで失う利得は−12db程に及びまして、先にも述べたようにループ帰還量の減少の方がイヤ。これも好みの問題かな?。根性出して個別Rkの変更・・・220Ωや100Ωなど・・・は○△□%$&@#♪・・・

_| ̄|○⇒_|\○_⇒_/\○_⇒____○_疲れたー

段間のF特確認以外には「初段」の吟味を放棄した道草でした。全体の性能を“著しく”は劣化させていないだろうとの楽観で、気にしつつ目を瞑ってたと告白します。本気だすなら手持ちの測定機材では無理で、途中で引用した是枝氏並みの「Zin>10MΩ・Cin<10pF」をクリヤする低歪み広帯域バッファが要るでしょうな。イマドキの高性能OPアンプなら出来そうな気はしますが、拵えるとなると相当気合入れンと・・・。

m(_ _)m 長ったらしい道草実験は以上です。ご通読ありがとうございました。

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負帰還安定性と帯域補償の妥協

またも“小見出し内小見出し”つくりました。すべてはジブンのためで、ご訪問者への利便性は・・・ホニャララ。
○×△□$%&♪・・・と思われるご訪問者様には→→→非常口・避難経路をご用意しております。

妥協1. 無帰還F特のおさらい
妥協2. 負荷開放“発振止め”出力端のCR阻止素子の効き目
妥協3. 微分補償を足す
妥協4. 容量負荷を試す
妥協5. 安定化コイルを試す
妥協6. 各種擬似負荷を試す
妥協7. マッチングトランスを試す
妥協8. 実験の後始末・・・低域安定性の不安(20161127〜)

所々で暫定的な負帰還をかけて調べましたが、本腰入れて負荷安定性やら帯域補償やら、その処置で何が犠牲になるか(既にその覚悟してます)を確かめたくなりました。「妄想からの覚醒と」で書いちまった、マッチングトランス併用も早い内に適否判断をした方が先々楽だぜ〜・・・と、いささか重い気分なのです。更に「構想」で書いちゃった「多重帰還型パッシブDCサーボ」もやらにゃ言うだけ〆〆に成り下がる。

これまでの実験では“8Ω負荷”に関しては、出力端に置いた「0.1μF+10Ω」の積分補償(例によってZobelナンタラの呼称は好かぬ)だけで安定してます。かなりキツ目だろうと重々承知で、既にそっと100kHz時の負担をドコゾに書き込んでおります。マッチングトランスの330Ω相当負荷時に、どれくらい重荷になるやら。

ここまでに“TL1≒16Hz”などと書いてきた用語は、50BM8(P)ドライブ段⇔25E5(T)SEPP出力段の「0.1μF*100kΩ」による第一低域時定数を意味したつもりで・・・こりゃ正しくないなと気付きました。TL1≒10msと書くべきですな。そのデンでは50BM8(T)初段⇔50BM8(P)ドライブ段の高域時定数は・・・TH1≒2〜3μsなどと書かねばならず、「ジブンが」イヤだ。

時定数配列推定 本頁では、今後ともTL1≒16Hzとか、TH1≒60kHzなどと“エ〜加減な表記”で進めさせていただきたいのです。

厳密な意味での用語と、習慣的な言い回しがゴッチャになってて情け無いとは思うし、習い性ってのは怖いなあと。

本機の時定数配列は概ね←のような感じだろうと思う印象の按配・・・なんてボカシ方だ。

3行空けのために・・・こげなことを

無帰還F特のおさらい

再び前段+SEPP出力段の実験です。普段は“定番”だろう10kHzの方形波応答を眺めながら試行錯誤しておりました。もちろん今回も同じですが、同時にF特データも採取してみました。コレが活かせるかど〜かは別ですが、まずは出力端の積分位相補償を除いた「無帰還」で、各種負荷をあてがってみました。その中には∞Ωも。おっと、帰還ループ外の入力部0.1μFには、10μFを追加します。

↓の測定のため、入力部直前に簡易ATTを置きました。信号源FG-274は「SHIFT/−20db」でもmin>0.5mVrms程度なので、ツマミの設定がやりにくくて・・・。実はこの外付けATTの中身(初期値47Ω→47//33ΩのL型パッド)をちょくちょく変えてしまい・・・どの実験でどんなのを使用したか記録無し、後に悩みのタネに。

無帰還・各種負荷 入力1mVrms一定・・・の調べ方に議論はあろうかと思いますが、お試しの意味も含みます。無負荷中域の利得は≒70dbにも及び、出力=1Vrms/0db基準ですと入力は・・・てなコトもあって。

∞Ω・・・負荷開放ですが、打ち消し回路の2.2kΩがあるので、SEPP出力段は「完全無負荷」ではありません。最終的には負帰還回路も加わるのですが、まだ付けてません。

意味あるのか?・・・と問われると“あるッ!”と答えたいが、さて・・・どう考えたら良いのやら。OPT付きアンプならOPTの「高域のクセ」が出てきそうなモンですが、さすがにOTLですと勝手がちゃいますな。でも、SEPP出力段の利得増加はミラー効果の増大を招くので、その違いはちょっぴり見えた様です。高負荷〜無負荷での利得増加分は殆どが負帰還に回りますので、発振リスク増は当然です。加えて出力管のミラー効果増大は、TH1>TH2配置のスタガ比減少につながると考えました。↑の調べ方では、その按配はつかめません。

低域は、段間TL1≒15.9Hzが支配的で、これまた下の方が見えない・・・。出力段実験の8Ω/84Ω/330Ω負荷時F特測定時に、負荷開放を加えなかった事が悔やまれます。ただし、TL1<TL2配置が乖離する変化だろうと楽観します。

無補償・無負荷時の負帰還F特 無補償・無負荷時の−40db負帰還だろう発振波形 「0.1μF+10Ω」無しで「負荷開放時」に掛けられる負帰還量は−35〜36dbまででした。

ちょっと増やしたら、800kHzに現われた凸が1MHzの発振に至る様を見てしまいました。右は負帰還量トリマはmaxまで回してない状態の発振波形で、振幅・周波数・波形はこの限りではない。

無補償・無負荷・無帰還時の10kHz方形波応答 無補償・無負荷・−10db負帰還の10kHz方形波応答 無補償・無負荷・−20db負帰還の10kHz方形波応答 無補償・無負荷・−30db負帰還の10kHz方形波応答

ピークが1MHz近傍なので、DS...観測ではディティールがベタ塗りに。SS-7810の撮影はちとメンドーなので、手抜き。振幅もFG...レベル不動の手抜きしたので、画面上の大きさはトリミング無し。言い訳多いッ!。

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負荷開放“発振止め”出力端のCR阻止素子の効き目

クドイけど“Zobelナンタラ”呼称を好まないのです。今の場合でいうと・・・「出力端の積分位相補償」が相応しいと考えます。

イキナリ負荷開放時を調べるのは、之奴が最も厄介なので始めに潰しておきたい・・・苦い経験あり・・・のです。その中で一番代償が少ない方法を見つけよう、てな目論みです。幸いな事に、OTL前作の初っ端で難儀したような「超低域発振」は起きておらず、救われてます。

「0.1μF+10Ω」の効き1 「0.1μF+10Ω」の効き2 負荷開放でも「0.1μF+10Ω」付きでは負帰還量トリマmaxの−50db!まで平静でした。これにはホントに安堵しました。

右は、1kHz振幅=0db基準で書換えた同じデータグラフ。40〜50db帰還時も含め電圧底値のンmVrms読み取り(DS-5102Bで)は胡散臭い感じ。800kHzで打ち止めデータの言い訳だス。

「0.1μF+10Ω」を『RC直列回路のインピーダンス - 高精度計算サイト』にヤラせた(これも手抜き)インピーダンスは、1.59kΩ/1kHzなので・・・10kHzや100kHzでは言うに及ばず重い。その負担が・・・あああ・・・

「0.1μF+10Ω」の効き3 1kHz・1Vrmsを0dbに揃えて測り直した、同じ意図のデータです。無帰還以外の測定レベルが上昇したので、ンMHzまで追ってみました。替わりに負帰還量maxまでの測定は省略ッ。

前より凸がデカい理由は解りません。測定レベルが変わったし、告白すれば凸レベルそのものが微妙に増減しているのです。前段部の安定化電源は“緩い”し、出力段は非安定化のまま。1MHz辺りとはいえ、裸利得が「微動だもしない」など有り得ず、利得・位相余裕も揺れ動いていると考えます。

↓ディティールが見たいので、ここからはSS-7810で観測・撮影しました。

「0.1+10」補償・無負荷・無帰還時の10kHz方形波応答 「0.1+10」補償・無負荷・−10〜40db帰還時の10kHz方形波応答はナシ 「0.1+10」補償・無負荷・−50db帰還時の10kHz方形波応答 「0.1+10」補償・無負荷・−50db帰還時の100kHz方形波応答

上ch1は入力波形、下ch2が出力波形です。併用してるDS...で、1Vrms/1kHz振幅を基準に、SS...画面上でトリミングしております。が・・・無帰還時だけ入力振幅が1mVrms未満なので、LMV-181AのOUTPUTをch1に。酷い波形だが堪えて下さいませ。

無帰還時の10kHz・-3dbに相応しい方形波応答で「0.1μF+10Ω」の過剰な効きは明確。330Ω負荷時でも無視しづらいだろうと感じます。負帰還トリマmax≒−50db時には鋭いオーバーシュートが見えますが、100kHzではリンギングだった・・・ちゅう。「0.1μF+10Ω」の緩和はリスクが高そうです。

「0.1μF+10Ω」を緩和 効き過ぎ?「0.1μF+10Ω」を緩和して「0.05μF+10Ω」「0.022μF+10Ω」を試し、重ねました。

無帰還時の下降角度が“緩和”とともに急峻になるとは思わンかった。考えてなかったッてのが本音ですが、ちと気になる・・・。

緩和しますと負帰還maxの凸は、危惧どおりデカくなりました。そして「0.022μF+10Ω」では負帰還max手前で発振しましたので、maxカーブは御座いません。

「0.05+10」補償・無負荷・無帰還時の10kHz方形波応答 「0.05+10」補償・無負荷・−50db帰還時の10kHz方形波応答 「0.022+10」補償・無負荷・無帰還時の10kHz方形波応答 「0.022+10」補償・無負荷・−50db帰還時の10kHz方形波応答はナシ

「0.1μF+10Ω」の緩和に“容量減”を選んだのは、1〜10kHz辺りのインピーダンスを高めたかったから。「0.1μF+22〜47Ω」などの選択肢は思いつくものの、これでは10kHz辺りのインピーダンスがさほど変らないのです。よって試してません。

無帰還時の波形は緩和とともにマシに。まだ負荷開放状態の実験なので、330Ω他の負荷時に“↑よりも悪化”はしないだろうとの楽観をしてます。でも・・・まだ容量負荷試験が残ってるなあ。

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微分補償を試す

芸の無い手法ですが、↑では発振した「0.022μF+10Ω」に100pFの高域微分補償を組み合わせましたら、負帰還maxに耐えました。微分補償“だけ”では全く発振抑制にならず、アテにしてなかったのですが「ラッキー」なのか「当然」なのか。

「0.022μF+10Ω」と微分補償 そこで、47pF・100pF・220pFの三種を調べました。

これは興味深い結果です。1MHzまでの測定だったら見逃しておりました。

遅きに失した弁明:1MHz以上の入力信号振幅の平坦さは、確認できておりません。FG-274およびDS-5102B次第だ・・・と、人ごとの様に思ってるだけです。なお、入力部モニタで接続したLMV-181Aでは仕様外帯域性能の信頼性も?かと。ちなみに1kHz・1mVrms=0db基準で、−0.5db/1MHz・−2db/2MHz・−5.2db/4MHz・・・の指示だった、と書いときます。

FG-274→常用ケーブル+プローブ→DS-5102Bの接続では、−0.86db/4MHzです。本機への接続でも、ソレが維持されてるなら良いんですけど・・・ってな、弁明の追加。

「0.022+10」と47pF補償・無負荷・−50db帰還時の10kHz方形波応答 「0.022+10」と100pF補償・無負荷・−50db帰還時の10kHz方形波応答 「0.022+10」と220pF補償・無負荷・−50db帰還時の10kHz方形波応答

「0.022+10」と47pF補償・無負荷・−50db帰還時の100kHz方形波応答 「0.022+10」と100pF補償・無負荷・−50db帰還時の100kHz方形波応答 「0.022+10」と220pF補償・無負荷・−50db帰還時の100kHz方形波応答

迷わず↑「0.022μF+10Ω」と「47pF微分補償」を選びます。ただし、三者の違いはなぜ起きるのか・・・未検証のまま、成果だけ利用する手抜きをします。なお、100kHz時の方形波応答など滅多に調べませんが、測定器の能力なのか、接続方法やケーブルの素性などかとも思う“入力部波形のエッジの鈍さ”が気になってます。

無負荷での試験を続けてきて、しばしサボってた前段管電圧の点検をしましたら・・・コリャ大変、50BM8(P)の上下Epが著しく不同に。概ね230V内外の僞p<10Vだったのが、260Vやら210Vやらの電圧だったり・・・これらがゆっくりと変動してます。その顛末を妥協8. 実験の後始末・・・で晒します。

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容量負荷を試す

手順が変な気もしますが、負荷開放に各種容量をカマします。直前の実験で得た「0.022μF+10Ω」と「47pF微分補償」で。

各種容量負荷試験F特 従来の下限、0.005μF(103の直列)では“もしかして”と思い、1100pF(222の直列)と2200pF(222)も追加して調べました。危惧していた発振は起きません。ラッキーと言うほか無い。

各容量負荷時のピーク前後では波形のゆがみとIbの増加が見られ、1kHz時≒50mAが100mAを超える領域があり、ケッコウ過酷なテストでした。そして凸近辺では出力振幅そのものが不安定・・・ふわ〜りふわーりと増減します。発振には至らないのですが、気味が悪い。

ドットを省略した曲線ですが、凸凹周波数を“ことさら細かく”は追っておりません。10k〜500kHzまでは毎度の1/3octキザミ、500kHz〜は100kHzキザミでプロットしております。

10本カーブの併記は読みにくく・・・申し訳ない気持ちです。その中に紛れて解りづらく幸い?だ・・・と言うとダメなんですが、容量負荷無しカーブには凸があり、25E5_NFB_exp5_F.GIFカーブとの整合を失っております。入力部振幅モニタのLMV-181A(というより、接続ケーブルか)の容量が、本機入力部直前のATT(中身は1kΩ/47Ωに)出口のF特を悪化させているのでは?・・・と。もう1mVrmsレベルは要らないのに、なぜか安心感があって(根拠の無い“緩衝的”役割を期待)まだ挿したままだったのです。

実験の右往左往は、ジブンもご訪問者様も混乱するばかりで忸怩たるものがあります。ATTの出口には何も繋がず得たデータが、上記カーブというわけです。クドイのですが凸前後の振幅変動は・・・大体の最大値と念押ししときます。

負荷開放10kHz 負荷開放100kHz 容量負荷なしで凸が発覚した証拠画像。10kHzでは曖昧だが、100kHzでは明瞭にリンギングが乗ってます。

気になって微分補償47pFに10pF足して・・・リンギングの増大を見る。かといって47pF減らすのも怖いから、現状のまま進みます。

以下↓、各容量負荷時の100kHz撮影はサボります。

2200pF直列 2200pF 0.01μF直列

0.01μF 0.022μF 0.047μF

0.1μF 0.22μF 0.47μF

再び「実は・・・」ばなし。このデータ/画像の採取は3回目でして、入力部モニタの接続→除去や入力部ATT付き→除去などを経るごとに・・・大容量負荷時の凸が低くなりました。元通りの再現テスト?などしたくもありませんが、直前のF特データの再現性だけは確認して波形撮影を進めております。画像診断?的には、こんなに穏やかでイイのか?との思いはあります。

感触は“何となく”2200pFと0.005μF時が、波形の印象よりも発振に近いと感じられましたから、その間にもっと危ない容量値が存在するかもです。ただし、用意する情熱まで湧かない・・・。微小容量とはいえ無視しづらいのですが。

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安定化コイルを試す

OTL前作で試し、効果を確認しておりますが、ありゃあ・・・何と呼ぶのが正しいのやら。小見出しでは黒田徹氏のご著書での表記に倣いましたが、本HPあちこちで「インダクタ」などと一般名称で記述してしまいましたから、探して訂正するのはご勘弁願いたい。そして引き続き「インダクタ」呼称の継続もお許し願いたいと存じます。

インダクタ追加の各種容量負荷試験中画像 容量負荷への特効薬?と思ってるインダクタに22Ωを並列して、出力端子直前に挿入しました。実はナゾの「条件付き、無帰還時発振」で効かなかったインダクタの残骸そのもの。

左は久々の本機画像・・・って、この数ヶ月ひっくり返ったまま。インダクタその他は暫定的な(仮)実装状態です。

「実は・・・」話ばかりですが、↑のインダクタ追加作業ついでに、0.022μFも小型品に替えたのです。そして、発振・・・。原因は青い小型品の容量不足(DMM・PC510aで17nF)でした。K級±10%品かもしれませんが、それを外れた「不良品」だったのです。0.022μFなぞ滅多に使わんので困りますが、同型の「実測20nF」モノを見つけまして収拾。いや・・・焦りましたワイ。

これは“今更”の話。0.022μFの誤差で25E5_NFB_exp6_F.GIFのカーブは、かなり変貌するようです。しかし取り替えた実測20nF品ではその特性を維持せず・・・凸デカいのです。ここまでチョーシ良く進んでいた気分なのですが、ケッコウな薄氷踏んでた実態。再びデカい3C223M(実測21nF)に戻すハメに。最終的には出力コンデンサ手前の基板遊休部に移しますが、新調はもちろんの事「実測22nF」品を見つけて使用したい。

インダクタ追加の各種容量負荷試験F特 並列の22Ωは前作で試した数値そのまんま。性分的には10〜100Ωの範囲で按配探りをしたくもあり・・・でも、メンド臭くなってしまいました。無負荷では何も改善が見られませんが、小容量負荷には効き目が見えました。でもこりゃ、どう判断しようか。

インダクタなしで出来る凸近辺でのIb増加も抑制されますが、0.047μF以上の「大容量?」時には効き目が異なり、マジメにやるならインダクタンス値選定も含め相当数のバリエーションを試さねばなりますまい。ところで・・・こういう事象のシミュレーション・・・出来るンですよね。

小容量時のリスクが大容量時側に転化?されただけかもしれませんな。実用面では“改善だ”と強弁しときます。

10μH//22Ω入り2200pF 10μH//22Ω入り0.005μF 10μH//22Ω入り0.01μF 10μH//22Ω入り0.022μF

10μH//22Ω入り0.047μF 10μH//22Ω入り0.1μF 10μH//22Ω入り0.22μF 10μH//22Ω入り0.47μF

負荷開放時及び1100pF負荷時の波形は、インダクタ挿入前後の差が見えず省略ッ。単に8枚並べにしたかっただけ・・・とも言う。

さて、ド派手に“悪化”した下段、大容量負荷時の振る舞いを見て・・・放置しようと考えます。疲れた。油断は禁物だが、補償回路部品が機能してる限り発振は回避できていると「我田引水・希望的観測」に基づく判断で御座います。0.47μFって・・・どんなSPだ。

再びあの諫言『・・・』が頭をよぎる。

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各種擬似負荷を試す

「負荷開放+容量負荷時」での安定性“だけ・・・”を基準に置いた補償で、運用を予定している各種負荷での性能を調べるのですが、なんだか手順が変?。

8Ω擬似負荷 基本仕様の8Ω擬似負荷です。

負帰還量トリマmaxで、A≒6(15.5db)でして、約25.7dbの負帰還状態です。最終的にはA=7(16.9db)に決める予定のつもり・・・○△□#$%&♪・・・。

コレを見て・・・しばしフリーズ・・・。単に“見栄えが良くない”だけなのか、なにか良くないことを内包しているのか・・・多分後者だろうな、と悩みます。インダクタ//22ΩをPASSしますと見栄は良いのですが、容量負荷時の振る舞いがアレだ。

84Ω擬似負荷 マッチングトランス使用を模した、84Ω擬似負荷です。

84Ω時のMTでは1次:2次で、≒0.3(−10db)の降圧があるので、入力→8Ω負荷への仕上がり利得は8Ω直接負荷時に揃える見込み。その場合負帰還量を減らすのですが、今は考えずにここまでのテスト同様トリマmaxで進めました。負帰還量は約42.3db。

インダクタ//22Ωの効きは少ないかのように見える。

330Ω擬似負荷F特 マッチングトランス使用を模した、330Ω擬似負荷です。

330Ω時のMTでは1次:2次で、≒0.16(−16db)の降圧があるので、以下同上で御座います。負帰還量は約47.4db。

インダクタ//22Ωの効きは“皆無?”のように見える。

手順の誤りを後悔しつつあります。擬似負荷動作から徐々にハードルを上げて、各種高域補償関連を詰めていったら我ながらどうしていただろうか。。。高域端の凸は気になるし、1MHz以上のレスポンスを“なだらかに”落としたいのですが、どうしたらエエのか考え中。今はこの状態で放置しますが、最終段階前までにナントカしたいなあ。

330Ω擬似負荷に容量負荷を付加 330Ω擬似負荷に容量負荷を付加してみました。

純容量負荷時のカーブとの差はあるような・・・無いような。

330Ω+0.047μF 330Ω+0.1μF 330Ω+0.22μF 330Ω+0.47μF

84Ω及び8Ω擬似負荷でのF特・方形波応答画像の採取は・・・サボりました。あとの楽しみに取っとく・・・と都合の良いすり替えします。

純容量負荷時より凸は若干軽微なのでオーバーシュート/リンギングも同様、よって小容量時もサボりました。以下同上で御座います。

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マッチングトランスを試す

先立って入手した「Panasonic W2-ST60」マッチングトランスを試します。

まだ高域特性ばかり調べてて、またもや見逃し現象に遭遇。その顛末も・・・妥協8. 実験の後始末・・・で晒します。小手先の策で糊塗し、それを隠蔽してそ知らぬ顔のまま粛々と進めてしまう手もあったなあ。

W2-ST60・330Ω使用1/2次F特1 W2-ST60の167Ωタップを接続し、2次ズラシ1次330Ω使用時です。負帰還トリマmax(1kHz時−47.1db)で、1次からかけてますがトランスの影響は“無い”とまでは言えぬ。

MT1次側と330Ωの擬似負荷時との違いは微妙で、1.5MHzの凸でかいのは気になります。2次8Ωも250kHz凸は単体測定で見たそのものでしょうが、コチラも1.5MHz付近に凸出てます。追求する熱意は失いつつありますが、ココまでの高域補償関連の不備が絡んでいるとは思ひます。100kHz手前でなだらかに落とせなかったのかな・・・と。

低域も調べてみたのですが、その“見逃し現象”のため測定不能に・・・。そして、↑の測定結果も再現させられないようです。

う〜〜〜〜ん・・・|; ̄ Γ|・・・

苦渋の選択です。ここまで負帰還トリマを、“max”設定一本で通して参りましたンですけど・・・諦めます。330ΩMT負荷で予定している仕上がりA≒45倍(約33.1db)設定にしましょう。2次8Ω負荷までではA≒7倍(約17db)です。この時の負帰還量は−27dbほどの「常識的範囲での高帰還」です。

W2-ST60・330Ω使用1/2次F特2 負帰還量≒27db時のF特は、がらっと変って一見マトモに。

1次側の下降の傾斜が急で、−20db/Decでもない?のは気になります。2次側のふた凸目は、あるよ〜な無いよ〜な・・・レベルが低すぎて数値読み取りに自信が無い。3MHz手前で終了してるのも同様理由です。

容量負荷時のF特データ・・・採取サボりました。

ここからは、上ch1は1次タップ1Vrms、下ch2は2次8Ω負荷の波形を掲げます。

MT330Ω:8Ω・100Hz MT330Ω:8Ω・1kHz MT330Ω:8Ω・10kHz 定番3周波数方形波応答です。

入力部の0.1μFに10μFを足して、思いッきり低域伸ばしてます。実用面ではもっと上で落とすつもりです。

MT330Ω:8Ω//0.047μF MT330Ω:8Ω//0.1μF MT330Ω:8Ω//0.22μF MT330Ω:8Ω//0.47μF

小容量時には波形変化が見えませんので省略ッ。1次側波形のオーバーシュートは、急峻な下降特性が原因なのでしょうか。2次側に加わった容量は、1次側への波及が穏やかに感じるけど、トランスの効果なのでしょうか。1:0.169のレシオでナニかが薄まる?。

余談ですが、SS-7810オシロとSS-0130R組での「プローブセンス」機能が働いてません。よってch1の振幅2Vp-pは・・・。

W2-ST60開放・1/2次F特 W2-ST60の2次ズラシ1次330Ω使用時で、2次開放を試しました。測定した2次端子はもちろん4Ωタップですが、この注釈・・・意味あンのか?。

測定レベルは同上のままですが、何となく肩透かし。1次側のF特変化が少ないとか、2次側はもっとハデハデな曲線になるかなと想像してましたけど。

容量負荷時のF特データ・・・また採取サボりました。

同じく、上ch1は1次タップ、下ch2は2次4Ωタップ開放の波形を掲げます。

MT330Ω:開放・100Hz MT330Ω:開放・1kHz MT330Ω:開放・10kHz 定番3周波数方形波応答です。

F特が反映されたのだ・・と納得するほか無い。

MT330Ω:0.047μF MT330Ω:0.1μF MT330Ω:0.22μF MT330Ω:0.47μF

小容量時には同上で省略ッ。2次側の波形変化は大きいが・・・これも同上で省略ッ。F特調べりゃヨカッタとも思うが省略だ。

マッチングトランス一般の特性なのかどうかは、この一例だけで論じるのは拙速ですが、2次側高域特性の“劣化”はあるものの、容量負荷の影響が和らぐ印象です。しかし、厄介なのが待ってます。高域ばっか構ってたツケとも言える“見逃し現象”に絡む低域特性です。

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実験の後始末・・・低域安定性の不安

記述の時系列が前後する、ヤヤコヤしいお話があります。『付き合い切れぬ・・・』と仰るご訪問の方々には非常口をご用意しております。落ち着いて非難避難してくださいませ

高域「だけ」は運良く“発振”を回避できたのですが、1kHz以上の特性に偏った実験手順のツケで“見逃し”を招きました。

実はここまでの実験中に50BM8(P)の両Epが変動する現象を見ました。その日の最初に、一度は監視して230V内外を確認しておりましたが、高域安定性の実験に没頭してた数日間、未check。そして過日「260V?!!!・・・...。。。」・・・、DMMの電圧数値は一定せず、不規則な増減。対球のEpも同様で、ただし逆相ですな。

もしかして、超低域発振の兆候?・・・かと思ったのですが、SEPP出力監視のオシロ画面では大した揺らぎが無い。そういや見てる部位は負帰還ループ内の揺らぎでして、無帰還では・・・静定したのです。ただし負帰還トリマmin近くの、多分−10〜20db相当角度でも揺らぎは出てます。負帰還量との相関は追っかけてませんが、う〜ん・・・ナニが起きてるのやら。

“発端の提示”の意味で、↑現象が発覚?した「妥協3. 微分補償を足す」時点で調査した波形を掲げます。時系列の混乱はお許しを。

ジブンでも多分初めてだろうし、誌上・Web頁上でもまず拝見しない「増幅段間のDC変動推移」波形、上下50BM8(P)のプレート電圧です。SweepTimeが長い設定である点と、GNDレベル=V軸下限、及び「50V/Div」としたトコロはご承知置き頂きたい。

50BM8(P)の負帰還Ep ←注釈文字が小さいので補足、「負帰還≒−50db・無負荷」状態の波形です。

タマタマなのか“えげつない”変動が捕らえられましたが、ちィとも嬉しくない。大人しい時もあるが、だいたい画面後半の感じが多い。ただし周期性は無さそうで・・・過剰な負帰還に伴う発振(またはその兆候)とも思えません。

ch1は平均電圧演算値を表示してますので、VmaxとVmin値はch2同様に出てるワケです。
逆相で・・・。

波形描画直後に出たch1のVmaxは・・・ほどんどEbbなのですから、上側5極部はカットオフ状態です。こんな瞬間が見えるなんざマトモでわないぞ。

50BM8(P)の無帰還Ep 負帰還トリマを最小に絞ると、こうなる。

*** *** *** 思考停止 *** ( ゚ ρ ゚ )ボーーーー 

50BM8(P)の負帰還Ep・C替え 820μF出力コンデンサの「漏れ電流」を疑ったのです。

使用前に我が家のしきたりに則った「電圧処理・漏れ電流・容量」テストを経たものを実装してますが、同様テストを経た未使用820μFに置き換えてみました。

結果は似たよ〜なモン。

50BM8(P)の負帰還Ep・C替え330Ω負荷 掃引途中で330Ωを負荷した画面です。直後からではないが収束方向に。

820μFの「漏れ電流経路」の抵抗値が変った(減った)違いが現われたのだ、と解釈します。なお、330→167→84Ωへと負荷抵抗を変え、更に小さくはなることは見届けてます。

差動2段直結回路の“敏感さ”もあるのでは・・・DC利得が高い・・・とも思います。「初段カソード接地→カソード結合型位相反転」の直結回路方式で、初段カソードに負帰還される場合は、ココまで派手な電圧変動は起きないンぢゃないかな?、などと呟いてみる・・・。

余談ですがLUX・A3000は、差動3段直結!増幅だろう前段回路ながら“DC差動ゲイン”を巧妙に抑制してます。低域時定数が一つ増えてますけど。

負帰還電圧に、出力コンデンサの「漏れ電流」による不規則な電圧が乗った事が原因だとは思うのです。ただし、漏れ電流が1〜2桁少ない“フィルムコンデンサ”などに置き換えてみないと検証出来ないとも思います。ただし・・・そんなの持ってないし、買い集める気・・・起きない。

他の原因もあろうか・・・と、考えてはいますが・・・。調べ方わかんないし・・・8Ω直接負荷では軽微な現象なので放置しようか・・・。

OTL先達諸氏の作例中に、1kΩ内外の固定抵抗が出力端子内側に常駐しているのを見ます。完全な開放状態を避ける手法かとは思いますが、本機にも付けようかってな気持ちもあり舛。最終段階までには結論を出しましょう。

後知恵ですが、ナゾの「条件付き、無帰還時発振」の末尾で“「不平衡結合」型SEPP出力段は電源の揺らぎに弱いのかも・・・”と、雑感を書き込んでおりました。出力段も安定化すりゃ検証できそうですが、PMC350...は・・・空いてる。やる根性は・・・失せた。(20161208記)

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そんな悠長な事言ってられなくなりました。

「マッチングトランスを試す」冒頭で遭遇したのは、擬似抵抗負荷では問題ないと思われた低域安定性が、MT併用で損なわれた現象でした。文字にするのも忌々しいが「低域発振」ですな。そしてアンプ出力波形に“揺らぎ”として現われる以外にも、↑で述べた50BM8(P)のプレート電圧変動にすら絡むと、今頃気付いたのです。

再び“発端の提示”の意味で、現象が発覚?した「マッチングトランスを試す」時点で調査した波形を掲げます。時系列の混乱はお許しを。

出力信号波形は、「MT1次:1次1Vrms・1kHz以上」の条件では無負荷・負帰還maxでも静か(10mVrms台の出力波形観測時に、ちと揺れてたが)でしたが、1Vrms・1kHz以下の“掴み測定”で・・・10Hz手前から妙な揺らぎが発生。測定周波数の正弦波形にも”その周期”でゆがみ(下側波頭の欠け・・・波形SAVEは失念)が見える。

MTと共振?、それとも・・・ これは「激しく揺れる10Hz出力波形」では無く、入力を止めた後にも見えていた揺らぎを、更に低いSweepTimeで観測した、“発覚直後”のレア画像?です。Freq=591.7mHz・・・って。

しばらく放置しても、収束しません。一旦電源を切ってからの再試行で、1kHz・10Vrms(MTの1次電圧)でも再現する症状だと確認・・・。入力無信号でも残留するこの波形は、負帰還量トリマmin(無帰還)で消失しました。

更に続けた再試行のメモでは、負帰還maxかどうか定かでない設定で、MT1次:40Vrms/1kHzは安定。同:20Vrmsも安定。しかし同:10Vrmsで・・・揺らぎが再発しました。

発振の「レベル範囲条件」をうかがわせる結果ですが、「入力周波数範囲条件」も絡んでいるようなのです。実態の全貌は未だに“雲を掴む印象の按配の雰囲気”の感じ・・・。

このあとイキナリ「多重帰還型パッシブDCサーボ」を試しておりました。幾通りかの“試行錯誤”を経て、概ね↑の現象を抑え込むことには成功したようです。しかしそのプロセスが行き当たりバッタリでしたので、本頁で流れを提示できるようなデータ採取は・・・したけど支離滅裂。

道草実験かも知れぬし回り道でもありますが、「多重ナンタラ・・・」実施前の不安定な状態を再現させて、その実態を記録したいとデータを採ってみました。不安定な状態の再試ですから・・・再現性なども含め“不安定なデータ”だろうとも構わず・・・。

MT2次:4Ωタップに8Ω負荷の、1次:330Ω使用、負帰還トリマmax(1kHz時・−47.3db)です。左画像の1次・1Vrms/1kHz時は安定。

再現、1kHz/1Vrms出力 再現、10Hz/1Vrms出力 再現、低域発振出力+上Ep

中央は、同/10Hzで×秒後から揺れだして、どんどん酷くなって××秒後以降の×△□◎波形。右端は、入力信号を絞ったんだが×△□◎のままの再現波形です。SweepTime変えたのでご注意を。ch1は・・・タマがカットオフと飽和を繰り返してるだろう有様が・・・×△□◎。

ch1の周波数は・・・演算値All表示で読めるのですが・・・失念。約1.6s周期ですから、0.7Hzほどかと。「発覚」直後のアレに近似です。

次は同上条件下の“別視点”テストです。

左は、入力無信号時の50BM8(P)の上下プレート電圧波形。「25E5_NFB_exp5_maxNFB1.JPG」の暴れ方がウソのような静かさです。MT1次のDCR≒4.7Ωで、負帰還電圧に乗る“揺らぎ成分”が抑圧されたのだ・・・と考えています。これなら安心。

再現、無信号段間 再現、1kHz/1Vrms段間 再現、100Hz/1Vrms段間発振

中央は、MT1次:1kHzHz/1Vrms出力時の同波形。うっすらと入力信号波形の重畳が見えます。まだ平静な状態。右端は、同・100Hz/1Vrms出力で、発振が発生し上下Epが最大振幅まで成長する様を捕らえたもの。前掲「25E5_NFB_re-exp9_LowOSC.JPG」のch1波形は、コレのSweepTime違いをSAVEしていた訳ですな。

残念ながら、負帰還maxでは無信号時でも発振に至る“事がある”ようです。上記の幾つかで「安定」していたのはタマタマなのか、なにか条件が隠れてるのか・・・解っておりません。過剰な負帰還量そのものが全ての元凶なのだ、と言われればその通りなんでしょう。−40db負帰還に緩和(7dbほど)時での振舞いも幾通りか調べましたが、4Hz・1VrmsのMT1次330Ω出力では平静(段間の入力信号重畳に膨張は見られる)で、同3.2Hz時に発振しました。最終的な予定負帰還量≦−30dbは後ほどに。

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1kHz以上ばかり見てきたツケだ・・・と、今更ながら全帯域測定をしました。330Ω擬似負荷時で、入力10mVrms一定で調べた“利得”の周波数特性です。高域補償は***で得たそのまんまで、330Ω擬似負荷では最適なのかど〜なんだか。入力部には引き続き10μFを追加しており、ここでの減衰は計算上約0.16Hz・−3db・・・のはず。無帰還時の低域応答は段間時定数TL1≒16Hzが支配的だと解ります。

330Ω擬似負荷全帯域F特1 −20db程度ならまだしも−30db/-40db時では、既にンHz以下の読み取りが困難な(DS...のVrms数値も落ち着かない)揺らぎがあります。トリマmax(−47db程)のデータ採取は断念しました。

予定の負帰還量は、概ね−20db以上−30db未満と思われますが、TL1≒16HzとTL2≒0.33〜0.7Hzの想定スタガ比では何とも心許ない。OTL前作では段間TL≒32Hz以外に初段SGバイパス部でも狭帯域化しましたが、本機ではそこまでしたくない・・・。

−10db程度でも充分な広帯域に仕上がる、OTLならではのF特ですが・・・こんなに広げたら何か起きると考えます。

−40db負帰還時には、0.2Hzでも正弦波形が見られます。0.1Hzでは“揺らぎ成分”と入力波形との区別が付かず、DS...のRMS演算数値の小さい(落ち着いてる)時を拾ってます。再現性?信頼性?など、どーでもいーや・・・てな気分。なお、負帰還量が減ると、正弦波形を維持する最低周波数は上昇し・・・言い訳も空しいばかりなのでどーでもいーや。

やや過剰な-30db負帰還時の、各種出力振幅を調べました。40Vrms/330Ωでは4.8Wほどのクリップ直前出力で、かなり過酷な測定。

330Ω擬似負荷全帯域F特2 40Vrmsや10Vrms出力時などは、帯域端でドライブ段が先にヘタレます。過剰な負帰還による“段間振幅膨張”そのものだと承知でやってみましたが、測定範囲を更に広げるのが怖い。

40Vrms出力時の低域は、4〜5Hzほどまでは正弦波に見えるドライブ電圧波形を維持しおり、以下の周波数での波形歪みは徐々に悪化します。

高域は残念ながら16kHz→20kHzの間に急激なドライブ電圧と歪み増加がみられました。これ以上では更に悲惨な態。0.022μF+10Ωの補償が効き過ぎてる・・・と見てます。出力段のIb値も急増(84mA/10kHz→102mA/25kHz)。

−30dbではこんな広帯域に仕上がる、OTLならではのF特ですが・・・こんなに広げたら何か起きると考え、実際起きました。

「6V6シングル」以降で定番になった「デジタルオシロ・DS-5102B」によるF特測定は、広帯域ではあるものの、揺らぎ含みの数値読み取りにはまだ慣れません。Excelのグラフ作製機能も熟知してるとは言えず、無帰還F特のプロット点数と同じ測定を、平坦部分が広い負帰還時でもやってます。−40db負帰還など極論すれば、1Hz〜100kHz間は1decごとの6箇所だけ見りゃエエんだが。

ボヤキついでに・・・平坦部の読み取りなど、端折って“0.1”などに均しちゃえば真っ直ぐです。律儀にも“0.101”やら“0.098”などの演算値そのものを入力しましたから微細な凸凹として描かれ、ミットモナイなあ。

予定負帰還量に近い−30db時、3Vrms/330Ω擬似負荷出力時の50BM8(P)の上下Epの挙動を捕らえたもの。1Vrms出力では波形が小さすぎて解り辛いが、10Vrmsではタマが辛いので。

段間10Hz→5Hz→2.5Hz→1.2Hz 段間0.8Hz→0.4Hz→0.2Hz→0.1Hz 段間0.2Hz・All

10Hzでは重畳振幅の変化は見えませんが、8Hzあたりから何となく増えた感じ。ループ帰還量の減少の現われだと解釈します。藤井秀夫氏が述べられた「振幅膨張」です。なお、廉価FG...の発生周波数分解能が0.1Hzキザミまでなので、0.25Hzやら0.16Hzなどは解りまヘン・・・。

右端、見た中で一番デカかった0.2Hz時の段間振幅(=ドライブ電圧)は224Vp-pほどにも至ります。なお、5Hz付近で上下段間電圧の差が無くなる傾向を見ます。この辺り以上の周波数では振幅そのものが小さいので数値検証はしておりませんが、打ち消し電圧の嵩上げ分、上側の振幅が大きいのです。

今は本機入力部に10μFなどと極端な数値を足して、低域の挙動を見てますが、実用面ではもっと上で低域を制限し、こんな動作にはならないよう配慮します。ちゅうか・・・こんな調べ方の意義を自問自答中・・・。

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MT1次:330Ω使用時で、入力10mVrms一定で調べた1次側までの“利得”の周波数特性です。以下、同文で御座います。

MT330Ω負荷全帯域F特1 −20db程度でも最低域付近に凸が出来てます。−30dbなどは発振直前だろう感覚で、恐る恐る数値読み取りしたデータ採取。

−40dbでは発振覚悟を・・・でも耐えた。出力振幅が0.1Vrms基準の小ささで回避できたのかもしれませんが、この負帰還量で運用する気はさらさら無い。。

「完璧」ではないけど、“高域だけ”はまだマシな方か。そ〜いやマッチングトランス実験のF特は、2次出力しか見てませんでした。えらく難儀なコト想像してましたが、これなら安心です。ただし2次出力のF特はアレのまんまを甘受せねば。

負帰還量との兼ね合いも当然あるでしょうが、出力コンデンサとMTのインダクタンス“だけ”で生じた共振だと考えるのは安易過ぎる気がします。ただし、正しい挙動の理解には・・・全く至っておりません。試行錯誤で得た「多重帰還型パッシブDCサーボ」で得た効果の実態についても同様ですが。

入力→2次:8Ω負荷までの仕上がりをA=7倍(+16.9db)にしたら、なぜか目論み以上に過剰な-30db負帰還。今までの計算にチョンボあったのか?と凹むが、各種出力振幅を調べました。40Vrms/330Ωでは・・・以下同文で御座います。

MT330Ω負荷全帯域F特2 マッチングトランスの「磁気飽和」だろう低域制限が見て取れます。高域は遺骸意外にも330Ω擬似負荷時との差はなく、やや肩透かし。

このグラフでは1.2Hz時の凸を描きましたが、実際には1.6Hzに最大凸があると告白します。測定周波数の下降送りと上昇送りでは、応答が異なりました。降順数値を拾った、甘い見立てのグラフでしたな。

3行空けのために・・・こげなことを

予定負帰還量の−30db時、1Vrms/MT330Ω負荷1次側の出力波形と、50BM8(P)の下Ep挙動を捕らえたもの。3Vrms出力ではタマが辛い。

測定周波数とSweepTimeを変えて、凸近辺の振る舞いをSAVEしてしまい・・・提示波形の一貫性は失いました。ご理解の程を。

2Hz 1.6Hz降順 1.6Hz昇順

左端は振幅膨張が始まって、2割り増し?周波数時。中央は0.1Hzキザミで下降し1.6Hz時。右端は・・・更に下げた1.4Hzで可笑しくなった後、0.1Hzキザミで再確認した1.6Hz・・・なんで?。なお。1.7Hzにしたらゆっくりと収束し、2Hz時に近い3割り増し振幅に落ち着きます。なんで?。

さて、マッチングトランス使用で「起きてる事」は解った“つもり”でいますが、そもそも330Ω擬似負荷時でも、帯域端は危うさプンプン。高域は手順に自問自答しながら得た補償措置で大事には到らないだろう・・・と楽観。問題は低域端です。

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「前段部工作と全段回路実験」のアタマへ

多重帰還型パッシブDC?サーボを試す→実験終了

これで御仕舞いにしたい小見出し目次。○×△□$%&♪・・・と思われるご訪問者様には→→→非常口・避難経路をご用意しております。

「多重...」330Ω擬似負荷時
「多重...」MT330Ω負荷時
「多重...」尾を引く揺らぎは・・・
「多重...」負帰還量抑制策
「多重...」段間振幅膨張のおさらい
「多重...」段間振幅収束のおさらい
実験終了→完成

構想で取り上げた「多重帰還型パッシブDCサーボ」ですが、既に掴み実験は終了し、その効果を確かめております。クドいけど、段間時定数TL1をいぢるのはイヤなので、他の手が思いつきません。

マッチングトランス実験の初っ端で、W2-ST60のテストアンプに適否がある?と実感したことも思い出します。その際に“不適合”の根本原因(LC共振?と想像するも未検証)を突き止めておらず、本件との関連があるのではないかなと危惧しております。本機の出力コンデンサ(実測750μFほど)と、W2-ST60のインダクタンス(実測約1〜7H)との共振だとしたらイヤだなあ。

先立って試したのがこの数値。この時はまだ負帰還トリマmaxにコダワッてた頃かと記憶。

多重帰還型ナンタラ 例によって、マットウな計算せずに宛がった数値ですが、低域信号入力で起きる“発振”だけには効いた印象。

再び50BM8(P)のプレート電圧を見ますと・・・360V?と120V・・・。50BM8(T)カソードのDCバランスを目一杯寄せても280/180Vに留まり、著しいナニ?が起きてますな。←図中の1μFを短絡すると、元のバランス状態に戻ります。こりゃ下側50BM8(T)のRg値が2桁も増加した事による・・・グリッド電流の影響なのだ・・・と考えました。

470k+470kΩを100kΩに替えて、差動DCバランスの偏りは緩和され、何とかトリマでADJ可能な状態には出来ましたンですが・・・。

ここでまたまた恨み言を・・・。この「多重帰還ナンタラ・・・」はタマアンプにも云々・・・は、黒田徹氏のラ技連載記事中で知ったのです。しかしその〜・・・ンMΩ級をグリッドに使って、Igの影響はシュミレート出来んかったの?。てな恨み言。無理でしょうなあ、タマの個体差だから。

後ろ向き発言をもう一つ。“多重ナンタラ”をやりますと「直結増幅段間のDC変動推移」が悪化します。同じ負荷状態での比較ですが。

帰還電圧に含まれるDC近似領域成分が、殆ど100%初段下側球に入力されるのです。それが直結された2段差動増幅の結果、50BM8(P)のEp揺らぎを増加させるのだ・・・と理解しました。揺らいだEpは段間TL1や出力段TL2で遮断され、負帰還としての働きをしてくれませんし。なお、“多重・・・”無しでは負帰還抵抗で分圧されますから、特に無負荷ではその違いが大きい・・・。

「多重ナンタラ・・・」実験中 3回目? 後ろ向き発言はさて置き、オトシドコロの手探り中画像。

Sub基板に曲芸配線した「多重・・・」のCRと、シャーシ縁に移住した旧負帰還パーツ。この2種繋ぎかえで効果・副作用の比較してました。

↑の状態・・・黄色の蓑虫線が負帰還ライン・・・でやったのが「実験の後始末・・・低域安定性の不安」で“再現実験”した各種画像・グラフの

「多重・・・」が加わる負帰還回路定数の一桁下げ・・・もやりましたが、25E5(T)SEPPの330Ω負荷時の“40Vrms超印加”に耐えるには1kΩ/2W以上が必須。タマの着せ替えや多結SEPPなどの“出力増強妄想実験”では・・・?。そこで、RNF=2kΩの仮実験していました。周辺数値もソレに準じた変更を余儀なくされますが。

ここら辺りで“実際的”な−30db未満の負帰還状態のテストに移行し、以前からの負帰還トリマmaxでの追求を「諦め」たのです。40db超の過剰な負帰還でもコントロールできる・・・などと考えていた事を恥じ入るほかありません。2016年内の完成も諦め、「着せ替えシングルVer.3」などに逃避して・・・。

中断してた「多重・・・」の実験再開です。やや唐突ですが、掴み実験の中で得た“オトシドコロ”を元に組み替えてみましょう。

「多重ナンタラ・・・」実験再開 ?回目 負荷開放状態の「緩和」にしか効き目が無いかもしれない、負帰還定数の“1/5”化。出力端にソレ専用抵抗を設けた方がスマート?。

掴み実験で用いた小柄な1μF×3では不足なので、4.7μF品を新調。嵩張るがしゃあない変更です。

些事ですが、2.2kΩの帰還抵抗により裸利得は62.6db/330Ω負荷時に減少し、負帰還量は29.5dbに。いや、もっと減るかと思ったけど。

安価な1Wカーボン被膜抵抗を見つけました。2.2kΩの直並列により、90Vrms以上のSEPP出力電圧に耐える計算ですが・・・負帰還抵抗に電力を食わせることは良くないかも知れん・・・と、再び後ろ向きに。買っちゃったから使う・・・程度の理由付けです。おっと、打ち消し電圧を受ける2.2kΩも増強せねば片手落ちでした。

こ〜ゆ〜トコロは“高音質品”でなきゃ・・・などという趣味はございません。でも、酸金やキンピを選ばない理由はジブンでもヨクワカラヌ。
負帰還回路に可変抵抗を使うのはもっての外・・・との諸説あり?。いや〜気にしないし、平気。音の違い分からんから。

「多重帰還型パッシブDC?サーボを試す→実験終了」のアタマへ

多重9.4・段間無信号 330Ω擬似負荷時の、無信号時「増幅段間のDC変動推移」波形。

「多重ナンタラ」しないフツーの負帰還回路での同負荷条件波形(画面の後半部分)の方が、揺らぎ振幅は少ないのです。

←負帰還量トリマmaxではなく約30db負帰還時なのですが、悪化は歴然。ただし、実用面では8Ω負荷又は、MTの1次DCR≒4.7Ωで終端されるので、ここまで酷くは無い。などと弁明します。つまり・・・このままで進めるって事なんですが。

多重ナンタラ・330F これは330Ω擬似負荷・1Vrms時の低域F特です。大雑把な4.7μFと9.4μFの2種データですが、大差ないように見えます。どちらでも旧回路との違いは大きく、フツーに見れば「低域レスポンス」の劣化ですな。

“掴み実験”で決めた220kΩでは相当な容量を与えてコレですから、1Hz近くまでレスポンスを維持しようと思えば・・・47μFも要る?。かといって1MΩでは・・・初段のDCバランスが・・・てな駆け引きが困るのです。

う〜ん、OTLならではの低域の伸び」を求めるなら、失敗かも知れません。「10Hz以下など要らぬ」などと負け惜しみを言いましょう。

言い訳させて。・・・まだ、試行錯誤中なんだ・・・と。負帰還量過多も主因でしょうが、スタガ比配列も“習慣的選定”をしたにすぎないのです。旧回路で垣間見た「段間振幅膨張」を平坦に出来うる回路方式なのかどうかさえも、思い描けません。

予定負帰還量に近い−30db時、3Vrms/330Ω擬似負荷出力時の50BM8(P)の上下Epの挙動を捕らえたもの。
旧回路での「25E5_NFB_exp10_Interstage2.JPG」に準じた実験です。

多重9.4・段間10Hz→5Hz→2.5Hz→1.2Hz 多重9.4・段間0.8Hz→0.4Hz→0.2Hz→0.1Hz 「増幅段間のDC変動推移」が目立つので、0.2〜0.1Hzでは区別が付きにくいほどに「段間振幅膨張の抑制」に効いたのだと実感します。
低域レスポンスがアレだけ低下してるんですから、当然?。

多重4.7・段間10Hz→5Hz→2.5Hz→1.2Hz 多重4.7・段間0.8Hz→0.4Hz→0.2Hz→0.1Hz 4.7μF使用時に抑制が強い傾向は見えるものの、こんな調べ方ではなんとも。

また言い訳させて。・・・負帰還ループの中で低域レスポンスの抑制をやってる解釈なのですが、仮に外(入力部)で似た事やっても同様の結果になりゃあせェへんか?との疑念が湧きました。そ〜は考えたくないなあ。おっと、言い訳ぢゃ無くて“ボヤキ”でした。

「多重帰還型パッシブDC?サーボを試す→実験終了」のアタマへ

50BM8(P)のEp多重ナンタラ4 MT330Ω負荷時の、無信号時「増幅段間のDC変動推移」波形。コレくらい大人しけりゃ、心配する事無い。

8ΩSPを直接鳴らす際も、この程度だろうと考えます。

多重ナンタラ・MT330F これはMT330Ω負荷・1Vrms時の低域F特です。大雑把な4.7μFと9.4μFの2種データです。

あの凸は消失しますが、330Ω擬似負荷での下降カーブとは異なる結果です。しかしその違いがナニを意味するのかは解っておりません。

3行空けのために・・・こげなことを

予定負帰還量に近い−30db時、3Vrms/MT330Ω負荷出力時の50BM8(P)の上下Epの挙動を捕らえたもの。「多重・・・」無し旧回路、MT330Ω負荷では調べていなかった条件の波形で、330Ω擬似負荷時の流れで調べてしまった、チョンボ。周波数ステップも変えてしまい、画像・データに一貫性は失われるばかり・・・。

多重9.4・段間8Hz→4Hz→2Hz→1.6Hz 多重9.4・段間1Hz→0.8Hz→0.6Hz→0.5Hz 多重9.4・段間0.4Hz→0.3Hz→0.2Hz→0.1Hz

1.6Hzの段間振幅凸も、F特カーブ同様“消失”してます。なお、「多重・・・」無し旧回路、330Ω擬似負荷時では0.3Hzを見てなかった・・・が、0.2Hz時の段間振幅が小さくなったコトは確か。どうやら1.6Hz凸が、最低域付近に隔離されたかの印象です。

多重4.7・段間8Hz→4Hz→2Hz→1.6Hz 多重4.7・段間1Hz→0.8Hz→0.6Hz→0.5Hz 多重4.7・段間0.4Hz→0.3Hz→0.2Hz→0.1Hz

アソコの容量を4.7μFに減らしただけ↑なのに、妙なウネウネが出て気になります。

9.4μF時より低域レスポンスの犠牲が大きい分、“振幅膨張”の抑圧効果が高い・・・と思い込みがありましたが、その差は見えたが微々たるモノかと。加えて、なにか別件の厄介ごとが起きてると見ます。

予想外事象を見てしまったので追っかけてみました。本質を見誤ってる感じで、ナニカの糧になるとは毛頭考えられないが。

多重9.4・段間0.3Hz→8Hz 一旦9.4μF使用に戻って、最大段間振幅の0.3Hzから8Hz入力(特に意図してない周波数)への急変で、振幅が収束する様を見ました。収束後の90s以降も眺めていましたが、同様の平静が続きます。

・・・この波形へのコメントはまだ言い難い・・・。

4.7μFではこんなに↓尾を引くのです。以後、2種容量の比較を続けて調べてみましたが。

多重4.7・段間0.3Hz→8Hz 多重4.7→9.4・段間8Hz 多重9.4→4.7・段間8Hz→100Hz

...(゚∀。)アリャ?...

何やってんだか・・・多重・4.7μF時には妙な“プチ畝り”が潜んでて、気になったのです。100Hzでは平静でしたが・・・もう支離滅裂。

4.7μF時で、50Hz→40Hz→32・・・16Hzまでの周波数のステップダウン観測&SAVE。不鮮明ながら“プチ畝り”が増えてゆく様を見ましたが目立つ境目は見つからず、もう波形掲載をやめます。なお、入力を絞れば、いつでも平静に治まるっちゅうのもヤな感じ。

最後になって(気持ち的には、お仕舞いにしたい)イヤな物を見た気分です。「多重ナンタラ・・・」の効能書きとは別物なのか、ちょっと絡んでいるのか・・・あるいは・・・?。既に理解の埒外にあります。「負帰還回路に於ける過度応答の一種・・・」などと言葉を当て嵌めても慰めにもなりませんな。一部を垣間見たけど・・・追求する/無視する/逃げる・・・さあ、ど〜する。

「多重帰還型パッシブDC?サーボを試す→実験終了」のアタマへ

マッチングトランス使用で、低域での振る舞いがこれだけ異なるのは怖い。負帰還量の過剰が原因だ・・・と言われりゃその通りかも知れませんが、負帰還量の制限を要すならば安易にあてがうのは禁物なのだ、と考えます。

困った時の「武末先生文献」頼み・・・とはいったものの、SEPP・OTLにマッチングトランスをカマした文献は、2例しか存じ上げません。その中の「ラ技1971年11〜12号・50HB26高RL・・・」でも、“ソレらしい?不安定さ”を負帰還量の減少で取り繕ッちょりました。どんな不安定さだったかも詳細が不明です。あ〜あ・・・。

「ラ技1977年1〜2月・EC33C・SEPP・・・」では、当時のパートナー?である石井電機特製の70W級大型MTを駆使し、「2Hz」での凸発生を述べておられました。詳細は省きますが「コアの飽和主因の・・・」と。本機で困ってる事へのヒントに・・・まだ活きてない。あ〜あ。

余談(ボヤキ)はさて置き、思いつきの“その場しのぎ”策を。本機の過剰な負帰還量を頃合に抑制できると考えました。ただし“負帰還の量”なのであって、低域の不安定な振る舞いがどの程度改善できるかは・・・さて?。

・・・策の実回路 50BM8(P)の両カソード間の短絡を、220Ω挿入に置き換えてみましたが、もう少し下げたい。

右が、Δ-Y変換で見込まれる「単独カソード抵抗」の存在に書換えた回路です。交換が厄介な既設の470Ωを温存したまま、裸利得がイヂれます。

試行錯誤の末270Ωで約−3db減り、330Ω負荷にA=7倍にして、−26dbチョイの負帰還量に。微々たるモノかもしれませんが、ちょっとでも安定側に寄ってくれ〜・・・てな期待で。

黒田徹氏の文献中に、差動増幅回路での“電流帰還を意図”しているだろう図面を見たことがあります。もっと早くに気付いてりゃ・・・。

唐突ですが、ジブン自身が解りづらく(覚えきれん?)なったので、アタマん中の整理も兼ねて。

ここまでの「多重...」実験で掲げてきた50BM8(P)の段間波形は、330Ω擬似負荷出力までの仕上がりA=45(約33db)にした上で1kHz・3Vrms出力時を見ております。MT330Ω負荷では2次出力までの仕上がりA=7(約17db)にした上で、1次側出力電圧を同じく1kHz・3Vrmsに統一しております。ADJした負帰還量は同じく−30db近くの状態を得ています。ただし、入出力の低域レスポンスはソレナリに低下しますので、SAVEした画像の段間波形振幅と関連性を説明するのは難しい・・・。入力信号源であるFG-274のレベルは“1kHz時の設定”を変え無いまま10Hz以下も調べてますから、3Vrms出力条件は守られておりません。おお、ナニを言いたかったのか・・・@×%△□・・・。

多くの記述が曖昧だし、用語の省略が甚だしい・・・と、自身の未熟さを痛感する次第で御座います。

さて、前段利得のプチADJを含むMT330Ω負荷時の「多重...4.7μF」で起きたウネウネを再調査しました。

MT330・4.7μF・8Hz・2.2Vrms MT330・4.7μF・8Hz・2.2Vrms・270Ω付き 「多重...4.7μF」3.16Vrms/1kHz設定で。3Vrmsを変えたのは、出力電圧モニタのVP-7720A目盛り事情。

前段利得抑制270Ω付きで、ウネウネが減少・・・というか、段間振幅そのものも減ってるのです。意図・効果は認められたけれど、完治ではない・・・。

測定周波数の8Hzでは、MT330Ωの1次出力が約2.2Vrmsです。「W2-ST60・インダクタンス」グラフ上の「V/Hz≒0.275」は5.5Hチョイで・・・ただし、インダクタンス値とウネウネを絡めるリクツを捏造出来そうに無い。

MT330・4.7μF・8Hz・7Vrms MT330・4.7μF・8Hz・7Vrms・270Ω付き 「多重...4.7μF」ですが、視点を変えた10Vrms/1kHz設定で。

段間振幅は当然増えますが、ウネウネそのものは同じか若干大人しい印象です。270Ω付きとの違いは辛うじて見える程度。

測定周波数の8Hzでは、MT330Ωの1次出力が約7Vrmsです。「W2-ST60・インダクタンス」グラフ上の「V/Hz≒0.875」はインダクタンスが最大付近で・・・ウネが大人しい事と絡んでる気がしてなりません。

MT330・4.7μF・8Hz・14Vrms MT330・4.7μF・8Hz・14Vrms・270Ω付き 「多重...4.7μF」20Vrms/1kHz設定で。

ウネウネが見えません。270Ωの効果も見えません。

測定周波数の8Hzでは、MT330Ωの1次出力が約14Vrmsです。別途オシロでの波形観測ではトランス独特の波形ひずみなどは見られなかったが、「W2-ST60・インダクタンス」グラフ上の「V/Hz≒1.75」はインダクタンスが低下、飽和領域です。ウネが見えない事との絡みなどワカランくなりました。

1kHz・3Vrms以下の出力設定でのSAVE波形は、ここまでも掲示しておりませんが、段間振幅も“細く”なって、なぜかウネウネも埋もれてしまう・・・減るのです。無信号では先に掲げた『MT330Ω負荷時の、無信号時「増幅段間のDC変動推移」波形』に落ち着きますから、レベル変動との関連を疑いながら・・・ワカランまま。

MT330・9.4μF・8Hz・2.8Vrms MT330・9.4μF・8Hz・2.8Vrms・270Ω付き 「多重...9.4μF」3.16Vrms/1kHz設定ですが、容量の倍増で低域レスポンスが変りますから、8Hz時の1次出力は2.8Vrmsほどです。段間振幅はやや増加しており、これらは8Hzにおける負帰還量の目減りを表しています。

元々段間のウネウネが少ない9.4μFでは、270Ωの効能が見えづらい。

実は、SAVE波形の見た目・・・ウネウネの少なさから9.4μFの採用を考えておりましたが、まだまだ検討不足・・・妥協を強いられそうな事が解りました。

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負帰還量と段間振幅との絡みは解っていたつもりで・・・調べてみないとダメだなあ・・・てなことですが、出力上げたら・・・。

MT330・9.4μF・1kHz→100Hz→10Hz→9Hz MT330・9.4μF・9Hz→8Hz→7Hz→中止 270Ω付き「多重...9.4μF」20Vrms/1kHz設定から、周波数を下げてみた段間振幅の推移です。

8Hz時で既に段間振幅が上/下限に至り、出力波形が歪みます。7Hzでは飽和状態で、歪みは増すばかり。「多重...」の効きが及ばない領域なのだと理解します。

MT330・4.7μF・1kHz→100Hz→10Hz→9Hz MT330・4.7μF・9Hz→8Hz→7Hz→6Hz MT330・4.7μF・6Hz→5Hz→4Hz→3Hz

270Ω付き「多重...4.7μF」20Vrms/1kHz設定から、周波数を下げてみた段間振幅の推移です。

「多重...」の効きが9.4μF時より低い周波数まで拡大されたと見ます。10Hz以下での“負帰還量が増えた”or“負帰還量の減少が抑えられた”・・・解釈用語を捻くり返しても、低域の伸びを犠牲にしてるのです。

う〜ん・・・悩みます。20Vrms/1kHzはMT330Ω負荷に対し1.2W少々ですから、5W程の中域最大出力を思えばナサケ無い。安易にトランス介在を考えてたら、こんなにメンド臭いとは。ただし、目を瞑って黙っとく手もありますな。あるいは調べないまま、知らないままスル〜するとか。

なお、20db超の負帰還量そのものが元凶なのだ、との諫言にはホント耳が痛い。正直言や「OTL=高帰還」の呪縛がかかってるのでしょう。未だ解けておりません。まだ未熟なのさ・・・と、開き直ってみたい気持ちもあります。

↓はオマケ。330Ω擬似負荷で同じコトを調べてみました。

330・9.4μF・1kHz→100Hz→10Hz→9Hz 330・9.4μF・9Hz→8Hz→7Hz→6Hz 330・9.4μF・6Hz→5Hz→4Hz→3Hz

330Ω擬似負荷ですと「増幅段間のDC変動推移」が揺らぎますのでこんな風↑に。ただし、段間振幅の膨張は穏やかなのだとわかります。MT330Ω負荷時で入力中止前に見た崩れた波形とは異なり、3Hz時でも330Ω擬似負荷では正弦波形を保っております。段間波形が正常なので当然ですが、MT使用で加わる低域特性の厄介さが無けりゃ、高レベルでも「多重...」の効果がよ〜く感じられます。

「多重帰還型パッシブDC?サーボを試す→実験終了」のアタマへ

まだ終りません。「段間振幅の収束」が、270Ωの有無で変化するや否や・・・。

MT330・4.7μF・0.3Hz→8Hz MT330・4.7μF・0.3Hz→8Hz・270Ω付き 再び「多重...4.7μF」3.16Vrms/1kHz設定です。前回SAVE波形の再現性確認の為、引用せず再実験波形と、270Ω付きを。

同じく尾を引いてたのが短くはなった様子。でも270Ω付きは段間振幅減少を伴うので、収束時間“だけ”に効いてるとは言えんか・・・。

なお270Ωナシ0.3Hz→20Hzでは収束はチョッピリ早まった程度。同→100Hzで収束が10s未満に短縮しました。で、それがど〜した、てな。

MT330・9.4μF・0.3Hz→8Hz MT330・9.4μF・0.3Hz→8Hz・270Ω付き 再び「多重...9.4μF」3.16Vrms/1kHz設定です。前回SAVE波形の再現性確認の為、以下同文で御座います。

短かった尾は更に短く。でも皆無ではないし、結局は負帰還量との絡みが見えたに過ぎないのでは・・・?てな的外れ感がむなしい。

なお270Ωナシ0.3Hz→20Hzでは収束は5s程に半減。同→100Hzでは収束が更に半減しました。で、それがど〜した、てな・・・。

330Ω・4.7μF・0.2Hz→8Hz これは330Ω擬似負荷時の「段間振幅の収束」を、初めて見た波形です。片手落ちだったと思いまして・・・。

しかし、MT使用時みたいには段間振幅膨張しないのです。ヤケクソの20Vrms/1kHz条件で調べましたが、意味無かった。0.2Hz→8Hzで見えたのは差が少ない段間振幅の“境目”でナニか揺らぎが変った?くらいの・・・。330Ω擬似負荷で常態化してる別件揺らぎが邪魔なのです。

う〜ん・・・悩みます。270Ω付き(負帰還量抑制)で得られたのは、MT330Ω負荷3Vrms付近でのウネウネ緩和だけ?。もっとパラメータを増やして、更に多くのデータを得ればその中により最適解があるのかもしれませんが、妥協条件も増えそう。

この「段間振幅の収束」用語の是非は置いといて、2種の容量値の違いでなぜ異なるのかは全く理解の埒外であります。良く見られる「方形波応答」のリンギング収束に似たイメージを感じますが、発生メカニズムに同じ考え方が出来るのでしょうか。解りません・・・。

まだ言い訳させて。低域F特カーブと段間振幅の増減で判断したのは、ソレしか考え付かなかったからなのです。別の視点もあるかもしれませんが、いったいどんな「測定方法」で「ナニを調べたら」確認できるのやら。

「多重・・・」のなんたるか、を正しく認識しないまま試しているのでと更に言い訳しつつ、黒田徹氏や藤井秀夫氏が意図された“ような”結果を得る事は可能だと結論します。しかし変更・追加したパーツの選定には、イマイチ洗練さに欠けるなあ・・・とも感じています。次作以降でちっとはマシにしたいモンです。

負帰還アンプの段間振幅にかまけ過ぎたかと存じます。初めてのアプローチなので・・・と堪えてくださいませ。

なお「30MP27・低負荷OTL」製作時既に“知識として”承知のことではありましたが、正直言えば知っててスル〜したのです。今更調べるのは怖いなあ。本機よりキツい30db超の負帰還量ですから・・・。

「多重帰還型パッシブDC?サーボを試す→実験終了」のアタマへ

多謝

回りくどい記述にお付き合い下さり、感謝の気持ちを申し上げたいと存じます。

調べてみたかった「思い付き実験」はこれでお仕舞いです。他にも見るべきトコロが残っとるぞ!・・・とのご指摘はあろうかとも思いますが、別件への目移りも始まっており、精神構造は破綻しつつあります。よって、正気を保っている間に残るRch前段回路を組み上げ、2016年中の完成(目標)へと進みます。・・・スピード感を持って取り組みたいと存じます。おお、都合のイイ言葉だなあこれは。

2016年中に完成を目指しておりましたが、早い話・・・挫折。一時「着せ替えシングル Ver.3」に逃げておりましたが、それも終わったので戻ってきました。もう2017GW完成に目標を先送りしたい気分です。

前言撤回:GWの完成を目指しておりましたが、情けない話・・・「2T81シングル実験」でも道草食ってました。もう完了目標は掲げない。

ボヤキだらけ:自身の経験・技量では“高級”過ぎた回路・手法他を選択し、ついでにネタを盛り込みすぎた事を反省しつつあり舛。やたら多い部品点数もチョンボ多発の一因で、瑕疵一か所につき平均〇一日のロス。言い訳が多い本HPなのですが、記述の順番やら説明のための波形・図表・・・そして肝心の文章表現にも腐心しているのです。苦しい言い訳だなあ・・・。

これは・・・書かずに隠蔽しようかとも悩んだのですが、こんなに苦しんだ楽しめたのですから吐露したい。

DS-5102導入後に標準測定項目になった、ON/OFFテストのひとつ。SP出力端子ではなくSEPP出力線の対地DC電圧の挙動です。SPから聞こえるはずの(聞いてはいないが)ポップノイズ元です。

SEPP出力線電圧のON挙動 ON時は左右違います。OFFはSAVE忘れたのですが、左右揃ってフツーの電圧下降カーブ。左右chの時間差と、Rchの“オーバーシュート”がイヤだなあ。

前段管50BM8(P)のEp変動も絡むかもと考えましたが、段間0.1μFの接続を外しても変化なし。そして次にバイアス回路の充電時間差を疑いと、ちと厄介なのです。DS-5102Bでは、SEPP下側のバイアス電圧偏移しか左右同時監視出来ない。

そこで・・・コンディションテスト回路をプチ改造して、各球のIb起動タイミングを先に調べます。そして速いEF組(Rch)と遅いBC組(Lch)の差を見つけました。

テスト回路のプチ改造は、カソードの1Ωを470Ωの自己バイアス抵抗に替えたのです。バイアス電源不要で、25E5×4本のH点火と同時に、別途Ebb≒170Vも印加。Ib≦50mAに至る動作状態です。25E5のthw後に現れるカソード電圧の挙動で判断できると考えたのです。

その結果をDS...でSAVE↓しました。4chオシロ買ってりゃ4本分一緒くたに見られるんだが・・・とプチボヤキも。

EF組Ib起動 速い起動のRch・EF組。この2本でも差があります。

一番速いE球を、SEPPの上側に挿してます。もしかして、あのオーバーシュートは・・・。

EXTトリガソースは、テスト回路のEbb≒170Vの抵抗分割電圧です。画面左上の「T」ポジションでONしてるワケです。ちなみに各球のRk=470Ωはバイパスしておりませんから、Ib=Ikの推移を正確にとらえてるはず。

BC組Ib起動 遅いLch・BC組で、この2本には更に差があります。

一番遅いB球を、SEPPの上側に挿してます。オーバーシュートしてない方・・・。

いやはや・・・中古球だからこんなモンさ・・・と、諦観して良いのやら。こんなコト調べてる前例を存じ上げませんので、半信半疑の結果です。

本機と同じく4本分のHを、22ΩのNTCサーミスタ2個で挟んでますから、thw:11秒規格は遅れて当然だとは思います。しかしH電圧のAC波形を遅いSweepで観察しても「ミイラケミコン&タマの試験」近似のが見えるだけ・・・4本の起動時間差を推し量るような違いが見えません。H電圧より各球のカソードに個体差があるのでは?と考えますが、理解の埒外。

RchのEF球差し替え RchのEF球を上下差し替えて左右出力線電圧の起動波形を。もちろんバイアスは再ADJ。

左右の起動時間差は変わりません。Rchのオーバーシュートは緩和の傾向が見えただけで、期待外れ・・・。之以上乃追及葉あっさりと諦めます。

本件のどこかで掲示してたかも?・・・と思っててしていなかったのが、50BM8(P)の「ON直後」からのEp電圧推移。230V±10V以内に静定するのですが、25s未満の間は・・・+400Vに張り付いている“だけ”ではありません。差動2段直結の厄介さを思い知らされた一つなのですが、未掲示のままコレは隠蔽しましょう。

これも確かめていて、いままで“放置”していた事なのですが、打ち消しCの「逆充電」状態。SEPPの中性点(出力ライン)のDC電圧は、OFF後の急降下でもGNDまで下がりきらないのです。出力Cの主要放電経路である出力管が早くにエミッションを失うようで、以後だらだらと数Vを維持します。そして先に前段部電源電圧が0Vに落ちるので・・・と、まあ七面倒臭い説明は気が引けます。ただし、これは片chだけの実験中に、+400V電源への片ch分の疑似負荷抵抗を加えて行った事がウラメに出ただけだと判明しました。両ch動作では疑似負荷を与えないので連続放電は無く、50BM8のHが冷めると放電経路を失うようです。結果+400V電源は、OFF後もン10Vほどが残留して打ち消しCへの逆充電は避けられたっちゅう・・・ホニャララ。

古来からの打ち消し回路に、そんな原理的瑕疵があろうはずにゃあて。ただしコンデンサ前後の電圧関係推移に無頓着ではマズいなも?。

租テスト 大まかな電気的チェックをしました。詳細は(2)頁目で。

Nois(ハム)と最大出力の差は気になりますが、それぞれ50BM8と25E5の個体差だと感じます。左右球入れ替えテストでの裏付けは・・・取ってませんが、前段のみの平衡出力Nois(ハム)は左/右、54/107mVrmsでしたので、そのまんまの按配です。

270Ω云々は「多重...」負帰還量抑制策で用いた、50BM8(P)の両カソード間に挿入した抵抗です。

左右chが組み上がった全貌です。オモテ画像では、前方コーナーの90mmメタルスペーサを外して撮影しました。

ウラ オモテ わざわざ書くことではないと承知で・・・。出力管はすべて@Gピンが後ろ向きで、左右対称配置ではありません。

前段管もそれに倣おうかとも思いましたが・・・Rch側の組み上げ初期に豹変しました。Lchの50BM8は@Hピン側が前面向き、Rchは後ろ向きです。前段回路部品だけシャーシ内部配置を対称化して、このためだろう錯誤(チョンボだす)を経て完成。わざわざ書く意味無いな。

だらしない配線は気になるのですが、製作プロセスの・・・ええと・・・その・・・これで良しとする。実験機要素が濃いのだから、と我田引水の正当化をします。ガマン出来なくなったら整理しますから、と逃げ道作って。

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偏った実験を楽しで苦しんでます。“本末転倒”の自覚もあるのですが・・・習い性なので。このネタだと、まだまだ楽しめ苦しみます。
音がど〜こ〜とは無縁の趣味だ。

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